Avignon_mats1984さんが投稿した茶禅華(東京/広尾)の口コミ詳細

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茶禅華広尾、白金高輪、麻布十番/中華料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2022/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

日本にしか存在しえない中華料理の究極の一つ

とある事情で空きがあるので来ないかと誘われ、絶対一度は行ってみたいところだったので二つ返事でOKして参加。
なので、平日夜・予約。料理はお任せ。飲み物は最初にシャンパーニュで乾杯、アルコールペアリングコース。
スタッフが入れ替わり立ち替わり、統率の取れた動きでサービスをしてくれる。供されるアルコールの解説も適切。客の知識レベルや嗜好を察して抜き差ししている感は、日本人的サービスのカタの一つだな、と思う。
緑茶の油を落とした素麺に始まり、海老の紹興酒漬け、蛤の春巻、焼き物、クラゲ、キジの雲吞スープ、蒸した北寄貝とXO醤・春雨のソース、四川風の鶏手羽スパイス炒め、フカヒレ、豆苗炒め、スペアリブ、追加の麻婆豆腐・ごはんを挟んで、清湯麺、デザートからなる。アルコールペアリングで行ったが、総てにおいて主役の料理を引き立てつつ、料理と合わせることで料理・お酒ともに新たな顔を見せ、味わいに奥行きとバリエーション、イリュージョンを産み出すという点で、完璧に釣り合っていた。お茶も一部いただいたが、料理と飲みもののペアにはお店に強烈な拘りがあり、そのペアを味わってこそ真髄に到れるという気もする。
また、個人的な好みはあるが、この店においては世界中のワインの中から料理との相性において最高と思われるものを店から提案を受け、楽しもうという〈オープンな〉気持ちが必要だろう。自分の好みに拘泥しては損というものだ。そこはもしかしたら、人によって好き嫌いが分かれる部分なのかもしれない。
店内の内装や雰囲気からしてそうだが、出て来る料理は総て、「中華料理だ」と認識するものだ。しかしその中には確実に日本人の感性が息衝いている。シェフが掲げる「和魂漢才」とは言うなれば、「中華の技法を駆使するが、技を使う自分が日本人であるというオリジンを忘れない」ということに尽きるだろう。それを突き詰めれば、唯一無二の個性になるということを体現しているお店。
和魂漢才という点で、室町時代に日本で独自の進化を果たした水墨画に通じるものを感じたのだが、言い過ぎかな。ただ、芸術にも通ずる独自の世界観にふれることのできるコースだった。
予約困難、かつ、お値段もこの日は60,000円を超えたから、そうおいそれと行ける店ではない。しかしそれだけのお金を喜んで払えると思うだけの、感動的で、貴重な体験だったことは間違いない。最高点を献上することに躊躇いは無い。

料理の感想は、全部で20品弱にも及んだので、特に際立って印象に残ったものだけを取り出しで以下に。
ペアリングワインは手控え写真のラベルをもとに記載しているが、間違っていたらご容赦を。他にもペアリングベースでは豆苗炒めに日本酒の大吟醸を合わせてみたりとか、そういう驚きも。この日、味わった感動を記し始めたらキリがない。

◆香港焼味(チャーシュー、手羽先)
 ペアリングはVICORECIO 36, CHIANTI CLASSICO GRAN SELEZIONE, 2017, MAZZEI(伊)
 チャーシューと手羽先を濃いめのタレで皮膜をつくるように香ばしく焼しめたもの。香ばしさと肉の脂、肉そのものの滋味を味わう料理と、キャンティクラシッコの抜けるような明朗さ、ほどほどのタンニン、チェリー系のニュアンスがよく合う。コース序盤のハイライトの一つで、ここまでの繊細さが勝つ3品(緑茶油を垂らした素麺、海老の紹興酒漬け、蛤の春巻)で誘い込まれたところに、襟をぐっと掴んでくるような力のある料理。

◆四川風鶏の手羽のスパイス炒め
 ペアリングはHISTORIA, TAURASI, 2008, MASTROBERRADINE(伊)
 この日、何か1品を、というとコレ。鶏の手羽の中には、上海蟹が仕込まれている。壺いっぱいの唐辛子とスパイス、ネギやパクチーで炒めあげられた品。四川というか、湖南料理にこの系統のものがあるが、見た目からして猛烈な辛さを想像させ、実際にアタッキーな味わいと香りをまとっているのだが、蟹を詰められた鶏の味わいには矛盾するような繊細さがある。
 これを熟成して懐の深さを見せるタウラージが受け止めてみせる。猛烈な辛さとスパイスの香りが主張し合う饗宴の中にあって、新しい顔を見せられるワインを探してきたのには称賛しかない。

◆紅焼魚翅(フカヒレの姿煮)
 ペアリングはCONDRIEU, 2016, PIERRE JEAN VILLA(仏)
 ずっしりした白湯をまとうフカヒレ。その直前、スパイスの刺激に翻弄された後に、王道の風格と威容を湛える料理が来る構成の妙、濃厚でありながら食べ疲れない白湯、その味わいを存分にまとうフカヒレ、そして白湯のトーンと、粘りを感じつつ重心が低く、気品も備えながら南仏のもったりした垢抜けなさもあるコンドリューを合わせるペアリングの妙。食べ終えた後には白湯で炊いたおじや的ご飯が添えられるオマケ付き。

◆茶禅排骨(スペアリブ)
 ペアリングはSTROPA AMARONE DELLA VALPOLICELLA CLASSICO, 2011(伊)
 コースメニューの最後に記載されているスペアリブ。パリっとした外側とほろほろほぐれる中身、そして甘みと塩味を感じる味付けと、陰干しして甘みを増して作るヴェネトが誇る高貴なワイン・アマローネの完璧な相性を前に、言うべきことなど何もない。

◆麻婆豆腐(コース外・追加、土鍋ご飯付き)
 ペアリングはROSSO DI VALPOLICELLA 2010(伊)
 しっかり四川料理してながら和的センスが底に流れている、この店らしい麻婆豆腐。唐辛子がそのままでも輪切りでもなく一味唐辛子。お店の人いわく、「麻婆豆腐は抑えるのではなく、味の要素それぞれ、限界ギリギリを狙うと好い」とシェフが言っているというが、ここで出されたものを見ると確かにそう思う。料理としての「味」が壊れる寸前の限界まで辛味やシビレその他もろもろが備わり、主張し合っている。ほんのり山椒を感じるザーサイと、土鍋のご飯がセット。これだけで定食として食べたいくらい美味しかった。
 ペアリングも麻婆豆腐の攻撃性を見事に受け止めていて、麻婆豆腐に無い要素が備わってより完成度が引き上げられる。ここでお店からお茶も出してもらったのだが、これがまた良かった。

  • 青山緑水

  • 酒酔大蝦

  • 文蛤春捲

  • 香港焼味① チャーシュー

  • 香港焼味② 手羽先

  • 酢橘海蜇

  • 雉雲吞湯

  • 清蒸北貝

  • 四川風手羽先

  • 口直し

  • 紅焼魚翅

  • 清炒豆苗

  • 茶禅排骨

  • 麻婆豆腐(追加)

  • 清湯麺

  • 杏仁豆腐

  • 胡麻豆腐

2022/02/19 更新

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