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パコ崎ミャ子は、どうすればイイ?
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パコ崎ミャ子 (東京都) 認証済
この口コミは、パコ崎ミャ子さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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1回
夜の点数:5.0
2024/09 訪問
決戦の後、ユっくり と ジっくり と タっぷり と♡
短くても濃厚濃密な仕事終わりの夜、もらった小切手をビラピラと眺めながら、『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』にて、何度目かの「シェフズコース」を・・・食べる。・・・果実味の豊かなロゼワインと共に♡・「マンゴーとスパイスのチャート」 可愛らしいアミューズ。サクサクとした揚げたシェルに、ねっとりと柔らかなマンゴーを乗せて一口と頬ばれば、先陣に咲くマンゴーの香りが鼻先にフッと抜けて行く。ゆっくりと歯先を切り落とし舌を踊らせると塩味が波打ち、クミンの香りがほころぶ。飲み込んだ後に、名残のマンゴーの甘味と微かな酸味が微笑んでバイバイと手を振り薄れて行く。味の土台は、ローストクミンとブラックソルト。フレッシュマンゴーとドライマンゴーは風味と食感。マンゴームースと合わせた海ブドウが、謙虚な塩味のアクセントと感じる。コースの幕開けとして視点の戸惑いも無く、味わいの優しさが違和感なく気持ちを料理に向けさせてくれる♡・「トウモロコシとバターミルク カンドヴィのスープ」 キーンと音の鳴る冷たいスープ。私の浅いインド料理の知識の中にあるカンドヴィは、バターミルクやヨーグルトとひよこ豆の粉(ベサン)を混ぜたものを薄く巻いて表面に光沢が出るまで焼き、アクセントで胡麻とスパイスをまぶして味付けしたスナックとの認識・・・しか無かった・・・。ロールパスタの一種と紹介されたりするが、私的には、ちょっと湯葉に近い食感とか思ったり・・・する。そんなカンドヴィを泳がせたスープ。本体の波打つスープは、トウモロコシの甘さと生命力の香りが、バターミルクの懐深い豊満さに落とし込まれている。濃厚さの味わいと表現したくなるが、程よいスパイスの切れ味が際立ち、心地よい風の通りと目を細めてしまう。トウモロコシに、ターメリック、コリアンダー、クミンと少しのガーリックを優しい火力で丁寧に撫でる様に炒めピューレにした後、馴染ませるよう少しずつバターミルクを加えた情景が目に浮かぶ味わい。トウモロコシの前を歩かないスパイス、スープを冷たくした意味合いに笑顔になる。スープの中から出てくるカンドヴィが、溶けるようでいて、はにかんだ照れ笑い程度の主張で、トウモロコシ、バターミルクの優しさに甘えているのが、また微笑ましい。喉を通り過ぎる時に感じるヨーグルトとタマリンドの微かな酸味と甘みに、わずかに頷く苦味が繊細さを際立たせている。・「インディアンアペタイザーズ」 四角い枕、クッションを模したお皿の柔らかさが、5種のそれぞれを優しく持ち上げている。・・・今日の相棒ロゼワインが、ニコニコとし出す♡手前左には、南インドの屋台の定番「ベビーコーン65」が、赤唐辛子の衣をまとっている。目にも刺激あるスパイシーな味わいが衣に興じ、ベビーコーンのシャキシャキとした食感が無垢な甘味を弾けさせる。手前右「チキンティッカ・サモサ」、チキンティッカと豆、合間にきざんだ野菜を包みサクッと揚げたパイ。当然、歯音が奏でる小気味良いパイの食感は、中の具材達に添わせたスパイスの動機付けとなる。香りとして吹き上がる豊かなスパイスの風味に、知り得ることの拙い日本人としても、インドの風土が少しだけ思い描ける。中央の「ゴールガッパー」、タマリンドとミント風味のソースをプーリの中に入れ、サックリと揚げた小麦のシェル。サクサクの感覚を壊さないように、優しく持ち上げ舌の上に乗せる。ゆっくりと落とす歯音は、薄いクリスピーな層を押しのけ、爽快な流れが口の中で遊び出す。微睡みだした腹の虫に、爽快な笑顔で「まだまだ、これからですよ♡」と声をかける♡左上には、「パプリチャート」。主となるトマトとゴマのチャツネに、アクセントのキュウリ、ナスを入れ、パプリと呼ばれる揚げた生地に添わせている。どこまでもサクサクの食感に、太陽の味がする野菜が練り合わされスパイスの抑揚に乗り、瞬間的な背伸びを見せる。右上の「チャトパタ・マグロドクラ」。ドクラにタマリンドと少しのコチュジャンで和えたマグロを添えてある。ドクラは、少し塩味があることで、ほのかな甘さの香るインドの蒸しパン。発酵させた生地を蒸しているので、雁月とか黒糖蒸しパンのようなしっとりとした柔らさがある。香ばしさに、かすかに粘る食感が甘味の技となし、絶妙に組みあせたマグロの味わいを引き立てる。・・・この辺で・・・、ポンツ子なオイラも、・・・イロイロと気が付く・・・。サモサ。ベビーコーンのスパイスフライ。ドクラ。パプリチャート。・・・からの、ゴールガッパーは、パーニープーリー、プチュカとか呼び名はあるが、イロイロとインド全土で食べられる。インド訪問の時に、時の岸田首相もメディアの前で食べてた。これ、全部インドでの屋台の食べ物。庶民に馴染みが高い食べ物と言うか、生活の中に馴染んでいる軽食、スナック。そのインド屋台の代表的な食べ物を・・・、インド・コットン、綿花の枕、クッションの上に載せて居る。インドでの綿花生産・・・インドのこれまでの歴史が詰まっている。インドでは農家の家内工業としての綿織物の原料として綿花が栽培され、インド産綿布は18世紀前半まではイギリスに輸出されていた。しかし、イギリスの産業革命の影響によって、インドはイギリス製綿布を逆に輸入する立場に転換する。そのためインドの家内工業としての綿織物業は急速に衰退する。農家は原料の綿花の栽培に特化し、輸出産業に大きくかわってしまう。とくに1861年、アメリカの南北戦争による世界的綿花不足によってインドの綿花生産は異常に増大する。1863年頃には、インドの最大の輸出品となった。その後ほどなく、イギリスはインド大反乱を鎮圧し、1877年にはインド帝国とし、占領統治する。・・・インドの急速な近代化の陰に隠れているが、綿花は、その時から農地に張り付けられた農家の家族、年端も行かない子供の労働により、主要な商品作物として・・・、・・・現在も変化なく栽培され続けている。・・・この、インディアンアペタイザーズ。四角い枕、クッションの上には、「テジャス・ソヴァニ」シェフのidentityが、描かれている。全くもって、自分の持ち得るインド料理の世界感に固執するのではなく、その可能性と現状に住む日本に対し、謙虚で誠実な対応の上で、本当のインド、本質的なインドを考察するキッカケを世界に発信する気概に感服する♡・「ズワイガニのドーサと海老のギーロースト」発酵させた生地をクレープ状にし、ズワイガニを包み焼いたドーサ・・・と、言うか、これは、完璧にガレットと言いたくなる一皿完結の満足感♡ クレープみたいなオヤツ感はない・・・ズら♡キメの細かい繊細さが表面にあらわれ、口どけの軽やかさを見た目から予測させる。ドーサの素朴な味わいに吟立ちのズワイガニの味わい。旨いに決まっている♡ジワジワと脳がバグる混沌の美味しさに、一拍遅れで悶絶する♡ギーは、ちゃんと古式インドの作り方で、乳脂肪分からの無塩発酵バターを煮詰めて、水分やタンパク質、糖分などを取り除いた高純度のオイル。そのギーで、優しくエビの風味を消さずに海の味わいがそよぐスパイスと合わせ、手早く仕上げられたエビのソテー。エビの味は、ギーなのか、スパイスなのか、その両方なのか、ゆっくりと噛み込んだ時の味わいの華やぎが、勝手知ったるエビの味わいとは・・・、・・・全く違う。・・・エビが、好き過ぎるアタイの味覚理解力を簡単に超えている。・・・簡単に、スパイス味とか・・・言いたくないし、言え無い・・・。・・・美味しい・・・とは、ちょっと違う・・・、何度食べても・・・狂おしいほど美味しい♡・・・「奇跡の美味しさ♡」とポスターを自作して、ドコかのナニかに立候補させたくなる・・・味わい♡・・・ナンにだ? ははっ~♡ それくらいお気に入りで、美味しい~♡ 殻、パリっ♡・「白身魚のソテーとマチェジョール」 ふっくらとした白身魚を浮かべたベンガル風カレー。プーリ揚げパンと共に頂く。・・・ナンと言うか、ここまでくると日本的な素材からのインド料理の饗宴と銘打ち、日本とインド料理の融合のテーマが、私なりに伝わり出し・・・料理との対話、会話が強固に成り立って来る♡ベンガル風カレーのふんだんに使われた数種のトマトが、それぞれの風味と主体となる旨味の中で、句読点のような酸味となり、流れるように美しい一文を創り出す。どこまでも旨味の馴染みが主役であるため、スパイスの名脇役ぶりが一周回って逆に際立つ。白身魚の潤んだ旨味も際立ち、身のしまりに弾む歯音が低音からジワジワと高音に響く。プーリのサクサクの食感に、後味の止めどない余韻が行進して行く。・・・ここまでくると、日本のカレーマニアがよく口にする、「豪快なスパイス使い」とか、「パンチの効いた複雑な辛さの中にある旨味」とか、「スパイスの組み合わせから感じるセンスの良い繊細さ」とかの意見を、『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』で、「テジャス・ソヴァニ」シェフの生み出した料理と対比させると、つくづく、・・・安全な日本に住んでいて、何でも言える日本の中から見た意見であり、インドでの「インド料理」に対する意見でも、何でも無く、タダの思い込みだと・・・感じてしまう・・・。どこまで行っても、日本人が日本に居て知り得た知識の中で作り上げた感覚的な・・・「インド料理」に対する ただの 思い込みだと。イロイロとマニア観点から言うのは勝手だけど、「インド料理」素人のオイラから見ると、勝手に高い敷居で柵をつくり、初心者が踏み込むキッカケを削いでいるダケに感じたりする。・・・ハッキリと。「インド料理」は、当然、その主力となる味わいにはスパイスがある。しかし、そのスパイスを使った料理が生まれたのは、歴史があり、歴史を刻んだ時間と国土があり、そこの気候、風土、生活があってコソである。ただ「本場」と有難がり吹聴し、「日本」に「インド料理」を持ち込んで、日本の歴史、歴史を刻んだ時間、日本の気候、風土、生活に、「インド料理」の価値を見出すことは本当にできるのだろうか?日本的価値観、日本的な感覚、日本的な習慣。場の空気を読んで、他者の気持ちを読み取る。虫の声を聞いて季節を感じる。「いただきます」「ごちそうさま」と感謝の気持ちを口にする・・・。『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』と、「テジャス・ソヴァニ」シェフが目指すトコは、一部のマニアが評価する感覚と真逆の・・・「日本文化への敬意とインド料理への愛」だと感じる♡スパイスの主張は、理解する。スパイの力量、破壊的な美味しさも認める。だからこそ調和するために、持ち場にとどまり明確な結果をあげ、全体の和となすため、・・・輪とつなぐ「スパイス♡」その、「奥ゆかしきスパイス使いのセンス」から生み出される「日本の中」で「前進するインド料理」に、マジで感動する~♡・「コサンバリ・サラダ 季節の果物とナッツ、ココナッツソルベ」 目見麗しくも口内の清涼さを予感させる。生野菜を使ったサラダと、わざわざ言う価値がある。インド料理として題するフレッシュサラダは、特別感に溢れている。野菜の潤んだ空気感に、フルーツの甘さ、味わいの裾のと思っていたココナッツのソルベが、実は伝えたい味の芯だと食べると気づき・・・微笑んでしまう。・・・ここまで対話が出来るサラダだと、コレを創り出したシェフの想いが少しだけ伝わってくる・・・。・・・過去なのか現在なのか、このサラダを食べさせたい誰かのために生み出された一皿と感じられる♡・・・愛と感じられるサラダ、・・・おすそ分けにありつけている今に、ちょっとだけ意味不明な嫉妬をしながらも・・・美味しさのストレートさに素直に感謝する♡・「タンドール窯で焼いたサーロイン」 大胆な食欲をあらためて刺激する・・・也♡・・・サーロイン♡・・・。乱暴な言い方だけど、「インド料理」での「牛」、「タンドール窯」にブチ込んだ「牛」・・・である♡当然、断然、歴然的に、美味しいに決まっている♡土壺の窯タンドールで、じっくりと焼き上げられたサーロイン。皿の上には大胆にカットされた面がロゼ色を蓄えて、微笑んでいる。その表面は、淡い肉汁の湧き立ちが微かに溶けだし、飴細工の流れのようにまとっている。側面に擦りこめられたスパイスと敷かれたソースの瞬きが、香る豊かな甘さと伸びやで直線的な刺激となり鼻腔を満たす。ドコにナイフを落とすか・・・と、迷う♡側面のスパイスと、中心部の肉の雫を同時に口に入れたいと思うと、ピザのように中心から放射状のカットで、少しずつそのとろける甘味をスパイスソースで味わいたくなる。。口に頬ばれば、不思議と和的な馴染みを感じ、そこから言葉をつむぐには、漢の字ではない、宋の時代の字である宋字の「挨拶」につながる魔訶不思議な感覚になる。・・・この味、知らないわけでは無いのだが。・・・ナンと言うか、・・・読めるけど書けない。・・・そんな、もどかしいほどの沁みわたり力のある美味しさ♡一緒に皿に乗るジロール茸とナスに、なぜか笑われている気がする。・・・ははっ~♡・「オックステールのハイダラバーディー・ビリヤニ」 これこそ、トドメの一撃と喰らいつくす~♡なんなら、ここに辿り着くまでの道のりだと思いながら、食べる♡蓋とされた薄い生地を丁寧に剥ぎ、色彩と香りを同時に楽しむ♡ハイドラバード風とされる、絶妙にマリネされたオックステールがバスマティライスにまみれている。何段階もの工程をへたバスマティライスは、プチっと薄い膜に覆われ、芯と伝う本体が驚くほどフワフワと軽く繊細な食感。粘りとかしつこさがない代わりに、風味香りの馴染みの良さが、より食べる気持ちを高める♡生地で蓋をした密閉状態で蒸し上げている効果は、食感の全てと香りの抑揚だけでは無く、食べる人の楽しみにも華やかさを添えてくれる。オックステールの下味スパイスを愛の交換日記のように受け取ったバスマティライスは、濃厚接触部とフレンチKiss部で、味わいの速度が変わる。・・・それがまた、スプーンを幻影発生暴走モードの加速スイッチになっている♡ほどよく食べて、「オックステールのハイダラバーディー・ビリヤニ」の味わいを記憶に書き込んだ後は、ライタの優しい味わいや、ダルカレーの甘味が主でありスパイスの背景をのぞむ味わいと合わせて食べると、美味しさがより丸く丸くまとまって来る♡自己主張の塊のようなスパイスの味わいでは無く、素材の味と共に生きているスパイスの味わいは、激烈な刺激を耐えて行くうちにバカになる感覚のあきらめでは無く、肌になじんで沁み込んでいく心地よい快感となる♡ 日本的な感化を「インド料理」に落とし込むのではない、共に手をとり「調和」する新たなる姿をハッキリと認識出来るビリヤニ・・・最上至極の味わいだぁなぁ~♡・「マンゴーシュリカンドのミルフィーユ カボチャと味噌のアイスクリーム」 シュリカンドと味噌が協演するデザート♡一つの皿にコンビと立つ二つの姿。フィナーレにふさわしい味わいに、万感の拍手を送りたい♡シュリカンドは、インドでは古くから多くの人達に愛され続けるデザート。ヨーグルトの水切り具合に好みがあらわれ、そのお店、その家庭、その人の好みが淡い差で美味しさに違いをもたらす。好みの肌触りに仕上げたヨーグルトに砂糖を加え、サフランやカルダモンのスパイスで香りを付け優しく仕上げられている。ミルヒィ―ルとする薄いパイの層がほつれるたびに、甘酸っぱくも香り高いスパイスのスキップの合間から、母性的な甘さがベールの様に舌の上を覆っていく。アイスクリームは、カボチャの魅力である重心の整った自然の息吹そのものの味わい。外連味の無い素直な甘さと口どけの良いなめらかで、心底楽しませてくれる。数年前から、日本の発酵食品の味噌や醤油、しょっつるや塩辛などを隠し味や味わいのコクとして料理に取り入れるレストランが海外でも増えている。日本の発酵食品には、日本独特の菌の特徴から塩味と香ばしさにキレがあり、後味の奥行きに不思議な深さをもたらす。甘い系のデザートや焼き菓子、洋の甘さの中にそれらが含まれると、かなり馴染み良い感覚となり、味わいに層となる広がりを感じる。「インド料理」に日本の味噌♡美味しさに、思い込みや国境はなく、「前に進む」とのnomaやGeranium、El Bulliから続く、自由な発想が最後のデザート皿の上に、乗っている。・・・。・・・。・・・コーヒーでは無く、残ったロゼワインに氷を入れ、デザートと楽しみながらイロイロと思いを馳せる。最初の頃、「インド料理」をコースに仕上げるとした、その発想に琴線が触れていた・・・。・・・でも、何度が通っている内に、単純に「日本」と「インド料理」を融合させ、フランス料理やイタリア料理のような路線は目指しては・・・いない・・・と、気が付き出した・・・。・・・5種の前菜を盛った印象的な綿花の枕、クッションのお皿・・・。店内の設計、インテリア、サービスの丁寧さ・・・そんなことに、気が捕らわれる程度では語れないほどの、皿の上に乗る、作り手の想い・・・。この「インド料理」に対して、「美味しい」「まずい」の評価や会話は、ほぼ意味を持たない。なぜなら、「日本」の中に居て、じっと「インド料理」を真摯に見つめる人の生涯を食べている気持ちになるから~♡・・・。・・・。・・・つくづく、『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』で、お皿の上にのっている料理は、「イソップ童話」のようだ♡「イソップ童話」は、2500年前に古代ギリシャで生まれたとされるお話。有名な「ウサギと亀」の話など、現代まで2500年も読み続けられている。なぜ、これほどまで長く人々に愛されるのか?それは、読んだ人が、情景を頭に描ける『伝わる言葉』だけで、書かれているから。ちゃんとお金を貰える物書きとして長くその任についていると、プロとアマの差がハッキリと分る時がアル。言葉には、「伝わる言葉」と「そうでもない言葉」がアルことに。それは、ゲームのようで、その言葉で「絵が描ける」か「描けないか」の話になる。「競争中に居眠りしたウサギは、ユックリでも歩き続けた亀に途中で抜かれました」と、「才能があっても怠慢で油断をすると、コツコツと努力し続ける人にいつかは抜かれる」どちらが、パッと頭の中に絵が浮かぶだろう?言葉多く丁寧な説明だとしても、画の浮かばない描けない文章は、人には伝わらないし、心には残らない。「伝わる言葉」がアルことに気がついて書いた文章には、自然に人は集まって来る。それにプロは、良い文章は、書いた人が決めるのではなく、読んだ人が決めるモノと知っている♡・・・。・・・当然、『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』が放つ料理各種の「味わい」には、「伝わる言葉」が添えられている♡・・・一口食べると、誰もが「美味しい」を描いてしまい、言葉として発してしまう「美味しい」と♡・・・。・・・。・・・しかし、「美味しい」にも多様性と言う、これまた「伝わりづらい」表現の「美味しい」もあったりする。同じ方向を見ているのに、見る人によって全然違う認識になることは多々ある。自分は、その方向にある手前の点に焦点を合わせているけど、他の人は、遠くの点に焦点を合わせて見ていたとか・・・。全ての物事に、そんな事例はあると思う。当然、インドのカレーの話においても♡イロイロと、インドカレーマニアとかスパイスマニアとか、ドコかで聞きかじったり、読み込んだ本やネットで知り得た知識で武装して、完璧さを顔全面に塗りたくったとしても、他者との方向性は同じでも『焦点』の合わせ方にズレがあれば、話の通りはお粗末なモノとなる。チョットだけ、ズレるが・・・、日本人として、「日本料理、和食」を語ったとしても、人によりその話す部分、焦点は様々だろう。ある人は、割烹懐石会席の料理に、日本的な和の料理を見出し語る。ある人は、家庭で出てくる、ご飯と味噌汁、漬物に焼き魚に、その古来からの日本文化的様式美を語る。ある人は、ナポリタンやオムライス、ハンバーグ、トンカツなどに、日本の料理の懐の深さを語る。「日本料理、和食」のマニアだとして、高級と家庭での料理、日本古来の素材と現代の食材、火を直接使う調理と電子料理、「日本で食べられる全ての料理」を「日本料理、和食」に当てはめて語るのは簡単だけど・・・、それを、「方向性は同じでも『焦点』の合わせ方にズレがある他人」に説明し、「納得」してもらうのは、大変だと思う・・・。そんな「焦点」の合わせ方を「インド料理」の方向性で・・・楽しんで遊んでいるお店♡『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』で・・・ある♡日本人が、漠然とイメージする「インド料理」の概念。昔から慣れ親しんだカレーライスを起点に、北だ南だ右だ左だと情報だけが先行するが、インドカレーマニアの価値観は、想像上のインドの家庭料理なのか、路地で食べる屋台料理なのか、お店を構えた定食屋のそれなのか、はたまたニューデリーの最高級ホテル内のレストランが提供する古式にのっとったインド料理なのか・・・。そもそも「インド料理とは?」の解答を日本に住んでいて持てるのか?・・・それこそ、皆大好き、「多様性」の神格化なのか?・・・「多様性」、・・・そんな曖昧な話を漠然と続けて行く確信の無さに・・・不安しかないのだが・・・。今の世界感で「多様性」を真っ向から否定するのは・・・リスクしかないので・・・ヤメて置く。そもそも「リスク」を取らないスタンスに、「魅力」など・・・アタイは持て無いけどね。ある程度、凝り固まった「インド料理」と言う概念に、「多様性」の多角的な見え方の風味を残しつつ、「日本で提示する、新生創成インド料理」は、リスク上等での力強いイケイケドンドンと勢いがある♡誰もが考えつく程度のアイディアを根底から覆し続ける・・・「SPICE LAB TOKYO」。提供される料理の全てに、先入観を消し去る「遊び」がはらんでいる・・・。「インド料理」って、カレーに集約される「スパイス」が「全てでは無い」ですよ~♡と♡「インド料理」の先入観の先にある「美味しさ」を洗練されたスパイス使いと簡単に言ってしまいがちだが、それはただの脳のバグで、「考えて動いている」と思っているマニアに、「本当は動いてから考えている」のが、人の習性と教えてくれている。明確に、「日本の旬の食材を取り入れ」てと、「SPICE LAB TOKYO」はハッキリと伝えてくれている。日本でしか出来ない味わえない、「インド料理」のカスタマイズに誇りを持って提示してくれている。これまでの日本のインドカレーマニアが、「これぞ本場の味」とか恍惚の表情を浮かべ日本で食べている「インド料理」の素材はドコのモノなのだろう? そもそも、家庭のお母さん料理の話なのか、路地で食べる屋台料理なのか、お店を構えた定食屋のそれなのか、はたまたニューデリーの最高級ホテル内のレストランが提供する古式にのっとったインド料理なのか・・・?だとすると・・・日本で話す「インド料理」は最初から、多様性の日本生まれの「インド料理」「インドカレー」の話でしか・・・んぅうん?うっ、うん。つまり、「SPICE LAB TOKYO」が提供してくれる「インド料理」は、「美味しい」は、誰にも縛られないし、誰のモノでも無い。「美味しい」は、突き詰めれば、作る人が「楽しくて」、食べる人も「楽しい」モノ。「美味しい」は、唯一無二では無く、その先にアル「美味しい」の足がかり。「SPICE LAB TOKYO」が提供してくれる「インド料理」は、耳触りの良い「多様性」では無く、確信的な「美味しい」に、「遊び」の「楽しさ」を「明確な方向」として「明示」して、くれている♡『おーい、こっちの方が旨いと思うけど、一口食べてみて・・・。・・・どう?・・・。なぁ、だろ♡』って、ははっ~♡
2024/09/27 更新
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日本酒あり
焼酎あり
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カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
短くても濃厚濃密な仕事終わりの夜、もらった小切手をビラピラと眺めながら、
『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』にて、
何度目かの「シェフズコース」を・・・食べる。・・・果実味の豊かなロゼワインと共に♡
・「マンゴーとスパイスのチャート」 可愛らしいアミューズ。
サクサクとした揚げたシェルに、ねっとりと柔らかなマンゴーを乗せて一口と頬ばれば、先陣に咲くマンゴーの香りが鼻先にフッと抜けて行く。
ゆっくりと歯先を切り落とし舌を踊らせると塩味が波打ち、クミンの香りがほころぶ。
飲み込んだ後に、名残のマンゴーの甘味と微かな酸味が微笑んでバイバイと手を振り薄れて行く。
味の土台は、ローストクミンとブラックソルト。フレッシュマンゴーとドライマンゴーは風味と食感。
マンゴームースと合わせた海ブドウが、謙虚な塩味のアクセントと感じる。
コースの幕開けとして視点の戸惑いも無く、味わいの優しさが違和感なく気持ちを料理に向けさせてくれる♡
・「トウモロコシとバターミルク カンドヴィのスープ」 キーンと音の鳴る冷たいスープ。
私の浅いインド料理の知識の中にあるカンドヴィは、バターミルクやヨーグルトとひよこ豆の粉(ベサン)を混ぜたものを薄く巻いて表面に光沢が出るまで焼き、アクセントで胡麻とスパイスをまぶして味付けしたスナックとの認識・・・しか無かった・・・。
ロールパスタの一種と紹介されたりするが、私的には、ちょっと湯葉に近い食感とか思ったり・・・する。
そんなカンドヴィを泳がせたスープ。
本体の波打つスープは、トウモロコシの甘さと生命力の香りが、バターミルクの懐深い豊満さに落とし込まれている。
濃厚さの味わいと表現したくなるが、程よいスパイスの切れ味が際立ち、心地よい風の通りと目を細めてしまう。
トウモロコシに、ターメリック、コリアンダー、クミンと少しのガーリックを優しい火力で丁寧に撫でる様に炒めピューレにした後、馴染ませるよう少しずつバターミルクを加えた情景が目に浮かぶ味わい。
トウモロコシの前を歩かないスパイス、スープを冷たくした意味合いに笑顔になる。
スープの中から出てくるカンドヴィが、溶けるようでいて、はにかんだ照れ笑い程度の主張で、トウモロコシ、バターミルクの優しさに甘えているのが、また微笑ましい。
喉を通り過ぎる時に感じるヨーグルトとタマリンドの微かな酸味と甘みに、わずかに頷く苦味が繊細さを際立たせている。
・「インディアンアペタイザーズ」 四角い枕、クッションを模したお皿の柔らかさが、5種のそれぞれを優しく持ち上げている。・・・今日の相棒ロゼワインが、ニコニコとし出す♡
手前左には、南インドの屋台の定番「ベビーコーン65」が、赤唐辛子の衣をまとっている。
目にも刺激あるスパイシーな味わいが衣に興じ、ベビーコーンのシャキシャキとした食感が無垢な甘味を弾けさせる。
手前右「チキンティッカ・サモサ」、チキンティッカと豆、合間にきざんだ野菜を包みサクッと揚げたパイ。
当然、歯音が奏でる小気味良いパイの食感は、中の具材達に添わせたスパイスの動機付けとなる。
香りとして吹き上がる豊かなスパイスの風味に、知り得ることの拙い日本人としても、インドの風土が少しだけ思い描ける。
中央の「ゴールガッパー」、タマリンドとミント風味のソースをプーリの中に入れ、サックリと揚げた小麦のシェル。
サクサクの感覚を壊さないように、優しく持ち上げ舌の上に乗せる。
ゆっくりと落とす歯音は、薄いクリスピーな層を押しのけ、爽快な流れが口の中で遊び出す。
微睡みだした腹の虫に、爽快な笑顔で「まだまだ、これからですよ♡」と声をかける♡
左上には、「パプリチャート」。
主となるトマトとゴマのチャツネに、アクセントのキュウリ、ナスを入れ、パプリと呼ばれる揚げた生地に添わせている。
どこまでもサクサクの食感に、太陽の味がする野菜が練り合わされスパイスの抑揚に乗り、瞬間的な背伸びを見せる。
右上の「チャトパタ・マグロドクラ」。
ドクラにタマリンドと少しのコチュジャンで和えたマグロを添えてある。
ドクラは、少し塩味があることで、ほのかな甘さの香るインドの蒸しパン。
発酵させた生地を蒸しているので、雁月とか黒糖蒸しパンのようなしっとりとした柔らさがある。
香ばしさに、かすかに粘る食感が甘味の技となし、絶妙に組みあせたマグロの味わいを引き立てる。
・・・この辺で・・・、ポンツ子なオイラも、・・・イロイロと気が付く・・・。
サモサ。ベビーコーンのスパイスフライ。ドクラ。パプリチャート。
・・・からの、
ゴールガッパーは、パーニープーリー、プチュカとか呼び名はあるが、イロイロとインド全土で食べられる。インド訪問の時に、時の岸田首相もメディアの前で食べてた。
これ、全部インドでの屋台の食べ物。
庶民に馴染みが高い食べ物と言うか、生活の中に馴染んでいる軽食、スナック。
そのインド屋台の代表的な食べ物を・・・、インド・コットン、綿花の枕、クッションの上に載せて居る。
インドでの綿花生産・・・インドのこれまでの歴史が詰まっている。
インドでは農家の家内工業としての綿織物の原料として綿花が栽培され、インド産綿布は18世紀前半まではイギリスに輸出されていた。
しかし、イギリスの産業革命の影響によって、インドはイギリス製綿布を逆に輸入する立場に転換する。
そのためインドの家内工業としての綿織物業は急速に衰退する。
農家は原料の綿花の栽培に特化し、輸出産業に大きくかわってしまう。
とくに1861年、アメリカの南北戦争による世界的綿花不足によってインドの綿花生産は異常に増大する。
1863年頃には、インドの最大の輸出品となった。
その後ほどなく、イギリスはインド大反乱を鎮圧し、
1877年にはインド帝国とし、占領統治する。
・・・インドの急速な近代化の陰に隠れているが、綿花は、その時から農地に張り付けられた農家の家族、年端も行かない子供の労働により、主要な商品作物として・・・、・・・現在も変化なく栽培され続けている。
・・・この、インディアンアペタイザーズ。四角い枕、クッションの上には、
「テジャス・ソヴァニ」シェフのidentityが、描かれている。
全くもって、自分の持ち得るインド料理の世界感に固執するのではなく、その可能性と現状に住む日本に対し、謙虚で誠実な対応の上で、本当のインド、本質的なインドを考察するキッカケを世界に発信する気概に感服する♡
・「ズワイガニのドーサと海老のギーロースト」
発酵させた生地をクレープ状にし、ズワイガニを包み焼いたドーサ・・・と、言うか、これは、完璧にガレットと言いたくなる一皿完結の満足感♡ クレープみたいなオヤツ感はない・・・ズら♡
キメの細かい繊細さが表面にあらわれ、口どけの軽やかさを見た目から予測させる。
ドーサの素朴な味わいに吟立ちのズワイガニの味わい。旨いに決まっている♡
ジワジワと脳がバグる混沌の美味しさに、一拍遅れで悶絶する♡
ギーは、ちゃんと古式インドの作り方で、乳脂肪分からの無塩発酵バターを煮詰めて、水分やタンパク質、糖分などを取り除いた高純度のオイル。
そのギーで、優しくエビの風味を消さずに海の味わいがそよぐスパイスと合わせ、手早く仕上げられたエビのソテー。
エビの味は、ギーなのか、スパイスなのか、その両方なのか、ゆっくりと噛み込んだ時の味わいの華やぎが、勝手知ったるエビの味わいとは・・・、・・・全く違う。
・・・エビが、好き過ぎるアタイの味覚理解力を簡単に超えている。
・・・簡単に、スパイス味とか・・・言いたくないし、言え無い・・・。
・・・美味しい・・・とは、ちょっと違う・・・、何度食べても・・・狂おしいほど美味しい♡
・・・「奇跡の美味しさ♡」とポスターを自作して、ドコかのナニかに立候補させたくなる・・・味わい♡
・・・ナンにだ? ははっ~♡ それくらいお気に入りで、美味しい~♡ 殻、パリっ♡
・「白身魚のソテーとマチェジョール」 ふっくらとした白身魚を浮かべたベンガル風カレー。プーリ揚げパンと共に頂く。
・・・ナンと言うか、ここまでくると日本的な素材からのインド料理の饗宴と銘打ち、日本とインド料理の融合のテーマが、私なりに伝わり出し・・・料理との対話、会話が強固に成り立って来る♡
ベンガル風カレーのふんだんに使われた数種のトマトが、それぞれの風味と主体となる旨味の中で、句読点のような酸味となり、流れるように美しい一文を創り出す。
どこまでも旨味の馴染みが主役であるため、スパイスの名脇役ぶりが一周回って逆に際立つ。
白身魚の潤んだ旨味も際立ち、身のしまりに弾む歯音が低音からジワジワと高音に響く。
プーリのサクサクの食感に、後味の止めどない余韻が行進して行く。
・・・ここまでくると、日本のカレーマニアがよく口にする、「豪快なスパイス使い」とか、「パンチの効いた複雑な辛さの中にある旨味」とか、「スパイスの組み合わせから感じるセンスの良い繊細さ」とかの意見を、
『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』で、「テジャス・ソヴァニ」シェフの生み出した料理と対比させると、
つくづく、・・・安全な日本に住んでいて、何でも言える日本の中から見た意見であり、インドでの「インド料理」に対する意見でも、何でも無く、タダの思い込みだと・・・感じてしまう・・・。
どこまで行っても、日本人が日本に居て知り得た知識の中で作り上げた感覚的な・・・「インド料理」に対する ただの 思い込みだと。
イロイロとマニア観点から言うのは勝手だけど、「インド料理」素人のオイラから見ると、勝手に高い敷居で柵をつくり、初心者が踏み込むキッカケを削いでいるダケに感じたりする。
・・・ハッキリと。
「インド料理」は、当然、その主力となる味わいにはスパイスがある。
しかし、そのスパイスを使った料理が生まれたのは、歴史があり、歴史を刻んだ時間と国土があり、そこの気候、風土、生活があってコソである。
ただ「本場」と有難がり吹聴し、「日本」に「インド料理」を持ち込んで、日本の歴史、歴史を刻んだ時間、日本の気候、風土、生活に、「インド料理」の価値を見出すことは本当にできるのだろうか?
日本的価値観、日本的な感覚、日本的な習慣。
場の空気を読んで、他者の気持ちを読み取る。虫の声を聞いて季節を感じる。「いただきます」「ごちそうさま」と感謝の気持ちを口にする・・・。
『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』と、「テジャス・ソヴァニ」シェフが目指すトコは、一部のマニアが評価する感覚と真逆の・・・「日本文化への敬意とインド料理への愛」だと感じる♡
スパイスの主張は、理解する。
スパイの力量、破壊的な美味しさも認める。
だからこそ調和するために、持ち場にとどまり明確な結果をあげ、全体の和となすため、
・・・輪とつなぐ「スパイス♡」
その、「奥ゆかしきスパイス使いのセンス」から生み出される「日本の中」で「前進するインド料理」に、マジで感動する~♡
・「コサンバリ・サラダ 季節の果物とナッツ、ココナッツソルベ」 目見麗しくも口内の清涼さを予感させる。
生野菜を使ったサラダと、わざわざ言う価値がある。
インド料理として題するフレッシュサラダは、特別感に溢れている。
野菜の潤んだ空気感に、フルーツの甘さ、味わいの裾のと思っていたココナッツのソルベが、実は伝えたい味の芯だと食べると気づき・・・微笑んでしまう。
・・・ここまで対話が出来るサラダだと、コレを創り出したシェフの想いが少しだけ伝わってくる・・・。
・・・過去なのか現在なのか、このサラダを食べさせたい誰かのために生み出された一皿と感じられる♡
・・・愛と感じられるサラダ、・・・おすそ分けにありつけている今に、ちょっとだけ意味不明な嫉妬をしながらも・・・美味しさのストレートさに素直に感謝する♡
・「タンドール窯で焼いたサーロイン」 大胆な食欲をあらためて刺激する・・・也♡
・・・サーロイン♡・・・。
乱暴な言い方だけど、「インド料理」での「牛」、「タンドール窯」にブチ込んだ「牛」・・・である♡
当然、断然、歴然的に、美味しいに決まっている♡
土壺の窯タンドールで、じっくりと焼き上げられたサーロイン。
皿の上には大胆にカットされた面がロゼ色を蓄えて、微笑んでいる。
その表面は、淡い肉汁の湧き立ちが微かに溶けだし、飴細工の流れのようにまとっている。
側面に擦りこめられたスパイスと敷かれたソースの瞬きが、香る豊かな甘さと伸びやで直線的な刺激となり鼻腔を満たす。
ドコにナイフを落とすか・・・と、迷う♡
側面のスパイスと、中心部の肉の雫を同時に口に入れたいと思うと、ピザのように中心から放射状のカットで、少しずつそのとろける甘味をスパイスソースで味わいたくなる。。
口に頬ばれば、不思議と和的な馴染みを感じ、そこから言葉をつむぐには、漢の字ではない、宋の時代の字である宋字の「挨拶」につながる魔訶不思議な感覚になる。
・・・この味、知らないわけでは無いのだが。
・・・ナンと言うか、・・・読めるけど書けない。
・・・そんな、もどかしいほどの沁みわたり力のある美味しさ♡
一緒に皿に乗るジロール茸とナスに、なぜか笑われている気がする。・・・ははっ~♡
・「オックステールのハイダラバーディー・ビリヤニ」 これこそ、トドメの一撃と喰らいつくす~♡
なんなら、ここに辿り着くまでの道のりだと思いながら、食べる♡
蓋とされた薄い生地を丁寧に剥ぎ、色彩と香りを同時に楽しむ♡
ハイドラバード風とされる、絶妙にマリネされたオックステールがバスマティライスにまみれている。
何段階もの工程をへたバスマティライスは、プチっと薄い膜に覆われ、芯と伝う本体が驚くほどフワフワと軽く繊細な食感。粘りとかしつこさがない代わりに、風味香りの馴染みの良さが、より食べる気持ちを高める♡
生地で蓋をした密閉状態で蒸し上げている効果は、食感の全てと香りの抑揚だけでは無く、食べる人の楽しみにも華やかさを添えてくれる。
オックステールの下味スパイスを愛の交換日記のように受け取ったバスマティライスは、濃厚接触部とフレンチKiss部で、味わいの速度が変わる。
・・・それがまた、スプーンを幻影発生暴走モードの加速スイッチになっている♡
ほどよく食べて、「オックステールのハイダラバーディー・ビリヤニ」の味わいを記憶に書き込んだ後は、ライタの優しい味わいや、ダルカレーの甘味が主でありスパイスの背景をのぞむ味わいと合わせて食べると、美味しさがより丸く丸くまとまって来る♡
自己主張の塊のようなスパイスの味わいでは無く、素材の味と共に生きているスパイスの味わいは、
激烈な刺激を耐えて行くうちにバカになる感覚のあきらめでは無く、肌になじんで沁み込んでいく心地よい快感となる♡
日本的な感化を「インド料理」に落とし込むのではない、共に手をとり「調和」する新たなる姿をハッキリと認識出来るビリヤニ・・・最上至極の味わいだぁなぁ~♡
・「マンゴーシュリカンドのミルフィーユ カボチャと味噌のアイスクリーム」 シュリカンドと味噌が協演するデザート♡
一つの皿にコンビと立つ二つの姿。フィナーレにふさわしい味わいに、万感の拍手を送りたい♡
シュリカンドは、インドでは古くから多くの人達に愛され続けるデザート。
ヨーグルトの水切り具合に好みがあらわれ、そのお店、その家庭、その人の好みが淡い差で美味しさに違いをもたらす。
好みの肌触りに仕上げたヨーグルトに砂糖を加え、サフランやカルダモンのスパイスで香りを付け優しく仕上げられている。
ミルヒィ―ルとする薄いパイの層がほつれるたびに、甘酸っぱくも香り高いスパイスのスキップの合間から、母性的な甘さがベールの様に舌の上を覆っていく。
アイスクリームは、カボチャの魅力である重心の整った自然の息吹そのものの味わい。
外連味の無い素直な甘さと口どけの良いなめらかで、心底楽しませてくれる。
数年前から、日本の発酵食品の味噌や醤油、しょっつるや塩辛などを隠し味や味わいのコクとして料理に取り入れるレストランが海外でも増えている。
日本の発酵食品には、日本独特の菌の特徴から塩味と香ばしさにキレがあり、後味の奥行きに不思議な深さをもたらす。
甘い系のデザートや焼き菓子、洋の甘さの中にそれらが含まれると、かなり馴染み良い感覚となり、味わいに層となる広がりを感じる。
「インド料理」に日本の味噌♡
美味しさに、思い込みや国境はなく、「前に進む」とのnomaやGeranium、El Bulliから続く、自由な発想が最後のデザート皿の上に、乗っている。
・・・。
・・・。
・・・コーヒーでは無く、残ったロゼワインに氷を入れ、デザートと楽しみながらイロイロと思いを馳せる。
最初の頃、「インド料理」をコースに仕上げるとした、その発想に琴線が触れていた・・・。
・・・でも、何度が通っている内に、単純に「日本」と「インド料理」を融合させ、フランス料理やイタリア料理のような路線は目指しては・・・いない・・・と、気が付き出した・・・。
・・・5種の前菜を盛った印象的な綿花の枕、クッションのお皿・・・。
店内の設計、インテリア、サービスの丁寧さ・・・そんなことに、気が捕らわれる程度では語れないほどの、
皿の上に乗る、作り手の想い・・・。
この「インド料理」に対して、「美味しい」「まずい」の評価や会話は、ほぼ意味を持たない。
なぜなら、「日本」の中に居て、じっと「インド料理」を真摯に見つめる人の生涯を食べている気持ちになるから~♡
・・・。
・・・。
・・・つくづく、
『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』で、お皿の上にのっている料理は、「イソップ童話」のようだ♡
「イソップ童話」は、2500年前に古代ギリシャで生まれたとされるお話。
有名な「ウサギと亀」の話など、現代まで2500年も読み続けられている。
なぜ、これほどまで長く人々に愛されるのか?
それは、読んだ人が、情景を頭に描ける『伝わる言葉』だけで、書かれているから。
ちゃんとお金を貰える物書きとして長くその任についていると、プロとアマの差がハッキリと分る時がアル。
言葉には、「伝わる言葉」と「そうでもない言葉」がアルことに。
それは、ゲームのようで、その言葉で「絵が描ける」か「描けないか」の話になる。
「競争中に居眠りしたウサギは、ユックリでも歩き続けた亀に途中で抜かれました」
と、
「才能があっても怠慢で油断をすると、コツコツと努力し続ける人にいつかは抜かれる」
どちらが、パッと頭の中に絵が浮かぶだろう?
言葉多く丁寧な説明だとしても、画の浮かばない描けない文章は、人には伝わらないし、心には残らない。
「伝わる言葉」がアルことに気がついて書いた文章には、自然に人は集まって来る。
それにプロは、良い文章は、書いた人が決めるのではなく、読んだ人が決めるモノと知っている♡
・・・。
・・・当然、『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』が放つ料理各種の「味わい」には、「伝わる言葉」が添えられている♡
・・・一口食べると、誰もが「美味しい」を描いてしまい、言葉として発してしまう「美味しい」と♡
・・・。
・・・。
・・・しかし、「美味しい」にも多様性と言う、これまた「伝わりづらい」表現の「美味しい」もあったりする。
同じ方向を見ているのに、見る人によって全然違う認識になることは多々ある。
自分は、その方向にある手前の点に焦点を合わせているけど、
他の人は、遠くの点に焦点を合わせて見ていたとか・・・。
全ての物事に、そんな事例はあると思う。
当然、インドのカレーの話においても♡
イロイロと、インドカレーマニアとかスパイスマニアとか、ドコかで聞きかじったり、読み込んだ本やネットで知り得た知識で武装して、完璧さを顔全面に塗りたくったとしても、他者との方向性は同じでも『焦点』の合わせ方にズレがあれば、話の通りはお粗末なモノとなる。
チョットだけ、ズレるが・・・、
日本人として、「日本料理、和食」を語ったとしても、人によりその話す部分、焦点は様々だろう。
ある人は、割烹懐石会席の料理に、日本的な和の料理を見出し語る。
ある人は、家庭で出てくる、ご飯と味噌汁、漬物に焼き魚に、その古来からの日本文化的様式美を語る。
ある人は、ナポリタンやオムライス、ハンバーグ、トンカツなどに、日本の料理の懐の深さを語る。
「日本料理、和食」のマニアだとして、高級と家庭での料理、日本古来の素材と現代の食材、火を直接使う調理と電子料理、「日本で食べられる全ての料理」を「日本料理、和食」に当てはめて語るのは簡単だけど・・・、
それを、「方向性は同じでも『焦点』の合わせ方にズレがある他人」に説明し、「納得」してもらうのは、大変だと思う・・・。
そんな「焦点」の合わせ方を「インド料理」の方向性で・・・楽しんで遊んでいるお店♡
『銀座 モダンインディアンキュイジーヌ 「SPICE LAB TOKYO」』
で・・・ある♡
日本人が、漠然とイメージする「インド料理」の概念。
昔から慣れ親しんだカレーライスを起点に、北だ南だ右だ左だと情報だけが先行するが、インドカレーマニアの価値観は、想像上のインドの家庭料理なのか、路地で食べる屋台料理なのか、お店を構えた定食屋のそれなのか、はたまたニューデリーの最高級ホテル内のレストランが提供する古式にのっとったインド料理なのか・・・。
そもそも「インド料理とは?」の解答を日本に住んでいて持てるのか?
・・・それこそ、皆大好き、「多様性」の神格化なのか?
・・・「多様性」、・・・そんな曖昧な話を漠然と続けて行く確信の無さに・・・不安しかないのだが・・・。
今の世界感で「多様性」を真っ向から否定するのは・・・リスクしかないので・・・ヤメて置く。
そもそも「リスク」を取らないスタンスに、「魅力」など・・・アタイは持て無いけどね。
ある程度、凝り固まった「インド料理」と言う概念に、
「多様性」の多角的な見え方の風味を残しつつ、「日本で提示する、新生創成インド料理」は、リスク上等での力強いイケイケドンドンと勢いがある♡
誰もが考えつく程度のアイディアを根底から覆し続ける・・・「SPICE LAB TOKYO」。
提供される料理の全てに、先入観を消し去る「遊び」がはらんでいる・・・。
「インド料理」って、カレーに集約される「スパイス」が「全てでは無い」ですよ~♡
と♡
「インド料理」の先入観の先にある「美味しさ」を洗練されたスパイス使いと簡単に言ってしまいがちだが、それはただの脳のバグで、「考えて動いている」と思っているマニアに、「本当は動いてから考えている」のが、人の習性と教えてくれている。
明確に、「日本の旬の食材を取り入れ」てと、「SPICE LAB TOKYO」はハッキリと伝えてくれている。
日本でしか出来ない味わえない、「インド料理」のカスタマイズに誇りを持って提示してくれている。
これまでの日本のインドカレーマニアが、「これぞ本場の味」とか恍惚の表情を浮かべ日本で食べている「インド料理」の素材はドコのモノなのだろう?
そもそも、家庭のお母さん料理の話なのか、路地で食べる屋台料理なのか、お店を構えた定食屋のそれなのか、はたまたニューデリーの最高級ホテル内のレストランが提供する古式にのっとったインド料理なのか・・・?
だとすると・・・日本で話す「インド料理」は最初から、多様性の日本生まれの「インド料理」「インドカレー」の話でしか・・・んぅうん?
うっ、
うん。
つまり、
「SPICE LAB TOKYO」が提供してくれる「インド料理」は、
「美味しい」は、誰にも縛られないし、誰のモノでも無い。
「美味しい」は、突き詰めれば、作る人が「楽しくて」、食べる人も「楽しい」モノ。
「美味しい」は、唯一無二では無く、その先にアル「美味しい」の足がかり。
「SPICE LAB TOKYO」が提供してくれる「インド料理」は、耳触りの良い「多様性」では無く、
確信的な「美味しい」に、「遊び」の「楽しさ」を「明確な方向」として「明示」して、くれている♡
『おーい、こっちの方が旨いと思うけど、一口食べてみて・・・。・・・どう?・・・。なぁ、だろ♡』
って、ははっ~♡