3回
2020/10 訪問
つけめんTokyoーX純粋豚骨(小)+特製全部乗せ+塩とスダチ@中華蕎麦 とみ田
JR常磐線・新京成線松戸駅から徒歩5分。
松戸駅東口からデッキを降りて(結構複雑なので注意)、バス乗り場前の松戸東口商店街を南に進んで2つ目の十字路の角にある。
言わずと知れた、日本で最も人気・評価が高いつけ麺・ラーメンの名店。
8月からこれまでの味を大幅にリニューアル。濃厚魚介豚骨からTokyoーX純粋豚骨と銘打った豚骨のみのスープへ変更されたとのこと。
以前頂いたつけ麺は完成度が高く物凄く美味しかった印象だったが、それを捨てて新しい味へチャレンジするというのはある意味凄いというか、びっくりするというか…。これは是非試してみたいと思い訪問計画を立てた。
味のリニューアルとともに予約方法も変更。これまでの店頭受付に加えてOMAKASE予約が導入された。平日のみ実施していた電話予約は廃止。
ということで、「とみ田」の予約方法のまとめを。
①平日8:00(土日祝7:00)から始まる店頭での予約。券売機でチケットを購入後、店員さんから集合時間が指定される。
②OMAKASE予約。毎週火曜日13時から木曜〜翌週火曜までの予約を受付。予約時にオーダー内容(麺量と特製の有無)を確定して申し込み。
今回はOMAKASE予約を利用。火曜日の13時前にHPを開き、13時ちょうどに予約ページへアクセス。以前「らぁ麺 飯田商店」で利用した際はずっとbusyでなかなか繋がらずだったが、今回は割とスムーズに進むことが出来た。サーバ増強したのかしら?
予約の際にオーダーを指定しなければいけない。この時点で当日の腹具合など分からない。麺量250gの(並)と麺量180gの(小)で迷ったが、取り敢えず(小)を指定。あと、折角なので特製全部乗せをオーダーしてみた。その他細かいトッピングなどは当日で良いらしい。
オーダーして以後予約確定ボタンを押してから、他の日時の枠状況を見ると、5分後にはほぼ終了していた。相変わらず瞬殺に近い混雑具合。
予約当日、店頭に10分前に到着。既に7人程度の列が出来ていた。店員さんが出てきて名前の確認。そのまま券売機へ誘導される。予約時にしていした2品に加えて塩とスダチのチケットを購入。チケットはその場で店員さんが回収。
そして、16:23頃店内に案内される。案内は予約順のようで、席は奥から詰めて座るように言われる。
店内、L字型のカウンターに9席は以前と変わらず。左右にアクリル板の衝立が設置されたが、もともと席間は広めだったのであまり違和感はない。
厨房は店主の方と男性店員3名。店主の方は特製の盛り付けやつけ汁を担当。ベテラン風の店員さんが麵茹で、1人が店主のサポートと配膳。残る1名が客の誘導とフロア担当という分担のようだ。
店内は凜とした空気が流れている。お客さんが店主の一挙一動に注目している感じで、その視線がちょっと怖い…。
7分程でつけめんTokyoーX純粋豚骨(小)と特製全部乗せ、塩とスダチが提供される。
右に簾の上に折り畳まれた太麺が乗った皿。左に茶褐色のつけ汁と幅広のメンマ、小口切りの白ねぎと青ねぎが乗った器。奥の角皿に特製全部乗せが乗っている。そして小皿に塩と酢橘。
特製全部乗せについてはフロア担当の店員さんから説明が。全てTokyoーXを使用とのこと。バラ肉の煮豚、肩ロースと外ももの吊るし焼き、外ももと内ももの醬油煮豚、ロースのしっとり火入、手包み心の味焼売。外に貼られていたものと説明が微妙に異なっていた。
まずは麵を1本そのまま口に運ぶ。麵は以前より少し太めで加水率高め。全粒粉の分量も減っている(殆ど入っていない)ようで色も薄い。その分口当たりが良くなっている。香ばしさはあまりないが、ふんわりと小麦の旨味が口に拡がって、非常に良質な麵であることが分かる。塩を付けると、その違いがよりはっきりと。この麵は粉自体の旨味が強いんだ、ということに気付く。
つけ汁をひと舐め。うーん、凄い。何と言ったら良いのだろう。豚骨の随の塊?臭みなどは全くなく、ひたすら豚の旨味を凝縮したような。若干甘めの醬油の返しが程良く効いていて、何とも言えない美味しさ。
麵をつけ汁に浸けて口に運ぶ。若干とろみのあるつけ汁が麵に良く絡み、浸けすぎると多少濃くなってしまう。半分から2/3程度浸けて啜るとちょうど良い。とはいえ、以前よりも返しが柔らかい感じなので、濃いめが好きな人なら全部浸けても問題ない程度。
全部乗せのチャーシューは左から順に食べ進める。バラ肉の煮豚は流石の味付け。吊るし焼きチャーシューは肩ロースも外ももも抜群に美味しい。醬油煮豚は塩気が良い感じに効いていて肉の旨味がきっちりと引き出されている。ロースのしっとり火入れは他の3種と較べると若干インパクトが弱い。
もしかすると食べる順番を間違ったのかも。右のしっとり火入れから食べ始めると、薄い味から濃い味になって良かったのかもしれない。
そして焼売はシンプルな味付け。肉感がしっかり感じられてなかなか美味しい。ただボリュームが割とあってお腹にたまる。私的には麺量を180gにしておいて良かった。
2/3ぐらい麵を食べ若干味が諄くなってきたところで、麵に酢橘を掛けて食べてみる。旨味がシンプルでストレートな分、酢橘の酸味が良く効いてちょうど良い感じに口がリセットされる。
麺と具をきれいに食べ終わったところで、スープ割りをお願いする。柚子の有無を訊かれるので、柚子入りでお願いする。店員さんがつけ汁の量を調整した後店主の方が割りスープを注いで戻してくれる。
割りスープは質の良い鰹節の香りがふんわりと立っていて、一番出汁のような風合い。先ほどまでの豚骨オンリーのストレートな旨味にこの風味が加わって、一気に複雑な味わいに。ただし、割りスープのがつけ汁に勝っていた感じになっていた。調整段階でもう少しつけ汁を残しておいても良かった気がする。
今回の純粋豚骨、ここまでシンプルに純粋な旨味を引き出せるのか!と非常に驚いた。麵もつけ汁も具も全てが美味しく、新しいとみ田の味を堪能することが出来た。
で、以前の味と新しい味、どちらかひとつ選べと言われたら僅差で以前の味を選ぶと思う。これはほんとうに個人的な嗜好や思い入れの問題なのだが…。
この新しい味はつけ麺でも美味しいのだが、ラーメンのほうがよりマッチするような気がする。いつになるか分からないが、次回訪問の際には是非ラーメンを試してみたい。
あと、OMAKASE予約は手数料(390円)を取られるためその分費用が嵩んでしまうが、事前に予定を立てられる点においてメリットが大きい。その分のコストは十分に回収できていると思うので、次回も利用すると思う。
2020/10/27 更新
2019/05 訪問
つけめん(並)+特選全部載せトッピング@中華蕎麦 とみ田
JR常磐線松戸駅から徒歩5分。
松戸駅東口からデッキを降りて(結構複雑なので注意)、バス乗り場前の松戸東口商店街を南に進んで2つ目の十字路の角にある。
言わずと知れた、日本で最も人気・評価が高いつけ麺・ラーメンの名店。
こちらでつけ麺を頂くのには2つの方法がある。
①平日8:00(土日祝7:00)から始まる店頭での予約。券売機でチケットを購入後、店員さんから集合時間が指定される。
②平日のみ①で定員に残があった場合、9:30から電話で予約受付。この場合14:00以降の集合時間が指定される。予約時にオーダー内容を確定して伝える必要あり。
※①②とも客側から時間指定はできない。
松戸までの道程とその後の待ち時間を考えると、電話予約のほうが良さそうな気が。
ということで、9:00過ぎにTwitterの公式アカウントで電話枠があることを確認して、9:30に電話を掛けてみる。うーん、繋がらないな…。数十回リダイアルしてみても全て通話中。
一旦諦めて10:00過ぎに再度チャレンジ。10回ほどリダイアルしたところでやっと繋がる(やったね!)。15:15集合なら空きがあるとのこと。名前と連絡先、つけめん(並)と特選全部載せトッピングを注文して完了。
電話予約もそれほど楽ではないことを実感。
15:10に店頭に向かう。既に店の横の簡易ベンチに6名ほどのお客さんが待機している。15:15過ぎに店員さんが出てきて予約者の点呼を始める。その後1名(組)ずつ券売機の前に誘導されてチケットを購入して店員さんに渡す。この際に電話でオーダーした内容と同じかどうか確認がある。
実は辛味を注文し忘れたのでこの時点で追加をお願いしてみようかと思ったが、何となく勇気が足らず止めておいた。
全員がチケットを購入し終わったところで15:30に店内に案内される。店内は完全入れ替え制。奥から順に座るように言われる。
席に着くと、店主の方自ら「いらっしゃいませ」と水とおしぼりを手渡される。水は氷が丸く型抜きされていてちょっとお洒落。
店内はラーメン店というより高級なカウンター割烹のような雰囲気。厨房内は4名。具の盛り付けとつけ汁は店主の方、麺茹ではベテランの店員さん。もう1人の店員さんが補助で、若い店員さんがフロアと受付担当。
席について7分程でつけめん(並)+特選全部載せトッピングが木製のトレイごと提供される。
右手前に黒い皿に盛られた綺麗に畳まれた褐色がかった太麺。左手前に茶褐色のつけ汁。縁に海苔が置かれ、つけ汁の上に魚粉、小口切りの白ねぎ、ナルト。
奥の皿に全部載せトッピングが盛り付けられている。左から豚バラ肉煮豚ロール、豚肩ロース肉吊るし焼き、豚もも肉低温調理、鶏もも肉とむね肉の塩焼き、半熟味玉。全てのトッピングは錚々たる銘柄の肉(卵)を使用している。
トッピングの皿の隅に、塩、辛味、4つ割の酢橘が添えられている。
まずは麺を何も付けずにひと啜り。絶妙な茹で上がり。しっかりとコシが残っていて硬めだが過ぎることもない。麬の香ばしさと小麦の甘い香りが口に拡がる。これ、添えられている塩と酢橘だけで全部食べてしまいたくなる。
次につけ汁に浸けてから麺を啜る。所謂豚骨魚介のダブルスープなのだが、素材の旨味を圧縮して塊にしたとでも言えば良いのだろうか?ちょっと表現に困るぐらい美味しい。麺の強さに全然負けていない。味は濃いめなので、麺を1/3から半分ぐらい浸けて食べるのがちょうど良いぐらい。
特選全部乗せトッピングは添付の酢橘や塩を使って食べてみようと。つけ汁の味が濃いので、折角の素材の味を塗りつぶしてしまいそうだし。
まず、純粋金華豚バラ肉煮豚。もの凄く軟らかく煮えていて脂身は蕩けるよう。ただし若干味付けが濃い。次に柏幻霜ポークの肩ロース吊るし焼き。これはジャストの焼き具合で火の通り方が抜群に上手い。霧島高原ロイヤルポークのしっとりとしたもも肉の旨みが。黒岩土鶏のモモとムネの塩焼きも見事。味玉は薄らと昆布の風味が効いている。黄身も濃厚で白身の硬さもちょうど良い。
途中からつけ汁にトッピングの皿に添えられた辛味や酢橘を加えて、味変しながら食べ進める。麺量250gは少し多いかなと思っていたが、するっと完食。
つけ汁のスープ割をお願いする。すると、店主自ら真剣な表情で割りスープを注いでいる。目視で濃さを微調整されたつけ汁が戻ってくる。ひと口飲んでみると、ジャストの濃さ。節系の香りがさらに強くなって、魚介の旨みが充満したスープになっている。これは本当に美味しい。
前に食べた「富田麺絆」のつけ麺と構成はほぼ同じだと思うのだが、まったく違うものになっている。もちろん素材のレベルが違うのだろうけど、ただそれだけではないような気が。
本物とレプリカの違い?オーダーメイドスーツと吊しの背広の差?うーん、適当な例えが思い付かない…。
ラーメン・つけ麺はレシピが全てなのではなく、作り手の力量や経験によって美味しくもなり不味くもなる。とても繊細な料理の1ジャンルなのだなと実感した。
店主の方を含めて店員さんの接客も素晴らしいし、つけ麺は想像を超えた味だった。これだけの人気を博するのも理解できた。
いや、本当に良い経験をさせていただきました。
食べ終わって表に出ると、次の回のお客さんが簡易ベンチに座って待っている。たぶん最後の組。この人たちもきっと何十回も電話したんだろうな、などと感慨に耽りながら店を後にした。
2019/06/05 更新
JR常磐線・新京成線松戸駅から徒歩5分。
松戸駅東口からデッキを降りて(結構複雑なので注意)、バス乗り場前の松戸東口商店街を南に進んで2つ目の十字路の角にある。
言わずと知れた、日本で最も人気・評価が高いつけ麺・ラーメンの名店。
2020年8月からこれまでの味を大幅にリニューアルし、濃厚魚介豚骨からTokyoーX純粋豚骨と銘打った豚骨のみのスープへ変更したのだが、さらに今年の2月につけめんのみTokyoーX豚骨魚介へと変更。これは元に戻したということなんだろうか?
前回リニューアルした純粋豚骨のつけめんを頂いた時「次はらぁめんを」と思っていたのだが、再度つけ汁が変更になったというのであればこちらを試さない訳にはいかない。
火曜日の12:30にOMAKASEにアクセス。16:20からの予約枠を押さえることができた。以前のように開始直後に瞬殺!ということはなかったが、10分後には受け付け終了していた。
予約当日16:10ぐらいに到着すると外待ち1名。後からお客さんが集まってくるのかな?と思っていたが、結局この回は2名のみだった。こんなこともあるのね…。
点呼(?)の後店員さんに案内され券売機へ。予約時に注文を入れたつけめんTokyoーX豚骨魚介(小)と特製全部乗せ、そして追加で比内地鶏半熟味玉のチケットを購入。
16:20に店員さんから声が掛かり店内へ誘導され指定されたカウンター席へ。2名だけなので間仕切りのアクリル板の間隔も広くなっていた。
厨房には店主の方と店員さん2名。フロアに1名の計4名。もう1人のお客さんがお知り合いの方(食品関連の業者さん?)のようで、店主の方との会話が弾んでいていつもよりも和やかな雰囲気。
6分程でまず特製全部乗せが、少し遅れてつけめんつけめんTokyoーX豚骨魚介(小)が提供される。
深緑の皿に乗せられたきれいに折り畳まれた角の立った太麺。赤茶色の器に入ったもったりとした感じの茶色のつけ汁。上に青ねぎが下に幅広のメンマが盛ってある。
そして別皿に左から豚バラ肉の煮豚風ロールチャーシュー、肩ロースとランプの吊るし焼チャーシュー、外ももの醬油漬け、肩ロース肉と内もも肉の低温調理、そして大きめの心の味焼売。そして別添えの小鉢に入った半熟味玉。
まずは、麺を1本手繰って啜ってみる。薄いクリーム色をしたツルっとした麺肌で若干キシッと抵抗を感じるぐらいのコシ、そして小麦本来の香りと甘みがしっかりと口に拡がる。
次につけ汁に箸を浸けて舐めてみる。以前の魚介豚骨とは異なり、豚骨寄りの味わいに節や煮干などの魚介系が下支えをしている。魚粉が入っていない分マイルドな味わい。豚骨は濃厚で返しも割りと強めに効いている。
やはりストレートな豚骨よりもこちらのほうが分厚い旨みになっていると思う。こちらのほうが好みの味。
味見が終わったところで全部のせのチャーシューに手を付ける。
前回左から食べ進めて最初に味の濃い豚バラ肉の煮豚風から食べてしまい失敗した感があったので、今回は右から、低温調理→醬油漬け→吊るし焼き→煮豚の順で。だんだんと味が濃くなっていくので、これが正解だと思う。
流石にどれも美味しいのだが、いちばん好みはやはり肩ロースの吊るし焼き。旨みが凝縮されて程良く脂が残っていて、抜群に美味しい。
心の味焼売は肉感がしっかり残っていてとても美味しいのだけど、あまりに大きくて腹に溜まってしまうのが難点。味玉はあっさりした味付けで、玉子自体の旨みを引き出していて秀逸。茹で具合も丁度良い。
全部乗せの具を粗方頂いたところで麺を食べ始める。つけ汁がかなり濃いので、藪蕎麦のように麺を半分ぐらい浸けて啜るとちょうど良い濃さになる。
新しい魚介豚骨のつけ汁はこの麺とのマッチングがとても良いのだが、以前の全粒粉入りの麺で食べるとどうなどうなんだろう?とても興味がある。ハーフ&ハーフみたいな麺の組み合わせができると面白いのになと思った。
麺と具を食べ終わったところで、スープ割りをお願いする。店員さんが残ったつけ汁の量を調整した後、店主の方が刻み柚子を入れてスープを張って戻してくれる。
少し残したつけ汁に魚介出汁の旨みが加わり、そこに柚子の酸味と香り。一気に口の中をリセットしてくれる。スープ割りがこういう位置付けになっている店は他に知らない。
純粋豚骨から豚骨魚介への変更は、以前の味へ戻したのではなく豚骨の旨みをより高めるための新たな試みなのだと理解した。
前々回の味も前回の味もとても美味しく頂けたが、今回の味は更にその上を行く美味しさ。そして私の好みのツボにぴったりと填まっている。これは何度でも食べたい。
一度は純粋豚骨らーめんを試してみたいと思っているのだが、次回訪問時もこのつけめんを頼んでしまいそう。この誘惑に勝てるかどうか…。