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お店外観。目立たない扉と狭い階段。
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階段の様子。真っ黄色な壁面にエキゾチックなペイント。何も知らず、通りががりにこの階段を下りれる人はなかなかいないだろう。
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ノンベジミールス アンリミテッド(ランチタイム)2000円税込。
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左上から時計回りにジャガイモのポリヤル、カードチリ、レモンピックル、アッパラム(揚げ煎餅)チキンのコロンブ(カレー)。
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左上から時計回りにクートゥ、ジャガイモのポリヤル、チキンカレー、マトンカレー、もう1種のチキンカレー。
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途中でラッサム左とパヤサム(デザート)右を持って来てくれた。パヤサムはスパイシーなライスプディングみたいな感じ。
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卓上の塩?ボディ(豆の粉)?…奥と、カードチリ(唐辛子を塩とヨーグルトで漬け、乾燥させたもの)…手前。
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カードチリは割って、中の種を後半に味変で料理に混ぜてみた。
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細い階段からは想像できないほど広くて、綺麗な店内。
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ミールスのアンリミテッドを頼むと、中央のテーブの容器に入った料理もライスも、無制限に追加してもらえる。
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料理とシェフの紹介。
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ランチミールスのメニュー。
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ランチカレー1種盛りなどの時の追加オプションメニュー。
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手食の説明①
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手食の説明②
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安心して下さい。カトラリーもありますよ。
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なかなか来れなかった宿題店。
こちらのお店、スリマンガラムA/Cさんは2022年オープン。
2020年開業の本店が経堂にあったが、こちらのお店が出来て程なく経堂店は閉めて、祖師ヶ谷大蔵1店舗での営業となったよう。
メディアでも時々取り上げられるこのお店は、
バナナの葉の上にバスマティライスやコロンブ(カレー)、副菜をなどを盛ったミールスを、手で食べるのが基本スタイル。
カトラリーも用意されているが、日本人も含め、ほとんどのお客さんが手食を楽しんでいる。
なんとなく、1人で来て手食というのも少し照れるような。さりとて長年1人きりで歩いてきたカレー探検の道。
今までは一緒に行こうと誘う相棒もいなかった。
家内は私のカレー探検には全く興味無く「辛いものを食べると喉が渇いて困る」と言う私には理解不能なワードと共に、なるべくそこには家族を巻き込んで欲しくない感じで、旅行などの際も私は理想のカレー連食プランを妄想し、胸に秘めつつも、家内の考える、息子と楽しめて、かつ経済的、かつイベント性のある、彼女の驚くべき情報収集力から導き出された食事プランに従っている。ただ、いつも隙をついてカレー食い出来る機会は伺っていて、たまにすぐバレる嘘を絡めて脱走、実行に移せるかどうかが旅の醍醐味にもなっている。
ところが最近、ただマイペースにカレー食いを重ねて来た(本当の目的は銀シャリに合う最高のカレーを作る為)、こんな爺さんと一緒に、カレー探検の道を歩いてみたいと言う、変わり者の相棒が出来た。
年は私より随分と若いが、短い期間に濃い情報のやり取りや偶然も重なり、後輩というより同志。
むしろ相手の方がネイティブ系の情報感度、経験値は高いレベルだし、若いだけにがむしゃらなファイトも素晴らしい。
常にファイティングポーズを取っている感じだ。
私も40数年間で自分が知ったカレーにまつわる事は、全て相棒に伝えようと思っている。
そういう時に相手が同世代では話にならない。
知見の継承のためには大幅に年下の方が好都合。
その相棒と、隔月くらいで不定期に研究日を設け、カレーランチを同行する事にした。
2人で行ってランチタイムのメニューをシェアした方が、1人で行くより、ずっと多くの収穫を得られるお店が結構あるからだ。またその研究日に個別で行ける良い店の情報交換や数人で夜にカレーの会を開きたいネイティブ系のお店の候補検討もする。
つまりカレーをシェアして満腹にカレーを食べた後、これでもかとカレーの話をするのが研究日なのだ。
当面の課題店は決まっているが、いつかこの、日本では珍しい手食が基本の店での体験も共有し、それについての議論もしなければ…。
しかし、まずもってそのお店のカレーがめちゃ旨でないと意味が無い。
行きたい、行きたい、と思っていてもなかなか億劫で来れなかったスリマンガラムさんに、遠足候補地の下見の先生のような気分で訪れた。
(結局1人で来てるじゃないか…)
以前喜多見、狛江辺りに18年間ほど住んでいて、
長い間、少年野球の監督もしていたので、野球関係の仲間と良く祖師ヶ谷大蔵には飲みに来た。横浜に引っ越して以来17年振り。
あまり変わっていないようで、よく見ると随分町も変わっている。
スリマンガラムは駅からほど近い、商店街の脇道に、ひっそりと開けられた扉から続く、とても幅の狭い階段を降りた地下にある。
予備知識無く、たまたま通りかかってもまず降りることのない階段だろう。
ランチタイムのラストオーダーは14時30分。ランチタイム終了は15時。
14時少し前くらいに階段を降りた。
真っ黄色な壁面にエキゾチックなペイント。狭い階段を途中で1度曲がり、降りきった先は、驚くほど広い地下空間! 幾つテーブルがあるんだろう?
少なくとも8卓、いやもっとあったかも知れない。
広いだけでなく、モダンで綺麗な店内。
平日の祖師ヶ谷大蔵の14時。先客は2卓。
1卓はインド人の紳士ソロ。もう1卓は若いカップル。どちらも手食で食事している。
「お好きなお席へどうぞ」的な手振りで案内されたので奥のテーブルに腰掛けた。テーブルの天板は黒御影石?とにかく石で出来ている。
この上で今から未知の体験が始まるのだ。
写真で見た店主(マハリンガム氏)に見える方がテーブルに来た。
私はメニューを指さして
「ランチミールス、ノンベジ、アンリミテッド」
と伝える。
(税込2000円、ディナーミールスだと税込2700円)
了解したように立去った店主(たぶん)が、バナナの葉を持って再びやって来た。
バナナの葉を開いて、水を付けた手でその茎に圧をかけて葉を伸ばし、葉を平らにする。
その葉の上にさらに水を少し垂らすと、台拭きよろしく手で葉をキレイに?拭きあげる。
ビミョーーー!
このあたりは既に予習済みだが、実際目の当たりにするとちょっとビビる。
私の感覚では、ここは除菌ティッシュあたりで拭くところだが、郷に入れば郷に従えのネイティブ体験だ。下手な思考のスイッチは切ろう。
大好きな大判の除菌アルコールティッシュはこの後いくらでも出番があるし。
水の入ったコップと水のポットの配膳の後、いよいよバナナの葉の上にミールスの降臨だ。
まず葉っぱの右上に「レモンピックル」と言いながら少量のアチャールのようなものを置く。
その下に「アッパラム」と言いながらアッパラム(揚げ煎餅)を置く。
それから上のレモンピックルの左隣に「ポリヤル」と言ってジャガイモのサブジのようなもの、
その左には、言葉がよく聞こえなかったが、クートゥ(豆と野菜のポタージュ)か、サンバル(少し酸味のある豆と野菜の煮込)のどちらか。酸味は感じなかったのでクートゥか?
そしていよいよバナナの葉の下段左側に大きくバスマティライスを盛る。上からコロンブ(カレー)を、右から先ずチキン、中央にマトンを掛けてくれた。左側側に「フィッシュ」と指差した深底のカレーポットからフィッシュカレーを注いでくれようとしたが、カレーはもう1種ある。
「これは?」と訪ねると、こちらは最初に注いでくれたチキンとは違う種類のチキンらしい。
最初のチキンはトマトを思わせる赤みがかった色だが、こちらは黄色。
アンリミテッド(お代わりいくらでも自由)のため、フィッシュはお代わりでもらう事にして、黄色いチキンを注いでもらった。
卓上の薬味?の蓋を開けると、砂のような塩?豆の粉?それともう一つ、干からびたような太めの赤唐辛子が入った容器がある。
これは何かとたずねてみると「カードチリ」との事。赤唐辛子をヨーグルトと塩で漬け、乾燥させたもののよう。
興味津々で取出し、バナナの葉の上に乗せた。
どうもレモンピックルが気になり、
「これはアチャールじゃなくてピックル?」
と聞いてみた。「はい、ピックル」
後調べではピックルは南インド料理の酢漬、酢油漬で、おもに北インド料理で言われているアチャールと同様の料理らしい。ただ海岸部ではシーフードに火を通したピックルやチキンピックルなどもあり、野菜とは限らないよう。
私は、以前能見台の名店、ガネーシュさんでプラウンピックルという海老をレモン風味で味付けた料理(現在はメニューに無い)に感激して、ピックルとはレモンやタマリンドを使ったカレーの調理法の1種だと思っていた。
未確認だが、ピックルという言葉自体、西洋のピクルス(酢漬)から来ているらしい。
店主は、なんでもどんどんお代わりして下さいという感じの事を私に伝えて席を離れた。
◆ランチミールス ノンベジ アンリミテッド
2000円税込 (お代わり何度でも自由)
結論から言うと、どの料理も非常に旨い。
それぞれの料理のスパイスが見事に違い、
各種コロンブ(カレー)もジャガイモのポリヤルもクートゥも、レモンピックルも、絶妙な役どころを演じる南インド料理の宴がバナナの葉の上で催される。
激辛料理はなかったので、激辛好きな方は、シェフに相談すれば、何とかしてくれそうな感じだ。
卓上にカードチリもあるし。
少し後から、ラッサムとパヤサム(デザート)がステンレスのカップで追加された。
途中で、まだ食べていなかったフィッシュのコロンブと、初めの3種の中で1番印象に残ったマトンのコロンブのお代わりを頂いた。
手食のやり方は、メニューにイラスト入りの分かりやすい説明がある。右手を使う。
不器用な私には最初少し難しく、特にカレーと混ぜてまとめたライスを「親指で押し込む」というのがどうも上手く出来なかったが、だんだん慣れて来た。
それぞれの料理の名前を覚えて、手食するのがやっとで、あまり詳細に説明出来ないが、印象に残った事を書くと…
※マトンカレーが他で食べたことのない、仄かにシナモンの効いた素敵な味。
※フィッシュの魚は、鯛のような白身で、具もカレーも上品。
※チキンは最初に注いでくれたトマト系が好み。
※ジャガイモのポリヤル、めちゃ旨!水分少なめで合間合間で良い箸(指)休めに。
※レモンピックル(レモンのアチャール)、こんなレモンの食べ方があったとは!
※クートゥは豆がコーンクリーム的にねっとりと。微かに甘味あり。
※バスマティライスはやはりネイティブのお店、香りがちゃんと立っていてバスマティライスに求めるものがきちんと備わっている。
※アッパラムは塩加減がジャストで、良いアクセント。
※ラッサムは透明なスープでスッキリと口をリセットしてくれる程良い酸味。
※パヤサム(デザート)はライスプディングのような感じだが、特筆すべきスパイス使い。インド料理を修行した日本人シェフの店では絶対に出てこない、ネイティブならではの程良いクセありスパイス。
そしてカードチリ。
カレーはライスに直接掛かっているので、このカードチリを丸ごと入れる受け皿は無い。
そこでちぎって中から種を出し、後半に味変でそれぞれの料理に混ぜてみた。
唐辛子の種なので、もっと料理が辛くなると思ったが、辛さはそれほど増さない。ただ、これを入れた後は急に汗をかく量が増えた。
赤唐辛子、ヨーグルト、塩、熟成、乾燥。
デトックス効果があるのだろうか?
手食の異文化体験、ミールスの質の高さ、お代わり無制限。それとランチミールスには含まれない、
ナンドゥ ヴァルヴァル(蟹の濃厚スパイス炒め)や、海老 ヴァルヴァル(オニオンマサラを絡めた香ばしい海老炒め)といったとても気になるオプション料理もある。
カレー研究日ならシェアして食べられる!
研究日の有力候補店が増えた。
ご馳走様でした。
次の日の朝、いつものように用を足しにトイレに入ると、かなり辛いものを食べた日の翌日に起こる、
出口のヒリヒリがやって来た。
カードチリだな…。
カードチリや異文化の食事様式を相棒とまた一緒に体験し、相棒にもぜひヒリヒリしてもらうことにしよう。