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夜の点数:4.3
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 4.0
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|サービス 3.6
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|雰囲気 3.6
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|CP 3.4
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|酒・ドリンク 4.2
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昼の点数:4.3
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 4.0
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|サービス 3.5
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|雰囲気 3.5
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|CP 3.2
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|酒・ドリンク 4.2
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[ 料理・味4.0
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| サービス3.6
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| 雰囲気3.6
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| CP3.4
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| 酒・ドリンク4.2 ]
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店内は薄暗い
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2025/03/13 更新
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[ 料理・味4.0
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| サービス3.5
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| 雰囲気3.5
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| CP3.2
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| 酒・ドリンク4.2 ]
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2025/01/22 更新
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[ 料理・味4.0
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| サービス3.5
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| 雰囲気3.5
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| CP3.4
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| 酒・ドリンク4.2 ]
珈琲とインク
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2025/03/13 更新
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[ 料理・味4.0
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| サービス3.2
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| 雰囲気3.6
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| CP3.1
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| 酒・ドリンク3.8 ]
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2024/11/21 更新
コーヒーが胃に落ちる。
酸味は薄く、味は鋭いと言うより重い。重さのある液だ。焦げ臭さではない。古い岩波を束ねたような重さ。背負わせてくる。濃く、しかし濃すぎない。香りも、味も。
こうした味のコーヒーが好きだ。世間で珍重される酸味の強いコーヒーとは違う、しっかりとコクがあり、まろやかで、身体に染み込んでいくような。
かつて京都の丸善、いまは丸ごとカラオケになってしまった丸善の向かい、蛸薬師の古い木造になかおか珈琲という店があった。大阪あたりを中心に数店舗、京都にはここだけだったが、24時間営業でブレンドが当時500円。あの頃の相場よりほんの少しだけ高いか、その代わり何杯でもお代わりできた。京都らしく入り口は狭いが中は広い店舗で、丸善で手に入れた本、いや、実際に丸善で買った新本は一冊二冊で、大半は周辺の古本屋の店先のワゴンから拾い上げたものを、コーヒーを粘りながらいつまでも読んでいた。
夕方までは大学生が中心、夜はいかにも上役という風情のスーツ、お金と女を持ち歩いてこの喫茶に流れ着いたような、そして深夜も3時を過ぎると木屋町や先斗町をあけてきたプロの女性。夕方から始発の時間まで、客層が入れ替わるのを横目にその日の本が尽きるまで読んだはずだ。
そのなかおか珈琲のブレンドはサントスNo.2をベースにした、酸味がほとんどなく、ややオイルの匂いのする、柔らかな味のものだった。
柔らかな味、しかし柔らかに見えて、コーヒーの精がガツンと芯にくるのだ。目の覚める味、世界にピントがあってしまうような。
建物がついに消防署からNGされ取り壊されてしまうまで、足繁く通った覚えがある。その後、難波のZepp近くの同じチェーンを訪ねてみても、また自分でサントスを買いストレートで飲んでみても、しかしあの味にはならなかった。あれはどういうブレンドだったのだろう。
このヴァンサンヌ ドゥの珈琲は、あの深夜の一杯に似ている。もちろん、全てが同じというわけではない。ヴァンサンヌ ドゥのものはさすがにあれほど重くはないし、もっと洗練されている。二種類のブレンドを選べるのだが、私はいつも濃い方を選ぶ。ローストの効いた香り。書いたとおり焦げ臭さではなく、むしろカラメルの甘さとか、あるいはブイヨン、深く取ったコンソメのような。そして淵は、かつてのなかおか珈琲より深い。飲むほどに、コクの深さ。重さが胃をより深くまで降りていくような。底から身体に染み渡るような。本のインクがつらつらと脳に侵入していくような。読書にも似たこの深さは、未体験だ。
私はこちらのコーヒーを、必ずアップルパイといただく。色々な方が書かれているだろうが、なんとこのお店は、焼きたてのアップルパイがいただけるのだ。注文してからの焼きなので、もちろん時間はかかる。しかし、あの丸善前の木造からここまで延べた時間に比べれば、少しの行列や焼き時間など些細なもの。
そうして届いたアップルパイは角がサクサクと、日焼けした古書の脆さで崩れてしまう。すでに溶け始めたアイスクリームを塗りたくり、シナモン、バター、甘く焦げた香りは珈琲にも負けぬ色鮮やかさで、白黒の世界に挿絵を押したようだ。さらにページをめくろう。パイ生地の内はしっとりと滑らかで、その佳境にりんごの、年頃に煮詰められた姿。
最後のひと口は、いつも身を引き剥がされるようだ。どんな一皿にも最後のページがある。終焉へ、それと知りながら手を進めるしかないのだ。物語の内側から無理やり引き剥がされる時の、あの痛みの甘美さ。なかば呆然と、終わってしまった皿を見つめる。この痛みが良いのだ。カップの底に残った液を啜り込む。ようやく現実に焦点が合う。