kinokonoko2010さんが投稿した美会(東京/六本木)の口コミ詳細

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kinokonoko2010 (女性・東京都) 認証済

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美会乃木坂、六本木、青山一丁目/イノベーティブ、日本料理、タイ料理

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.7
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.6
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.7
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.6
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

タイ料理を超えた、イノベーションタイ料理。


今宵は乃木坂。
念願のこちらにようやくお邪魔することができました。
ミッドタウンそば、華やかな喧騒を抜けた一角に潜む静謐なる異国。
なんとお店の方が外でわざわざお出迎えしてくださり、感激しながら扉を開ければそこは【タイ料理を超えたタイ料理】の世界が広がっていました。
店主のビア氏はタイ出身ながら、母国語はもちろんのこと、日本語、英語が堪能なお方。
日本各地の名店を食べ歩き、辿り着いた答えが「日本料理×タイ料理」という新しい文法。
唯一無二のタイ料理の世界、いよいよ幕開けです。

………………………………………………………

【おまかせコース33,000円】+【フランスワインペアリング14,500円】
コースは2部構成となっており一斉スタート。
洗練された空間に程よい緊張感が心地よき⭐︎

〜第一部〜
1️⃣ シャンパーニュ ジラールボネ
一皿目は、ボタン海老のナンプラー漬け
生エビアレルギーの私のために火入れでご用意いただきました。
タイではよく食べるという青いマンゴーをサクサクとした軽妙な梨の歯触りとともに。
こちらで使用されるハーブはペーストではなく全てフレッシュなので、香りが段違い!


2️⃣ボルドーの白・ソービニヨンブラン100%
淡路産鱧の下には百合根。そこにトムヤムクンのスープを。世界3大スープの一つが美会オリジナルの味わいに。器はなんと、松竹梅と象が描かれた300年前の貴重な古伊万里。味わいも見目も、タイと和が自然に調和しています。


3️⃣ロワール・ミュスカデ
ポピアトートという揚げ春巻きとともに。
皮はパリパリのライスペーパーで、米との相性が良い鰻が包み込まれています。
甘酸っぱいお米のソースに牛蒡と発酵卵のパウダーがアクセント。爽やかで軽快な口当たりのミュスカデがよく合います。


4️⃣ブルゴーニュ モンラッシェ
気仙沼産の見事なフカヒレを使ったオップウンセン。本来はエビと春雨の蒸し焼き料理ですが、こちらはすっぽん出汁で炊き上げ、旨味を重ねた上質な仕立て。
ソースにも薬膳とすっぽんを効かせ、黒酢を少しずつ加えることで味の奥行きが広がります。パクチーは控えめながら巧みに香りを添え、全体の調和を見事に支えていました。
モンラッシェとの相性は言わずもがな。
この京焼の器も素晴らしい…


5️⃣アルザス リースリング
コク深い鮑の肝ソースが絡む大人のパッタイ。
鮑は佐渡島の黒鮑です。こちらの麺はアルデンテで、濃厚なソースに負けない食感もご馳走。
高貴でエレガントなリースリングとの相性も抜群です。


6️⃣ロワール シュナンブラン
発酵させた茗荷を添えた小柴産太刀魚のミアンプラー。太刀魚に絡む胡瓜、エゴマの葉、新生姜のスパイス感と絶妙な舌触りを楽しめる一皿です。甕の中で熟成させたシュナンブランのフレッシュな酸味と果実味が見事に調和。


7️⃣赤 ピノノワール
近江牛と神戸ビーフのカイノミとサーロインという、赤身と脂身それぞれの魅力が炸裂したハンバーグ。貴重な48ヶ月の牛に、たっぷりのキャビアが実に贅沢な一皿です。タンニンが穏やかで酸味豊かなピノノワールが、芳醇な味わいの近江牛の魅力を更に高めます。


〜第二部〜
8️⃣ 1958年のピノノワールジャンパーニュ
ここからは、一つのお盆に色彩豊かに並ぶタイの食卓を凝縮したような定食仕立てで。
主役は「サムラップ・アーハン・タイ」多彩な惣菜を一度に味わう伝統的なスタイルで、香りと辛味の調和が見事。酸味とタイハーブが際立つ「トムセープ」で軽やかな刺激を添え、炭火香ばしい「ガイヤーン」が力強い主菜を担います。さらに「パッパクブン・ファイデーン」で青菜の炒め物が食卓を整え、「鱧のオースワン」で締めくくります。まるでタイの風土を一枚の盆に描いたような美しい一膳で、南部鉄器による炊き立てのジャスミンライスも最高。


9️⃣フランス モーリーのデザートワイン
笹の葉のグリーンが鮮やかなカノムピアックプーンと、出来立てのパイナップルアイス。


…ああ、美味しかった。
素晴らしいタイ料理劇場の余韻にしばし浸ります。
ペアリングはフランス直輸入のワインを中心に、ソムリエが織りなす流麗な構成。スパイスとワインの酸味が重なり合う瞬間に感動が止まりません。
「足し算のタイ料理」と「引き算の日本料理」。
季節の最高級食材を惜しげもなく投入しながら、その味わいは香りと余韻で語るあたり日本料理の引き算が息づいています。
これまで感じたことのない素晴らしい味覚体験。ご馳走様でした。


2025/10/25 更新

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