『スコアの基準(補足)』Avignon_mats1984さんの日記

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スコアは自己紹介に記載した通りに付けているのですが、実際に「お前のオススメはどこだ」を求められた場合にはやや違うレイヤーを重ねていただきたく、私のスコアを店選びの参考にいただくような有難い人がいらっしゃった場合に備えて、ちょっと補足をするものです。

(1)飲食店は、「使い方」によって評価が変わるもの
 食べログは「点数」というデジタルな優劣で総てのお店を同列に並べるという点が、面白さであり難しさだと思います。
 これは、本来、同列には評価されるべきでないお店が同列に語られるということ。たとえば「日々の空腹を癒すお店」と、「美食を追求するお店」では、純粋な味の優劣で前者が後者に優れるということは現実的にあまり考えられないわけですが、コスパに優れて使いやすい普段使いのお店(たとえば、街の人から支持されている食堂)と、食事は究極的に美味しいが、価格帯も突き抜けていて予約困難、みたいなお店(たとえば都内の予約1年待ちみたいな鮨屋)のどちらが優れたお店であるかは、判断(というか、好み)が分かれるでしょう。
 私はスコア帯を大きく3.1-4.0、4.1-5.0の2つのレイヤーに分けています。3.1-4.0は、「普段使いのお店においての優劣」、4.1-5.0は、「他と隔絶したお店=そこを目指して行くお店の優劣」。この意味するところは、「普段使い」をするようなお店で4.1以上を付けているお店は気取らない使い方において素晴らしく優れているし、逆にお金か時間を費やすことの多いお店で4.0以下を付けている場合は何かしら物足りなさを感じているということです。
 ダブルスタンダードに見えるかもしれませんが、これは、「使い方」を抜きには飲食店の良し悪しを語れず、本来同列に語れないものをデジタルな点数で軸をむりやり通しているので、せめて数値に大まかにカテゴリを付与することで意味を持たせるほうが合理的だと思ったからです。

(2)下らない前段を入れるワケ
 私の投稿は、大体、そのお店を訪れる過程・経緯を記載しています。
 これは、「どういう使い方でお店を訪れたのか」を明確にすることと、ふらっと入って行けるところなのか、それともキッチリ予約をすべきなのか、ポールポジションを目指して行くべき店なのか、その判断材料に使っていただきたいこと、を意図しています。

(3)私自身、通っている店とスコアには少しズレがある
 食べログの点数の中に、「お店の使い勝手のよさ」を織り込むことが難しいように感じています。
 中には★5を付けるお店も少数ながら存在しますが、では★5を付けるお店に通っているかというと、そうではありません。
 通ううちに確信をもって★5に引き上げたラフィナージュ、吾妻橋やぶそばのようなお店は別ですが、その他の★5は、感動のあまり、ここに★5を付けずしてどこに付けるんだろう、というお店に付けています。中には、予約困難店に辿り着けた嬉しさがまぶされて★5にしていることも、無いとは言いません。
 この中でお店の使い勝手のよさ、という要素はあまり考慮していません。というか、できないのです。
 そんなわけで、ダラダラ本筋と一見思えないことを書くのも、これが理由です。そして、使い勝手のいい店は自然と何度も通います。本当の意味で私が他人におすすめしたいお店というのは、何度も通っているお店です。(もちろん、通いたいと思いながら何らかの理由で足が遠のいていることもあるので、1回しか行っていないからオススメではないというわけでもないのですが)
 これは普段使いのお店においても基本的に同じです。普段使いのお店は点数を上に振らせるという手が取れるので、★4以上をいったん見て頂くことでも替えられますが、普段使い向きのお店ほど、通う頻度は高いはずです。

 ちなみに、かつて投稿を始めた頃は、★5をもう少し気楽に付けていたのですが、訪問したお店の数が多くなってすれっからしたこともあり、今はちょっと慎重に付けています。
 そんな中で、通い詰めている蕎麦屋、その次くらいに行っている中華屋とフレンチは、ある程度「究極らしきもの」と、それはそれとして自分の好みが峻別されたこともあって、自分の好み・推しという要素を加味しての★5という評価をすることができるようになっていると自負しています。
 好みが確立しているという意味では鮨・鰻もそうなのですが、どちらも究極のものに出逢えておらず、しかも鮨の究極らしきお店たちはどこも予約困難店でお値段も天井知らずですから、行きたい気持ちが無いではないけれど、現実的には難しいよね、と思っています。

(4)「通う」、「また来たい」を評価に入れられないワケ
 昔は、4.1以上のお店にもリピートしたいかどうかというのを評価基準に盛り込んでいたのですが、ある時にこっそり外しました。
 理由は、2度目に行きたいと思っていても、それ以上に「お初」の行きたいお店が沢山あり、じっさいに2度目に行くことが少ないからです。

(5)CP(コストパフォーマンス)について
 普段の会話でも、「単価が高い=コスパが悪い」と言う人がありますが、私の「コスパ」はあくまで「支払ったお金に対するリターンの高さ」あるいは「お支払い代金に対する納得感」です。
 ただ、数値化しようとすると、「質」を考えたものなのか、「量」で考えたものなのか、それが混在することになります。
 ここで詳細な数値化の軸を作ることは困難だとある時思い、であれば、「同じジャンル、大まかに同じエリアの中で比較して妥当」と思えば「3.5」という若干高めの数値を置き、ここを標準にしました。
 これは、「妥当だなと感じるものを出す」には並々ならない営業努力によるコストの削減が必要だと考えているからです。それは賃料であり、食材費であり、人件費であり、あるいは光熱費であり、クレジットカードの使用手数料だったりします。そしてある程度利益を出してもらわねば、店が存続しません。
 そして、一見のユーザーが、お店の営業努力の総てを知りえることはほぼありませんから、「明確な差」がないかぎりスコアに差を付けにくいですし、あくまで相対評価にならざるを得ないと思っています。
 ので、あからさまに分量が少ないとか、チープな内容で「ボッタクリに来てるな」と思えば3.0以下を付けることもありますが、そうでなければ3.5。もっと言えば、都内一等地に出店することなどによる「立地プレミアム」が乗ることも、度が過ぎなければ容認します。そして逆に、「今時このお値段って破格でしょ」とハッキリ思えば、4.0、あるいは4.5を付けることがあります。そして、「明らかな差」がないかぎり点数を基準の3.5から動かさないので、0.5ポイント刻みにしました。
 結果、ドラスティックに付けているうえに高得点を中々出さないという意味で、私のスコアの中で最も参考にしていただきやすいのはCPかもしれません。
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