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「新宿Z級居酒屋」
私がダブルネーム店で
サービス料15%をとられるまで
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楽しい飲み会のウラには、時に隠された苦難の「支払い」があるものだ。
2018年も居酒屋を350件訪問し、レビュワーとしても脂が乗り切っているkuidoの平次(2256)。その陰では、親友のがらっ八の吾郎君も青ざめた、ビックリ金額の請求危機があった。kuidoの平次のレビューが人気を博すのは、本人の周囲に「ドラマ」があるからかもしれない。
歴2年半の中堅レビュワー。
権力に近い食堂シリーズや昔ばなしを模したアイデア記事。
kuidoの平次の周囲には耳目を集める「物語」が満載なのだ。
とりわけ不定期で投稿されるZ級居酒屋の「週末料金が上乗せされた」「ビールが極小グラスだった」…といった、驚愕エピソードは、食べログでも不定期に掲載され、Z級居酒屋レビューとして大いに世を沸かせたが、そこから飛び出した新体験のストーリー・・・
「面白おかしく記事にしてはいますが、ウラでは身内は相当苦労したと思いますよ」
と言うのは、kuidoの平次に近い海男氏。
「月に2回訪問するとすれば年に24回ものお店への突撃が必要です。この事には価格コム社からは報酬も出ませんし領収書も落とせませんから、2万円×60回以上となり、相当額の自腹を切っていることになります」
実際、海男氏は溜まりに溜まったZ級居酒屋の領収書を見たことがあるという。kuidoの平次のカバンの中には、筒状になった領収書が綴じられているというのだ。しかも不味くて高いのがZ級の定番となれば金額もかさむ一方だ。
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高評価☆3.5のはずが…・・・・・・・・・・
一体、何があったのか。
「確かに食べログの高評価に期待したのは事実ですよ」
と頭を掻くのは、同行したがらっ八の吾郎君、その人である。
「ましてや駅から徒歩1分の利便性に加えて、肉バルというスペイン料理を連想する店名も魅力的でした。それにHPにある夜景が望める綺麗な写真が決定打でしたね」
そういって完全にやられてしまったーーと、天を仰ぐのである。
「二人の間では交互に居酒屋を選ぶのが決まり事ですから、今回は自分が決めたことです。責任はあくまで自分にあります」
と反省しきりだ。
だが、がらっ八の吾郎君とkuidoの平次が親分子分の親密な関係にあるのは周知の事実だ。このタイミングでの投稿には何らかの意味があるのかもしれない。まずはkuido氏のレビューを読み上げるとしよう。
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わたしが当店を訪問したのは平日の夜9時ごろでした。たまたま二人で新宿を歩いていたら、ビルの入口の呼び込みが声をかけてきたので話を聞いてみたのです。すると、食べログでも何回か記事を見たことのある居酒屋さんではないですか。これはチャンスだ、と思って入ってみることにしたのです。
ですが、外向きの看板には「九州九州 kusukusu」と「個室肉バル にくの匠」の二つの店名です。後でわかったことですが、これが悪名高いダブルネームの店の証拠だったのですね。
①完全個室酒場 九州九州 新宿東口駅前店 (kusu kusu)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13205451/②肉バルデザイナーズ個室 にくの匠 新宿店
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13226306/しかも、エレベーターを上がり、レジの所まで進んでも店員は誰も出てこない。「おーい」と三回読んでも来ないので、レジ周りの写真をとったら、その表示にはku.ku.ru.と書いてありました。何でしょうね。昔の店名なのかな?
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13174098/店内は薄暗く、調度品も乱雑な造りです。一見すると良い雰囲気があるようにも感じますが、よくよく床や棚を見ると埃や破損が際立っています。ちょっと高級店とは言えない雰囲気です。
とりあえずビールを注文しますが、ドリンクは一応の居酒屋としての条件は満たしている感じです。キムチ(670円税抜き)はまぁまぁでしたが、出汁巻き玉子(700円税抜き)はパサパサでした。
そうして、1時間の飲食を楽しんだ後、私たちはお勘定をお願いしたのですが、出てきたレシートを見て呆然と顔を見合わせることになります。
果たしてレシートに書かれていたものとは・・・
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出た!お通し・席料のコンボ・・・・・・・・・・・・・
さっそくkuido氏が所持しているという明細を確認するとしよう。
思わず、一番上の「お通し@690円」という表記に目が釘付けだ。
何と当店では、乾燥して干からびたあの枝豆に、一人当たり690円も取るのだ。
さらに驚きの請求は続く。
下段には何と「席料@390円」と書いてある。
つまり、お通し&席料のコンボ攻撃だ。
当店では席に座っただけで、一人当たり1,180円の料金が計上されることになる。
これだけでも並みの居酒屋ではないことが分かるだろう。
ただ、ここは新宿駅前の居酒屋である。
筆者もこの程度の高料金であれば経験が全く無い訳ではない。
そんな困惑の表情を浮かべる私を、kuido氏はニヤリと一瞥して、レシートの更に下段を指さすのであった。
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驚異 サービス料15%・・・・・・・・・・・・
こういった居酒屋の場合は勘定には必ず小計があり、多くの場合、さらにその下には消費税が加算されている。しかし今回、この段落の間には「サービス料15%」という謎の料金が発生しており、しっかり追加料金として計算されていたのだ。
弁護士ドットコムニュースにて配信された記事(引用)によると、
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181228-00009064-bengocom-life消費者問題に詳しい上田 孝治(うえだ・こうじ)弁護士はこう説明している。
「お通し代、席料、週末料金、サービス料に関しては、これらの金額を含む大まかな内容について、事前に店員から客へ説明があったり、メニューなどにわかりやすく表示されたりしていれば、客がそれを踏まえつつ飲食サービスを受けたことで、これらの料金についても支払う合意が成立していたと考えられます。この点、通常の居酒屋においては、数百円程度のお通し代が発生することはある程度一般的になっていますので、お通し代については合意の成立が認められやすくなります。しかし、そのほかの名目の料金や、名目を問わず金額が高すぎる設定の場合は、客にとって想定外となり、不意打ち性が大きくなるため、合意の成立が認められにくくなります」
つまり、メニュー表や壁などに十分な表示のない状態で、客の合意なくこのような料金を取ることはできない、ということだ。
具体的な対応としては、合意していない料金を支払わないというのは、ごく当然なことであり、ひるむことなく支払いを拒絶することが最も有効な方法になるのかもしれない。
また、前述のダブルネーム(九州九州 kusukusu × 個室肉バル にくの匠)や、前の店名(肉バル 個室 ku.ku.ru)での食べログ登録を確認し、口コミをよく見てもらいたい。そこにある高評価のレビューの中に埋もれている、低評価のレビュワーさんの悲鳴にこそ、この店の真実が隠されているのだ。
あまり露骨な作為をしたり、それに加担する作業をしていると、世間から kusukusu 笑われるだけでなく、 皮肉の匠 と言われてしまうことにもなりそうだ。