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1回
昼の点数：4.5
2023/12 訪問
昼の点数：4.5
ガシガシ噛む私的「日本三大昼蕎麦」
2023/12/03 更新
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名古屋に勤務していた十数年前、中村区の江川線沿いにあった『満留賀』という蕎麦屋に頻繁に通っていた。席はコの字型のカウンターだけ。BGMはなく、界隈で働く人たちが黙々と蕎麦をすすっていた。甘辛いだしがクセになる、冷やしたぬきが好物だった。
一緒に通っていた先輩は、「日本三大昼蕎麦というものがあるとすれば、名古屋の満留賀、岐阜中警察署至近の更科、そして浅草角萬だよ」と教えてくれた。時を経て、訳あって浅草界隈に住むようになり、ふとあの先輩の言葉を思い出した。
師走に入ったばかりの土曜の昼過ぎ、店が見えると３人が外で待っていた。でも、回転が早いのか１０分も待たずに入店できた。先輩曰く、この店では「冷やし肉南蛮の一択」。わたしは生玉子を、同行者はお揚げをトッピングした。
麺は四角くてガシガシとした噛みごたえ。バラ肉とクタクタになる少し手前のネギに、出汁の味が沁みている。満留賀や更科に通じる甘辛の出汁がクセになる。途中で七味をかけて味変するのも良い。個人的には、トッピングは揚げの方が正解だったように思う。あとから入店してきたアニキ三人衆も、揃って「冷や肉大、お揚げ」だった。
今はなき名古屋の名店のことを、そしてその時代に机を並べた同僚のことを、ふと思い出した。人並みに歳をとったなあ、と感じ入ったのは、一年が押し詰ってきたからだと思うことにした。