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昼の点数:4.5
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¥6,000~¥7,999 / 1人
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料理・味 4.5
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|サービス 4.5
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|雰囲気 4.5
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|CP 4.5
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|酒・ドリンク 4.5
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[ 料理・味4.5
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| サービス4.5
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| 雰囲気4.5
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| CP4.5
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| 酒・ドリンク4.5 ]
その一口は、鰻の歴史を塗り替える。新幹線で向かうべき、浜松「麟」が奏でる”でしこ”という名の官能。
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2025/10/10 更新
この一口のために、旅をする価値がある。食を愛する者たちの間で密かに、しかし熱く語られる浜松の名店「麟」。その暖簾をくぐることは、鰻という食文化の最前線に触れる旅の始まりだった。
席に着くとまず見せていただいたのが、氷の上で艶然と輝く一本の鰻。これこそが、125年の歴史を誇る浜名湖養鰻の伝統と革新の結晶、新ブランド「でしこ鰻」だ。
その名は「伝統を守り、進化を続け、幸福を届ける」という誓いから名付けられたという。厳格な基準をクリアした、肉厚で柔らかな身を持つ雌鰻のみが冠することを許される称号。
これからいただく命の力強さと美しさに、期待は最高潮へと達する。
まず供されたお通しで舌を整え、待つこと約20分。蓋からはみ出すほどの鰻が乗った丼が、静かに目の前に置かれた。蓋を開けた瞬間に立ち上るのは、備長炭の香ばしい香りと、甘く深みのあるタレが焼ける匂いが織りなす、抗い難いアロマ。
羽釜で炊き上げられたというご飯は、一粒一粒が輝き、その完璧な炊き加減が見て取れる。
主役の鰻に箸を入れる。表面はパリッと小気味よい手応え。これぞ地焼きの真骨頂。しかし、口に含んだ瞬間に全ての世界が変わる。パリッとした皮目のすぐ下から、まるでシルクのようになめらかで、官能的とも言えるふわふわの身がとろけていくのだ。
これこそが「でしこ鰻」のポテンシャルか。従来の鰻を凌駕する上質な脂は、驚くほど甘く、そして軽い。店主の絶妙な火入れにより、余分な脂は潔く落とされ、旨味の核だけが凝縮されている。
関東風の蒸しを入れたかのような柔らかさと、関西風の地焼きならではの香ばしさ。両者の理想的な邂逅がこの丼の中にあった。
タレは決して出しゃばらず、あくまで主役である鰻の味を引き立てる名脇役。その気品ある味わいは、山椒という助けを一切必要とさせない。気がつけば、羽釜炊きのご飯と共に、一気呵成に完食していた。重さとは無縁の、幸福な満足感だけが静かに満ちていく。
新幹線の車窓から見た景色が、この一口の価値を物語る。
浜松「麟」のでしこ鰻。
それは単なる鰻重ではない。日本の食文化の誇りと未来を味わう、感動的な体験である。