『香港で広東料理三昧(2017年9月、2日目)』さむそいぽさんの日記

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さむそいぽのレストランガイド

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さむそいぽ (50代後半・男性・東京都) 認証済

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香港滞在2日目となりました。本日は3食いただきます。

朝はお粥をいただきます。香港のお粥は日本のお粥とは全く異なるもので、一言で言えば塩味が効いていまして、これに具材の味が加わります。

本日は「羅富記」、日本のガイドブックにばんばん載っている有名店です。20年以上前にはじめていただいた時に経験のない味に美味しいと感じたことは今でも覚えています。塩味の加減がいいのか、他のお店とは違う美味しさに感じます。今回いただいたメニューでは、豚の臓物からうまみが溶け出してくるのがたまりません。

ランチは昨年訪問して気に入った「新同樂」に行きました。一度だけミシュランガイドで☆3つを獲得したことがありますが今は2つです。ここはフカヒレが有名なのですがここのはあまり好みではなく、また、コースを選択すると特に美味しくもない洋風の大きな肉料理が付いてくるので、今回はアラカルトでの注文です。

前回気に入ったハタの料理と鮑の煮込みを中心にしてその他興味のある料理を注文しました。アラカルトの場合は量を気を付けないといけないのですが、ちょっと頼み過ぎてしまったかもしれません。以下のものをいただきました。

☆海鮮とエノキの日本産トマト詰め
どうってことないメニューではありますがこんな感じの創作系の料理を広東料理のレストランは競って開発しているのは嬉しいことです。

☆黒い魚卵、ハム、豆腐の蒸しハタ
これは前回感動した料理なのですが、今回はそれほどでもありませんでした。でもいろんな具材を一緒にいただく際の食感の妙は十分楽しめました。味はハムがちょっと強く、これが少々残念でした。

☆クラウンブランド特級吉浜アワビ
日本産のアワビの高いこと、呆れるほどです。これ、一番小さいのですが約7,000円です。でも注文してしまいました。いやあ、美味しかったです。ソースは甘めですが好みの味ですし、アワビの柔らかさがパーフェクトです。アワビ自体の味も言うことなしです。今のところアワビはここが一番のお気に入りです。細かくスライスしながら一口一口慈しむようにいただきました。付け合わせの野菜も抜群の美味しさでした。

☆海老とキヌガサタケと季節の野菜のスープ煮
見た目そのままの味かと思いきや、スープは上湯でしょうか、とても美味しく嬉しい誤算です。

☆ツバメの巣団子とみじん切り卵黄とハム
ツバメの巣はあまりいただいたことがなくて、このメニューでもよくわかりませんでした。

☆中華ソーセージの土鍋炊き込みご飯
いわゆる煲仔飯です。一人用はあまりないので嬉しくて注文してしまいました。かなり濃厚、たくさん食べた後で少々きつくはありましたが、美味しくてきちんと平らげました。

☆おしるこ
デザートは注文しなかったのに何故かサービスで出てきました。なにやら柑橘系のものが入っていて爽やかにいただきました。

ランチタイムであることもあり家族連れが多く、何気にあれこれ気がつくサービスもそんなところから培われたものでしょうか。昨日のduddell'sは大人のレストランであるのと対照的です。それにしても子供のうちから☆2つのところで食事なんて、羨ましいことです。

ディナーはこれまでなかなか予約が取れなかった初訪問の「天龍軒」です。ミシュランガイドでは☆2つです。リッツ・カールトンの中にあり、なんと102階という非常に高い位置にあります。一人での訪問なのに窓側を確保して下さいました。

日本のレストランだと「センス」に雰囲気は似ています。中華風でありながらモダンな店内、高層からの景色、スタッフの高貴な所作、お洒落な客層などなど、特にお客さんのお洒落さは他の香港のレストランではあまり見られません。

アラカルトで注文するメニューを綿密に練ってきたのですが、二人以上注文可のセットメニューを一人でも注文して構わないとのことですのでシグネチャー料理を集めたシグネチャーテイスティングメニューというセットを注文しました。約35,000円程度と、奮発しました。ペアリングのワインはプラス2万円以上になるので、こちらはやめておきました。

全体的にはヌーベルシノワ色が濃かったです。自分の好みと比較すると、味は強め、香りは控えめでした。香港の広東料理のミシュラン☆☆以上のレストランで自分が好みかどうかは割合的には半分くらいなので、まあ仕方ありません。(ちなみに他に好みから少し外れているのは、唐閣、明閣、欣圖軒といったところで、これらは味付けが控えめです。)

いただいた料理と印象は以下のとおりです。

☆シェフのプレミアムセレクション
あわびとくらげの冷製、ゴマ油風味、イベリコ豚のチャーシュー蜂蜜掛け、揚げ海老トースト、といった内容です。チャーシューはやや硬めと感じました。揚げ海老トーストの食感は面白く、アイデア勝ちです。

☆カニの身と玉ねぎを詰めたカニの甲羅のフライ
カニの身はたっぷり詰まっていました。

☆ベビーココナッツに入った魚の浮き袋入りチキン湯煎スープ
これは美味しかったです。スープを食材の殻に入れるのは、ポピュラーなのは冬瓜、ヌーベルシノワですとパパイヤやアボカドがありますが、これらに匹敵すると思います。チキンベースにココナッツというのが絶妙でした。ただ浮き袋への味の移り具合が少し足りなく感じました。

☆キジハタの切り身と刻みイカの中華鍋炒め
昨日のスジアラの蒸しものが圧倒的に素晴らしかったので比較すると酷ですが、今一つと感じてしまいました。

☆和牛と赤ピーマンのブラックビーンズソース中華鍋炒め
和牛は広東料理でもポピュラーな素材になっています。しかしちょっと硬めで香りも少し足りない感じで少々もったいないです。

☆キヌガサダケとほうれん草、黒トリュフの煮込み
いかにもヌーベルシノワって感じですが、特に優れた組み合わせとは感じませんでした。

☆角切りあわび、ガチョウ、海老入りチャーハンのハスの葉包み
濃厚な香りで気に入りました。

☆シェフの特製デザート
冷製マンゴークリーム サゴとポメロ添え、卵のカスタードのゴマ揚げ餃子、といった内容です。これは素晴らしかったです。マンゴーに柑橘系の酸味、カスタードとゴマ、いい組み合わせでした。

明日と明後日は既に訪問したことのあるお気に入りレストランばかり、楽しみです。
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