kuidouraku11さんが投稿したROBOT KICHI 池袋南口店(東京/池袋)の口コミ詳細

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呑兵衛の居酒屋ガイド

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閉店ROBOT KICHI 池袋南口店池袋、目白、東池袋/居酒屋

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 3.2
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.4
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2018/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味3.2
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.4
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

時には昔の話をしようか 【注意:11,300文字の長文レビューです】

ネットニュースを見ていたら、バンプレストと養老乃瀧がタッグを組んで居酒屋を出店したとの話を聞きました。
その店の名はロボ基地。つまりはロボットもしくはロボット好きが集まる場所で飲み食いをする居酒屋ということになるのでしょう。

これまでも、ロボットを取り扱ったテーマパークは何回か作られたことがあったと思いますが、店自体が居酒屋というのは初めて聞く気がします。また、監獄や学校のような環境を提供したり、コスプレなどを楽しめるコンセプト居酒屋なども世間には存在していますが、何せ今回はバンダイナムコマーケティングも共同事業者として名を連ねてことから、当店の経営には本気の姿勢がうかがえます。聞けば貴重な配信映像を店内でも眺める事が出来るとのことです。

そもそもバンプレストという企業からして、一般の方には分かりづらいと思います。主として、版権元からIP使用許諾を取り付けて、キャラクターグッズなどを生産販売する事を得意とする会社で、UFOキャッチャーなどアミューズメント関連の景品を製作して大当たりさせた企業です。このレビューをご覧になる方々の中でも、ウルトラマンや仮面ライダーのキャラクターグッズの景品集めに熱くなった方もおられることでしょう。あるいはスーパーロボット大戦というゲームで社名をご存知の方もおられるかもしれません。特にバンダイの子会社となった1989年以降は、機動戦士ガンダムの版権を同グループが持っている強みを生かし、商品を供給して莫大な利益を出したと聞いています。
また、そうなるとロボットアニメ制作会社の雄である㈱サンライズや、版権を持つグループ会社、そしてそれらを傘下におく現在のバンダイナムコホールディングス(グループ)についても説明をしなければならなくなります。

いや・・・これは常識人である食べログレビュワーの方々にはとてもとても・・・人知を超えた三千世界を語るようなものです。この辺の変遷は業界関係者でも分からなくなるくらい複雑な経緯があって、とてもこのレビュー内での説明に収まりそうにないのです。かといって、この話題は適当な解説をすると、本当に詳しい方から厳しいお叱りを受けたりすることもあって、語るのは本当に難しいジャンルでもあります。
そこで今回は、自分が少なからず趣味としている立体造形や、ユーザーとして知っている「ロボットアニメの歴史」を主軸に、個人的な感想を交えながら解説をしていこうと思います。もし間違いがあったら優しく指摘してやってください。

まずロボットアニメについてですが、これが意外に歴史は浅いのです。一般的にロボットと言われるものの概念自体が1920年頃に考案されたものですし、アニメーションについても同種のものは日本では1917年に短編映画が作られたのが最初とされています。
レビュワー様からのご指摘によると、言葉としてはチェコの作家「カレルチャペック」が1920年に発表した「R,U,R,」と言う戯曲の中で、造語として使われたのが起源になるそうです。この戯曲は、人間が労働放棄して退化した世の中でロボットが反乱を起こすストーリーなのですが、このテーマは繰り返し映画などでリメイクされる内容ですね。

そもそもロボットといっても定義が二つあって、ある程度自律的に作業を行うような産業・工作などを目的に使われる機械としてのロボットと、人や動物を模したり近似・拡大の機能を持たせたSF的なロボットに大きく分けることができます。現代ではAIやセンサー技術の進化などによってその境界は曖昧になりつつあるのですが、私たちが胸躍らせるアニメロボットが後者であるように、当店でのロボットの定義はSF的な方になると考えられます。なお、前者が好きな機械オタク様は産業技術研究センターの食堂に行くと面白いです。今度、権力食堂でもレビューする予定です。

さて話を戻しましょう。アニメの歴史です。
日本ではおよそ100年前に制作が始まったとされています。太平洋戦争を挟んで暫くの間は、さながら家内制工業のように細々と続いていました。しかし、この国内のアニメ制作を一変させる、一人の巨人のが現れます。漫画の神様であり稀代の天才と称えられる手塚治虫先生です。

漫画やアニメーション制作を職業にする人は、この天才の影響を少なからず受けています。しばしば、漫画・アニメーションの全ては手塚先生が作りだしたという表現がなされる程の偉人なのです。ですが、それと同時に、「手塚先生のおかげ」で職業人として苦労することが多いというのも一つの現実です。

例えば、日本のアニメ(漫画)ではロボットが多用され、活躍する傾向があります。これは、彼の初期作品である「鉄腕アトム」や「マグマ大使」に影響されるところが大きいのです。何しろ彼の作品では、当初から自身での意思を持ったロボットが縦横無尽に活躍しており、非常に人間味があるキャラクターとして描かれています。前述のSF的なロボットをアニメの世界に早くから持ち込み、独自の世界観を作り上げたのは先生の功績の一つと言えるでしょう。
しかし、一方で造り粗い作品を世の中に多く送り出したという面も否定できません。そもそも当時の日本は貧しかったですし、先生が作った虫プロという会社にも組織に問題を抱えていました。先生の作品では、低予算ゆえにアニメの制作現場でも先進的手法を取り入れる事も多く、斬新だが粗い作品が大量に生みだされるような現在の日本のアニメ業界の構図は、ここを出発点としているのです。

時代は進み、やがてこのロボットに新たな価値をつける人が現れます。マジンガーℤなどの作品で知られる永井豪さんです。永井氏もまた天才肌のクリエーターで、大きく二つの面でロボットアニメの歴史に変革を加えます。

その第一はロボットの巨大化です。
これまでも鉄人28号など巨大ロボットを登場させた前例は多数ありますが、一番の違いは、ロボットに操縦席を設けて人間を搭乗させたことにあります。無論、この起源についても様々な議論が存在しています。ですがここは、その後の業界はおろか社会全体に与えた影響を鑑みて、どうか納得していただきたいと思います。パイルダーオンという言葉が当時の男子に与えたインパクトはいかほどのものであったか。それだけでも改革者としての評価に値すると私は考えます。
第二は合体メカとしてのロボットの創造です。複数の機械(当初は戦闘機)が合体してロボットになるという作品群は、「ゲッターロボ」を開祖とし「鋼鉄ジーグ」、やがては「コンバトラーV」などへと大発展をしていきます。今やこの系図は、正統派ヒーローの一大ジャンルとなっているのです。

そして、いよいよガンダムの時代に至ります。

だがその前に、、、ここで個人的には松本零士作品を入れたいところです。私にとって、ヒーローアニメといえば、ガンダムの前に宇宙戦艦ヤマトなのです。ですが、本レビューはあくまでロボットについて語る場であり、アナライザー等しか登場しないこの作品は関連が薄いため、泣く泣く断念することにしました。ただし、これだけは入れさせて頂きます。真田さんの名台詞を。
「機械が人間を殺す・・・そんなことがあってよいものか。科学は・・・人間の幸せのためにこそあり・・・人間は科学を超えたものだ。 そう考え、それを実際に確かめるために、オレは科学者になった。科学はオレにとって、屈服させるべき敵なのだ!!」
はい満足しました。もちろん本文とは一切関係はありません。

ちなみにガンダムとは、狭義では機動戦士ガンダムを第1作とするサンライズ社制作のロボットアニメシリーズの事をいいます。架空の戦場を舞台にして、モビルスーツと呼ばれる巨大ロボット兵器が多数登場させる物語なのですが、関わる人間描写がとてもリアルで、その後のアニメーション作品の設定などに大きな影響を与える事になりました。
また、この作品に合わせてバンダイから発売されたプラモデルは俗にガンプラと呼ばれ、余りの人気に購入は困難を極めるなど、社会現象ともいえるブームを巻き起こしました。
これは個人的な話ですが、私は近所の模型屋に入荷されるガンプラを朝から並んで購入し、その帰りの道中で上級生からプレゼントを求められるという愉快な経験をしたことがあります。さらにその次の入荷の際には、ガラスケース内のガンプラは大阪城のプラモと結び付けられており、抱き合わせで販売する店の巧みな営業方針(バーター商法)に大変な衝撃を受けたこともありました。当時の男の子にとって、ガンプラは社会の厳しさを知るツールであったような気もするのです。
今でも実家に帰ると、封も切らずに倉庫に眠っている大阪城のプラモを見ることになります。「圧倒的じゃないか、店主との力関係は!」と文句を言った悔しさを、昨日のことのように思い出しては涙ぐんでしまいます。

そして、このガンダムはプラモ・アニメ業界におけるメディアミックスの先駆けであるとも言われています。近年のアニメでは、ゲーム、小説、漫画、音楽、映画、カード、タレントなどといった多様なメディアを通じて展開するのが基本的な営業戦略となっており、ここでようやくバンプレストとの関連が出てくる訳です。

バンプレストという会社はもともとは豊栄産業という会社であり、ややこしい事にバンダイの子会社となった1989年に屋号を現在のものに変更しています。前述のように、2000年頃からはロボットなどのキャラクターを使用したゲーム開発やUFOキャッチャーなどの景品供給で大きく伸長した会社ですので、現在はバンダイナムコホールディングスの傘下にあって、例えばスーパーロボット大戦などという版権物と呼ばれる商品を多く取り扱っています。その中での新しい試みとして、映像コンテンツを使用した飲食店経営という、当店のような斬新な営業を開始したということです。

なお、ガンダムの版権は、一応はバンダイナムコグループの創通が所有しているとされています。アニメの製作会社であるサンライズは、版権を所有していないと考えられるのですが、この辺の事情は検索などをしていただき、ご自身でお察しいただきたいと存じます。

ただ、このロボ基地での共同参加企業には、バンプレストやバンダイナムコグループの名前がある事から、この辺の事情はクリアしての開店なのでしょう。ユーザーとしては、当店【ロボ基地】で提供される立体造形物や映像は多ければ多いほど望ましい訳ですから、より多くのコンテンツの取り入れを希望すると共に、今回の関係者の努力には大いに感謝したいと思います。


※※※※

さて、当店の出店背景について軽く説明を致しましたところで、そろそろ訪問しての記事に入ろうと思います。

当店は池袋の駅直近にあります。といってもサンシャインのある東口や、古くからの繁華街となっている北口・西口方面ではなく、メトロポリタン口を出てほぼ正面、ルミネの方から東京芸術劇場の手前にあたるエリアです。

そもそも池袋(豊島区)は漫画・アニメの文化とも大変関わりが深い土地柄です。その歴史はやはりトキワ荘の説明抜きには語れないでしょう。
トキワ荘とは豊島区南長崎に存在していたアパートで、特に1950年代には若手の漫画家たちが集まっていたことで知られています。入居者の中には後に有名になる人も多く、前述の手塚治虫先生を筆頭に、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫など、錚々たるメンバーが顔を揃えている事から、同好の人達からは聖地的な扱いを受けています。また、自治体や地域組織でもこのマンガ文化保存に関する取り組みが盛んで、トキワ荘の跡地に行くと様々なモニュメントも設置されていたりします。
この関係もあるためでしょうか、当地にはマンガ、そしてアニメーションを職業とする人が集まり、またそういった関係企業も根付くようになります。例えば、アニメ制作会社は都心の出版社・TV局の利便性と、地域環境の良さ(家賃の安さ)を兼ね備えている池袋近郊および練馬区・中野区などに拠点を置く場合が多いのです。
また、コンテンツとしてマンガ・アニメーションを考えた場合も、近年の集客力は大変なものであり、その現れとして東口にあるアニメイトや、サンシャイン付近の特定ジャンルを取り扱う腐女子向けの本屋さん群など、池袋はこういったサブカルチャーの都として語られるようにもなっています。
こういった事から、当店【映像居酒屋 ロボ基地】が出店する場所として池袋を選んだのは、そういった趣味を持つ人たちが集まる場所を提供するという目的から考えても必然であったといえるでしょう。

ちなみに、当店のある場所は、居酒屋業界としても重要な場所です。外観写真を見ていただくと分かる通り、当店の入っているビルの殆どのフロアは養老乃瀧系列の店舗になっており、最上階にはグループの本社が入っているのです。
念のため一応の説明をしますと、養老乃瀧とは全国に展開する古参居酒屋企業で、早くからフランチャイズ経営を取り入れたことで知られています。現在は「だんまや水産」や「一軒め酒場」などのブランドも展開していて、安価かつ堅実な居酒屋経営をする印象があります。

とすれば、これは養老乃瀧グループの旗艦店として本気の下支えをしてくるに違いない、と企業人であれば容易に想像ができます。何しろ本社の重役がいつ来店するか分からないのですから、いい加減なサービスをすることはあり得ないでしょう。きっと宴会も楽しませてもらえるに違いない。そんな事を考えながら、当店に向かいました。

駅に着いてみるとまだ15分も時間があります。せっかっくなので少し早めに入店をしてみることにしました。
ロボ基地は建物の3階にあります。入口にいた呼び込みさんに行先を聞かれてエレベーターに乗り込みます。3階を案内されて出てみると、ロボ基地は左側、右側は養老乃瀧の通常店舗になっているようです。(この辺の事情は後述します)

廊下は様々な資料が並べられ、まるで宇宙船の様な造りになっています。光り輝く自動ドアを開いて店内に入ると、スタッフの女性たちが元気な声でお出迎えをしてくれました。

こういった居酒屋には必須なのですが、当店のシステムについての説明があります。階級章がなんたらかんたら、トイレが何たらかんたら、映像視聴の方法が何たらかんたら。ついでに写真撮影の許可もこの時に頂きました。

儀式が終ると席に案内されます。私達の席はエリア62と呼ぶのだそうです。
周囲は大きなスクリーンが幾つもあって、一目見てわかる懐かしい映像が流されています。
店内は思っていたよりも明るくて、音量はそこそこといった感じです。大音響で会話もできないような環境ではありません。あるいは、もっと殺伐とした個室的な雰囲気の店かもと思っていましたが、これは意外な事でした。

そして、普通の居酒屋と明らかに違う点は二つありました。
一つはカウンター席が逆向きに作られています。通常は壁向きになるのでしょうが、当店では大モニターで映像を見て楽しめるようになっているのです。
そして二つ目の違いは、やはり展示された造形物と壁に描かれたサインや絵の数々でしょう。私はその手の人名や作品に詳しくないので、全体の中ではほんの僅かしか判断できませんでしたが、それでも幾つかのサインには見覚えがあります。例えばテーブルの横にあったガンダムのモビルスーツであるガンキャノン。それに登場したカイシデン役といったら、うる星やつらの諸星あたるを演じたあのヒトです。なっつかしいな~、実家のLDまだ動くかな~、なんて思い出が溢れてきて、思わず写真に収めます。

そうこうしているうちに、今日のメンバーが集まってきました。
ちなみに今回の面子は古くからの友人たちばかりです。何しろ訪問先がロボ基地ですから、それ相応の素養が無ければ話題に乗れないことも考えられます(※実際はそんなことはありません)ので、世間一般の基準からすれば、ややマンガ・アニメの嗜好性が強い面子が集まりました。一人は半年ぶりですが、もう一人は3年ぶり、さらに遅れて来た最後の一人は20年ぶりの再会です。最初はややぎこちなく、お互いの近況を報告しながら宴会は始まりました。

「やぁ~kuidouraku、太ったね~」
「うるせぇ、お前が言うなよw。ところで今の仕事何はやってるの?」
「前の関係から商社に拾ってもらった。○○は?」
「キャラデザとか総作監になるのかなぁ、■■は?」
「それが、会社が吸収されちゃって今や○○グループよ」
「え~?お前、あの企業の社員かよ。信じらんね~」

こんな感じの古~い友人達です。今ではそれぞれが別の世界で生計を立てていますが、昔は夜を通して同好の趣味を話題にして論じ合った仲間なんです。周りにあるアイテムが直ぐに30年前の意識に戻してくれました。

「おッ、古川御大来てんじゃン、kuidourakuさん写真撮らなくていいの?」
「あ、それは俺もさっき気付いた。○○、他のサインで有名なのある?俺じゃわかんね~よ」
「うーん、A(有名)とかB(超有名)とか来たって言ってたからどうだろ」
「あはは、正に先生なにやってんすか、だね。そういうお前は今忙しくないの?」
「大丈夫。ちょうど◇◇社と組んで新しい枠組み練ってるところだから」
「へー、見してみ。昔みたいにテストしてやろうか?」
「バーカ、今の時代にそんなことできる訳ないじゃん」

話題はとてつもなく10代の頃に近づいていきます。
特に■■が○○に持ってきたインスタ映えするプレゼントは大盛り上がりです。
そのころは業界大手のクリエイティブ企業に勤めていたで■■ですが、凄く有名な先生のですねw

「○○、これ原画(写真あり)として渡されたらどう思う?」
「これはキツイ・・・(三人)」

天性を感じる物凄く独創的な絵を見せられて、線が拾えないと言って大賑わいです。特に○○はその専門ですから、業界あるある話をいろいろ聞くことになりました。

「(このロボ基地で流れている)30年前の映像って、皆んなそういう風に作ったんだよ。★★さんなんて、影付けるなら作画しろって言ってたぐらいだからな~。■■ありがとう。ちょっと身内向けのネタで使ってみるよ。」
「喜んでもらえれば嬉しいね」
「ところでこれ、どこで手に入れたんだ?」
「うーん、ずっと(20年以上)昔の話だけど、当時の同僚から貰い受けた記憶があるな」
まぁ、こんな感じで一通りロボアニメ制作の話で盛り上がりました。


さて、話も弾めばお酒も進みます。
当店はメニューが大きく二つに分かれています。

当店で視聴可能なロボアニメに関わる名前が付いた商品と、養老乃瀧などで普通に注文できるような商品です。これは非常に良いシステムだと思います。
実はエレベーターを降りた瞬間に直ぐに分かったのですが、当ビルのある3階の店舗「ロボ基地」と「養老乃瀧」の二つの店は厨房が繋がっている構造をしています。つまり、居酒屋の厨房が頑張ることによって、ロボ基地に料理を提供してくれているのです。

例えばドリンクなどのメニューを見れば
勇者王ガオガイガーのキャラや能力を模したメニューが並びます。
■ヘルアンドヘブン(580円/税抜き・以降同じ)
レモンリキュールとウイスキーを合わせたハードリカーカクテルで一撃必殺
■弾丸X(580円)
グリーンに輝く弾丸Xのエネルギーをイメージしたメロンリキュールカクテル

太陽の牙ダグラムであれば
■デロイア7(580円)
デロイア7をイメージしたコーヒーリキュールをベースにしたカクテル

のような感じです。カクテルの幾つかはグラスの中が光っていて、蓄光素材かと思って中を詳しく見てみると、氷を模した発光物が入っていました。これはちょっと面白かったです。
ただ、そのままだと私などは10杯くらい飲んでしまいそうだったので、各自お好みで通常のサワーなどに切り替えていきました。ちなみに生ビール(黒ラベル)であれば580円、サワー類であれば480円です。これでしたら問題の無い量・値段ですので、ロボアニメがほどほど好きな人も、大量にアルコールを飲みがちな呑兵衛さんも、ストレスなく飲むことができることでしょう。

ちなみに料理だって色々です。機甲界ガリアンの剣を模した串焼はビジュアル的に素晴らしいです。
(勇者ライディーン)の科学要塞ムトロポリスは貝の器で提供するグラタンです。1296円もしますが、堂々たる要塞の雄姿に納得してしまいます。
(イデオン)のイデのゲージ・ピザ(1,058円)は満タンにならないよう気を付けねばなりません。とりわけの者から、全員が慎重に頂くようにとの指示がありました。
逆に(イデオン)のユウキ・コスモ・ナポリタン(880円)は「ただのアフロだろ」と、我々の間では手厳しい評価になっていました。判断の基準はよくわかりません。

そして、当店の運営が素晴らしいのは、これら料理にもドリンクと同じで通常のメニューがちゃんとある事です。
例えばきゅうりの一本漬けは480円ですし、揚げ物のスピニングフライドだって480円です。キャラものに不満であればこちらを頼めばいいんですよ。一般メニューかギリギリの天下無敵のローストポーク(1,180円)だって結構美味しかったですよ。

この時我々は(特に説明の無い)通常料理メニューに何かの特撮シーンを当てて、全員がイメージで来たら注文するという遊びをやっていました。いろいろ面白いシーンが提案されたのですが、3人までしか知らなかったり、イメージが違うと否定されたりして、なかなか注文することができません。
ちなみに、当日のヒットは「ゴロッとベーコンほうれん草」(写真あり・580円)になりました。
名付けて(ジャイアントロボの電磁ネットワイヤー作戦)です。満場一致で優勝となりました。
皆さんご存知だと思いますが、稀にご存知ない方がおられるので一応説明しますと、ジャイアントロボとは横山光輝作のSFロボット漫画および特撮テレビ番組、並びにその後継のロボットアニメのことで、架空の巨大ロボットが活躍する物語です。その一作品『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』の第三話で発令!電磁ネットワイヤー作戦 上海に墜つ…という回があり、東アジアに飛来した大怪球を電磁ネット・ワイヤー装置で捕獲し、電磁気の反発力で宇宙に放り出そうと試みる主人公たちが活躍します。その激戦のさなかに敵であるウラエヌスに装置を破壊されるシーンが、ベーコンを食べにかかる瞬間とマッチングして素晴らしいという評価でした。もちろんこの後には、我らの鉄牛と大作が中条長官の命令を無視して駆けつけ、ジャイアントロボの活躍が見られ(以下略)

さて、、、
当店のタイアップメニューの中で一番良かったのは、勇者王ガオガイガーのゴルディオンハンマーでした。塩の包み焼きを小槌で叩き割る趣向です。もちろんその際には、スタッフさんからやや大きめの木槌を渡されて、あの名場面を再現するような形での演出が用意されています。

え?ご存知ない?・・・困ったお人だ。
え?ゴールデンハンマー?・・・何言ってるんですか。違いますよ。それは柳生博の100万円クイズハンターでしょ。
世界的にも有名ですよ。これまで人生で何を勉強してきたんですか。
攻撃対象にハンマーから放出される強烈な重力波を浴びせ、光速以上の速度で「落下」させる事により、光子に変換する……要は「光にする」事を目的とした超兵器です。だから「光になれ」と叫ぶことは合理的な事なんです。

そんな訳で、当店で注文して料理が届きます。
じゃ、やって下さいとスタッフさんに頼まれて、結構恥ずかしがりながら

「ハンマーヘル!」
そして
「ハンマーヘブン!」
さらに振り上げて
「光になれえぇぇエエエエエ!」

と言ってみたら、周りの皆さんも一緒に声を出してくれたので、この時実はかなりびっくりしました。

その後も大スクリーンに合わせて主題歌を「マーク―ロス♪マークーロス♪」と皆で歌ってみたり、スレッガー中尉の「悲しいけどこれ戦争なのよね」の名台詞を画面に合わせて皆で重ねて言ってみたり、お互いにちょっとづつ同席者以外ともコミュニケーションをとりながら楽しむ事ができるんです。
当店の最大の特徴は、実はここにあると思いました。

ここに来るお客さんは、もちろん皆さん同好の仲間ばかりです。ですが、アニメというジャンルが趣味として社会的認知を得るようになったのは実は最近で、日本独自の文化として嗜好を堂々と表明をするには、まだまだお酒という付加酵素が必要になるのかもしれません。
来店した皆さんをよく見てみれば、皆さん身なりもしっかりしていて、社会人として確かな地位にありそうな方もおられそうです。また、会社の部署がそのまま来たような団体客の姿もありました。

当店は団塊ジュニアをターゲットにしている感じがしますが、私よりも上の世代の方もかなりおられましたし、逆に若い方同士での来店もあったと思います。
少し大げさに言えば、クールジャパンの担い手として、是非ともこの営業形態で成功をして欲しいと考えます。ロボットアニメだけじゃなくて特撮ものとかジブリとかまで手を広げてくれると嬉しいのですけどね~。難しいと思いますが。

当店では閉店間際、4時間近くずっと飲んでて、その間はずっと面白おかしく話しっぱなしでした。お勘定は一人当たり6,000円です。飲みっぱなしですから決して高くないです。良いお店です。

今回こんな長文で店紹介をした理由は、居酒屋業界の課題を一つ解決するかもしれないプロトタイプの店かもしれないと期待しているからです。
今、飲食店、特に居酒屋の若者離れというのは本当に深刻な状態にあると思っています。私は業界関係者ではないただのユーザーですが、私の周囲でも宴会や外食が嫌いな・・・いわゆる付き合い下手な若者がたくさん増えている気がするのです。そして、それに追い打ちをするようなZ級居酒屋の蔓延です。インターネットでの情報に頼りがちな若者は、数少ない外食の機会に営業重視・外販偏重の店舗に誘導され、割高な料金や劣悪なサービスに接することになります。飲食業界全体の評価をそういった残念な飲食の機会で測る事が増えているのです。外食市場の縮小が懸念される中で、荒廃した業界にしないためにも、新しい世代や客層の引き込みが必要なのではないかと思っています。
その点、当店の様なはっきりとした目的を持った店は素晴らしいと考えます。魅力的なコンテンツと安定したサービス提供をお持ちのようです。それなのに、それなのに宣伝が全くお上手でないのはどうしたことでしょうか。

広告代理店、報道薄いぞ!何やってる!
(元ネタ)
左弦砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる!
https://www.youtube.com/watch?v=eqI3unborP4

ブライト艦長ではないですが、文句も言いたくなってしまします。
そこで、ほんの少しでも居酒屋業界の発展に寄与したいと共に、口コミサイトがより有用なツールとして活用されることを願いつつ、今回は無理押しとも見えるレビューをさせて頂きました。

ちなみに、今回は個人としても十分に楽しめましたので、変な達成感と共にとても満足をさせて頂いたことは間違いありません。友人達も積極的に協力していただきましたし、当店の思い出を記したアニメ絵も作ってもらいました。

かなり楽しい経験でしたので、お陰様で暫くは当店訪問の余韻が残っていて、仕事場でも歩いてても気付くと鼻歌が出てしまいます。

まぶしい空を かがやく海を
渡せるもんか 悪魔の手には
みんなの願い からだに受けて
さあ よみがえれ
ライディーン ライディーン

やっぱり名曲だよなぁ。ライディーン。
https://www.youtube.com/watch?v=2i-s6cXI2Vg

  • 皆さんの寄せ書き モデラ―の方が多いそうです

  • 古川 登志夫さんのサイン

  • 無限力

  • 光る氷の中身

  • 綺麗なカクテル

  • 生ビールもあるよ

  • 光になれぇ!

  • ジャイアントロボの電磁ネットワイヤー作戦

  • これは説明不要だよね

  • ジョジョだよ  昔は人気無かったんです

  • 記名も本物かな

  • 先生、大胆過ぎます♡

2018/12/12 更新

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