2回
2022/02 訪問
蕎麦が一番美味い季節に
日本人の多くは初物を有り難がりますよね。
新蕎麦、新米、初鰹、新子…等々
蕎麦が一番美味い季節はいつでしょうか?
新蕎麦の秋ではありません。答えは圧倒的に真冬です。間違いありません!明らかに香り、甘味が違います。素人でも分かりやすいです。
15年ぐらい前に長野小布施の名店で教えていただきましたが、真冬に仕込む蕎麦を『寒ざらし』と言うそうです。
秋に収穫した玄蕎麦を熟成させ、厳冬期の冷たい水につけ、寒風にさらして乾燥させると余分なアクや渋味が抜けて、舌触り良く甘味が増します。
分かりやすい例として薩摩芋があります。薩摩芋も基本秋に収穫して温度、湿度管理して数ヶ月熟成させるからねっとり甘くなりますよね?同じ理屈です。
玄蕎麦を毎日しっかりと石臼引きする店で真冬に冷たい蕎麦を食べる楽しみといったら…
こちらの店は札幌郊外にあった時から繁盛店で私のお気に入りでした。ところが、何と幻の蕎麦を最大限美味しく提供すべく、産地である黒松内に移転すると聞いて腰が抜けそうになりました(笑)信じられない行動力です!
黒松内町『アルプスファーム』
こちらの落合氏は知る人ぞ知る蕎麦名人です。一度は絶滅した信州松本の『奈川在来種』に情熱を注ぎ、蕎麦の一大産地である北海道でも唯一ここ黒松内で苦労を重ねて復活させたのです。
落合氏の玄蕎麦を使用する小樽『きむら』、ニセコ『いし豆』、そして当店…蕎麦好きを魅了する名店ばかりです。
当店では無論まずは『せいろ』を食べていただきたい。配膳された瞬間から本物の蕎麦の香りが充満します。蕎麦つゆもキリッと辛口で美味いのですが、まずは蕎麦だけを口に含んで噛みしめてみて下さい…鼻に抜ける高貴な香りが堪らない!
実は当店の名物は『しいたけせいろ』なんです。他では味わえない逸品で多くの方々がこちらを目当てにいらっしゃいます。
肉厚な椎茸をたっぷりと温汁に溶け込ませた素朴な品ですが、ジュワっと染み出した椎茸の旨味溢れる温汁と、黒松内の清水でキリッと締めた蕎麦との相性といったら…
濃厚な蕎麦湯も最高なんだよなぁ
道民でなければ『黒松内』の場所は分からないと思います。驚くほど何もありません…数ある北海道の魅力的な観光地のどこからも遠いです(笑)
本当に蕎麦が好きな方だけ訪問してみて下さい。
記録的な豪雪ですから今回はすぐに食べられましたが、私が移転後に初めて訪問した昨年10月は並びが生じて1時間超の待ちだったことを追記しておきます。
こんな田舎なのに…皆さんお好きですね!
2022/03/14 更新
蕎麦が美味くなる季節になりました!
北海道は蕎麦の一大産地です。特にこちら黒松内の蕎麦は幻の最高品質 この花さんも落合さんの玄蕎麦を求めて札幌から黒松内に移転するほどですから
蕎麦は分かりやすい!
蕎麦粉の品質、打ち手の技術が如実に現れます 隠しようがないので天ぷら等の種物で誤魔化すしかないのです
王道のせいろ、そばがきも最高ですが、やっぱり唯一無二のしいたけせいろがお勧め
温蕎麦も丁寧な出汁で美味し 今回はかしわをお願いしました 焼き目ののついたネギが名脇役となり、これぞ南蛮蕎麦のお手本です
季節毎に変わる限定も楽しみです
間もなく人気のカレー南蛮の季節ですね…楽しみだなぁ
現状、日本一の蕎麦店だと思ってます