この口コミは、Avignon_mats1984さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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昼の点数:5.0
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¥20,000~¥29,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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|雰囲気 4.5
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|CP 3.5
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|酒・ドリンク 4.5
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[ 料理・味5.0
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| サービス5.0
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| 雰囲気4.5
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| CP3.5
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| 酒・ドリンク4.5 ]
憧れのマリア・カラス
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仔羊パイ包み焼き・マリアカラス風。光線の関係でちょっと暗い。
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オマール海老(この日はもう一種使ってたはず)・野菜のガトー仕立て
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舌平目のパン粉焼き・アルベールソース
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デザート
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シャンパーニュ
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バゲット
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2021/11/27 更新
連続休暇・平日の昼。
ワインのアテにと自前で作る機会が多くなってきた割には、あまりしっかり外食で探求してこなかったフレンチ。
この連休、東京の食を追究して過ごすと決めた中で、折角だからフレンチも伝統のところで、と、日程の中核に据えたお店。ダメ元で1人でも受けてくれる?って聞いたら、昼ならOKということで開店同時、11:30の予約で訪れる(電話口ではそういう回答だったが、店でスタッフに聞いたら、どうも年末にかけては例年繁忙になるらしく、時季によっては夜でもOKだそうで)。
仔羊のマリアカラス風がスペシャリテよね、ってんで、予約時に10,450円のランチコースで追加料金払って、ぜひにと指定。
こういういわゆる伝統と格式のあるフレンチは初めてかも。ってんで、しっかりドレスアップして行ったが、他のお客さんも着物だったり、スーツでかっちり決めていたり。もう少し若い時はそういうのが面倒くさいと思ったけど、今になってみるとそれも楽しみの一つなんだなというくらいには人間が成熟した(と思う)。
他のお客さんとフロアスタッフが話しているのを横で聞いたところ、予約で満員御礼だそうな。
ランチコースは前菜・魚料理・肉料理・デザート+食後の飲み物で構成。前菜から肉料理に到るまで一分の隙も無く、分量も含めて申し分ない満足感。詳細は下に記載するが、前菜の時点で「これ以上美味しいものってあるの」って思ったが、その後も魚、肉とテンションが上がって行くのには恐れ入った。
サービスも日本を代表するグランメゾンに相応しいもの。挙措がエレガントだし、よくお客さんを見ている。オーダーからお客さんの人柄や嗜好を把握しようというのもわかるし、それに合わせた接遇をしている感がある。食事も最高ならば、サービスや空間の作り方、体験としても最高。
ワイン、水、サービス料込で20,000円足らず。昼飯と思うと高いがこの幸福感と1時間少々の時間を充実させてもらったことを思えば、間違いなく今回の休暇のハイライトの一つになるもので、大満足。
唯一、「間違ったな」と思ったのは、(予約が入ったのが昼だったから仕方が無いとはいえ)昼に来たこと。この後、夜に何を食べても〈シェ・イノ〉の余韻の前では美味しいとは言えないだろう。夜、色んな理由があって予約を入れていなかったのだが、怪我の功名。
また、許されるならばお伺いさせていただきたいと思う。
<コース構成>
(前菜)オマールエビ(ともう1種のエビを使用)と野菜のガトー仕立て
ウニのムース、マッシュルームのソース、アボカドのソース、トマトとトリュフのソース。
みっちり詰め込まれた海老の身、野菜とソースの相性がいい。その後に出て来る料理がソースと素材の組み合わせを響き合わせる構成に対して、素材に重きを置いた(素材を美味しく食べさせる)ニュアンスの料理。でもソースそれぞれの味わいも抜群に美味しい。アボカドのソースに添えられたタラバガニまでおいしかった。
(魚料理)舌平目のパン粉焼き アルベールソース
魚料理は他にもヒラメのムニエルなんかも候補があったが、フレンチの魚料理といえば舌平目、ちゃんと一度食べてみたいと思っていたので誘惑を断ち切ってこちらを。
魚のフォンと肉のフォンを合わせて作ったとかいうソースが複雑な旨みを醸す。舌平目の身を崩しながらソースと合わせてくださいとギャルソンに言われたとおりで、ソースをまとった淡白な舌平目が美味。
(肉料理)仔羊のパイ包み焼き マリアカラス風
内にフォアグラ、トリュフを包み焼き上げ、ペリグーソースを敷いたこの店のスペシャリテ。ジャガイモを薄く切って焼いたものと、セロリのムースが添えられている。
信じられないくらい美味しかった。素材そのものの旨みを活かすだけでなく、パイ生地、ソース、料理を構成する総てが響き合う。この1+1が2を大きく超える組み合わせを実現することが料理人の知恵と探求の賜物というか、フレンチ以外ではあまり出逢うことのない食の感動という気がする。
これにワインを合わせたいといって差し出された若いボルドーも素晴らしい相性だった。食材としての仔羊の力強さにワインを合わせる場合、ある程度タニックであることが必要で、若いボルドーかローヌが候補になるが、食べてみるとイメージよりもかなり深い滋味と繊細さ・エレガントなニュアンスを備えているので、ローヌでは料理の繊細さやエレガンスを覆い隠してしまう。となると若いボルドーでとなるが、右岸・メルロー主体で比較的若く飲んでもおいしいものをしっかり選んである。お見事。
スペシャリテ、とか、看板、とか、シグネチャー、とか気軽に言うけど、本物のスペシャリテってこういうものを言うんじゃないかって思う。食べた直後に率直に、これを食べるためだけにまたここに来たいと本気で思ったもの。
(デザート)ケーキワゴン方式。パリ・ブレストとスフレチーズケーキ。
食後にコーヒーをつけて、糖分を入れて〆。ケーキはクラシカルというか、華やかで煌びやかな今風ではないけど、オジサン的にはこういうもののほうが落ち着く。
<ワイン(by the glass)>
・テタンジェ・ブリュット・レゼルヴ
・シャトー・フォントニル 2017(ミシェル・ロラン保有のボルドー右岸・サンテミリオンのお隣・フロンサックのシャトー。メルロー主体)