2回
2016/09 訪問
本当に愛されている飲み屋さん
■2016年9月再訪問
同僚と二人で思い切り飲もうかという事になり、宿の都合もあって桶川駅近くの【さぶ】に行く事になりました。
最初の二杯はとりあえずビールにしましたが、相方ともども本質的には日本酒が好きな者同士です。普段であれば八海山か〆張鶴とか、あるいは当店の定番の越乃寒梅あたりにしているのですが、今日に限っては少々の余裕があったため気まぐれをおこしてみることに。何か良い酒入ってない?と親父さんに聞いてみたら
「十四代あるよ~♪」
と嬉しそうな答えが返ってきました。こ、これは聞き捨てなりません。いただくと致しましょう。
「あ、でも生詰だから一升飲み切れるかな~♪」
はい、これは完全に勝負を挑まれています。一升くらい簡単に飲んじゃうに決まってるじゃないですか。早く持ってきてください。
とりあえず、今回は撮影目的もあって刺し盛二人前を作ってもらいました。台風続きで仕入れが難しいのよ~なんて言いながらしっかり盛っていただき、トロが半ば皿からこぼれそうです。当店では他の料理としては自家製のさつま揚げがお勧めですが、他には定番の煮込み、とコロッケを出してもらいました。
お酒は十四代「純米」中取り無濾過生詰、、、なのですが、有名なメロンのような香りがありながら飲む瞬間にはしっかりキレて、ツマミと酒の往復が止まりません。やがてお刺身を食べつくしたため、松葉ガニを無理言って追加で出してもらいました。わがままを聞いていただきありがとうございました。
さて、相方とも飲みながら話したのですが、良い酒を飲むと、なぜ楽しく、気持ちよく酔えるのでしょうか。
不純物が無いからだとの説明はよく受けますが、それだけでは無い気もします。良い酒は良い店に置かれることが多く、その良い環境で美味しい料理をつまみながらであればこそだと思うのです。
まぁ、この十四代が○○円(※店に迷惑がかかると嫌なので伏字とします)で飲めちゃった、という要因も大きいのですけどね(笑)
実際、後で調べたら、通販やオークションより安いと思うと、また笑いが止まらなくなりました。
結局二時間ほどで大満足の完飲、完食です。気持ちよく酔っぱらって宿に向かい、九時間ぐっすりと寝てしまいましたとさ。
ちなみに使った金額(1人)は誤解を避けるために通常の飲食をした場合としておきます。
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■2016年8月初投稿
人生の先輩に教えていただいた良店です。
3年ほど前から不定期に訪問していますが、愛すべき地元密着の店舗として、良質な酒・肴を提供してくれています。
食べログに書き込みを始めた理由の一つとして、インターネットに紹介されないような地元の優良店がどんどん少なくなっている、という危機感があります。
私みたいな呑兵衛は、儲けばかり考えている劣悪居酒屋や、通り一辺倒のサービスが大嫌いでして、当店【さぶ】はその対極にある店だと思っています。
【さぶ】の強みはいろいろあって、まずは魚介の仕入れが中々素晴らしいです。これは常連客が魚好き揃いというのが当店の特徴で、常に注文が入ることから回転が良くて、毎日新鮮な何かが必ず入っています。季節によりカキだったりマグロだったりウニだったりしますが、店主と相談してみるといいでしょう。
個人的には定番メニューの練り物(厚揚げ)が大好きで、値段も安いことから、私は入店した人数分だけ最初に頼んでしまいます。
日本酒のラインナップはやや偏りがありますが、越乃寒梅などの新潟から仕入れたお酒が多いので、誰でも飲みやすいのではないでしょうか。
何より店主が酒好きの様子で、たまに笑顔でごそごそやってるかと思ったら、超レア物を持ち出してくるなんてこともあるんですよ。
ちなみに、地元のしっかりした仕事系の間ではかなり贔屓にされている店のようです。ふらっと行くと貸し切り宴会で入れないなんて事がたまにあります。
そういえば、教えて頂いた先輩も堅いお仕事の方でしたし、奥座敷の団体さんの会話を聞いていると「不○校」「災○派遣」「現○検証」「不○訴」「社○保険」なんて言葉もチラホラ。何十年も続く職場で、ずーと愛されてきたお店という先輩の説明は本当なのだと思います。
2016/09/15 更新
極めて残念な事ですが、従業員さんの不幸により閉店となりました。
素晴らしい料理とお酒、ありがとうございました。
約1年ぶりの訪問になります。
もともと当店は人生の先輩に紹介されて訪問したのですが、友人と待ち合わせてたまに使用する店になっています。良質な魚介と日本酒を安価に提供してくれるお店です。
当店は桶川駅の北、線路沿いにある踏切の西側横にあります。
駅から3分程歩きますが、分かりやす場所にありますので迷うことは無いでしょう。
さっそく店内に入りいつもの場所にどっかりと座ります。当店には最大で30人位が入るスペースが二つあって、大人数での宴会にも対応できるようになっています。
そういえば座敷での宴会ってめっきり機会が減りました。私は本質的には個室での飲食が馴染めない変な人間で、当店【さぶ】のような安定感のある席づくりが大好きなんです。田舎臭い、古くさい、でもしっかりした個人店の造り、今となっては貴重になりつつあります。
とりあえずビールで乾杯します。ずっしりと重い正規規格のジョッキです。
その間に今日の日本酒を物色します。
前回は14代の一升を開けてしまったのですが、今回はどうしよう。明日も早いから親父さんに聞いてから決める事にしました。
で、すったもんだの末、今回の選択は翠玉純米吟醸です。自分は初めてですが友人は飲んだことがあるようで、ニヤリと満面の笑みで720ml(4合)サイズを開封します。
まずは一口、、、ん、軽やかです。果実酒よりもさらに軽い、口当たりは白ワインのような香りがあって、すっきりさっぱりちょっと甘いくらいで、実に透明感のあるお酒です。
面白い!素晴らしい!
意外性に膝を打って、友人にさすがの選択と感謝を示します。
ついでに、これ(翠玉)何て読むの?と友人をずっこけさせた後は、スマホですぐさま検索します。
えへへっ、宝石のエメラルドの事なんですね。
装飾品には縁が無いし、実際に興味も無いから知らなかったw
5月生まれの人ゴメンナサイ。そして、時間はエメラルドより貴重なので先に進みます。え?意味わかんない?気にしないで下さい。このセリフを言いたかっただけです。
日本酒としては秋田の老舗蔵である両関酒造が出している限定商品らしく、私は初めて見ました。両関酒造さんは雪月花や花邑あたりをたまに見ますよね。
あっと言う間に4合を飲み切り、次の注文をします。
どうしようかな、、、今回は老舗の当店に相応しい選択として、越乃寒梅にしましょうか。
越乃寒梅は言わずと知れた新潟の石本酒造さんのブランド酒です。かつては地酒ブームを作った、安くて高品質なお酒の代表ともいえます。越乃寒梅、八海山、久保田など、新潟には良いお酒がたくさんあります。
ツマミは海鮮盛り合わせが3,000円と少しです。盛り付け綺麗でしょ~。もうこれだけで幸せになります。当店は地域の堅い職業の方々が好んで宴席使用するお店です。特に予約をすればこういった刺し盛りに力を入れてくれます。
かといって日替わり商品も安価で美味しいものが多く、葉しょうがは300円。自家製のさつま揚げも300円。お腹が空いたのでドイツハム焼も頼んで300円。
定番の豚もつ煮は400円。自家製コロッケは200円。どれをとっても良心価格です。
二人でたくさん飲んで、ヘベレケになって帰ります。
今回は3時間半の長っ尻だったので、さすがに表示金額のお勘定になります。
ん?すると日本酒が1本で3千幾らになっちゃうな。相変わらず安価な提供ありがとうございます。
ご馳走様です。また参ります。