lapo_elkannさんが投稿したアピシウス(東京/有楽町)の口コミ詳細

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アピシウス日比谷、有楽町、銀座/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.6

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.6
      • |酒・ドリンク 4.6
1回目

2024/07 訪問

  • 昼の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.6
    • | 酒・ドリンク4.6
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

Joyeux Anniversaire de Mariage 4 Ans

2024.7.3
今年の結婚記念日は「アピシウス」を訪問。

当店を運営するのは「(株)アピシウス」。「(株)アペックス」という紙コップ式自動販売機オペレーターが運営母体となっております。同社の二代目社長にして美食家であった森一氏が、日本一のレストランを作るという、気宇壮大な目標を掲げ1983年に当店を創業。

ちなみに店名は、帝政ローマ期の食通にして料理人のマルクス・ガビウス・アピシウスに由来。彼曰く、この世で一番の風味はフラミンゴの舌だそうです。

インテリアはアールヌーボー様式。更に森オーナーが蒐集した、マルク・シャガール、アンドリュー・ワイエス、ベルナール・ビュッフェ、モーリス・ユトリロ、ポール・ギヤマンの原画がフロアを彩り、宛ら美術館か貴族の邸宅のような佇まい。日本のグランドメゾンの歴史を作ってきたお店に緊張しつつ、久々にゲストが品定めされる感覚を味わいます。

席に着き、まずはシャンパーニュで喉を潤します。フレッシュな果実味、豊かな酸を感じられるパルメで乾杯。

グラス片手にメニューを眺め、当店のスペシャリテを3つ注文。完全アラカルトでも対応できる懐の深いお店です。

直ぐにオリーブが供されます。中にはアンチョビが詰め込まれており、程よい塩味でパクパク食べてしまい、気づけばパルメもなくなっておりました。

アミューズはタコのアヒージョ、と言われましたが見た目は完全にマリネ。しかし、器はほんのりと温かく、タコを食べればなるほどアヒージョです。胃を温めて次の皿を待ちます。

パンは3種。外注だそうですが、小麦の香りもよく味わいはなかなか。外注先が気になります。バターはカルピスバター。うーん、パンを外注するのもそうですが、ここはもう少しこだわりがあってもいいように感じます。

さて、スペシャリテ一皿目は雲丹とキャビア、野菜のクリームムース、コンソメゼリー寄せ
。カリフラワーのムースで包んだ北海道産雲丹とキャビアをビーフコンソメで寄せたこの一皿は初代料理長の高橋徳男シェフが考案したメニューで、レシピも当時のまま。

カリフラワーのピューレから作られたムースの中には、雲丹とキャビアがびっしり。ムースを囲むコンソメはゼリー仕立て。コンソメとは思えぬ奥行のある旨味が広がります。プルプルゼリーとさっと淡く溶けていくムースの軽やかな食感の対比が楽しい。そこへ雲丹とキャビアによる力強く豊かな旨味が訪れる、スペシャリテに相応しい一品でした。

合わせる一杯はヴァインバックのミュスカ。ドライでありながら、甘く熟した風味とミネラルをしっかり感じられます。雲丹やキャビアの強烈な旨味や塩味に、甘味や酸味ある一杯で合わせ、キレを良くする意図を感じられます。

次のお皿も当店創業時から不動のスペシャリテ、ウミガメのスープです。ワシントン条約によりアオウミガメの漁獲は厳しく制限されていますが、小笠原では年間135頭の漁獲枠があり、なんと当店は年間12頭も購入しているというから驚きです。甲羅ごとぶつ切りにしたアオウミガメを、3日間かけて煮込んでアクを引き、仕上げにシェリー酒を加えた一皿。

見た目は琥珀色で高貴な輝きを放っています。味わいは重厚長大で途方もなく清澄。二律背反する味わいにただ感嘆します。原料の調達ルート、調理ノウハウ含め当店でしか堪能することのできない唯一無二のスープでした。

この尊い液体にはアモンティリャードを。創業時から変わらない、歴史あるカップリングは記念日に相応しいと言えるでしょう。

続くスペシャリテは(これも凄い言い回し)、ロシア料理に起源をもつビトーク。ビトークとはロシアから伝わったフランス風のハンバーグを指しますが、アピシウス風は挽いた肉の表面だけに焼き目をつけ、その下にはフォワグラ入りのバターライス、煮詰めた白ワインやマスタード、玉ねぎをバターで乳化したソースと、ポテトフライを敷いた一皿。

牛挽肉は黒毛和牛のロースを惜しげもなく使用。表面だけ焼き、芯はミ・キュイにすることでステーキよりもしっかり脂の旨味を閉じ込めています。狙いはよく理解でき、間違いなく美味しいのですが、やはりグランドメゾンですので、シンプルにロッシーニにいけば良かったかなと後悔。ロブションのほぼ食べ放題ロッシーニが脳裏にチラついた瞬間でした。

ビトークには2012年のショーヴァン。果実味やミネラル感たっぷりでタンニンが柔らかなミディアムボディ。ビトークのややあっさりした仕上がりにはミディアムボディ位が丁度いいですね。

さて、チーズワゴン。フロマージュブラン、ミモレット、ブリドモー、ロックフォール、シェーブルをチョイス。合わせるのはオレンジワイン。柑橘系のフレッシュさや苦味が、個性あるチーズを受け止めてくれます。

チーズと共に供されるノアレザンとイチジクが美味しい。ケーキに余力を取っておくはずが、思いのほか食べ過ぎてしまいました。

続いてワゴンデセール。3つくらいに留めようかなと思案していると、妻が全て食べるというので、私も付き合うことに。この日はマンゴーのムース、杏子、佐藤錦、イチゴとピスタチオの各タルト、パイナップルのロールケーキ、プリンという構成。記念日なのでメッセージも書いてもらいました。

隠れたスペシャリテというブラックペッパーのアイスクリームに、マンゴーとカシスのソルベもオーダー。ブラックペッパーによる意外性のあるアクセント、目の覚めるような酸味を感じさせる夏らしいソルベと、お口直しまで手が込んでいます。

食後に妻がハーブティーを所望すると、ハーブ各種を試験管に入れた印象的なプレゼンテーションを受けます。

エスプレッソとミニャルディーズで〆てご馳走様。

記憶に残る楽しい記念日となりました。煌びやか空間、歴史ある料理にそれを支えるサービス陣と、美食家に支持されるのも納得。どんなシチュエーションにも対応できる懐の深いお店ですが、やはり特別な日にこそ利用したいお店ですね。充実のグランドメゾンでした。

  • 外観

  • タコのアヒージョ

  • カンパーニュ、チャバタ、シャンピニオン

  • 雲丹とキャビア 野菜のクリームムース コンソメゼリー寄せ

  • 小笠原母島の青海亀のコンソメスープ シェリー酒風味

  • 国産黒毛和牛ロース挽肉の半生ステーキ ビトーク アピシウス風

  • フロマージュブラン

  • ミモレット、ブリドモー、ロックフォール、シェーブル

  • ノアレザン

  • ブラックペッパーのアイスクリーム、マンゴーとカシスのソルベ

  • パイナップルのロールケーキ

  • エスプレッソドッピオ

  • ミニャルディーズ

2024/07/17 更新

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