さむそいぽさんのマイ★ベストレストラン 2018

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さむそいぽ (50代後半・男性・東京都) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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昨年挙げた10軒のうち都内の5軒には引き続き通っていますが、10軒とも入れ替えて挙げさせて頂きます。

旅先での食事が印象深い年でしたので、都内在住ではありますが、地方のお店を挙げさせていただきます。

わたくしの好みを熟知してるかのようにばっちり好みだったのが、長崎県は島原半島のイタリアン「villa del nido」と京都の和食「八寸」です。「villa del nido」では島原の豊かな食材をセンスの良い調理で堪能でき、「八寸」では絶妙な味付けの京料理を堪能できます。いずれも再訪したくてたまりません。

広島観光の際には、「中国料理マスキ」では日本人の舌にばっちり合う中華料理、フレンチ「Les Ambassadeurs」では広島の食材を堪能しました。

かつて住んでいたつくばでは、これまで訪問したことのある約200軒を凌駕するような素直なイタリアン「マイス」が気に入っています。住んでいた頃にも感じていましたが、蕎麦は平均的にレベルが高いと思います。

2018年に数回訪問した京都では、和食のほかに、モーニング、カフェ、フレンチ、中華など、いろいろと堪能することができました。今回は、上記「八寸」の他には、長い歴史を持つ京都らしい繊細な中華料理「蕪庵」、味をぐいぐい重ねまくる個性的なフレンチ「MAVO」を挙げさせていただきますが、他にも、海外の方が手がける美味しい和食のモーニング「ロリマー京都」、昔にタイムスリップしたかのような「CHIERiYA」、奥深い中国茶と独特の雰囲気を楽しめる「好日居」、店主のセンスが光るカフェ「それから」、ずっと憧れだった「瓢亭」などが印象に残っています。

名古屋からは絶品フレンチ「レミニセンス」、ここは説明の必要がない有名店ですが、その名声どおりの美味しさに大満足でした。

福岡県ではカレーを堪能しました。「KALA」ももちろん素晴らしかったのですが、今回は店主とたくさんお話できた「チャクラ」を挙げさせていただきます。店主の南インドのミールスに対する情熱が素晴らしいです。

静岡県も何度か訪問しました。「藪蕎麦宮本」「炭焼うなぎ加茂」といった有名店はさすがの美味しさでした。今回は、地元に愛されるフレンチ「L'Equation」を挙げさせていただきます。

残念ながらここで10軒になりました。もう1ヶ所、旅先と言えるかどうかわかりませんが、小田原近辺にも粒揃いのお店があり、そこそこ足繁く通っています。特にお気に入りは、小田原で京料理を堪能できる「懐石円相」です。他には、湯河原の繊細なフレンチ「圓」、東京の名店出の料理長が地元食材を駆使して腕を振るう中華料理「シノワプープールー」あたりが印象に残っています。

本当は香港から何軒か挙げたかったのですが、どうやら海外のレストランは選択できないのが残念です。日本の乾物を圧倒的な美味に仕上げてくれる広東料理「新同樂」、日本人シェフの繊細なフレンチ「TA VIE」や、世界最先端と思われるイノベーティブ「TATE」が特に印象深かったです。お粥の「生記」、点心専門店の「添好運」もお気に入りです。

2019年も旅先で美味しい料理に出会いたいものです。

住んでいる都内からは1軒も挙げませんでしたが、実際にはそこそこ通うようになったお気に入りのお店が数軒ありまして、それらについては来年以降にでも挙げさせていただきたいと思います。

マイ★ベストレストラン

1位

villa del nido (多比良 / イタリアン、イノベーティブ)

2回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2019/05訪問 2019/05/29

(再訪)幸せを感じる美味しさを追い求めてこの地まで

前回は昨年秋、東京から2度目の訪問なのですが、冷静に考えると食事のために一泊二日で九州まで旅行なんて馬鹿げていると言えるかもしれません。もちろん、美味しさだけのために旅行をする、というのは十分あり得ることでしょう。でも今回、なんでこの地までわざわざ来たいのだろうと考えてみて、島原という地でこの地ならでは美味しさをいただくということやここに来るまでのプロセスなんかも含めて、幸せを感じてみたいからなのかな、との思いに至りました。

幸せであれ何であれ、自分の感情を文章化することは容易ではありません。美味しいと感じたお店について書くときにただ「美味しい」と書くだけではそれで終わってしまいますので、その美味しさはどこから来るのか、素材なのか、シェフの力量なのか、ということを考えてみるのでしょう。たまには「美味しい」と感じたわたくし自身やこのお店の外まで含めて「美味しい」ということについて書いてみましょうか。

このお店があるのは島原半島です。今でこそ陸続きですが、地形としては雲仙岳を中心とした島と言ってもいいかもしれません。いざ訪問してみてもやはり島の雰囲気です。ということで、ここからは島原半島があたかも島であるかのように書いていきますが、ご了承くださいませ。

ある意味、島には日本の自然が全て揃っている、と言ってもいいかもしれません。海があり山がある。山には生い茂った森や苔すら生えない岩肌があり、山に降った雨は時にやさしく時に激しく川を流れていくことでしょう。変わりゆく季節の中で様々な生き物が棲み、その中で人間も暮らしているわけです。

かつて、様々な島に仕事や旅行で行くことがよくありました。一人で行くこともありましたし、本土の友人達を連れて島の友人達に会いに行くこともありました。もちろんいろんな島をいっしょくたにすることはできませんが、そういう思い出から「島」というだけで様々なことを思い起こしてしまいます。

今回、このお店に向かうルートとしては船を使いました。福岡県内に前泊して、JRで熊本県内の長洲駅まで行き、長洲港から多比良港までフェリーに乗りました。45分の距離ですからフェリーに乗る前から島原半島は見えましたが、フェリーに乗って段々と近付いてくる雲仙岳を見ていると、島へ旅行するのと同じような風景ですから、わくわくする気持ちが高まってきます。

港からこのお店へは徒歩で向かいました。通っていくのはごく普通の田舎道、波の音が聞こえるわけではなし、島にいるという意識は段々となくなってきます。坂道を登り、お店に近付いてくるとビニールハウスの畑が並んでいます。

ああ、やっと来れた、約7ヶ月ぶりですが、ずいぶん久しぶりに思えます。

扉を開けると、前回と同じ、正面にわたくしの席、近くにテーブルはありませんのでのんびりと過ごせます。

税抜き7,000円のコースを予約時にお願いしていました。ドリンクはノーマルの量で6種とデザートワインで7,700円、チーズとドルチェは選択のところ両方お願いしてプラス500円でした。コースの内容は以下のとおりです。

・パン2種
・新玉葱、海苔
・じゃが芋
・魚
・米
・ラビオリ
・お肉
・チーズ又はドルチェ
・寺門さん焙煎珈琲

まずは、前回同様、島原の湧き水が供されます。乱暴に言ってしまうと、この水こそがコースをもっともよく表しているのかもしれません。水にどれだけ味や香りを感じることができるのかはわかりませんが、とにかくまろやかで、何もかもを包んでくれそうです。この水で島原の自然は育まれているわけですし、暮らす人々も湧き水をとっても大事にしています。

まずはフランスのビール、苦さが爽やかさの中に見え隠れするバランスのよいビールです。そして国見の白胡麻と湧き水で作ったフォカッチャ、流れがとてもスムーズな印象があるのは、湧き水が使われているからかもしれませんが、ビールは当然島原の水ではありません。ペアリングのセンスが抜群のシェフのことですから、似たようなニュアンスを感じられたのかもしれません。

料理一品目は「新玉葱、海苔」です。寝かせたミズイカも含まれていまして、食感の妙を楽しめます。味の組み合わせはやや複雑ながらも違和感はありません。

次に「じゃが芋」、タコと発酵させた野菜が中に入っています。この組み合わせで美味しく感じさせるのはさすがです。

香りが圧倒的な黒米のパンをはさみ、魚は熟成真鯛でフリットになっています。椎茸に原木椎茸のパウダーがまぶされ、ソースは赤ワインと昆布です。椎茸と昆布だともろに出汁って感じですが、和の印象を感じるわけではなく、ではどういう感じかと言うと、どうも説明ができません。あまりいただいたことのない不思議な印象です。でも決して違和感があるわけではなく美味しくいただけるのです。小さいスプーンを出していただいてソースはしっかりいただきました。

ドリンクは日本酒が出てきます。島原の造り手とのことで、前回もいただいています。これはもう待ってました、と楽しみにしていました。やはり水が島原だからか、コースの中ですっとはまるのです。

料理は「米」、かにを使う雑炊でして、桜の燻製香が半端なくいい効果を挙げていて、もう激ウマとしか表現できません。これもまるで和の料理のようでいて違うのです。不思議です。

次は「ラビオリ」、島原の羊と猪が使われています。クミンなどのスパイスが臭み消しではなく食材を高める効果に使われていると思わせる抜群の美味しさです。スープも優しくかつ深いのです。この料理をいただいて、最近大人気でふらっと訪問することができなくなった地元の大好きなお店を思い出しました。ああ、あののんびりとした雰囲気の中気さくな店主とお話したりしながら美味しい料理をいただく機会は次はいったいいつになるのだろう、なんて思い起こしましたが、まあこのお店には関係ないですよね。でも、超絶美味しくて、やはり超絶美味しいそのお店を思い出しても罪ではないですよね。いずれにせよ、この空間と時の流れに身を任せているだけで幸せです。

オリーブの葉っぱと湧き水のシャーベットで小休止ですが、これが半端ない透明感なのです。やはり湧き水が使われているからでしょうか。

最後の料理は「お肉」、これは「あかね豚」という豚に金柑のソースです。正直言いまして豚かよ残念だなあと思ったのですが、いざいただいてみると実に品の良い脂の付き方で、ジビエだと言われてもわからない美味しさです。

さてチーズ、左2つは程よい発酵感を感じ、ゴルゴンゾーラにかける島原の蜂蜜のなんと合うこと!

最後にドルチェ、卵のムース?だったかな?なぜにこうにも美味しいのか、という感想しか出てきません....。

島原の寺門さん焙煎珈琲、ああなんてバランスいいのだろう、ほっとさせられます。

どちらかと言うと寡黙なシェフと少しお話させていただきました。やはり食材は一期一会、ちょうど休みが取れたこの時期にいただく料理、そのものが島原を感じるベストなのでしょう。この日のためにありがとう、と食材たちにも感謝したいです。

シェフと素敵な奥様に見送られてお店を出て、畑の中を歩きます。聞こえるのはただヒバリの鳴き声だけ、空を見上げると目に入るのはトンビ、少し歩くと海が、そして帰りに乗る島原鉄道の踏切が見えてきます。この目に入る景色が歩くにつれ変わっていく、ただそれだけなのに料理の余韻として全てが嬉しく感じられます。

ということで、全てではないけれども島原で育まれた命たちと水を中心とした内容、そしてここに来るまで見た海や山、ここをあとにして見る景色、これら一連の流れ全てを楽しんでこその料理のような気がします。確か奥様の故郷なのだったと思いますが、この環境でこのレストランを開くことを決断してくださったシェフに感謝の気持ちで一杯です。

食欲は三大欲求の一つでして、人間の欲求段階の中では最初の、とにかく命を保つために必要なもの、となっていますが、本当でしょうか、なんてことを思ってしまいました。やはり食べるということは、程度のこそあれ幸せというものをもたらしてくれると思います。それにはシチュエーションも重要なのでしょう。忙しい日々の中、旅行先で、家族と、恋人と、仲間と、一人で、わいわい話しながら、お互いを探りあいながら、一つ一つのお皿と向き合いながら、シェフと会話しながら、そんな様々なシチュエーションでの食事が、思い出となるとまた幸せも増幅されるのかもしれません。小さい頃、家族で出かけた際に母親が「お金なくなっちゃった」と、それでもお腹が空いていてなんとか1本だけ買うことができた焼きとうもろこし、ほんの少しだけどみんなで分けあってなんと美味しかったこと、そんなことを思い起こしました。

またいつか訪問すると思いますが、次回は誰かを連れてきてこの幸せを味わってもらいたいな、なんてことも思ったりしました。
九州旅行の際に美味しそうなお店はないかと検索して訪問しました。まだレビュー数は少ないですが、ほとんどのレビューが絶賛ですね。

一人での予約を受け付けて下さりありがたいです。休日のランチタイムにも関わらずわたくし一人だけだったのは申し訳ないと思うと同時にもったいなく思います

島原鉄道の多比良町駅からてくてくと、静かな中10分ちょっと歩いて到着です。途中ハウスの畑がたくさんありました。

木を基調としたシンプルな店内、空間が広くとられていることもあり居心地いいです。

税抜きサなし7,000円のコースをお願いしました。ドリンクは5種のハーフペアリング2,700円に1種は倍量をお願いして+500円、さらに、チーズとドルチェは選択なのを両方お願いして+500円と なりました(安いと思います。)。コースの内容はメニュー表では以下のとおりです。

・パン2種
・椎茸、烏賊、牛
・みかん、魚、花オクラ
・無花果、地魚
・おじや
・手打ちパスタ
・お肉
・チーズ
・ドルチェ
・寺門さん焙煎珈琲

写真は撮っていませんが湧き水がまず供され、これがまろやかでとても美味しいのです。この時点で気に入るだろうという予感がありました。果たして、最初から最後まで全て好みにバッチリ合いましてとても美味しく感じました。ただ、衝撃的に美味しいとかではなく、美味しさが中庸でちょうどいいのです。普遍的な美味しさと言ったらいいのでしょうか。そういった美味しさにピタッと合わせてくるセンスは素晴らしく、天才的に感じられます。

なお、シェフはイタリアで修行されたこともあり、イタリアンということになっていますが、フレンチのような感じもあり、エッセンスとしては和食のような感じもあり、カテゴライズはあまり意味がないかもしれません。

ドリンクのペアリングも素晴らしく、やはり天才的なセンスを感じます。

好みは人それぞれ違いますが、ここはわたくしのように遠くから訪問しても、多くの方がわざわざ来てよかったと感じられるのではないかと思われます。

シェフとは少しだけお話しさせていただきまして、島原の食材を知れば知るほど素晴らしいと感じておられるようです。そのことはいただいてみて十分にわかりました。

東京からなので次はいつ来れるのかわかりませんが、いつか絶対に再訪したいと思っております。

以下は個々の料理の印象です。

☆パン1種類目
 湧水で作った自家製フォカッチャです。澄んだ印象です。

☆椎茸、烏賊、牛
 椎茸のフリットの上に烏賊が乗っています。似たような食感の相乗効果がグッドです。

☆みかん、魚、花オクラ
 魚はアラカブ(カサゴ)でしてそのマリネです。締まった身からいい素材を使っていると感じられます。甘さと微かな酸味で爽やかなみかんのソースがその美味しさを増幅してくれます。

☆パン2種類目
 挽きたての黒米のパン、香りがすごいです。炭水化物はあまり量を求めないのですが美味しいのでおかわりしました。

☆無花果、地魚
 寝かせた有明海の真鯛とのことです。真鯛は淡白だからこそ味付けが難しいと思いますが、オリーブオイルやほのかに感じられる無花果でよくまあうまく味付けしたものです。熱を加えた真鯛ではこれまでいただいた中で最高の美味しさです。

☆おじや
 聞いたことない食材だらけのおじや仕立てです。とにかく美味しいです。キノコか貝か何かのうまみでしょうか。合わせているドリンクは島原半島にある酒蔵ですが、これがすっきりの中にコクがあって美味しいだけでなく、なんとまあよく合うこと、これは水が同じだからなのでしょうか。

☆手打ちパスタ
 じゃがいものニョッキ、ラグーソースです。優しい美味しさの中にピーマン?の酸味とかがいいアクセントになっています。

☆お肉
 赤崎牛のイチボのローストとのことで、食感よく仕上げてあって普通に美味しいです。

☆チーズ
 チーズはタイプの違うものがそれぞれ美味しくて、地元の蜂蜜がどれにも合うのです。

☆ドルチェ
 薩摩芋とヨーグルトのムースに胡椒の味付けです。これも合わせ方にセンスが感じられます。

  • ラビオリ
  • 魚
  • 米

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2位

八寸 (祇園四条、京都河原町、三条京阪 / 日本料理、すっぽん)

2回

  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス -
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2019/04訪問 2019/04/23

(再訪)圧倒される美味しさの滋味深い京料理を堪能

ふと思い立った1週間後の京都への一人旅、美味しい京料理をいただくなんて、間近だし一人だしまず無理だよなあ、なんて思いながらも予約サイトをいろいろ検索してみると、なんと名店と言われるミシュラン二つ星のこちらが予約可能になっているではないですか。フォローさせていただいているレビュアーの皆様方は高評価なので楽しみに訪問しました。

有給休暇をいただいての旅行なので平日だったせいか、わたくし以外は常連さんが1組でした。休日はどうなのでしょうか。

古さは否めないものの清潔感はきちんとあるカウンター、前身の「八新」の月替わりのメニュー表が飾ってあります。ご主人含め厨房は4人で、ホール専属の方はいらっしゃいません。

お昼は税抜きサなし10,000円のおまかせコースです。コースの内容は以下のような感じでした。

・汲み上げ湯葉の揚げ出し
・八寸(間人のこっぺ蟹、もろこ、うなぎ、その他)
・お造り(淡路の鯛、天然シマアジ)
・スッポンの卵豆腐のお椀
・炊き合わせ?(海老芋、湯葉巻き、鴨肉入り肉団子?)
・九条葱とイカのぬた和え
・ぐじの西京焼き?
・銀杏のご飯
・水物

圧倒されるほどの美味しさの料理でした。それでいて滋味深く体に染み渡る印象もあります。全てのお皿が気に入ったわけではないですが、これが京料理の実力か、とまざまざと思い知らされました。

京料理は薄味かな、とぼんやりと思い込んでいましたが、薄いとか濃いとかそれだけではないな、とも感じました。そのことを聞いたわけではないのですが、ご主人は「水が東京とは違う」ということが一つの要素だと教えてくださいました。

お弟子さん含め、一つ一つの仕事が実に丁寧です。味の確認をかなりの頻度でしていましたし、提供温度についても実に注意深く調整されていて、様々なことがピタッと決まっているように感じられました。ただ、山椒と刻んだ葱の多用は人によっては気になるかもしれません。

最初はご主人とも会話を交わせず、今日はこのまま終わってしまうのかなあ、と思いながらの食事でしたが、途中からポツリポツリとお話くださり、結果的には興味深いお話をいろいろと聞かせていただくことができました。やや毒舌もあるご主人のキャラ、わたくしは好きです。

ここは再訪必至です。ご主人にも「また来ます」と伝えてありますし。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆汲み上げ湯葉の揚げ出し
出汁の塩梅がいいのか、とてもホッとする優しくて滋味深い美味しさです。食べ始めから食べ終わりまでが計算されているような提供温度でした。

☆八寸
どれもこれもめちゃくちゃ美味しいです。味付けは濃いのもあればあっさりのもあり、それぞれ素材の美味しさを引き出される仕事を存分に感じました。

☆お造り
淡路の鯛には雲丹醤油を、とのことで、これが実によく合うのです。

☆スッポンの卵豆腐のお椀
スッポンの出汁が強くは感じない程度に調整されています。生姜味とのバランス、提供温度も抜群にいいです。

☆炊き合わせ
またまためちゃくちゃ美味しい一皿です。特に海老芋に出汁と柚子の香り付けが素晴らしく、こんな地味なのにここまで美味しくなるものかと驚かされました。

☆九条葱とイカのぬた和え
これ以上足してもこれ以上引いても成り立たなくなる絶妙なところに味が決まっています。これも地味な一皿ですけれどもね。

☆ぐじの焼き物
頭の部分で面倒くさいなあ、と思わないでもなかったのですが、いただいてみると、部位によって味や食感が異なり、様々な味を楽しめるのです。

  • 八寸
  • 炊き合わせ
  • ぐじの焼き物

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3位

中国料理マスキ (稲荷町、広島(広電)、松川町 / 中華料理)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2018/05訪問 2018/05/26

遠くからでもわざわざ訪問する価値を感じさせてくれる極上中華

広島に観光することになっており、その際こちらに訪問したいと思っていたところ、ミシュランガイドに新たに掲載されたことがわかり、あわてて予約しました。一人での予約を受け付けて下さるのはありがたいことです。

店内はとてもシンプル、カウンターに着席を促されます。ここからですと店主の調理の状況がよくわかります。

4月にメニュー構成を変更したようでして、税抜き8,500円のお任せコースが基本で、12,000円〜のスペシャルコースもあります。今回はスペシャルコースでお願いしまして、特にリクエストはしなかったところ、フカヒレのお皿が追加となりました。

お客さんは全員で8人ぐらいだったようでして、一斉スタートです。店主お一人で調理をされているので適切な人数に絞っているかと思われます。

コースの内容は、覚えている限りではありますが、以下のとおりです。

・台湾ピータン
・蛤の春巻
・福岡のブランド鶏を使用したよだれ鶏
・台湾の唐墨とXO醤入り大根餅
・フカヒレ煮込み
・花韮と黄韮の炒め
・イサキの蒸しもの、じゅんさい
・角煮の唐揚げ
・卵炒飯
・杏仁豆腐

全体的には、日本人の平均的な舌に合うであろう優しいながらもしっかりとした味付け、その案配が絶妙でとても美味しく感じられました。中華料理が大好きというわけでなくても、食べることが好きであればたいていの方は美味しいと感じるのではないか、そう思います。

料理を席に運ぶのは、店主の奥様でしょうか、凛とした素敵な方ですが、わたくしは店主の目の前でしたので店主が直接お皿を据えてくださいました。

前述のようにお一人で調理されているのでお忙しく、せっかくカウンターで店主の近くだったのに前半はほとんどお話できませんでしたが、後半になって余裕が出てくるといろいろとお話を聞かせていただくことができ、最初に食べ終わったのに最後にお店を出ることとなりました。

店主は多くのお店での短期間の経験も含めて重ねてこられたとのこと、こういった経験からご自身が考える美味しい食事というものが形成されて、それが提供される料理の美味しさに直結しているのかな、なんて想像しています。

次回広島訪問の際にもぜひ寄らせていただきたい、と言いますか、こちらを目的として広島を訪問する価値が十分にある素晴らしいレストランであると思います。

以下はいくつかの料理の印象です。

・台湾ピータン
 説明を覚えていないのですが、ゼリーとかクリーム状のものとか、シャキシャキした野菜とか入っているのです。ほのかな辛さがアクセントになっていて、様々な食感も楽しめて、素晴らしいスタートです。

・蛤の春巻
 これまた味付けも食感も素晴らしいです。蛤が入っていることは言われないとわからなかったのですが、ケッパーとか他の具材と渾然一体となって美味しさを形成していると思われます。確か皮がフランスのなんとかと言われていた気がしまして、この食感がサクッとするだけでなくふんわりした感じも兼ね備えていてとても素晴らしいのです。最高の春巻です。

・福岡のブランド鶏を使用したよだれ鶏
 コリアンダーの花とか使っていて香りが素晴らしいです。黒酢を使っているのでしょうか、味にいいアクセントになっていて最高のよだれ鶏です。

・台湾の唐墨とXO醤入り大根餅
 言われても唐墨やXO醤を使っているとは分からないほどわずかな使用量だと思われますが、先入観なしに大根餅としていただくと絶妙な味付けに驚かされます。

・フカヒレ煮込み
 フカヒレの煮込みで淡白なスープはそれほど好みではないのですが、これは素晴らしいです。上湯ほどがっつり煮込んでなくて、清湯よりとのこと、極上の美味しさと感じました。

・花韮と黄韮の炒め
 油は良質な状態で使われていることがわかります。炒め加減や辛さが絶妙で、なんてことないようなお皿なのにとても美味しいです。

・イサキの蒸しもの、じゅんさい
 欲を言えば素材がもっといいと嬉しかったです。イサキはもしかしたら中華料理の蒸しものには合わないのかなあ、と思ったりもしました。

・角煮の唐揚げ
 豚の脂を苦手としているのですが、このお皿は濃厚ながらサッパリとも感じられる味付けが最高で、美味しくいただけました。

・卵炒飯
 味には関係ないのかもしれませんが、店主が鍋を振る姿が心地よく美しいのです。仕上がりはしっとりしており、塩味は薄く絶妙な美味しさです。

  • 台湾ピータン
  • 蛤の春巻
  • 福岡のブランド鶏を使用したよだれ鶏

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4位

Les Ambassadeurs (八丁堀、立町、胡町 / フレンチ、ビストロ、イノベーティブ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.7
    • | 雰囲気 -
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2018/05訪問 2018/05/24

広島の食材を美味しいフレンチで堪能

広島への観光の際に寄らせていただきました。

広島へ行くので穴子料理でも食べたいなと思って穴子専門店に電話するも「一人での予約は受け付けていない」とのこと、そこで、広島の食材をいただけて一人の予約が可能なお店を食べログアプリで検索→予約しました。一人での予約を受け付けて下さるのはありがたいことです。怪我の功名と言いますか、穴子専門店が断ってくれたおかげでこの素敵なレストランに出会えてラッキーでした。

店内に入ると、ややカジュアルさもありながらも落ち着いていて広くとられている空間、一人ですのでカウンターです。調理の様子がよくわかりますし、途中飛び込みのお客さんたちが来られるまではシェフは料理について少し細かい説明をして下さいました。

ホールを担当されるのはシェフの奥様、お二人ともお若いのになんだかとてもほのぼのとさせられます。

税抜き5,000円のスペシャルコースをお願いしました。内容は以下のとおりです。
・北広島町の野菜、ビネグレットソース
・60℃火入れのタコ、アボカドとオリーブオイルのパウダー、わさびのソース
・稚鮎のフリット、きゅうりとバジルのソース、バジルのスプラウト
・?(失念)のスープ、イベリコ豚のチョリソー
・養殖穴子のポシェ蒲焼き風、ゴボウのリゾット、トリュフ
・河内鴨の炭焼き、赤ワインと実山椒のソース
・和三盆を使ったクレームブリュレ、カヌレ、マドレーヌ、フィナンシェ

とても素晴らしい内容でした。様々な技法を使っているものの奇を衒っている感じはなく、素直にいただける仕上がりになっています。味付けや食感は様々で、コース全体でバラエティに富んでいるとともに個々のお皿ではメリハリがついています。広島でのランチで5,000円は高めかもしれませんけれども、価格以上の満足度です。

素材は広島のものが多く、それぞれ質は高いと感じました。ドリンクもなかなかです。3杯いただいたアルコールもよかったですし、シャテルドンなんか置いてあるのです。

ということで、ベースがしっかりしていて地に足がついていながら個性もある、フレンチのレストランとしてかなりのレベルにあるのではないでしょうか。

一つだけ玉に瑕、テーブルナプキンの用意はないのです。お店には伝え忘れてしまったのですが、これを改善していただけたらもう言うことありません。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆北広島町の野菜、ビネグレットソース
 ソースの甘酸っぱさが個性的でありながら野菜と絶妙なマッチングです。野菜は新鮮さが感じられるシャキシャキさです。

☆60℃火入れのタコ、アボカドとオリーブオイルのパウダー、わさびのソース
 しっかりとした食感になっていまして、温度を試行錯誤した結果だそうです。

☆稚鮎のフリット、きゅうりとバジルのソース、バジルのスプラウト
 フリットの食感が絶妙です。蓼酢をイメージしたであろうソースも秀逸で、稚鮎とよく合います。

☆?(失念)のスープ、イベリコ豚のチョリソー
 味は甘さと辛さの対比、食感もスープの中にやや固めのチョリソーと、工夫が感じられます。

☆養殖穴子のポシェ蒲焼き風、ゴボウのリゾット、トリュフ
 シェフのお考えでは穴子は養殖の方がいいとのこと、確かに食感はふわふわなのでそうかもしれません。味はトリュフが立体感を構築しています。

☆河内鴨の炭焼き、赤ワインと実山椒のソース
 なんだかとても爽やかな仕上がりで食感も柔らかです。味としては実山椒が強くはなくいいアクセントになっています。

  • 稚鮎のフリット、きゅうりとバジルのソース、バジルのスプラウト
  • 養殖穴子のポシェ蒲焼き風、ゴボウのリゾット、トリュフ
  • 河内鴨の炭焼き、赤ワインと実山椒のソース

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5位

チャコール クッキング ツクバ マイス (つくば / イタリアン)

5回

  • 夜の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2020/03訪問 2020/06/07

(再訪)気軽にいただける素直な美味しさのイタリアン

かつて住んでいたつくばを年に1,2回訪問しています。ここ数年必ず寄るのがこちら「マイス」さん、口コミ件数はなかなか増えませんが満席のことが多い人気店ですので、1ヶ月ほど前に予約して訪問しました。やはりこの日も満席でしたので予約して正解です。

いつものように注文するのはメニューブックとは別にこの日のメニューとしてずらっと20種類ほど書かれている料理からです。今回は5品ほどお願いしました。

やはり全体的に素直な美味しさ、特に素晴らしかったのが「ピッツァ(鹿島タコとタコ肝のトマトソース オレガノの香り)」です。トマトとタコ肝の相性が素晴らしく、普段ピッツァは好んではいただかないのですが美味しくてバクバクといただきました。鳩やヤギの炭火焼きも素晴らしく、くせなく素材の良さをそのまま伝えてくださるような仕上げでした。

この日あれと思ったのが、ドリンクメニューの中に1枚「新潟の日本酒」という紙があるのです。物は試しと「八海山あわ」をお願いしてみたところ、シャンパンから果実味を抜き取ったような透明感あふれる美味しさに驚かされました。

素敵なお店です。また訪問したいと思います。
つくばに年1,2回行くことがありまして、2018年には2度の訪問のいずれもこちらに寄らせていただきました。2019年初めてのつくば訪問の今回もやはりこちらに寄らせていただきました。

つくばで予約が必要なお店はそう多くはありませんが、こちらは予約必須と思います。実際、今回も満席でした。

前回同様レギュラーメニューは開かず、紙1枚に30種類以上記載されている本日のメニューから選択し、以下の料理をいただきました。

・石川七尾 まいわしのオイルコンフィ 800円
・愛媛 ブリのカルパッチョ グリーンオリーブとドライトマトのソース 1,300円
・長ネギとシチリアマグロのカラスミのペペロンチーノ 自家製生パスタ 1,800円
・石川 ホウボウの炭火焼き 1,000円
・白カビのチーズロビオラとイタリア産トリュフ、熟成生ハムの包み焼きピッツア 2,500円
・太平洋メカジキ グリーンマスタード風味のパン粉焼き 2,000円
・(メニュー名失念のデザート) ?円

やはりどれも素直に美味しいです。メニュー名の味付けや調理からイメージするそのものの料理ばかりです。魚一匹まるまるいただけるものや厚切りのものが多く、素材のよさをいかしながら、豪快な食感を楽しめます。味付けは派手な感じはなくどちらかというと繊細で渋い印象です。

つくばにはイタリアンのお店が数多くありますが、パスタやピッツアだけでなく、前菜やメインがここまで美味しいお店はやはりあまりないと思います。
1月に訪問して素直な美味しさが気に入ったこちら、桜の季節に合わせて訪問しました。(桜は散ってしまっていましたが。)

さすがにこの美味しさは評判になっているのでしょう、この日は予約満席でした。

前回同様、レギュラーメニューと別にこの日のメニューが30種類ほどありますので、全てここから選びました。前回からはがらっとメニューが入れ替わっています。

今回いただいたのは以下のメニューです。
・幻のモッツアレラチーズのカプレーゼ 1,800円
・イタリア産サルシッチャ(生ソーセージ)の炭火焼き 1,000円
・福岡宗像穴子 白ワインとレモンのクリーム煮 2,000円
・勝浦金目鯛のアクアパッツァ 3,800円
・南房総直送伊勢海老のトマトクリーム 生パスタで 3,500円
・いちごと響(ウイスキー)のセミフレッド 500円

前回は見た目よりもさっぱり目の味のものが多い印象でしたが、今回は濃厚なものもいくつかありました。魚介類のメニューが多く、しかもそれらが素材から味付けまでしっかりしているのは嬉しいです。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆幻のモッツアレラチーズのカプレーゼ
 モッツアレラがとてもいいです。外側と内側が食感も味も異なり、その違いも楽しめますし、結構濃厚な味でしっかりと堪能できるのが嬉しいです。

☆福岡宗像穴子 白ワインとレモンのクリーム煮
 穴子らしいふわっとした食感と、甘さや酸味を生かした味付けが絶妙です。

☆勝浦金目鯛のアクアパッツァ
 これは素晴らしいです。トマトの味が絶妙な感じで金目鯛のうまみと調和しています。

☆南房総直送伊勢海老のトマトクリーム 生パスタで
 これは濃厚です。伊勢海老の味噌がソースに使われていて、生パスタによく絡まるのでしっかりと堪能できます。

かつてつくばに住んでいて、あちこち食べ歩きしていました。今は東京に住んでいますが、たまにつくばを訪問することがあり、その際にはつくばの美食を楽しみにしています。

今回はイタリアンをいただきたい気分です。つくばの素晴らしいところの一つは、人口20万人強の都市なのに食事をするお店、もちろんイタリアンのお店もたくさんあることです。記憶を辿ってまず思いついたのは「Amici」と「faro」ですが、今回車移動でないのでちょっと厳しく、「コッコリーノ」や「クアドリフォリオ」ならバスで行けるかなあ、でもできればつくば駅徒歩圏内にないかなあ、と行ったことのあるお店以外を検索して気になったのがこちら、点数は高くないですがつくばでは美味しさと点数は比例しないことがよくありますし、オーナーシェフはイタリアの2つ星店で修行されたとのことなので、訪問してみることとしました。

公式HPでメニュー等を拝見するとセコンドがあり、炭火焼きとのことです。セコンドに力を入れるお店はつくばでは多いとは言えず、パスタやピザがメインになってしまうことが多いので、これは期待ができます。

つくばでは予約が必要なお店は多くはないのですが、念のため予約しました。4,000円のコースがあるとのことですが、今回はアラカルトにします。

レギュラーメニューとは別に渡された紙に記載されたメニューには、前菜、パスタ・ピザ、メイン、それぞれなんと10種類ほど記載されていて、全てこちらから選択しました。お願いしたのは以下の料理です。

・銚子イワシとレモンのマリネ(エスカペッシュ)500円
・フランス産ブーダンノワールソーセージ1,200円
・フルーツのコンポートとゴルゴンゾーラのクリームピッツァ1,700円
・長野長期熟成仔羊のラグーソース ショートパスタ1,700円
・福岡平スズキの炭火焼き1,600円
・ティラミス500円
・ヘーゼルナッツとカカオのブリュレ500円

全体的には、味付けも火入れもちょうどいい案配、とても素直な味で違和感を感じることがなく全て美味しくいただきました。味は明確で輪郭がはっきりしています。それなりに濃厚さもありますがくどさはありません。これまでつくば近辺のお店は200軒ほど訪問しました(10年ほど前です....)が、その中でも最高レベルの美味しさと感じました。とてもいいお店に出会えました。もしわたくしがつくばに住んでいた頃にこちらがあったとしたら、毎週のように通うことになったと思います。今はそういうわけにはいきませんが、春頃には再訪したいものです。

食器や盛り付けもいいですね。東京ではモダンフレンチなんかでよくある感じですが、つくばではこういうタイプはあまり見ないように思います。

なお、イタリアのビールをいただきましたが、これがバランスがよくとても美味しいビールでした。

店内の雰囲気はふと思いついて気楽に訪れても大丈夫そうな気楽な感じです。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆銚子イワシとレモンのマリネ(エスカペッシュ)
 苦さがあるかなあと思ったらそれはなく、酸味と甘さが実に爽快でばくばくいただきました。

☆フランス産ブーダンノワールソーセージ
 運ばれてきたお皿を見てすかさず赤ワインを注文しました。見た目ほどの濃厚さはなく、でも適度にワイルドで美味しくいただきました。

☆フルーツのコンポートとゴルゴンゾーラのクリームピッツァ
 甘ったるいピザがやってくるのかな、と思っていたら、ゴルゴンゾーラのくせがフルーツと調和して実にいい感じ、生地もよく、バランスよいピザと感じました。

☆長野長期熟成仔羊のラグーソース ショートパスタ
 パスタはもうほんの少しだけ茹で時間をとって欲しかったとも思いましたがそれは微々たること、このラグーソースは上品な美味しさでした。

☆福岡平スズキの炭火焼き
 これはとても美味しかったです。つくばでは魚料理はやや弱い印象がありますが、これはそんなことはなく、まず素材が素晴らしいです。仕入先とコネクションがあるのかもしれません。味付けは塩味さえあまり感じさせないシンプルさですがそれがこの魚の美味しさを素直に感じさせてくれましたし、火入れもよくて素晴らしい食感でした。

  • ピッツァ(鹿島タコとタコ肝のトマトソース オレガノの香り)
  • 八海山あわ
  • 福岡平スズキの炭火焼き

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6位

蕪庵 (松ケ崎、元田中、茶山・京都芸術大学 / 中華料理)

1回

  • 昼の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス -
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2018/09訪問 2018/09/29

まさに京都の中華のイメージ

京都の食べログって観光で訪問した者からすると不思議に思える時があります。こちらのお店は長い歴史の中で数々の要人をもてなしてきた名店と言われているのに口コミ件数は一桁です。点数も高くないので検索してもなかなか見つかりません。京都ではおそらく有名なのでしょうけれども、観光客からすると情報が少ないのではありますが、今回いろいろなお店を調べた結果としてこちらに出会えてラッキーでした。

京都への旅行の際は和食ばかりいただくのが常でしたが、回数を重ねてくると他の料理もいただきたくなってきます。フレンチは何度かいただいていまして、今回初めて中華料理をいただいてみることにしました。

さてそれではどんなお店でいただこうか、食べログ4点越えのお店はとても予約を取れそうにありません。そこで、京都の中華料理とはどんなものか、ちょっと調べてみることにしました。

「京都の中華(姜尚美著、幻冬舎文庫)」というそのものずばりの書籍があり、京都における中華料理の歴史、味の特徴などが掲載されています。それらについてはここで詳しくは言及しませんが、今回は、やさしい味の老舗、という条件でこの書籍にも掲載されている蕪庵さんを訪問することとしました。(なおこの「京都の中華」はとても素晴らしい書籍です。インターネットではとても得られない情報を丹念に紡ぎ、そして情報だけではなく著者や登場するお店の感情も見えてきます。そして圧巻は「菊乃井」のご主人のロングインタビュー、このためだけに購入しても損はありません。)

京都の中華料理の始まりは他の大都市にはるかに遅れて大正末期、そしてこちらの開業は昭和5年です。つまり、京都の中華料理の歴史をほぼ生き抜いてきているわけです。京都の中華料理の歴史は浅いと言いますが、それでももう90年近く営業を続けているわけでして、そこまでの営業年数の中華料理店は他の地域でもそう多いわけではないでしょうから、まずその歴史の長さに驚きます。

ロケーションは下鴨地区、せっかくなので出町柳からぶらぶらと歩きます。下鴨神社を通り抜けると閑静な高級住宅地、いやあ、ここまで立派な家が多いとは知りませんでした。

そんな中にあって、ここ蕪庵さんも広い土地の中に建っています。まるで和食の高級料亭のような店構え、ゆっくりと歩いてみたいと感じたしっかりとした庭園もあります。料理をいただくのは和室の個室です。中華料理なので部屋の中央には円卓が置かれています。

今回は税サ別10,000円のコースをお願いしました。6,000円から20,000円まであるようです。内容は以下のとおりです。

・伊勢海老の前菜、フルーツ、生ハム
・中華風鯛のお刺身
・赤鯛の揚げ物
・フカヒレと蟹肉のスープ
・フカヒレ姿煮
・牛肉の料理
・鮑の料理
・海老チャーハン
・アサリのスープ
・抹茶プリン

全体的には、やはり中華料理としてはやさしい味で京都のイメージにぴったり、しかし物足りなさはまったくなくてしっかりと味を感じられました。一応料理の種類としては広東料理ということになっていますが、今回いただいた料理は広東料理と言うよりやはり日本のそして京都の中華料理だなあ、と感じられました。

味の特徴としては、スープがしっかりしているなあ、ということを感じました。澄み切った味わいの鶏がらがメインと感じまして、前述の「京都の中華」によると「かしわ」を使っているとのことです。そして、水がきれいなので油通しではなく湯通しとのことです。なんかすごいです。

東京にはこういうお店はなさそうですね。まさに京都の中華のイメージ、またぜひ訪問してみたいものです。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆伊勢海老の前菜、フルーツ、生ハム
 いきなり中華っぽい感じがしないお皿です。爽やかでいいスタートです。

☆中華風鯛のお刺身
 お刺身ですが、湯葉が中華風の味付けで紛れもなく香りも含めて美味しい中華料理と感じられます。

☆赤鯛の揚げ物
 骨までまるごといただきました。油もさっぱりしているものを使っているのか、爽やかにいただけます。

☆フカヒレと蟹肉のスープ
 これも爽やかで澄んだ印象です。

☆フカヒレ姿煮
 スープは上湯でしょうか、丁寧に作られていることがわかるきちんとした美味しさです。白湯よりもずっと澄んだ印象で崇高な印象すら感じます。

☆牛肉の料理
 これはまあまあ、すき焼き風、和牛ではないかもしれません。

☆鮑の料理
 鮑はまあ普通ですけれども、味付けは薄いのに物足りないということはなく美味しいです。

☆海老チャーハン
 水分がやや多めながらパラパラでなかなかいいです。

☆アサリのスープ
 鶏がらに加えてアサリの出汁が出ていて美味しいです。やはり濃くはなく薄すぎず、絶妙です。

  • 中華風鯛のお刺身
  • フカヒレ姿煮
  • アサリのスープ

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7位

MAVO (祇園四条、東山、京都河原町 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2018/04訪問 2018/05/13

京都であえてフレンチという選択をしたくなる独創的な料理

東京からの旅行者です。以前から訪問したかったのですがなかなかタイミングが合わず、やっと訪問できました。以前はランチもありましたが、現在は16時からと19時からのディナー2部制です。今回は19時からの回でお伺いしました。

ウェイティングスペースがかなりとってあり、その奥にあるテーブル席に通されます。まずはドリンクの選択ですが、ティーペアリングもいただきたいですしアルコールもいただきたい。ということでそれぞれが含まれるハイブリッドコース税サ抜き6,000円を選択しました。

食事は税サ抜き15,000円で、以下の内容でした。ただし覚えている範囲での記載になります。

・抹茶、オリーブ、チーズ
・スペシャリテの卵、クルトン、りんご、いくら
・ホワイトアスパラ、卵、修道院のチーズ
・フォアグラのマカロン、わさび
・ブーダンノワール
・稚鮎、カッペリーニ
・牛のコンソメ40時間抽出、バターナッツ
・カサゴ、ジュとボルディエの海藻バター入りのブールブランソース
・3つの部位の仔羊、ジュ入り赤ワインソース
・デザート2種とミニャルディーズ

全体的には、味を足すことにより食材の旨みを引き出してさらに増幅させている感じでしょうか。そのアプローチが様々に工夫が凝らされているのと、足しすぎになることがないことがとても素晴らしいと感じました。やや濃厚な味で量も少なくはないので、重たく感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、わたくしにとってはいずれもちょうどよかったです。

ハイブリッドコースのペアリングについては、(スパークリングの七賢とか)アルコールもよかったのですが、お茶はやはり素晴らしいですね。きちんと作られている生産者の方々のお茶の美味しさが引き出されています。

マダムはとても感じのいい方です。なんかほっとする感じです。他の方々の接客もよかったので、洗練された空間ながら落ち着いて過ごせました。

京都に来るとどうしても和食を食べたいと思ってしまいがちですが、ここの料理は東京でもあまり見られないような個性のある美味しさですから、次回もぜひ訪問したいものです。

以下はいくつかの料理の印象等です。

☆スペシャリテの卵、クルトン、りんご、いくら
 スペシャリテと言うだけあって、これだけの種類の具材なのにマッチングがぴったりです。

☆ホワイトアスパラ、卵、修道院のチーズ
 チーズの香りがふわーっとただよってきて食欲がそそられます。やはりマッチングは素晴らしく、甘さと酸味が効果的に使われています。

☆フォアグラのマカロン、わさび
 なんでわさび?と聞いただけでは思うのですが、その辛さがフォアグラの味をうまくコントロールしています。

☆ブーダンノワール
 これだけだと単調なのですが、付け合せの甘さでぐっと味に立体感が出てきます。

☆稚鮎、カッペリーニ
 これは素晴らしいです。稚鮎はチーズによって苦さの魅力が増大されています。カッペリーニは絶妙な酸味と甘さでかなり美味しいです。

☆牛のコンソメ40時間抽出、バターナッツ
 確かに牛が感じられます。

☆カサゴ、ジュとボルディエの海藻バター入りのブールブランソース
 ふわふわに仕上がっている火入れがまず素晴らしいです。ソースはほのかな辛さを感じつつも堂々とした味で、カサゴと絶妙な相性です。なお、このお皿と次のお皿のメインの2皿は、塩による味の引き出し方、オーソドックスなソース等、革新的なイメージの前菜とうって変わって王道の調理ですが、引き続き美味しくてシェフの実力を感じることができます。

☆3つの部位の仔羊、ジュ入り赤ワインソース
 お肉の柔らかさやソースの味付けが素晴らしいです。野菜もとても美味しいのです。

  • 稚鮎、カッペリーニ
  • カサゴ、ジュとボルディエの海藻バター入りのブールブランソース
  • 3つの部位の仔羊、ジュ入り赤ワインソース

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8位

レミニセンス (大須観音、矢場町、伏見 / フレンチ、イノベーティブ)

1回

  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2018/08訪問 2018/08/19

しみじみと美味しさを感じられる穏やかな流れのコース

名古屋への旅行の際の訪問です。

名古屋旅行を決めたのが旅行日の十日ほど前、それでも電話を掛けてみるとラッキーなことに空席があり予約できました。当日は満席でしたので最後の一組になったのだと思われます。

予約の電話の際に「鳩とかあまりなじみのない食材を使っていますが大丈夫ですか?」と聞かれ、へえ、鳩ってなじみのないものなのかなあと思いつつ「全然問題ありません」と答えたものの、電話を切ってから「鳩を用意してくださるのでしたらぜひともお願いします」と伝えるべきだったかな、と少々後悔しながらの訪問です。

ランチコースはおまかせで税サ抜き7,500円のみ、これにワインのハーフペアリング4,800円を組み合わせました。コースの内容は以下のとおりです。

第一章 ~余韻~
 雲丹
 車海老
 玉蜀黍
 鮎
第二章 ~記憶~
 鰻
 肉
第三章 ~安堵~
 パイナップル
 桃
終章 ~追憶~
 茶菓子

全体的には、それなりに華美な味付けながらも薄味の料理をいただいている印象で、とても穏やかな流れのコースに気持ちが平らかになりました。かと言って個々のお皿の印象が薄い訳ではなく、それぞれ口に入れた瞬間に「おっ」と思わされます。前菜はいずれも、良質な素材をいかしつつその素材とマッチングする立体感のある味付けで美味しくいただきました。メインのうち肉料理は嬉しいことに期待がかなえられて鳩の料理でして、このお皿は最高の美味しさでした。茨城県の(おそらく霞ヶ浦?)鳩とのことで、最近いただいたフランス産のものと比較すると淡白な味わいだったのもコースの流れに合っていて、しみじみと美味しさを感じながらいただきました。まわりの席ではメインの肉料理は鳩以外を選んでいる方々が多かったようですので、やはり鳩には抵抗のある方が多いのでしょうか。

シェフにはお目にかかれず美味しさのお礼を直接伝えることができなかったのは残念ですが、席数も多いようですし、まあ仕方ないですかね。

次回の名古屋訪問の際にもぜひとも寄らせていただきたいものです。

  • 肉(鳩)
  • 雲丹
  • 車海老

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9位

チャクラ (薬院大通、薬院、西鉄福岡(天神) / インド料理、カレー)

1回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.8
    • | サービス -
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2018/02訪問 2018/02/18

手で食べたくなるミールス

東京から旅行で来たのでこの辺りの地理はよくわからず、食べログアプリを見ながらお店を探します。飲食店が立ち並ぶ路地はなかなかいい雰囲気です。その途中にある一軒、扉には「普通のカレーはない」だったかそんな貼り紙、一瞬ひるみますが、そもそも普通のカレーを食べに来たわけではありません。

意外と広い店内、カウンターの奥に通されます。店内では延々とストーンズが流れています。

こちらでいただきたかったのがメキシカンの要素が入っているというミールス、通常のベジタリアンミールスが1,500円でメキシカンのオプションが500円でした。コロナビール600円をまずは飲んで気分を盛り上げます。

ミールスを出すお店によくある食べ方指南に一応目を通してみたところ、小皿を大皿から外に出して(これはたいてい書いてある)、そのあと小皿の中身を全部大皿にぶちまけろ、と書いてあります。これは見たことありませんでしたが、せっかくなのでそうしてみます。そして全てが混ざると完成形、と書いてあります。そこでスプーンで混ぜ始めますがどうもうまく混ざりません。ということはこれは手食だな、とスプーンを追いやり、最近密かに特訓?していた手食をはじめます。この時点で客はわたくし一人なので、近くのテーブルに家族連れがいて「あんなお行儀の悪いことしちゃだめよ」とかヒソヒソ話をされることもありません。そこで思う存分手で大皿の中をこねくりまわします。するとなんとよーく混ざること、メキシカンをほのかに感じる独特さがありながらもバランスのいい美味しいミールスとしていただくことができました。

なんだか嬉しくなってきて、さらにおつまみセット(ドリンク付き)もいただきました。こんにゃく(確か店主のご実家より)、砂肝のピックル、パコラ(インドの天ぷら)、こちらも美味しくいただきました。

食べて飲んでこれでも3千円台というのも嬉しいです。

わたくしがこの日最後の客だったこともあり、店主の思いをいろいろと聞かせていただくことができましたし、東京や福岡のカレー店のお話、ストーンズのお話なども聞かせていただき長居してしまいました。旅行先での楽しい夜になりました。またいつか寄らせていただきますが、こんな素敵なお店が東京に来てくれたらいいのにな、と思ったりもしました。

  • ベジタリアンミールス+メキシカン
  • おつまみセット(食べかけ)

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10位

L‘Equation (ジヤトコ前(ジヤトコ1地区前)、吉原本町 / フレンチ)

3回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 -
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 3.7

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス -
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥6,000~¥7,999

2019/07訪問 2019/07/27

(再訪)このオーソドックスで爽やかな美味しさがたまらなく嬉しい

週末にここに行こう、とふと思いついてその数日前に予約しました。電話口でマダムが覚えてくださっていたことがわかり、これは嬉しいですね。これまでは旅行の途中とかに訪問していましたが、今回はここだけの訪問が目的で日帰りでの訪問、わたくしの家からは片道4時間弱かかりますが、それでも訪問したいと思う、好きなレストランです。約5ヶ月ぶりの訪問です。

何かここにしかない顕著な特徴があるわけでもなく、オーソドックスなレストランではあるのですが、なんかとても好きなのです。波長が合うと言いますか、相性がいいと言いますか、そんな感じです。

夜のコースは4,500円からあります(平日には3,000円も)が、今回は一番上のシェフにお任せのスペシャルなコース10,000円でお願いしました。ドリンクは料理に合わせて出していただき、チーズ盛り合わせ1,000円を追加して約17,000円となりました。コースの内容は以下のような感じでした。

・グルジェール?(スイスのチーズを練り込んだパン)
・サーモン、ホタテ貝柱、アボカド
・鮑と黒トリュフのリゾット
・オマール海老(オマールブルー)とジロール茸
・ライムのグラニテ
・牛ほほ肉ラビゴットソース
・(追加)チーズ盛り合わせ
・マンゴーとブランマンジェ
・木苺のマカロン

もともと爽やかな料理だという印象でしたが、梅雨が明ける前のこの季節にこの爽やかさはやはり嬉しいです。加えて、ソムリエでチーズスペシャリストでもあるマダムがセレクトするワインとチーズは、わたくしの好みを熟知しているかのようなばっちり好みのものばかり、やはり大満足です。また何ヶ月かしたら再訪したいものです。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆サーモン、ホタテ貝柱、アボカド
 マスタードを使っていますが辛さを感じるわけでもなく、全体的にバランスがとても良いです。合わせて頂いた白ワイン含めてこのジメジメした季節にちょうどよい爽やかさです。

☆鮑と黒トリュフのリゾット
 食感は鮑だけでなく全体的にコリコリ感があり、この食感は好みではないと思っていましたが意外にいいです。味付けもバッチリ好みでして、リゾットというのがちょっと意外ではありましたがいいお皿でした。

☆オマール海老(オマールブルー)とジロール茸
 ソースはオマール海老の出汁が使われています。オマール海老の料理のお手本のようなオーソドックスな印象のお皿ですが、何かしら自分の好みに訴えかける要素があるようで、やはり好きなお皿です。

☆牛ほほ肉ラビゴットソース
 ラビゴットソースですから当然ながら酸味ありでして、上にフォアグラ、ケッパーとかが乗っていて、味の調和がとてもいい感じです。フォアグラが使われているのにやはり爽やか、ほほ肉はとてもやわらか、そういったこと含めてとても好みのお皿でした。

☆チーズ盛り合わせ
 フレッシュなものから熟成したものまで最高のセレクション、これで1000円とは驚きです。これだけのために訪問もありかなと思えるぐらいです。
以前、東京からの旅行の途中にランチでお伺いしまして気に入ったので再訪、今回はここのディナーを中心にして旅行の予定を組みました。ワインを思う存分いただいてもいいように、徒歩で帰れる場所に宿泊場所を確保しての訪問です。

ランチは千円台からあり、前回訪問した際に満員なのが頷けました。ディナー時は多少はお客さんは少ないのではないかと予想していたものの、扉を開けたら見事に満席です。ディナータイムも満員とは、地元に愛されていますね。ということで、わたくしは一人なのでテーブル席ではなく前回同様奥の(バー?)カウンター席に通されました。

予約時に税サ別8,000円のおまかせコースをお願いしていました。おまかせとは言え、メインについては通常和牛のところを「和牛以外で」とリクエストしてありました。追加で1,000円のチーズ盛り合わせをお願いし、ドリンクはペアリングのような感じで5杯、合計で約15,000円となりました。コースの内容は以下のような感じでした。

・和牛ほほ肉のアミューズ
・鱈の白子のムニエル、トリュフソース
・マッシュルームのポタージュ、少しトリュフのオイル
・帆立貝柱のポワレ、セロリのピューレ
・レモンのグラニテ
・乳飲み仔羊のロースト、リードヴォー
・(追加)チーズ盛り合わせ
・アーモンドのアイス、いちごのスープ仕立て
・ローブヒップベースのハーブティー、小菓子

料理もワインも美味しい、と言いますか、わたくしの好みにぴたっと合っている感じで、わざわざここまで来てよかったな、と感じました。料理は、オーソドックスながら重たさを感じず爽やかにいただけるのが特徴でしょうか。東京にあっても違和感のないレベルの美味しさと思います。東京にある似たような味の傾向のレストランは「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」「ル・プティ・ブドン」あたりでしょうか。

ワインは、すっきりとか重めとかそういう説明の一言にひとひねりある感じでいずれもなかなかでした。ソムリエであるマダムのセレクションが奇を衒っていないながらもやはり好みに合うのです。

そしてチーズ、マダムがチーズの資格を取得されたとのことでこちらも楽しみにいただいたところ、やはりひとひねりある美味しさが嬉しかったです。

ホールは3人と一見手厚いと思いつつも、そこそこ大箱なので大忙し、しかしマダム中心にうまくまわっています。サービスは意外と素っ気ない感じもありますし、お客さんが帰る際にシェフやマダムが外まで見送ったり、ということもないのですが、どことなく暖かさを感じる雰囲気です。今回のわたくしの場合には、シェフは少しだけですが食材の説明等を嬉しそうにして下さいましたし、マダムは前回訪問時(約1年前)の話をしてくださいました。もうこれだけでも来たかいがあるというものです。以前地方都市に住んでいた時に足繁く通っていたいくつかのレストランも、こんな暖かさがあったな、なんて思い出しました。東京からだとアクセスは大変ですが、また訪問したいと思います。

以下はいくつかの料理の印象です。

☆和牛ほほ肉のアミューズ
 マスタードとかケッパーとか使っていますが爽やかに感じられるスタートです。

☆鱈の白子のムニエル、トリュフソース
 緑色なのはほうれん草です。トリュフが強すぎず白子がうまく染まって美味しいです。

☆マッシュルームのポタージュ、少しトリュフのオイル
 まずはトリュフがふわっと香って、この香りがマッシュルームとよく合って美味しいです。

☆帆立貝柱のポワレ、セロリのピューレ
 これもトリュフを使っています。上に乗っているのは牛蒡です。帆立の火入れはかなり深めではありましたが、くどさが感じられず、しっくりくる感じです。

☆レモンのグラニテ
 ほのかな酸味が心地よくいい小休止です。

☆乳飲み仔羊のロースト、リードヴォー
 火入れはばっちりです。淡白な身に味付けは仔羊のジュのみとのことでして、これがいい効果を挙げていて、爽やかな仕上げとなっていてとても美味しいです。リードヴォーの濃厚さで対比もあるお皿でした。

☆チーズ盛り合わせ
 どれもクセがありまして、マダムのセレクションに驚きました。「たぶん大丈夫だと思って」って、見事に好みを見抜いてくれました。真ん中の山羊のチーズもすごかったですが、右のハードタイプは見た目はなんてことないものの、発酵感が半端なく、破壊力抜群の美味しさでした。

☆アーモンドのアイス、いちごのスープ仕立て
 程よい甘さです。ここはデザートもかなりいいと思います。
東京の者ですが旅行の途中に寄らせていただきました。シェフがフランスの二つ星店で修行されていたとのことで期待が持てます。

一応予約のうえ訪問しました。一人の予約を受け付けてくださるのはありがたいことです。

車でないとアクセスはやや不便です。今回は、旅行であることもあり、ローカル私鉄の岳南電車に乗るいい機会と思い、駅から15分ほど歩いての訪問です。

シンプルな外装の一軒屋、内装も白を基調としてシンプルながらも天井が高く開放感があります。部屋自体広く、テーブルがいくつも並べられています。それらの席は満席、人気店ですね。予約していなければ入れなかったかもしれません。一人のわたくしは少し奥のバーカウンターに通されます。

プリフィクスのMenu B(前菜 + スープ + お魚料理 + お肉料理 + デザートの5品)税込みサなし4,200円をいただきました。選択したのは以下の料理です。
・田舎風パテ
・菊芋のポタージュ
・鰆のロースト
・鴨のコンフィ
・金柑のコンポート、ヨーグルトのソルベ
・木苺のマカロン

旅行の途中なのでアルコールはやめておこうかとも思ったのですが、サービスを仕切る凛とした女性、ソムリエバッジを付けておられます。そこで、シャンパーニュ、白ワイン、赤ワインをそれぞれグラスでいただきました。合計で3,000円でした。

全体的には、オーソドックスなメニューながらもさっぱりと仕上げられており、多くの方が満足できるであろう親しみやすさを感じるとともに、どんな料理でも美味しくいただけるのではないか、という底の深さも感じさせられました。HPの情報等からの推測ですが、ランチは普段フレンチを食べない人にも気軽に食べてもらうメニュー構成、ディナーはフレンチ好きがいろいろと楽しめて満足できるメニュー構成になっているのではないでしょうか。そういうわけでいつかディナーをいただいてみたいものだと思いました。

以下はいくつかのの料理の感想です。

☆田舎風パテ
 こってりとした内容ですが冷製でさっぱりと仕上げています。甘さがちょうどいい感じです。付け合わせも素晴らしく、やや強めながらもしっかりと何かに漬けられておりしっかり美味しいです。

☆鰆のロースト
 しっとりとした火入れで、別の魚でもいただいてみたいものだと感じました。シンプルながら見た目もいいですね。

☆鴨のコンフィ
 コンフィはあまり好きな料理ではないのですが、硬すぎずちょうどいい食感でした。マスタードとの組み合わせもいい感じです。付け合わせの野菜が美味しく、特にポテトが甘く仕上げてあり、鴨との対比もあり、お皿全体として素晴らしいです。

☆金柑のコンポート、ヨーグルトのソルベ
 見た目から想像できるとおりの美味しさで、酸味が素晴らしく、爽やかにいただけました。

  • 牛ほほ肉ラビゴットソース
  • サーモン、ホタテ貝柱、アボカド
  • オマール海老とジロール茸

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