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パコ崎ミャ子は、どうすればイイ?
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パコ崎ミャ子 (東京都) 認証済
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1回
昼の点数:4.7
2015/05 訪問
はぁ? 第一だけじゃなく第二もあんの?
えーん。えーん。泣きながら走って行く。タッタッタッと走っていく。黒いワンピースで走っていく。目指したお店には、珍しく誰も並んでいない。喜び勇んでドアを開け、飛び込み、可愛い髪型のお母さんが、声をかける前に、「お母さん! あのね。ミャ子ね。一生懸命踊って、歌ったの・・・そうしたら・・・」・・・。・・・・。・・・。友達が、冷凍焼売を20箱送ってくれた。バラにすれば、300個。30歳の誕生日プレゼント・・・。某有名店の焼売だ。好きだけど。嬉しいけど・・・。その友達の誕生日に、同じように冷凍餃子50箱、個数にして300個を別の友人達と、ギャグで送った仕返し・・・お返しだ・・・。冷蔵庫にはギリギリ入ったが、貼ってないはずの、満員御礼焼売専用冷蔵庫の赤札が、ちょっと涙目の先に滲む。焼売地獄・・・いやいや、焼売天国の始まりだ。食べる前から、ゲップが焼売の香りを豪快に咆吼する。すでに、胸焼けしている。ラインで、友達にとりあえずのお礼をしていると、別の友達が参加。「ねぇねぇ、それ持って家に来ない?」と、助け舟。ありがたいと、ダンボールに詰め直し、駆け付ける。タッタッタッ・・・。「ちょうど、息子の幼稚園の友達が来ていてね」食い入るように、テレビを見ている5歳の男の子が4人。後ろをソーっとダンボールを抱えて、通りすぎようとすると、一人の子が気づいて、「こんにちは」と挨拶される。こっちが「あっ」と驚いている間に、次々に、ちゃんとした挨拶を浴びせてくる。みんな賢そうだ。圧倒される。「・・・どぅも・・・。」ダメな大人全開の挨拶を返す。母となっている友達は、大学を出たあと一年だけ働き、専業主婦業で家庭を支えている。立派な人だ。「お昼まだでしょう?」広いダイニングキッチンは、綺麗にまとまっている。生活感が程よく漂い、テーブルの椅子に座って見守る先。当然のように、どこに何があるかを確認しなくても、的確に把握し動く友達。自分の母にダブる。偉大なる母のオーラ全開だ。菜の花のパスタやら、鯛のカルパッチョやら、削りたてチーズの乗ったロメインレタスやら「残り物だけど、食べて」と、そうそう、忘れちゃいけないと、焼売も温めてくれた。普段、お茶漬けとなめ茸 で生きている私には、最後の晩餐的な豪華さだ。何だ、この優雅なマダム生活は。・・・羨ましいです。そのまま、「いいなー。羨ましいなー」考えを咀嚼せず、生のままで言ってしまう。「ふふふっ。ミャ子だけだよ。そのまま、そんなこと言うのは」と、笑われた。何か、少し恥ずかしくなった。けど、本当にそう思った。美味い、旨いと、ムシャムシャ食べながら、「仕事どう?」ひと区切りで、お茶を入れてくれた友達に、言われた。お互いの近況の報告と、ちょっとしたグチの聞き会い、話し合いをする。楽しい。「そう言えば、あなたの あの方 は元気? 連絡とってるの?」「うん・・・。2ヶ月に一回くらい。こっちからメールしてる」私の返答に友達が、分かりきった答えをしようとした時、テレビに飽きた息子の○○ちゃんが、「お姉ちゃん、こないだの歌って」と、ちょっと前に、一緒に行ったカラオケで披露した、宴会芸のリクエストに来た。「今ね、お姉ちゃんはママと大事な話をしているの・・・」いつもの母親の顔から、女の顔が見え隠れする友達に、「いいの。いいの。じゃ、やるよー。みんな手をたたいてねー」一飯の恩義を返すべく、リビングに小刻みな駆け足で移動する。〇ou〇ubeアップで、企業自治体説明用に使うため、社命により必死に仕上げた「〇のフォー〇ューンクッキー」完璧な仕上がりでお送りする、私。渾身のパフォーマンス。飲みの席でも、結婚式の二次会でも、話題沸騰のあの衝撃のパフォーマンスを。頭の先から高音を発し、狂気乱舞する子供たちへ、全力で披露する。イントロの高揚感。スマホの音割れすら心地いい。呆気にとられる子供達。見やがれ、本気出した30女の実力を。次第に空気の変化が伝わってくる。熱気というか、ライブ感というか、・・・怯えたすすり泣き・・・。うん?「・・・人生捨てたもんじゃないよね。あぁ、と驚く奇跡が・・・。」えっ?「ちょっと、もう止めて!」慌てた友達が割って入る。あれっ?子供たちが泣いている。何で? ○○ちゃんも泣いているの?えっと、あの子もこの子もその子も泣いている。なぜ? ここからが本番なのに・・・。「・・・手と足が長くて、妖怪みたい。カリメみたいだ。・・・カリメ・・・」「ゴメンネ。ちょっとこの子達、感受性強いから・・・」・・・。「ヌっ!」・・・。後日、「カリメ」とは、その日、子供たちが食い入るように見ていたアニメ、夏〇友〇帳に出てきた、黒くて手足の長い妖怪だそうだ。「百怪図巻」「画図百鬼夜行」では、「精螻蛄」(しょうけら)という由緒正しい妖怪だそうだ。何で、ちょうど良くそんなアニメ見てんだよ。妖〇ウォッ〇を見ろよ。〇怪ウ〇ッチを。衝撃の結末で、友達の家を飛び出た私。えーん。えーん。泣きながら走って行く。タッタッタッと走っていく。黒いワンピースで走っていく。目指したお店には、珍しく誰も並んでいない。喜び勇んでドアを開け、飛び込み、可愛い髪型のお母さんが、声をかける前に、「お母さん! あのね。ミャ子ね。一生懸命踊って、歌ったの・・・そうしたら・・・」と、言う代わりに、「ドラゴン炒飯 と 餃子 焼きで」と注文し、カウンターに着席する。小皿に、酢をたっぷり入れ、黒胡椒。水を飲み飲みザーサイをパリポリする。は、ここ、港区赤坂じゃ知らぬ者はいない土地っ子の拠り所、私の生まれるずっと前から営業中。心の拠り所。そう、何でも美味い 珉珉 様。もう、食うしかねーんだよ。食うしか!。と言うときには、絶対ここ。量と質にこだわった店。明日への活力。ヤッター、ミャ子ちゃんだって、明日はホームランだ!ドラゴン炒飯お皿に、こんもりと盛られている。立ち上る湯気の穏やかさとは裏腹に、油により万全の状態に仕上がり、最前線に送り出されたニンニクの芳香。覇気ある意志のもと、直線的な放射状の渦で迫ってくる。反射的にも避け切れることは出来ず、されるがままに、ただ委ねる。刺激的な一閃が、鼻腔を、ただ、ただ、走り抜ける。それは、一直線に脳の最も刺激的な部分に走りより、両手で持った金槌で殴る。殴る。蹴る。殴る。満足するほどの快感に打ち震える。ただの香りなのに・・・。体が準備を始める。バッチこーいとミットを掲げ、その全てを受け取る準備を。黄金色の卵と、翡翠のようなニラのコントラストが綺麗すぎる。鈍く光るチャーシューもシブく佇んでいる。あぁ~。震える手を使い、レンゲで一口頬張る。その一口だけ、何故かいつも、優しさしか感じない。少し不安になる。物足りないワケではない。ただ、記憶している力強さとのわずかなギャップに、戸惑うだけ。確認するように、二口、三口と進んでいくと、じんわりじっくり、そしてボーんと、「俺だよ。オレオレ」とお馴染みの顔が、やっとニヤリと顔を出す。安心する。そうだった。このドラゴン炒飯は、見た目とは違い、食べ進むうちに、全貌が明らかになる稀有な存在だった。そもそもドラゴン炒飯は、ドラゴン怒りの三連発最終章、日本未公開の中で、チシ・シューイエンがギャングのバンボーズに拉致られた、人気歌手エイム・エレンを助けるために、彼女の大ファンのヴァーリが、弟のムトに助けを求め、女兵士イッマコを相棒に乗り込んだアジトで、ヴェンレイが必死に鍋を振って作っていた、あれだ。どれだ。・・・と言うか、そんなシーン無かったし。・・・そもそも、そんな映画自体この世に無いし。すいません。・・・何かと、間違えました。申し訳御座いません。気を取り直し、意識をこっちに戻すと、大きめのお椀に入った、刻みネギの浮かんだスープをおもむろに持ち、唇を媒体にして、吸気を巧みに使い、口腔内に取り込もうとしていた。この醤油の香るプースー。(?)スープはドラゴン炒飯には無くてはならない相棒だ。同性というよりは、異性のコンビ。大人と子供。そう、個性の強い二人。BJとピノコのような感じ。だと思う。何かね。ニンニクの香りが油でふっくら甘くなり、ニラとチャーシューは両極端のアクセント。ただ、どちらも甘味のアクセント。鮮烈さと、老獪さ。美味しさの天秤をその時々で、急いで行き来している。ザーサイも、キッチリ塩っぱくて、リングアウトなのに、必死にワセリンを目の上にすり込むセコンドのようだ。しかし、それらは、全体の塩味は変えることなく、常に、恒常性を保つために対流している。そして、ドラゴン炒飯は、最後までホメオスタシスを体現している。美味しく、素晴らしい。焼き餃子いろいろ試したが、やっぱりお母さんの言うとおり。餃子を黒胡椒をたっぷりいれた酢に、ドップリくぐらせ、一口で食べるのが美味しい。焼き目カリカリで、皮もっちり。熱さを必死に瞬きの速さで我慢すれば、肉汁が舌をドッパーんと喉奥に押し流す。引き潮とともにサワサワと舌が定位置に戻ると、余計な味のしない正しい美味しさが、「汝自信を知れ」と自戒を迫る。奢り高ぶらずに、その味に身を任せれば、「そうだったのか」と、一つ心理に近づく。これほどの餃子は、そうそうないっスよ。先輩。マジっす。なんなのかなー。バランスなのかなー。肉汁うま。噛んでると、ホロホロ肉がほどけていく。皮のムチムチ感が、粉物独特の優しい甘さと、中に捉えた水分の感触のよさを肉汁と一緒に、歯がもう一度汲み上げる。それを舌が待ってましたと迎えに行くと、全身にじんわり元気が廻り出す。ズンズンと。活力の石炭をくべる感じ。みんなの知っているD51より、車輪の大きいC50の力強さ。かな。食べきると胃が満たされていく。満足感と一緒に汗が出る。拭くのも、もどかしく、それらが全身の爽快感に変化するのを待つ。汗が気持ちいい。フルマラソンの苦しさから、解き放たれた、ゴールの高揚感だ。そして、タンク一杯の活力が充填される。子供に引かれるアビリティ・・・。一体何に活かせばいいのか、分からないが、それならば絶対、ようかい体操を完璧に仕上げてやると、心に誓う。メラメラ。目に炎がともる。そしてまた、うーん。うーん。唸りながら走って行く。ドスドスドスと走っていく。黒いワンピースで走っていく。・・・。珉珉 様。地元の誇りです。美味しいです。お母さんとお料理大好きです。
2015/06/23 更新
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個室
貸切可
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飲み放題
食べ放題
子供可
ペット可
クーポン
テイクアウト
家族・子供と
デート
女子会
合コン
大人数の宴会
接待
一人で入りやすい
知人・友人と
禁煙 分煙を含む
喫煙可
ワインあり
日本酒あり
焼酎あり
オシャレな空間
カップルシート
カウンター席
ソファー席
座敷
えーん。えーん。泣きながら走って行く。
タッタッタッと走っていく。
黒いワンピースで走っていく。
目指したお店には、珍しく誰も並んでいない。
喜び勇んでドアを開け、飛び込み、
可愛い髪型のお母さんが、声をかける前に、
「お母さん! あのね。ミャ子ね。一生懸命踊って、歌ったの・・・そうしたら・・・」
・・・。・・・・。・・・。
友達が、冷凍焼売を20箱送ってくれた。バラにすれば、300個。
30歳の誕生日プレゼント・・・。
某有名店の焼売だ。
好きだけど。嬉しいけど・・・。
その友達の誕生日に、同じように冷凍餃子50箱、個数にして300個を
別の友人達と、ギャグで送った仕返し・・・お返しだ・・・。
冷蔵庫にはギリギリ入ったが、貼ってないはずの、
満員御礼焼売専用冷蔵庫の赤札が、ちょっと涙目の先に滲む。
焼売地獄・・・いやいや、焼売天国の始まりだ。
食べる前から、ゲップが焼売の香りを豪快に咆吼する。すでに、胸焼けしている。
ラインで、友達にとりあえずのお礼をしていると、
別の友達が参加。
「ねぇねぇ、それ持って家に来ない?」と、助け舟。
ありがたいと、ダンボールに詰め直し、駆け付ける。
タッタッタッ・・・。
「ちょうど、息子の幼稚園の友達が来ていてね」
食い入るように、テレビを見ている5歳の男の子が4人。
後ろをソーっとダンボールを抱えて、通りすぎようとすると、
一人の子が気づいて、
「こんにちは」と挨拶される。
こっちが「あっ」と驚いている間に、
次々に、ちゃんとした挨拶を浴びせてくる。
みんな賢そうだ。
圧倒される。
「・・・どぅも・・・。」
ダメな大人全開の挨拶を返す。
母となっている友達は、大学を出たあと一年だけ働き、専業主婦業で家庭を支えている。
立派な人だ。
「お昼まだでしょう?」
広いダイニングキッチンは、綺麗にまとまっている。
生活感が程よく漂い、テーブルの椅子に座って見守る先。
当然のように、どこに何があるかを確認しなくても、的確に把握し動く友達。
自分の母にダブる。
偉大なる母のオーラ全開だ。
菜の花のパスタやら、鯛のカルパッチョやら、削りたてチーズの乗ったロメインレタスやら
「残り物だけど、食べて」と、
そうそう、忘れちゃいけないと、焼売も温めてくれた。
普段、お茶漬けとなめ茸 で生きている私には、最後の晩餐的な豪華さだ。
何だ、この優雅なマダム生活は。・・・羨ましいです。
そのまま、
「いいなー。羨ましいなー」
考えを咀嚼せず、生のままで言ってしまう。
「ふふふっ。ミャ子だけだよ。そのまま、そんなこと言うのは」
と、笑われた。
何か、少し恥ずかしくなった。けど、本当にそう思った。
美味い、旨いと、ムシャムシャ食べながら、
「仕事どう?」
ひと区切りで、お茶を入れてくれた友達に、言われた。
お互いの近況の報告と、ちょっとしたグチの聞き会い、話し合いをする。楽しい。
「そう言えば、あなたの あの方 は元気? 連絡とってるの?」
「うん・・・。2ヶ月に一回くらい。こっちからメールしてる」
私の返答に友達が、分かりきった答えをしようとした時、
テレビに飽きた息子の○○ちゃんが、
「お姉ちゃん、こないだの歌って」と、
ちょっと前に、一緒に行ったカラオケで披露した、宴会芸のリクエストに来た。
「今ね、お姉ちゃんはママと大事な話をしているの・・・」
いつもの母親の顔から、女の顔が見え隠れする友達に、
「いいの。いいの。じゃ、やるよー。みんな手をたたいてねー」
一飯の恩義を返すべく、リビングに小刻みな駆け足で移動する。
〇ou〇ubeアップで、企業自治体説明用に使うため、
社命により必死に仕上げた「〇のフォー〇ューンクッキー」
完璧な仕上がりでお送りする、私。
渾身のパフォーマンス。
飲みの席でも、結婚式の二次会でも、話題沸騰のあの衝撃のパフォーマンスを。
頭の先から高音を発し、狂気乱舞する子供たちへ、全力で披露する。
イントロの高揚感。スマホの音割れすら心地いい。
呆気にとられる子供達。
見やがれ、本気出した30女の実力を。
次第に空気の変化が伝わってくる。
熱気というか、ライブ感というか、
・・・怯えたすすり泣き・・・。
うん?
「・・・人生捨てたもんじゃないよね。あぁ、と驚く奇跡が・・・。」
えっ?
「ちょっと、もう止めて!」
慌てた友達が割って入る。
あれっ?
子供たちが泣いている。何で? ○○ちゃんも泣いているの?
えっと、あの子もこの子もその子も泣いている。
なぜ? ここからが本番なのに・・・。
「・・・手と足が長くて、妖怪みたい。カリメみたいだ。・・・カリメ・・・」
「ゴメンネ。ちょっとこの子達、感受性強いから・・・」
・・・。「ヌっ!」・・・。
後日、「カリメ」とは、
その日、子供たちが食い入るように見ていたアニメ、夏〇友〇帳に出てきた、
黒くて手足の長い妖怪だそうだ。
「百怪図巻」「画図百鬼夜行」では、「精螻蛄」(しょうけら)という由緒正しい妖怪だそうだ。
何で、ちょうど良くそんなアニメ見てんだよ。妖〇ウォッ〇を見ろよ。〇怪ウ〇ッチを。
衝撃の結末で、友達の家を飛び出た私。
えーん。えーん。泣きながら走って行く。
タッタッタッと走っていく。
黒いワンピースで走っていく。
目指したお店には、
珍しく誰も並んでいない。
喜び勇んでドアを開け、飛び込み、
可愛い髪型のお母さんが、声をかける前に、
「お母さん! あのね。ミャ子ね。一生懸命踊って、歌ったの・・・そうしたら・・・」
と、言う代わりに、
「ドラゴン炒飯 と 餃子 焼きで」と注文し、カウンターに着席する。
小皿に、酢をたっぷり入れ、黒胡椒。水を飲み飲みザーサイをパリポリする。
は、
ここ、港区赤坂じゃ知らぬ者はいない
土地っ子の拠り所、私の生まれるずっと前から営業中。
心の拠り所。
そう、何でも美味い 珉珉 様。
もう、食うしかねーんだよ。食うしか!。
と言うときには、絶対ここ。量と質にこだわった店。明日への活力。
ヤッター、ミャ子ちゃんだって、明日はホームランだ!
ドラゴン炒飯
お皿に、こんもりと盛られている。
立ち上る湯気の穏やかさとは裏腹に、油により万全の状態に仕上がり、
最前線に送り出されたニンニクの芳香。
覇気ある意志のもと、直線的な放射状の渦で迫ってくる。
反射的にも避け切れることは出来ず、されるがままに、ただ委ねる。
刺激的な一閃が、鼻腔を、ただ、ただ、走り抜ける。
それは、一直線に脳の最も刺激的な部分に走りより、両手で持った金槌で殴る。
殴る。蹴る。殴る。
満足するほどの快感に打ち震える。ただの香りなのに・・・。
体が準備を始める。バッチこーいとミットを掲げ、その全てを受け取る準備を。
黄金色の卵と、翡翠のようなニラのコントラストが綺麗すぎる。
鈍く光るチャーシューもシブく佇んでいる。あぁ~。
震える手を使い、レンゲで一口頬張る。
その一口だけ、何故かいつも、優しさしか感じない。
少し不安になる。
物足りないワケではない。ただ、記憶している力強さとのわずかなギャップに、戸惑うだけ。
確認するように、二口、三口と進んでいくと、
じんわりじっくり、そしてボーんと、
「俺だよ。オレオレ」とお馴染みの顔が、やっとニヤリと顔を出す。安心する。
そうだった。このドラゴン炒飯は、見た目とは違い、
食べ進むうちに、全貌が明らかになる稀有な存在だった。
そもそもドラゴン炒飯は、ドラゴン怒りの三連発最終章、日本未公開の中で、チシ・シューイエンがギャングのバンボーズに拉致られた、人気歌手エイム・エレンを助けるために、彼女の大ファンのヴァーリが、弟のムトに助けを求め、女兵士イッマコを相棒に乗り込んだアジトで、ヴェンレイが必死に鍋を振って作っていた、あれだ。
どれだ。
・・・と言うか、そんなシーン無かったし。
・・・そもそも、そんな映画自体この世に無いし。
すいません。
・・・何かと、間違えました。
申し訳御座いません。
気を取り直し、意識をこっちに戻すと、大きめのお椀に入った、
刻みネギの浮かんだスープをおもむろに持ち、
唇を媒体にして、吸気を巧みに使い、口腔内に取り込もうとしていた。
この醤油の香るプースー。(?)
スープはドラゴン炒飯には無くてはならない相棒だ。
同性というよりは、異性のコンビ。大人と子供。
そう、個性の強い二人。BJとピノコのような感じ。だと思う。何かね。
ニンニクの香りが油でふっくら甘くなり、ニラとチャーシューは両極端のアクセント。
ただ、どちらも甘味のアクセント。鮮烈さと、老獪さ。
美味しさの天秤をその時々で、急いで行き来している。
ザーサイも、キッチリ塩っぱくて、
リングアウトなのに、必死にワセリンを目の上にすり込むセコンドのようだ。
しかし、それらは、全体の塩味は変えることなく、
常に、恒常性を保つために対流している。
そして、ドラゴン炒飯は、最後までホメオスタシスを体現している。
美味しく、素晴らしい。
焼き餃子
いろいろ試したが、
やっぱりお母さんの言うとおり。
餃子を黒胡椒をたっぷりいれた酢に、ドップリくぐらせ、一口で食べるのが美味しい。
焼き目カリカリで、皮もっちり。
熱さを必死に瞬きの速さで我慢すれば、肉汁が舌をドッパーんと喉奥に押し流す。
引き潮とともにサワサワと舌が定位置に戻ると、
余計な味のしない正しい美味しさが、「汝自信を知れ」と自戒を迫る。
奢り高ぶらずに、その味に身を任せれば、「そうだったのか」と、一つ心理に近づく。
これほどの餃子は、そうそうないっスよ。先輩。マジっす。
なんなのかなー。バランスなのかなー。肉汁うま。
噛んでると、ホロホロ肉がほどけていく。
皮のムチムチ感が、粉物独特の優しい甘さと、
中に捉えた水分の感触のよさを肉汁と一緒に、歯がもう一度汲み上げる。
それを舌が待ってましたと迎えに行くと、全身にじんわり元気が廻り出す。
ズンズンと。
活力の石炭をくべる感じ。
みんなの知っているD51より、車輪の大きいC50の力強さ。かな。
食べきると胃が満たされていく。
満足感と一緒に汗が出る。
拭くのも、もどかしく、それらが全身の爽快感に変化するのを待つ。
汗が気持ちいい。
フルマラソンの苦しさから、解き放たれた、ゴールの高揚感だ。
そして、タンク一杯の活力が充填される。
子供に引かれるアビリティ・・・。
一体何に活かせばいいのか、分からないが、
それならば絶対、ようかい体操を完璧に仕上げてやると、心に誓う。
メラメラ。目に炎がともる。
そしてまた、
うーん。うーん。唸りながら走って行く。
ドスドスドスと走っていく。
黒いワンピースで走っていく。
・・・。
珉珉 様。
地元の誇りです。美味しいです。
お母さんとお料理
大好きです。