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始まりはシャンパーニュ
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ドン・ペリニョン 2008
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与謝野米のリゾット
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トピナンプールのブルーテ
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ドメーヌ・ラ・トープ スラン
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タキノ酒造 丹（に）
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大地と海
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卵黄とウニのソースにくぐらせて…
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恵み Before
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恵み ばりばり～っと豪快にくずしていただきまーす
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温かパン
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ミネラル 滋味深い
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熟成シャサーニュ・モンラシェ カイユレ 2006
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肝ロワイヤルはふるふる
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フェルマータはスダチでさっぱり
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ドメーヌ・ヴィレ コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ サン＝モーリス レ・コロナード 2000
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但馬牛ランプ
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但馬牛 炭火焼
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フォークはクリストフル ナイフは
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なんと！鴨出汁中華そば！！
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ドニ・モルテ ジュヴレ・シャンベルタンVV 2009
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シャインマスカット レモン、生姜コンフィ
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AOPイズニー・サント＝メールのフロマージュ・ブラン
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マルコ・サラ ヴェルドゥッツオ
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ヴュー・マール リースリング ケフェルコフ 1989
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焼きたてフィナンシェ
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フレッシュハーブティ
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生きてることに感謝したくなりますww
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京都・祇園。
と聞くと、”和”のイメージでしたが
「オープンしたその年にミシュラン1つ星獲得」という
芦屋ですでに名声の人気フレンチ、
KOSHIMO PLUS小霜浩之シェフのカウンターフレンチ、
祇園 呂色へうかがうことができました。
多くの人が訪れる祇園の街、
ビル5階へあがるとそこは呂色（日本の色：漆のような黒）の世界が広がっています。
漆黒のカウンターにすべるように案内され席に着くと、
そこから始まる小霜ワールド・・・、
否、コズミックというほど神秘的で想像力がかきたてられるディナーが待っていました。
まずは・・・、と見せていただいたメニュー。
ポツンポツンと単語が並びます。
感謝
水面に気泡があがって、輪が広がる様を模したようなひと皿。
与謝野米を使用したリゾット、
お米料理です。
オリーヴオイルで軽めに、少し固めに仕上げられていて、
塩麹と
オレンジの風味があり、
ペアリングのシャンパーニュ、ドン・ペリニョン 2008の
長い熟成により得られたコク、香ばしさ、深みとよくあいます。
魚卵は我が家でもいただくけど
ワインとあわせるのは難儀です。。
が、塩麹が要かな、
イクラの華やかさが口にひろがり、シャンパーニュがさらに盛り上げる。
ワインペアリングの勉強にもなります。
まだ食事は始まったばかりというのに、
すでに感謝の気持ちが沸いてきましたww
出会い
菊芋のブルーテ
セージの香りをつけ、ピンクペッパーがアクセント。
滑らかな舌触りに土の香り。
動物も野菜も、土の上で生きているんだなぁ・・・、なんて感慨深い。
さらにペアリングワインにはドメーヌ・ラ・トープ スラン
土の香りを持つと言われるソーヴィニョン・ブラン。
いわゆるヴァン・ナチュールと呼ばれるワイン。
ぴちぴちっとした発泡が感じられペット・ナットかと思いきや、スティル（泡なし）ワイン。
お料理とワインのキャラクターがあわせられていました。
大地と海
キャビア＆卵とウニソース
バルト3国のひとつラトヴィアのオシェトラ。
小粒で濡艶感はまさに呂色。
1/3をそのままいただき、穏やかな味わいを堪能。
そしてソースは卵黄とウニの濃厚なもの。
舌に自然に馴染み鼻腔に上る豊潤さ、
余韻の甘さと塩気をまとった旨みが存在を確かにします。
こちらのお料理には
滝野酒造 丹（ニ）
亀の尾を使い、仕込み水を多くしたアルコール度数低めの日本酒でした。
優しくて繊細な甘みを持つ日本酒がまたお料理と一体となって
舌を甘やかしているようですww
恵み
季節野菜の無水調理
鮮やかにも繊細なグラデーションの釉薬が施されたお皿の上、
さらに器となっているカップには薄くスライス揚げたノーザンルビー。
マイクロマッシュルーム
まいたけ
そこには赤いピュレが、
真ん中にはかぼちゃのピュレが施されており、
なんとこのお料理、
上からフォークでざくざく潰して混ぜ合わせていただきました。
それぞれ野菜の食感と旨みが調和し、楽しくて美味しい。
ここにペアリングのワイン、
ダリオ・プリンチッチ
ファヴォラ 2016
ぶどう6種類遅積みし、
「もしかして貴腐交じってる？」と思わせる芳ばしくて複雑な味わいがまた
恵となって体現そしてお料理と調和されるものでした。
ミネラル
鮑と鴨茄子
貝の出汁を加えたブールブラン（バター）ソース、
パセリで香りを整えたもの。
和食との違いは火を加える時間とのこと。
最初の数分で止めることによって、鮑の柔らかさが保たれる。
ぷるぷるですっ。
磯の香りをまとい、
クリーミーでほどよくリッチな味わい。
ここに大好きなブルゴーニュワイン、
ルイ・ラトゥール
シャサーニュ・モンラシェ プルミエ・クリュ カイユレ 2006
でペアリングです。
白ワインは若い方が好みですが、
やはりこういった熟成感をともにできるお料理になかなか出会えないから、ですね。
14年の熟成を経た白ワインはナッツや蜂蜜のような熟成感もありつつ
お料理をさらにスパイスを加えるよう。
素晴らしいです。
あ、まだ鮑は終わりませんww
影
肝ロワイヤル
鮑の肝を使ったいわゆる茶碗蒸し。
鮑そのもののぷるぷるとは異なるプリンのようなふるふる具合。
舌になめらか、口いっぱいに滋味が広がります。
フェルマータ
小休止で氷菓子、
スダチのシャーベットをいただきました。
いよいよクライマックス！
生命
但馬牛ランプ炭火焼
黒しめじ ニンニクのコンフィをフォークで潰しソースのように、
ステーキといっしょにいただきました。
ぎゅぎゅっと噛むごとに流れる肉汁が喉ごしよくてww
旨みが余韻として残り、
これだけのヴォリュームなのに重さはまったくないのが嬉しい。
ペアリングワインもタンニンよりもフルーツ味、
ドメーヌ・ヴィレ
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ サン＝モーリス レ・コロナード 2000
20年も熟成しているというのに若々しいチェリーレッド。
味わいも果実が生き生きとして生命力にあふれています。
お肉にフルーツ（もしくは生命力？）を添えてくれるようなペアリング。
お肉、ワイン、お肉、ワイン・・・、とずーっと続けていたくなります笑
ちなみにカトラリー、
フォークはクリストフル、
ナイフはラギオール、
もしくはティエール、アラン・ミクリデザインのもの。
（今からでは入手できないらしいです！）
フランス人が誇るイッピンです。
結び
なんとラーメン、中華そばです！
麺はセモリナ、
コンソメは鴨で。
あっさりしつつも鴨出汁の旨みがどっかん。
歯ごたえしっかりの麺に目が醒める想いです。
ところがまた夢かうつつか、
ペアリングワインはなんとドニ・モルテ、
ジュヴレ・シャンベルタン 2009
なんということでしょうーーー。
佐橋シニアソムリエの遊び心か。
思わずガッツポーズをとってしまいました。
共鳴
シャインマスカット、レモン、生姜コンフィ。
そしてAOPイズニー・サント＝メールのフロマージュ・ブランのアイス。
フレンチの締めくくりはデザートですが、
わたしはチーズも食べたい派。
でも胃が小さいのであきらめることも多いのですが、
こちらではデザートでチーズもいただける嬉しいお計らいです♡
ふたつのデザートを一緒にいただけばそれぞれに高まる、まさに共鳴されていました。
はい、
もちろんペアリングワインがあり、
コッリ・オリエンターリのパッシートワイン、
マルコ・サラ ヴェルドゥッツオ
華やかな香りでしとやかな甘み。
祇園の舞妓さんのイメージでしょうか。。
焼きたてフィナンシェは
プレーンと柚子。
熱々ほやほや。
サクッと表面は軽くクリスピーで、
中は湯気が出そうなほどしっとり。
軽い塩味にバターの風味が贅沢です。
最後のペアリングはヴュー・マール
リースリング ケフェルコフ 1989
クリアな蒸留酒、
リースリングらしい華やかな香りを持ちあわせ、
強さだけじゃない癒しも感じさせてくれました。
最後の最後は
梶谷農園のハーブティー
レモングラス
レモンバーバラ
ミントなど５種類をブレンド。
爽やかでフレッシュ、
ドライティにはない息吹が体内に取り込まれるようです。
お食事が終わってみると・・・、
小霜シェフワールド、
どころかコズミック観に触れられたことに、
お腹もいっぱい、
心も大きく満たされていました。
最初に見たメニューには単語が並べられているものでしたが
食事の終了時に謎解きのように、
いただいたお料理が記されたもう1枚の紙が重ねられ
3次元にコースの全容を見ることができ、
こういうことだったのか・・・、と反芻。
想像力を掻き立てるお料理にあわせた貴重ワイン、希少日本酒のペアリングは、
これまた未知との遭遇。
細やかなサービス、ご配慮をいただいたこの時間は
祇園という新しい小惑星に出会ったかの感動でした。
上質な時間を祇園で過ごしたい、
まさに『呂色へうかがうために京都を訪れたい』と思わせてくれる体験でした。