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テーブルセッティング
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室内
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湧き水
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ビール
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フォカッチャ
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新玉葱、海苔
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白ワイン
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じゃが芋
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黒米のパン
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魚
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白ワイン
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米
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日本酒
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ラビオリ
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赤ワイン
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お口直し
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お肉
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赤ワイン
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チーズ
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デザートワイン
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ドルチェ
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寺門さん焙煎珈琲
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前回は昨年秋、東京から2度目の訪問なのですが、冷静に考えると食事のために一泊二日で九州まで旅行なんて馬鹿げていると言えるかもしれません。もちろん、美味しさだけのために旅行をする、というのは十分あり得ることでしょう。でも今回、なんでこの地までわざわざ来たいのだろうと考えてみて、島原という地でこの地ならでは美味しさをいただくということやここに来るまでのプロセスなんかも含めて、幸せを感じてみたいからなのかな、との思いに至りました。
幸せであれ何であれ、自分の感情を文章化することは容易ではありません。美味しいと感じたお店について書くときにただ「美味しい」と書くだけではそれで終わってしまいますので、その美味しさはどこから来るのか、素材なのか、シェフの力量なのか、ということを考えてみるのでしょう。たまには「美味しい」と感じたわたくし自身やこのお店の外まで含めて「美味しい」ということについて書いてみましょうか。
このお店があるのは島原半島です。今でこそ陸続きですが、地形としては雲仙岳を中心とした島と言ってもいいかもしれません。いざ訪問してみてもやはり島の雰囲気です。ということで、ここからは島原半島があたかも島であるかのように書いていきますが、ご了承くださいませ。
ある意味、島には日本の自然が全て揃っている、と言ってもいいかもしれません。海があり山がある。山には生い茂った森や苔すら生えない岩肌があり、山に降った雨は時にやさしく時に激しく川を流れていくことでしょう。変わりゆく季節の中で様々な生き物が棲み、その中で人間も暮らしているわけです。
かつて、様々な島に仕事や旅行で行くことがよくありました。一人で行くこともありましたし、本土の友人達を連れて島の友人達に会いに行くこともありました。もちろんいろんな島をいっしょくたにすることはできませんが、そういう思い出から「島」というだけで様々なことを思い起こしてしまいます。
今回、このお店に向かうルートとしては船を使いました。福岡県内に前泊して、JRで熊本県内の長洲駅まで行き、長洲港から多比良港までフェリーに乗りました。45分の距離ですからフェリーに乗る前から島原半島は見えましたが、フェリーに乗って段々と近付いてくる雲仙岳を見ていると、島へ旅行するのと同じような風景ですから、わくわくする気持ちが高まってきます。
港からこのお店へは徒歩で向かいました。通っていくのはごく普通の田舎道、波の音が聞こえるわけではなし、島にいるという意識は段々となくなってきます。坂道を登り、お店に近付いてくるとビニールハウスの畑が並んでいます。
ああ、やっと来れた、約7ヶ月ぶりですが、ずいぶん久しぶりに思えます。
扉を開けると、前回と同じ、正面にわたくしの席、近くにテーブルはありませんのでのんびりと過ごせます。
税抜き7,000円のコースを予約時にお願いしていました。ドリンクはノーマルの量で6種とデザートワインで7,700円、チーズとドルチェは選択のところ両方お願いしてプラス500円でした。コースの内容は以下のとおりです。
・パン2種
・新玉葱、海苔
・じゃが芋
・魚
・米
・ラビオリ
・お肉
・チーズ又はドルチェ
・寺門さん焙煎珈琲
まずは、前回同様、島原の湧き水が供されます。乱暴に言ってしまうと、この水こそがコースをもっともよく表しているのかもしれません。水にどれだけ味や香りを感じることができるのかはわかりませんが、とにかくまろやかで、何もかもを包んでくれそうです。この水で島原の自然は育まれているわけですし、暮らす人々も湧き水をとっても大事にしています。
まずはフランスのビール、苦さが爽やかさの中に見え隠れするバランスのよいビールです。そして国見の白胡麻と湧き水で作ったフォカッチャ、流れがとてもスムーズな印象があるのは、湧き水が使われているからかもしれませんが、ビールは当然島原の水ではありません。ペアリングのセンスが抜群のシェフのことですから、似たようなニュアンスを感じられたのかもしれません。
料理一品目は「新玉葱、海苔」です。寝かせたミズイカも含まれていまして、食感の妙を楽しめます。味の組み合わせはやや複雑ながらも違和感はありません。
次に「じゃが芋」、タコと発酵させた野菜が中に入っています。この組み合わせで美味しく感じさせるのはさすがです。
香りが圧倒的な黒米のパンをはさみ、魚は熟成真鯛でフリットになっています。椎茸に原木椎茸のパウダーがまぶされ、ソースは赤ワインと昆布です。椎茸と昆布だともろに出汁って感じですが、和の印象を感じるわけではなく、ではどういう感じかと言うと、どうも説明ができません。あまりいただいたことのない不思議な印象です。でも決して違和感があるわけではなく美味しくいただけるのです。小さいスプーンを出していただいてソースはしっかりいただきました。
ドリンクは日本酒が出てきます。島原の造り手とのことで、前回もいただいています。これはもう待ってました、と楽しみにしていました。やはり水が島原だからか、コースの中ですっとはまるのです。
料理は「米」、かにを使う雑炊でして、桜の燻製香が半端なくいい効果を挙げていて、もう激ウマとしか表現できません。これもまるで和の料理のようでいて違うのです。不思議です。
次は「ラビオリ」、島原の羊と猪が使われています。クミンなどのスパイスが臭み消しではなく食材を高める効果に使われていると思わせる抜群の美味しさです。スープも優しくかつ深いのです。この料理をいただいて、最近大人気でふらっと訪問することができなくなった地元の大好きなお店を思い出しました。ああ、あののんびりとした雰囲気の中気さくな店主とお話したりしながら美味しい料理をいただく機会は次はいったいいつになるのだろう、なんて思い起こしましたが、まあこのお店には関係ないですよね。でも、超絶美味しくて、やはり超絶美味しいそのお店を思い出しても罪ではないですよね。いずれにせよ、この空間と時の流れに身を任せているだけで幸せです。
オリーブの葉っぱと湧き水のシャーベットで小休止ですが、これが半端ない透明感なのです。やはり湧き水が使われているからでしょうか。
最後の料理は「お肉」、これは「あかね豚」という豚に金柑のソースです。正直言いまして豚かよ残念だなあと思ったのですが、いざいただいてみると実に品の良い脂の付き方で、ジビエだと言われてもわからない美味しさです。
さてチーズ、左2つは程よい発酵感を感じ、ゴルゴンゾーラにかける島原の蜂蜜のなんと合うこと!
最後にドルチェ、卵のムース?だったかな?なぜにこうにも美味しいのか、という感想しか出てきません....。
島原の寺門さん焙煎珈琲、ああなんてバランスいいのだろう、ほっとさせられます。
どちらかと言うと寡黙なシェフと少しお話させていただきました。やはり食材は一期一会、ちょうど休みが取れたこの時期にいただく料理、そのものが島原を感じるベストなのでしょう。この日のためにありがとう、と食材たちにも感謝したいです。
シェフと素敵な奥様に見送られてお店を出て、畑の中を歩きます。聞こえるのはただヒバリの鳴き声だけ、空を見上げると目に入るのはトンビ、少し歩くと海が、そして帰りに乗る島原鉄道の踏切が見えてきます。この目に入る景色が歩くにつれ変わっていく、ただそれだけなのに料理の余韻として全てが嬉しく感じられます。
ということで、全てではないけれども島原で育まれた命たちと水を中心とした内容、そしてここに来るまで見た海や山、ここをあとにして見る景色、これら一連の流れ全てを楽しんでこその料理のような気がします。確か奥様の故郷なのだったと思いますが、この環境でこのレストランを開くことを決断してくださったシェフに感謝の気持ちで一杯です。
食欲は三大欲求の一つでして、人間の欲求段階の中では最初の、とにかく命を保つために必要なもの、となっていますが、本当でしょうか、なんてことを思ってしまいました。やはり食べるということは、程度のこそあれ幸せというものをもたらしてくれると思います。それにはシチュエーションも重要なのでしょう。忙しい日々の中、旅行先で、家族と、恋人と、仲間と、一人で、わいわい話しながら、お互いを探りあいながら、一つ一つのお皿と向き合いながら、シェフと会話しながら、そんな様々なシチュエーションでの食事が、思い出となるとまた幸せも増幅されるのかもしれません。小さい頃、家族で出かけた際に母親が「お金なくなっちゃった」と、それでもお腹が空いていてなんとか1本だけ買うことができた焼きとうもろこし、ほんの少しだけどみんなで分けあってなんと美味しかったこと、そんなことを思い起こしました。
またいつか訪問すると思いますが、次回は誰かを連れてきてこの幸せを味わってもらいたいな、なんてことも思ったりしました。