2回
2024/08 訪問
いちご泥棒
ちょっと用があって蒲田に初上陸。時間的に今日は夕食とって帰ろうと食べログチェック。小鳥と苺…店名なんか気になる。ここにしようと夕方電話して予約。
さてお店に到着。既に2組のお客様。カウンターだけのお店なので、奥さん娘と3人の我々は角っちょの席。シェフの手元が見える自分は特等席、ちょっと得した気分。店内の壁紙、何処かで見たことあるな、と後から思い出したのがウィリアムモリスの「いちご泥棒」の図柄。確かにツグミ?が苺を啄もうとしてるものね。小鳥と苺ね、なるほどと今になって得心。
さて頂いたもの。
⚫︎いちじく・くるみ・ゴルゴンゾーラのパイ
⚫︎玉ねぎ・クミンのフィナンシェ サレ×2
⚫︎ドイツベーコン・オリーブ・パルミジャーノのマドレーヌ サレ×2
⚫︎和牛タルタル
⚫︎自家製スコーン
⚫︎バゲット
⚫︎平目と海老ムースとトリフュのグラタン
⚫︎ズワイガニとホタテのパイ包み焼き
加えて
⚫︎生ビール×3
⚫︎グラス ロゼ (サンジョヴェーゼ・シラーズ)
⚫︎グラス オレンジ(ピノグリージョ)
⚫︎グラス オレンジ (???)
⚫︎カラフェ ハウスの赤 (カラフェで)
⚫︎グラス 赤 (サぺラヴィ)
いやぁ、美味しかった。自分の鼻の利くことホントに自慢しちゃうな。通いたくなる様なイイ店!
先ずゴルゴンゾーラのパイで先制パンチを喰らう。1/6 位のポーションをムリムリ三等分してサーブしてくれるのが嬉しい。こんなに細くひと口しか無いのに、口に入れた時のパンチ力はヘビー級。甘みの強い無花果とコリコリ胡桃をゴルゴンゾーラがしっかり引き締める。コレは美味しい、好きな味。
サレは、しっかりマドレーヌとさくさくフィナンシェ。あまりに美味しいので追加。特にフィナンシェがイイ。これまたミニミニサイズの1/3にカットしても、上に載ったハーブと薄く削ったチーズ、そして玉ねぎがクミンと共にきちんと自己主張。サクサク、スルスルと胃に収まります。
そうそう、最初にサーブされたのは、ジャガイモとアスパラガスのビシソワーズだった。真ん中野菜のジュレまで柔らかな緑を基調とした三色。ガラスの器とピッタリ涼しげクリーミー。
まだまだ続く。
お次は和牛タルタル。やや粗めに刻んだ香味野菜のピクルスがネットリとした牛肉と口の中でハーモニーも、意外にもアッサリ。伝統的タルタルはこんな感じなのね。焼肉屋のユッケと一緒にするな、でした。
ドンドン行きましょう。次はズワイガニと帆立のパイ包み焼き。パイ生地の中に帆立とズワイガニの食感を残しつつ、これもカニのビスクかな、このソースと絡めて頂くと、それはもう別世界!
平目と海老ムースとトリフュのグラタンも美味しかったなぁ(皆んな美味しい)。ムッチリした平目の身が焼け目のついたクリームソースに絡んで美味。ここまででバゲットやらスコーン(これがまたバターたっぷり感あって美味しい)やらでお腹が結構満たされる。
ここら辺でワインのことも触れなくてはね。サレの時くらいかな、お勧めでロゼとオレンジワインをグラスで頂いたけれど、オレンジワインは種類をわざわざ変えてくれました。恐らくリストに載ってた方か載ってなかった方なのか、分からないけれど、「しっかりとしてますよ」と言われた方、コレが美味しかった。カラフェのハウスワインは少し酸味が強いタイプ。コレはまぁまぁかな。この後グラスで頂いたジョージアのワインはとても果実味のあるタイプで、とても美味しい。サペラヴィという品種らしい。細密画っぽいボトルも目を惹く。旨い。
さてメインに行きましょう。
エゾシカのポワレ。ジビエですな。目の前でアロゼって言うのかな、脂?バター?を絶えず回しかけて、そして休ませる。何をお食べになってたのでしょうね、この鹿さんは。この後頂く鴨肉と肉の味わいが違うことがよくわかるけれど、うまく表現できないのが口惜しい。何となく野生的な味わい。
続いて頂いた鴨肉ロースト。柔らかくてコクのある旨み。ベリーのソースがピッタリですねー。コレまた後付け知識だけど、マグレカナールとはフォアグラ採取後の鴨さんのことらしい。やっぱりね。脂肪分の旨みが違う(気がする)。
鹿肉のボルドレーズソース、鴨肉のベリーソース、どちらも似てるけれど、甘み抑えめの前者は付け合わせの甘ーい静岡産トマトを引き立てる。アメーラなのかな、ローストしてるからなのか甘いこと甘いこと、美味しい。鴨肉の付け合わせがまた特筆もの。雪室で熟成させた北海道産のジャガイモ。寒いから?雪の中で取り出されるのを待ってる間、糖分をより生み出すから、しっとりするのだとか。しっとりとしたおじゃがさん、ベリーソースが合いますな。
偶々TBLに置いた財布がSECRIDで「一緒ですね」と話しかけられたのは、後からお隣に座られたパリ在住のトルコの方。オリンピック中のバカンスで日本へ。 IT勤めだから anytime anyplaceで働けるらしい。お隣が一皿頼んでいた甘鯛のパートフィロー包み焼きも美味しそうだった。甘鯛の鱗をチリチリとアロゼするところが丁度見えていた上に、サーブされた後、パイ生地にナイフを入れる際、聞こえてくるパリパリ音が心地よく、どんな美味しさなんだろうと何とも想像が膨らむ。
それにしても、パスタまで食べてたらお腹はち切れてたかも。少量でもいろいろ頂く幸せ満足感で満たされました。一つだけ敢えて言うと、食べログメニューに載ってたアラカルトメニューは店内メニューにはありませんでした。結果、渋沢先生と諭吉先生、はたまた津田女史、北里柴三郎先生に加えて、文豪漱石にもご登場頂きました。ここはアップデートお願いしたいところ。その価値は十二分にあるので、その気で行けば何の問題もないのだけれど。
何れにせよ、奥さんも娘も大絶賛。ご馳走様でした。またまた再訪必至のお店でした。豊川悦司に少々似てらっしゃるシェフの方、クオリティの極めて高い料理とは裏腹にカジュアルさを大切にされてる感じがとてもイイ。初めての我々にも丁寧柔らかな対応が嬉しい。引っ越してちょくちょく通いたいほど。それに蒲田バーボンストリートもイイね。楽しそうな通り。まず駅からまっすぐ帰れないね、自分だったら…蒲田恐るべし。
いちご泥棒 Strawberry Thief by W.Morrisですな
ジャガイモとアスパラガスのビシソワーズ
玉ねぎクミンのフィナンシェ サレ
ガラス越しに…
いちじく くるみとゴルゴンゾーラのパイ
ドイツベーコン オリーブ パルミジャーノのマドレーヌ サレ
和牛のタルタル
バゲット
ズワイカニと帆立のパイ包み焼き
平目と海老ムースとトリフュのグラタン
自家製スコーン
エゾシカのポワレ ボルドレーズソース
オープンなキッチン 焼き焼き
マグレカナール鴨のロースト ベリーのソース
ジョージア のワイン (サぺラヴィ)
ロゼ(サンジョヴェーゼ/シラーズ)とオレンジ(ピノグリージョ)
2024/08/14 更新
GWの谷間、一昨日は畝作り、昨日はマルチ張り。今日はいよいよ夏野菜を植え付けて腰がパンパン。疲れ切った体にココで美味しいものを食べて立て直そう、どこにも行かないGWだし…と美味しい店を物色していたところ、コチラ今日は営業中、GWショートコースの案内がインスタに…。再訪必至なお店のひとつだったけれど、ワンオペになって(?)アラカルトからコースのみに、ちとハードル高くなっていたところ。ショートコースの響きに、パンパンの腰もちょっと軽くなって恐る恐る電話してみると、大丈夫とのこと。
で、小糠雨の中、イソイソと蒲田に着き、立ち呑みが並ぶ、見るからに幸せそうな空間、ついつい寄り道してしまいそうな通りを突っ切って駅から3分、ありました。カウンター八席にソロ客の方お一人だけ。お隣に座らせてもらいました。
予約したのは「苺」コース 4,400円/人
⚫︎仔牛と野菜のコンソメスープ
ボルドーグラスに静かに注がれる琥珀色。スターターらしくお腹を落ち着かせる一品。湯気と共に鼻をくすぐる香りと旨味が静かに胃の底まで流れていきますね。
⚫︎ホワイトアスパラのグリル/自家製リコッタチーズ/ピエモンテヘーゼルナッツ
ハモンセラーノだったかな、塩味がリコッタチーズとグリルされて香ばしいアスパラを上手にリード、ヘーゼルナッツがカリッと控えめに存在感を示す逸品。珍しくゆっくり頂きました。
⚫︎イベリコ豚とマッシュルームのパイ包
リエットっていうのかな、ブーちゃんをコンビーフ状にした感じの中身。玉ねぎもたっぷり熱々で食べ応えあり。美味しい。マッシュルームは何処?
⚫︎自家製カラスミの冷製カッペリーニ
塩抜き多めにしているカラスミなんだそうな。たっぷりかけても塩気は控えめ、カラスミの風味だけが残る。ペロリ。
あぁどれも美味しかったなぁ。そうそうグラスワインも旨し。リストの紹介文読んでるだけで楽しくて、ついつい頼んでしまいました。そうだそうだと、自分のボキャの乏しさを補う的確な表現を確認する作業みたいな楽しさもあり、ついついコース料金を遥かに上回るほどグラスを重ねてしまいましたよ。皆美味しかったけれど、スパイシーな香りのフェウディロマンスと、複雑な香りのバスティンルーズ、好みのベリー系で力強さもあるけれど、スムースなシャトー グロ カイユが印象的。奥さんも大満足でした。
さて、最後、締めを泡にするか迷ったけれど、シャルドネに。これに合わせてひと皿お願いして出てきたのがこちら。後から調べたらPesche Sottaceto と言うのだそうな、そうオリーブみたいな顔した桃の酢漬け。これに甘さが際立つトマトを添えたお皿。コリコリっとした桃と食べるトマトがまた、美味しいこと美味しいこと。ドライなチンザノなんか合うかもな、と思っていたら、もう一皿。赤エビのシャンパンマリネ。綺麗な縞模様が見事。ディルと合わせてムチムチした身をスルリと口の中に。甘味がありますなぁ。
さてさて、大満足な蒲田の夜。お隣の方とも、その後入ってこられたご常連の方とも楽しくおしゃべり。奥さんの着てたTシャツデザインに反応してくれたのはこれで2人目。奥さん、目立ちますがな、ソレ。まぁ、イイでしょう、お隣さんとも近しく話せるたし。でもね、一番はカウンターだけのこちらのビストロの奥深さ、フレンドリーな雰囲気が料理に加えて魅力ですな。蒲田はちょっと遠いけれど、また来ます。ご馳走様でした。
外は雨足強かったけれど、何から何まで満喫した夜。足取り軽く家路につきました。