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パコ崎ミャ子は、どうすればイイ?
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パコ崎ミャ子 (東京都) 認証済
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1回
昼の点数:4.7
2015/06 訪問
カラスが歌うと、何か涙がでちゃう。だって・・・。
ベッドの中。いつの間にか足元に移動していたスマホが、ギャンギャン鳴いている。「もじもじ」「あっ、ミャ子姉―ぇ。朝ご飯食べない? 今、生玉子持ってるんだよねー」朝 6時。相手は飲み会明け。何度かマックスまで達した後、静かに現状を確認しだした微妙なテンション。猫のように餌が欲しくなると、時を構わずゴロゴロ言い出す年下の友達からだ。「う・・・ん。了解。ご飯、炊いとく」スマホを枕元に置き、ゆっくり右腕から仰向けに体勢を変え、ちょっとだけマバタキを止めて、天井を見つめる。そして、よいしょっ、と。年下とはいえ、1つしか違わない友達とは、大学時代のバイト先で知り合った。体力だけしか売りのない私は、知り合いの紹介でなんとか映像制作ADのバイトを得た。友達の方が先に仕事をしていて、私が後に入った。年上だけど後輩。年下だけど先輩。あまりの内容の濃さに、鈍臭すぎる立ち回りの私をよく庇ってくれた。仕事途中に、二人でマックのポテトをムサボルように食べ、次の現場にギャーギャー騒いで、よく走って行った。体力勝負は昔から。そんな時の、そんな仲。今でも、「自分が映画を撮ったら、ミャ子姉に宣伝してもらうからね」嬉しいことを言ってくれる。慕ってくれている。と、思う。・・・。・・・。・・・。「うわっ、何にもネーじゃん。本とパソコンしかねぇし。お掃除ダ〇キン様もビックリじゃね」「断捨離です。断捨離!」読んだ本に感化された部屋を自慢げに披露するが、「バカじゃね」一言で、解答が出た・・・。「・・・あのね、服とか靴なんてねー、白、黒、茶色だけあれば、なんとかなるのよ」「うそ、こないだ悩んで買った、ジミー大〇のパンプスも捨てた?」「・・・。いや。いや。・・・あれはとってある。・・・。ジミー〇ュウだけど」「いろいろ捨てて、彼氏も捨てたんじゃねー。ギャハハは」「・・・。・・・。それは、捨てたというか、最初から持ってなかったみたいだし・・・」「あっー。メンゴ、メンゴ。冗談じゃん。ジョウダン。マジでゴメン。酒入ってるから。ネぇ」「・・・。うん」必死に取り繕うとしてくれるが、そっちのテンションに、寝起きでは完全に乗り遅れている。ピー。機械音。精米機のお米が呼んでる。「いつものトコで飲んでいたら、仲のいい常連さんから、こんなに玉子もらっちゃった」嬉しそうに、ガサゴソと綺麗に箱に収まった玉子が出てきた。「こんなに一杯。その人、生玉子持ち歩いて飲んでるの?」「玉子の卸屋さんみたい。分かんない。でも、もらったんだよねー」何か何にも理解できないが、説明を聞くのもメンドくさくなり、朝食の準備を始める。「ねぇー」「何?」「温玉、温泉玉子って作れる?」「温泉玉子? 作れるよ。何で?」「じゃ、温玉にして。して。して」「・・・。はい。はい。10分待って」木製のテーブルに、ランチョンマットを敷いて、ご飯の準備を整える。「いただきます」出来立てホンワカ 温か 温泉玉子 と 炊きたてご飯ちょっと小さめの茶碗に、フワっとご飯。精米仕立てのお米を炊いた時だけの、特別な香り。それは、日本人の懐かしさを刺激する香りで、スーっと自然に瞼を閉じさせる。その香りをかき分け、ご飯の真ん中に、出来立てで、ほんのり温かい玉子の黄身をそっとのせる。あっー。この情景はまるで、田園の中に集められ、秋の赤い太陽に照らされた、稲刈り後の天日干し。穂先の膨らみの中で、お米の旨味を一粒一粒にドンドン凝縮していく。甘く、甘く、心をふくよかにしてくれる、あの懐かしい故郷の姿。故郷が目に浮かぶ。カラスも鳴いている。あっー。おかーちゃーん。・・・故郷は東京だけど・・・雰囲気だけ。気を取り直して、鮮度の一滴醤油をポタリ、ポタリと数滴。食べる。うっうっうーん。間違いない。黄身の持つ包容力は、お米の良さだけを抱きしめる。幼子を抱きしめる母の包容力と同じだ。愛だ。無償の愛を感じる。流れてくるはずの、ひと滴の涙を待ち構える。・・・まだ、流れてこないので、待ちきれずに箸を進める。ワッシャワッシャと。うまっ。「温玉で正解だね!」「でしょ」生卵も絶対間違うことは無いけど、疲れた体の女と、酒明けの女には温玉がベストマッチっス。優しいから。全てに愛があるから。「ミャ子姉とこで、ご飯食べると、おばぁちゃんの家思い出すんだよね~」「えっー、何か嬉しいなー。懐かしい子供の時の、いい思い出って感じ?」「うぅん。違う。出てくるものが、キュウリの浅漬とか、大根と油揚げの味噌汁とか、この蜂蜜漬けの梅干とか・・・そして、なめ茸。何かババ臭いって感じ。そのまんま、バァーちゃん家と同じだなーって。だってこの部屋、このマンションなら、朝はパンケーキでしょ普通」「・・・。・・・。お前、それ食って、早く帰れ!」「うそ、うそ、怒んないでよー」「・・・。・・・。ババ臭いって。こう見えても、ジミー〇ュウ・・・持ってんだぞ!」「分かってる。ご飯のお礼に断捨離協力するから、それ、ちょうだい」「・・・。いやぁ。・・・。それはちょっと・・・。まだ・・・。なんとも・・・」「じゃ、残りの玉子、全部、温泉玉子にして。持って帰るから」「・・・あ゛い、了解・・・」ほんと、映画監督修業中で、年下の子供をあやすのは大変だゼ・・・。年上の包容力を見せないとね・・・ここはビシッと。言ってて、何か、辛い・・・。「はい。御裾分け」半分の10個の温泉玉子を置いて友達は帰っていった。台所の片付けが終わると、部屋に音はなくなった。別に寂しくないけど、孤独に包まれている感じが急に不安になり、外に出かけた。大人気のたい焼き屋を横目に、ブラブラ大きな商業施設を目指し歩いていると、何だか、玉子で始まった一日なら、玉子三昧で過ごすことにしようと、何か思った。包まれる感じは、抱きしめる感じであって欲しい。包まれる感じが、圧迫感に感じるのは辛い。玉子に包まれるといえば、オムライス。オムライスと言えば、地元民の心の支え、小さい時からお世話になってます。で、お馴染み、麻布食堂 様こっからちょいと歩くが、天気もいいし、道すがら散策でもしようと歩く。オムライス 白い皿にのったお姿は、焦げ目のない、ただただ健康的で、魅力的なイエロー。ダンディライオンイエロー。向日葵色。夏の日差しが落ち着いた午後のイエロー。たおやかで、触れずとも分かる柔らかさは、涅槃仏のような神々しさだ。拝みたくなる。そして、その腰にそっとよりそう、鮮やかなパレオは・・・。・・・。あー。そうなんだよなー。ここのオムライスは、いきなり難問山積なんスっよ。問題。 今日、貴方のオム様の腰に巻くべきものは? どれ?(1)ケチャップ (2)デミソース (3)ホワイトソースいきなり、この難問をなげかれられたら、即答できないもんなー。出来るのなら、すでに入滅しているし。断捨離すらよく理解できない煩悩の炎が、ゴワーっと燃え盛る私には、無理っス。でも、決めなきゃ。「頑張るんだミャ子」「はい!宗方コーチ」・・・。修造でもいいけど。雰囲気は岡ひ〇みで。CS最高。ユルユルたまご乗せチキンライスじゃない 、麻布食堂のオムライスは、特別な存在。始祖鳥を求め、原点を探して手繰れば、必ず私はここに戻ってくる。ケチャップと中濃ソースで、仕上げられるチキンライスは、強火のフライパンをダンスレボリューションのように踊りまくり、パラッとしつこくない。ラップでは出せないキレの良さだ。もう、キレキレです。具も形が綺麗に揃っている。中でも皮付きのチキンが実は、いつも感じる懐かしい味の秘密だと私は知っている。あの感嘆の甘さは、ここでしか感じない。これがないと、成り立たない。重厚さの隠れた司令塔。クライフのような「美しく勝利せよ」ではなく、カンナヴァーロのような鉄壁の壁。何者の侵略も許さない壁。美味しさの全てを守る壁。その濃厚であり、個性的な食感をまとめる玉子は、全体を境目なくキッチリ包む。外側の艶やかな表面からは、よりいっそうの一体感を出すために、半熟の内面が、全てを抱きしめていることは分からない。一口。それを口に入れるまでは。ふんわりな玉子を切り分け、スプーンでその煩悩を望む口に落とし込めば、いろんな仕掛けが隠されたボリショイにも負けない、驚きと、そして、自然と目を閉じてしまう。耳に心地よく響き渡るマ〇ア・カラス。マンマミーアー。(直訳で)しかし問題はそこに、どの淑女を添わせるかだ。ケチャ嬢か、デミ嬢か、ホワイト嬢か。それが問題だ。「あっヤベっ」考え事をしながら歩いてたら店に着いちゃった。まぁー、お腹も空いたし。3っつ、頼も~。・・・。夜、本気でバカな行動により、タクシーで帰ってきたことを悔いていると。メールが友達から来た。「素麺にも温玉は、合う」と、分かりきったコメントには、彼氏と素麺をすするツーショットが添付されていた。「お前にこそ、断捨離が必要だ」と、送り返す。腹も心も満たされた。包み込まれている。私は、何もないわけじゃない。何がないのか、探しているだけ。そう、思う。そう、そう、友達が持ってきた玉子。気になってネットで調べたら、アクアファーム秩父の「輝」だった。・・・。1個。666円。・・・。マジで、心で手を合わせて食べさせて頂きます。常連様。有り難うございます。こんなとこで、言って伝わるとは思えないが。せめての気持ちで、念力で送ってみる。うわぁー。おりゃーっ。とりゃー。届け! この想い。麻布食堂 様移転したと言っても、今では、昔からそこにあった感じのなじみ方で、場所がどうこうとか、駐車場がどうこうとか、全然気になりません。子供の時からの変わらない美味しさがあれば、たとえ地の果てであっても、必ず行きます。オムライス以外も、大好きです。
2015/06/22 更新
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家族・子供と
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一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
ベッドの中。
いつの間にか足元に移動していたスマホが、ギャンギャン鳴いている。
「もじもじ」
「あっ、ミャ子姉―ぇ。朝ご飯食べない? 今、生玉子持ってるんだよねー」
朝 6時。
相手は飲み会明け。何度かマックスまで達した後、静かに現状を確認しだした微妙なテンション。
猫のように餌が欲しくなると、時を構わずゴロゴロ言い出す年下の友達からだ。
「う・・・ん。了解。ご飯、炊いとく」
スマホを枕元に置き、ゆっくり右腕から仰向けに体勢を変え、
ちょっとだけマバタキを止めて、天井を見つめる。
そして、よいしょっ、と。
年下とはいえ、1つしか違わない友達とは、大学時代のバイト先で知り合った。
体力だけしか売りのない私は、知り合いの紹介でなんとか映像制作ADのバイトを得た。
友達の方が先に仕事をしていて、私が後に入った。
年上だけど後輩。年下だけど先輩。
あまりの内容の濃さに、鈍臭すぎる立ち回りの私をよく庇ってくれた。
仕事途中に、二人でマックのポテトをムサボルように食べ、
次の現場にギャーギャー騒いで、よく走って行った。
体力勝負は昔から。
そんな時の、そんな仲。
今でも、
「自分が映画を撮ったら、ミャ子姉に宣伝してもらうからね」
嬉しいことを言ってくれる。
慕ってくれている。と、思う。
・・・。・・・。・・・。
「うわっ、何にもネーじゃん。本とパソコンしかねぇし。お掃除ダ〇キン様もビックリじゃね」
「断捨離です。断捨離!」
読んだ本に感化された部屋を自慢げに披露するが、
「バカじゃね」
一言で、解答が出た・・・。
「・・・あのね、服とか靴なんてねー、白、黒、茶色だけあれば、なんとかなるのよ」
「うそ、こないだ悩んで買った、ジミー大〇のパンプスも捨てた?」
「・・・。いや。いや。・・・あれはとってある。・・・。ジミー〇ュウだけど」
「いろいろ捨てて、彼氏も捨てたんじゃねー。ギャハハは」
「・・・。・・・。それは、捨てたというか、最初から持ってなかったみたいだし・・・」
「あっー。メンゴ、メンゴ。冗談じゃん。ジョウダン。マジでゴメン。酒入ってるから。ネぇ」
「・・・。うん」
必死に取り繕うとしてくれるが、そっちのテンションに、寝起きでは完全に乗り遅れている。
ピー。機械音。
精米機のお米が呼んでる。
「いつものトコで飲んでいたら、仲のいい常連さんから、こんなに玉子もらっちゃった」
嬉しそうに、ガサゴソと綺麗に箱に収まった玉子が出てきた。
「こんなに一杯。その人、生玉子持ち歩いて飲んでるの?」
「玉子の卸屋さんみたい。分かんない。でも、もらったんだよねー」
何か何にも理解できないが、説明を聞くのもメンドくさくなり、朝食の準備を始める。
「ねぇー」
「何?」
「温玉、温泉玉子って作れる?」
「温泉玉子? 作れるよ。何で?」
「じゃ、温玉にして。して。して」
「・・・。はい。はい。10分待って」
木製のテーブルに、ランチョンマットを敷いて、ご飯の準備を整える。
「いただきます」
出来立てホンワカ 温か 温泉玉子 と 炊きたてご飯
ちょっと小さめの茶碗に、フワっとご飯。精米仕立てのお米を炊いた時だけの、特別な香り。
それは、日本人の懐かしさを刺激する香りで、スーっと自然に瞼を閉じさせる。
その香りをかき分け、ご飯の真ん中に、
出来立てで、ほんのり温かい玉子の黄身をそっとのせる。あっー。
この情景はまるで、田園の中に集められ、秋の赤い太陽に照らされた、稲刈り後の天日干し。
穂先の膨らみの中で、お米の旨味を一粒一粒にドンドン凝縮していく。
甘く、甘く、心をふくよかにしてくれる、あの懐かしい故郷の姿。
故郷が目に浮かぶ。カラスも鳴いている。あっー。おかーちゃーん。
・・・故郷は東京だけど・・・雰囲気だけ。
気を取り直して、鮮度の一滴醤油をポタリ、ポタリと数滴。
食べる。うっうっうーん。間違いない。
黄身の持つ包容力は、お米の良さだけを抱きしめる。
幼子を抱きしめる母の包容力と同じだ。
愛だ。無償の愛を感じる。
流れてくるはずの、ひと滴の涙を待ち構える。
・・・まだ、流れてこないので、待ちきれずに箸を進める。ワッシャワッシャと。うまっ。
「温玉で正解だね!」
「でしょ」
生卵も絶対間違うことは無いけど、疲れた体の女と、酒明けの女には
温玉がベストマッチっス。優しいから。全てに愛があるから。
「ミャ子姉とこで、ご飯食べると、おばぁちゃんの家思い出すんだよね~」
「えっー、何か嬉しいなー。懐かしい子供の時の、いい思い出って感じ?」
「うぅん。違う。出てくるものが、キュウリの浅漬とか、大根と油揚げの味噌汁とか、
この蜂蜜漬けの梅干とか・・・そして、なめ茸。
何かババ臭いって感じ。
そのまんま、バァーちゃん家と同じだなーって。
だってこの部屋、このマンションなら、朝はパンケーキでしょ普通」
「・・・。・・・。お前、それ食って、早く帰れ!」
「うそ、うそ、怒んないでよー」
「・・・。・・・。ババ臭いって。こう見えても、ジミー〇ュウ・・・持ってんだぞ!」
「分かってる。ご飯のお礼に断捨離協力するから、それ、ちょうだい」
「・・・。いやぁ。・・・。それはちょっと・・・。まだ・・・。なんとも・・・」
「じゃ、残りの玉子、全部、温泉玉子にして。持って帰るから」
「・・・あ゛い、了解・・・」
ほんと、映画監督修業中で、年下の子供をあやすのは大変だゼ・・・。
年上の包容力を見せないとね・・・ここはビシッと。
言ってて、何か、辛い・・・。
「はい。御裾分け」
半分の10個の温泉玉子を置いて友達は帰っていった。
台所の片付けが終わると、部屋に音はなくなった。
別に寂しくないけど、孤独に包まれている感じが急に不安になり、外に出かけた。
大人気のたい焼き屋を横目に、ブラブラ大きな商業施設を目指し歩いていると、
何だか、玉子で始まった一日なら、玉子三昧で過ごすことにしようと、何か思った。
包まれる感じは、抱きしめる感じであって欲しい。
包まれる感じが、圧迫感に感じるのは辛い。
玉子に包まれるといえば、オムライス。
オムライスと言えば、
地元民の心の支え、小さい時からお世話になってます。
で、お馴染み、
麻布食堂 様
こっからちょいと歩くが、天気もいいし、道すがら散策でもしようと歩く。
オムライス
白い皿にのったお姿は、焦げ目のない、ただただ健康的で、魅力的なイエロー。
ダンディライオンイエロー。向日葵色。夏の日差しが落ち着いた午後のイエロー。
たおやかで、触れずとも分かる柔らかさは、涅槃仏のような神々しさだ。
拝みたくなる。そして、その腰にそっとよりそう、鮮やかなパレオは・・・。・・・。
あー。そうなんだよなー。ここのオムライスは、いきなり難問山積なんスっよ。
問題。 今日、貴方のオム様の腰に巻くべきものは? どれ?
(1)ケチャップ (2)デミソース (3)ホワイトソース
いきなり、この難問をなげかれられたら、即答できないもんなー。出来るのなら、すでに入滅しているし。
断捨離すらよく理解できない煩悩の炎が、ゴワーっと燃え盛る私には、無理っス。でも、決めなきゃ。
「頑張るんだミャ子」「はい!宗方コーチ」・・・。修造でもいいけど。雰囲気は岡ひ〇みで。CS最高。
ユルユルたまご乗せチキンライスじゃない 、麻布食堂のオムライスは、特別な存在。
始祖鳥を求め、原点を探して手繰れば、必ず私はここに戻ってくる。
ケチャップと中濃ソースで、仕上げられるチキンライスは、
強火のフライパンをダンスレボリューションのように踊りまくり、パラッとしつこくない。
ラップでは出せないキレの良さだ。もう、キレキレです。
具も形が綺麗に揃っている。
中でも皮付きのチキンが実は、いつも感じる懐かしい味の秘密だと私は知っている。
あの感嘆の甘さは、ここでしか感じない。これがないと、成り立たない。
重厚さの隠れた司令塔。
クライフのような「美しく勝利せよ」ではなく、
カンナヴァーロのような鉄壁の壁。何者の侵略も許さない壁。
美味しさの全てを守る壁。
その濃厚であり、個性的な食感をまとめる玉子は、全体を境目なくキッチリ包む。
外側の艶やかな表面からは、よりいっそうの一体感を出すために、
半熟の内面が、全てを抱きしめていることは分からない。
一口。それを口に入れるまでは。
ふんわりな玉子を切り分け、スプーンでその煩悩を望む口に落とし込めば、
いろんな仕掛けが隠されたボリショイにも負けない、驚きと、
そして、
自然と目を閉じてしまう。耳に心地よく響き渡るマ〇ア・カラス。マンマミーアー。(直訳で)
しかし問題はそこに、どの淑女を添わせるかだ。
ケチャ嬢か、デミ嬢か、ホワイト嬢か。
それが問題だ。
「あっヤベっ」
考え事をしながら歩いてたら店に着いちゃった。
まぁー、お腹も空いたし。
3っつ、頼も~。
・・・。
夜、本気でバカな行動により、タクシーで帰ってきたことを悔いていると。
メールが友達から来た。
「素麺にも温玉は、合う」
と、分かりきったコメントには、
彼氏と素麺をすするツーショットが添付されていた。
「お前にこそ、断捨離が必要だ」
と、送り返す。
腹も心も満たされた。
包み込まれている。
私は、何もないわけじゃない。
何がないのか、探しているだけ。そう、思う。
そう、そう、友達が持ってきた玉子。気になってネットで調べたら、
アクアファーム秩父の「輝」
だった。
・・・。1個。666円。・・・。
マジで、心で手を合わせて食べさせて頂きます。
常連様。有り難うございます。
こんなとこで、言って伝わるとは思えないが。
せめての気持ちで、念力で送ってみる。
うわぁー。おりゃーっ。とりゃー。届け! この想い。
麻布食堂 様
移転したと言っても、今では、昔からそこにあった感じのなじみ方で、
場所がどうこうとか、駐車場がどうこうとか、全然気になりません。
子供の時からの変わらない美味しさがあれば、
たとえ地の果てであっても、必ず行きます。
オムライス以外も、
大好きです。