2回
2025/01 訪問
イタリアンの枠にとらわれない自由な発想、脅威的なコスパのレストラン
雪がしんしんと降る盛岡。
駅からタクシーで行きましたが、けっこう道が混んでいて15分ほどかかりました。
「路地裏に佇む」、という表現がピッタリの場所にある「filo」さん。イタリア語で「糸」を意味し、食材の生産者さんとお客さんをつなげる、という思いが込められているそう。
久しぶりの盛岡だったので、奮発して一番品数の多いおまかせcourseを注文。
飲み物は自家製のジンジャエールを頼みました。
ギャルソンの方の佇まいが、只者じゃない雰囲気を醸していて、付かず離れずのとても心地よい接客。
よくよく話を聴いてみると、やはり東京の超有名店での勤務経験がおありの方でした。
料理はドルチェを含めて全8品。
アミューズのスフォルマート(イタリア風茶碗蒸しだそうです)をいただいた時点で、大当り確定!ボタン海老と共に、濃厚な旨味が舌に絡みつきます。
前菜盛り合わせの、鹿のパテと、りんごの組み合わせも絶品。ナッツの歯ごたえも相まって、食欲が爆発します。ブーダンノワールとりんごのコンポートの組み合わせから着想を得たそうで、フレンチの要素が組み込まれています。
短角牛のスープも、濃厚なトリュフの香りでスプーンを持つ手が止まらない笑
パスタは2品で、クリームとトマトソース。里芋をパスタに見立てたり、自家製のパスタを使ったりと、それぞれ独特な食感を楽しめました。
メインの魚と肉料理も完璧な火入れ。最後まで美味しくいただきました。
ドルチェのティラミスも、ケーキのような柔らかい食感ではなく、アイスのように冷たくて口当たりが爽やかなタイプ。ティラミスの概念が変わります。
これだけの量が出て、サービス料なし税込11,000円は脅威的なコスパ。盛岡に住んでいたら、毎月でも通いたいぐらいです。
イタリアンの枠にとらわれない自由な発想。食材の良さを生かして、最大限に美味しさを追求するストイックな姿勢に感服しました。
最後にシェフともお話をさせていただきましたが、私が大好きで通っていたフレンチ店のオーナーシェフとお知り合いで、コラボもされていたとのこと。やっぱり美味しい物を探していると、こんな偶然もあるんですね。
また用事を作って必ずお伺いします。
蕪とムール貝、サフランのスフォルマート 帆立とボタン海老、京大根のタルタル
ポレンタのフリット 甲子柿とストラッチァテッラ、ハモンセラーノ添え 対馬の鹿のパテ りんごとナッツのインサラータ
3種類のパン
短角牛のカプネット レンコンとごぼうのパッサータ 黒トリュフの香り
津志田芋のニョッキ 香茸のクリームソース
スモークした牡蠣のトマトソースのコルツェッティ
鳴門の沖ボラのソテー、下仁田ネギのソース 三つ葉のサルサヴェルデ添え
短角牛サガリとジャージー牛イチボのグリル 焦がし玉ねぎのソース
ドルチェのティラミス
プティ・フール
2025/02/22 更新
前回がとてもおいしかったので、期待に胸を膨らませての再訪です。
地元盛岡の食材をふんだんに使った、イタリアンベースのレストラン。
イタリアンの枠にとらわれず、フレンチの技法なども使い、「おいしさ」にこだわったお料理は、とても満足度が高かったです。
今回もおまかせのディナーコースを注文。
◆全粒粉のクレスペッレ 八幡平サーモンとアスパラのフリット ウコギのソース
◆マンゴーのスフォルマート ホヤとボタン海老のマリネ
◆カツオとカブ、バッケのタルタル 花わさび添え
◆新タマネギとコンビーフのブリュレ
◆龍泉洞黒豚のパテと焼き茄子と山椒のサルサ
◆カスベのトマト煮ソースのストゥラッシナーティ
◆県産牛と椎茸のラグーのタリオリーニ
◆宮古産吉次と筍のソテー 甲殻類のソース
◆短角牛サーロインのグリル 赤ワインソース
◆ドルチェ
品数が多く、たくさんの食材を楽しめるのがほんとに嬉しい。
今回秀逸だったのは、マンゴーのスフォルマートとホヤのボタン海老のマリネ。
ホヤの独特のにおいがあまり好きではないのですが、海老とマンゴーと合わさることで、くさみがまったく無くなり、旨味と食感が楽しめる逸品に!
新タマネギはもともとの甘さに加え、カラメル化されたことで、極限まで甘みが引き出されている。塩味の効いた黒豚のパテと一緒に食べると、最高のマッチングでした。
甲殻類のソースも濃厚な旨味が抽出されていて、魚と合わせると、さらにおいしさが引き上げられます。
食材とソースの相性が抜群。「おいしさ」にこだわった料理の数々に、今回も大満足でした。