2回
2024/11 訪問
ナチュールワインが素晴らしい!都内でも希少なポルトガル料理店。
友人と3人でのディナーにて使用。
四ツ谷駅から麹町方面に向かって路地を市ヶ谷方面に折れた場所、余り飲食店らしきものがない界隈にあるお店。一応ポルトガル料理店らしくポルトガル国旗を掲揚してはいるものの、夕暮れ時の闇の帷が降りた頃合いに、赤と緑の旗は若干目立ち辛い。薄暗い階段を下ると目当ての店発見。ドアを開けると店員さんが目敏く自分も見つけ、コートを預かり、席まで案内して下さる。時刻は火曜日の1900。4〜5卓位が埋まっており、中にはポルトガル人と思しき外人さんだけの組も。現地人が来るような店ならきっと美味いのだろうと期待が高まる。
店内は現地の邸宅を模したのか、天井が大きなアーチを描く、広々とした作り。店の中央に大きな壁がそそり立ち、ポルトガル名物青タイル壁画のアズレージョで両面が装飾。周りの壁にはポルトガルモチーフの絵画が架かっている。店名はポルトガル語で「民謡の館」という意味であり、偶にポルトガル民謡のライブもやってるのだそうな。
友人たちは少し遅れるとのことで、お先にヴィーニョヴェルデを味見しながら待つことにする。銘柄はニーポートというポートワインメーカーのナット・クール。低アルコールのオーガニックなワインをコンセプトに同社が作ったブランド。ラベルが博多どんたくのにわか半面みたいでおふざけ感があるが、味は正統派、微炭酸のスッキリした柑橘系、キンキンに冷やされていて大変美味。
一杯目空く頃に友人が到着。まずはロゼスパークリングで乾杯。ジョアン・パトという酒蔵、土着品種のワイン作りに拘った銘柄で、酸味の中に仄かに甘みのあるロゼらしいワイン。
合わせて前菜四種盛りも注文。生ハム、ワカサギのエスカベッシュ、バカリャウのコロッケにタコとパプリカのマリネ。エスカベッシュは所謂南蛮漬け。マリネされたワカサギのフライは甘酸っぱくて美味。バカリャウはポルトガルの国民食干し鱈。水戻ししたタラと芋を混ぜたコロッケで、素朴ながらとても美味い。
二杯目が空になったので、オレンジワインを注文。フォリアス・デ・バコ(バッコス神の祝祭)というオレゴン帰りのポルトガル人が始めたワイナリーのヴィーヴォ・クルティドという銘柄。古狼の遠吠えという意味のポルトガル語で、夏みかんのような、という説明文通りフレッシュな柑橘風味と爽やかな酸味が特徴で好みの味。フレッシュさの奥になんとも説明し難い複雑な味わいがあり、狼のような野生味と言えないこともない?
続いてイワシのオーブン焼きとバカリャウ・コン・ナタス(干し鱈グラタン)を注文。イワシはポルトガルではバカリャウに続く国民食だそうで、現地では塩だけ振って丸ごとオーブンで焼くのだとか。本当に脂が乗っていて、レモンかけて付け合わせのタマネギのビネガー漬けと一緒に食べると、ただ焼いただけとは思えないご馳走になる。
バカリャウ・コン・ナタスは、ホワイトソースに混ぜたバカリャウにチーズとパン粉掛けて焼いたグラタン。まろやかホワイトソースとタラの白身の相性は最高で、アツアツのグラタンが瞬時になくなる。
メインにガッツリ系、豚肩肉とアサリのアレンテージョ風を注文。アレンテージョ、すなわちテージョ川南部地方の郷土料理で、赤パプリカとニンニクでマリネした豚肉をアサリとポテトと一緒に炒めた料理。豚もアサリも食べた上で、肉汁もアサリ出汁もポテトに吸わせて食べ切ってしまうという山の幸と海の幸の究極合体料理。シンプルながらもアサリの出汁が思いの外利いていて大変美味だった。
お腹いっぱいになったが、折角なのでデザート食べようということに。どれもこれも美味しそうで目移りしていたところ、三種類頼んでシェアすればいいじゃないかと悪魔の囁き。皆に異存のあろうはずがなく、パオン・デ・ロー、エッグタルト、セラドゥーラの3種を注文。
パオン・デ・ローはカステラのご先祖様とされるケーキ。生地を器に入れてそのまま焼いた、カップケーキのようなお菓子。生地はふわふわだが甘さ控えめで素朴な感じがよい。
エッグタルトはサクサクパイ生地の中央に濃厚カスタードがあしらわれた、日本でもよく見る形のもの。無理やりナイフで切ったらパイ生地が散らばって大変無惨な見た目だが、胃の中に入れば同じと食べてしまう。
最後のセラドゥーラは、ポルトガル語でおがくずという意味で、砕いたビスケットと泡立て生クリームを交互に重ねて冷やしたおやつ。ティラミスみたいなものかと思って口にすると、崩して水分吸い込んだビスケットがプディングのような食感。素朴ながら、ベリージャム添えて食べると、下手な高級スイーツより美味しいかも?
色々食べて1人頭10000円弱と結構な額になったが、美味しいワイン色々飲めて、珍しい料理を堪能して大満足のディナー。またお邪魔します。
店の前。ポルトガル国旗だけが店の在処を示している。
入り口。階段下りたどん詰まり。
入り口付近はポルトガルの小物をあしらった飾り付け。
巨大なタイル壁画アズレージョ。リスボンの風景だそうな。
前菜四種盛り。どれも美味い。
バカリャウ・コン・ナタス。干し鱈グラタン。
豚肩肉とアサリのアレンテージョ風。山の幸と海の幸組み合わせた素晴らしい一皿
デザート。どれも素朴ながら美味しかったです。
ヴィーニョヴェルデのナット・クール。博多どんたくのオフィシャルワインにいかがでしょう?
2024/11/28 更新
本日は久々に四ツ谷のポルトガル料理屋でポルトガル風ランチを楽しむことにする。
JR四ツ谷駅から麹町方面に歩き、花屋の手前で左折。路地を進むと見つかる大きなポルトガル国旗が店の目印。時刻は1215頃で、席は三分の二位は塞がっておりまずまずの繁盛振り。
ランチメニューを確認し、本日はビファーナをチョイス。豚肉の白ワイン煮込みを挟んだバーガーで、ご当地では定番の軽食だとのこと。スープ、具沢山サラダ、コーヒー/紅茶が付いてきて1500円也。
注文してすぐ、セットのスープとサラダ、バゲットぽいパン1切れがサーブ。
スープはサツマイモとジャガイモのポタージュ。ほんのり甘くておいしいスープ。
サラダは、具沢山サラダと称する、トマトとレタスのサラダにトッピングとしてコーンフレークと、ホールコーンにレンズ豆、雑穀類の煮込みを乗せたサラダ。おろし玉ねぎとビネガーのドレッシングがかかっている。コーンフレークのしょりしょり感、雑穀類のぷにぷに感が独特で、ランチセットのサラダにしては確かに具沢山で贅沢なメニューに思える。
少し待つと、お待ちかねのメインディッシュがサーブ。肉を挟んだサンドイッチと付け合わせのフライドポテトとピクルスが1枚のお皿にオン。
ハンバーガー屋でよく見かける油紙の袋も用意されており、店員さん曰く、汁気が多くてこぼれやすいので必要ならお使いくださいとのこと。
豚肉は肩ロース?肉をホロホロになるまで煮込んで引き裂いた、プルドポークのような形状。パンに大分浸透しており、確かに汁気は多め。ソースは鮮やかな橙色。パプリカ入れて煮込むのでこんな色になるのだが、服についたら確実に染みになりそうで、紙袋は必須。
味付けは白ワインにワインビネガー? 酸味強めのソース。プルドポーク状態の豚肉も、ソースたっぷり吸ってふやけたパンも総じて食感がやわやわで、ソースの酸味も手伝って食が大変進む。瞬時にサンドイッチがなくなる。
フライドポテトは結構多めで、ピクルスや零れたソースで味変しながら食べたが、残さず食べたらかなり満腹になった。
食後はホットコーヒー飲んで落ち着いたところで店を辞去。ごちそうさまでした。
ポルトガルのサンドイッチは初めて食べたが大変美味。サラダとスープとコーヒー紅茶付きで1500円というのは、結構破格の値段では?干し鱈のグラタンやらタコのおかゆやら他のランチメニューも美味しそうであり、是非コンプリート目指したい。