Avignon_mats1984さんが投稿した明寂(東京/六本木)の口コミ詳細

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ひとりもんうまいもん探訪

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明寂六本木、乃木坂、麻布十番/日本料理

3

  • 夜の点数:4.8

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 4.8
3回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.6
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

鮎の絹巻

8月、三連休の帰省に引っ掛けて訪れたのは、久々の〈明寂〉。
店主・中村さんのキャラクター、料理に対する姿勢に惹かれ、またダシを極力使わないという和食のカテゴリでは特異なスタイルも相俟って、年に1回はゴツイお値段に目を瞑ろうと訪れている。

<いただいたもの>
◆料理
①長いもの潮煮、②毛蟹、小蜜柑、③刺し身(鯛、たこ)、④はものお椀、⑤目鯛藁焼き、⑥つぶ貝とかぶの擦り流し、⑦鮎(塩焼き、燻製仕上げの2尾)、⑧いちぢく白和え、⑨鮎絹巻すし、⑩なすそうめん、⑪とうきびからすみ、⑫とうがんと牛肉、⑬ごはん、お漬物、おかず、⑭ブルーベリー汁粉、⑮ずんだと銅板焼き
◆ペアリング(数字は料理と対応)
❶❷Champagne Chavost, Brut Nature, ❸鯛に無窮天穏 天雲、蛸に天土2023、❺Savennieres(France), Fides, Chenin Blanc, 2023, ❻群馬泉、❼Spain, Envinate, "Migan", 2020, ❾車坂2024、⓫田の喜怒哀楽、⓬Bourgogne, Domaine Henri Rebourseau, Clos de Vougeot Grand Cru, 2019

この日は鮎の3種類の食べ分けをハイライトに、鱧あり、冬瓜あり、とうもろこしありの夏の和食。中でもこちらでは定番の「絹巻すし」で巻き込まれるのが揚げられた鮎で、この日、文句なしのハイライト。濃厚な茄子のうまみと素麺が美味しい⑩、からすみを一工夫してとうもろこしと合わせ、見た目以上にとうもろこしが主役としての存在感を発揮する⑪、最後にダシを使ってほっとさせる一品の牛肉⑫と、隙がない。漬け物であっさりいただいた後に煮凝りだの鯛のでんぶだのですでにお腹いっぱいなのにさらに食べてしまうごはんだったり、やっぱりここからは離れられないなと実感。
偶さか前回、訪れてから京都のしっかりとした和食をいただき、経験値が上がったからそう感じたところはあるだろうけれど、連綿と続いてきた和食の文化に対するカウンター・パートとしての位置をしっかりと保ちながら、より海水の使い方も板について来たというか、前回は試行錯誤のうちという気がしていたところ、使い処と使い方に迷いがなくなり、馴染んだ感じがした。
前回、お隣のお客さんが頼んでいたペアリングも、日本酒とワインを織り交ぜながら進んでいき、最後にブルゴーニュのグランクリュで落とすおしゃれな感じ。聞いてみると中村さんもテイスティングには加わっているようで、⑤目鯛の藁焼きとフランスのシュナン・ブランを合わせたところは、今日の料理の中でもトップクラスの相性ですよ、と囁いてくれた。
サービスもレベルが上がったように思う。さりげなく色んなものが調っている状況や、お酒の説明など、以前よりもクリアにわかりやすく感じた。
最も、ペアリングを入れてしまったことでお値段が75,000円を超え、一段とゴツくなってしまったのだが。ただ、和食でワインを入れて、しかも立地は六本木、みたいなことだと、こうなるよなとは思う。

次は、春を狙いたいところ。ただ、おすすめいただいた4月がちょっと、いつものことながら予定が立てにくい時季なんだよねぇ……でも、こちらの山菜とタケノコは是非ともいただきたいぞ、とか思うと、がんばって調整しようという気にもなる。

2025/08/15 更新

2回目

2024/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.7
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

水の探究

東京に居た頃に気に入っていたお店の巡回。
和食は総じて疎く、東京に居る間にとうとう十分な開拓ができたとは言えない分野だけれど、ここ〈明寂〉さんは私の琴線にふれるものを出して頂けるお店で、例外的にお気に入りリストの上位に入っている。

何が琴線に触れているかといえば…。

・日本中の「水」を探究し、「水」によって食材の滋味を引き出す唯一無二の組み立て
・ダシをほぼ使わない、使う時はここぞという時だけ
・不要なものを極限まで削ぎ落し、理屈によって、「必然」のもとに組み立てる(作為の無さ)
・ご主人 中村さんの、まるで禅師のような探求心

普段、ゴテゴテ作りこんだフレンチやら中華やらに塗れているせいか、こういうものに堪らなく惹かれるようです。

今回も圧巻で、とうとう京都・宮津の海水を使い、海水と素材だけで組み立てる有り様。中村さんも「とうとう塩すら使わなくなりました」と笑っていたけれど、これがね、美味しいのですよ。
最初に中村さんは素材を水で煮た「水煮」を出し、その料理の哲学と技術、勘所をたった一品にて知らしめてくれる。今回は松茸の水煮。予め塊でカットした松茸を海水で煮て、仕上げに薄くスライスした松茸を乗せ、香りを立てる。10月の予約を入れた時、「あわよくば、松茸…」と思いながら居たのだが、念願叶う。素晴らしい香り。そして海水由来のミネラリティと松茸の旨さが混ざり合い、その渾然とした旨味をこれでもかと味わえるスープに冒頭から打ちのめされる。
酒がいくらでも飲める蟹味噌、内子と蟹の身の旨味を堪能できる「かにまんじゅう」、鯛出汁ベースの醤油、貝の塩でいただくお刺身は、前回も似たものが出たけれど、前回の印象を軽く超えてくれる。
そして再度、海水で炊いたクエと舞茸。
藁の香りがかぐわしすぎるさわら、カリカリに揚げためひかりの骨せんべいとめひかりを焼き上げたものをシャリに乗せて巻いたきぬまき、等々。削ぎ落された果てに残る凝縮されたエッセンスを味わうかのような料理に悶絶した果てに、満を持して出て来るのが、牛肉と松茸を出汁で炊いたもの。仕上げに細かく針状に切られた松茸を乗せて、崩しながらいただく。温かいダシに温められて、松茸の香りが膨れ上がる。その香りに巻かれながらいただく牛肉の美味しいこと。中村さんのご説明によれば、牛肉と松茸をダシがつなぐ役割をするのだそうだが、確かにこの牛肉と松茸を水で仕立てるのは違う気がする。ダシだからこその美味しさがある。
おかずがとにかく豊富な食事でたっぷり白米をいただく。いつもは丼物もあるけれど、この日は新米を堪能してもらおうという趣旨で、白米のみ。
デザートに到るまでとにかく圧巻の食事で、これはまだ離れられないお店だ。遠くからでも通おう。

今回の収穫。お隣の人が頼んでいて知ったが、どうやら日本酒ペアリングもあるらしい。
ただでさえお値段がゴツイ(この日、日本酒2合をつけてサービス料込53,000円余り)ところにさらにゴツくなりそうだが、次、頼んでみるかな…。
そうそう来られるわけではないのだけれど、季節を微妙に変えながら、年に1度くらいは通い続けたいお店であることに変わりなく。次は夏を試したいところ。

<まとめ・いただいたもの>
①松茸の水煮
②かにまんじゅうと針りんご(甘酢のかわり)
③真鯛と貝のお刺身(貝はウッカリ聞き流した)
④舞茸とクエを海水で炊いたもの
⑤さわらに藁を巻いて燻した刺し身、菊のちり酢
⑥栗 黒豆ずんだ
⑦めひかりのきぬまき
⑧秋果和え
⑨すっぽんの豊年揚げ
⑩海水でいただく十割そば
⑪マナガツオの塩焼き
⑫牛肉と松茸を出汁で炊き、仕上げに針状に切った松茸
⑬食事(穴子やらいくらやら、おかずいっぱい)
⑭デザート

  • 松茸の水煮

  • かにまんじゅうと針りんご

  • 真鯛と貝のお刺身 貝塩

  • 鯛だし醤油と鯛の水

  • 舞茸とクエを海水で炊いたもの

  • さわら

  • 栗 黒豆ずんだ

  • めひかりの絹巻

  • 秋果和え

  • すっぽんの豊年揚げ

  • そばと海水

  • マナガツオの塩焼き

  • 松茸の千切り

  • 牛肉と松茸をお出汁で炊いたもの

2024/10/11 更新

1回目

2023/11 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

素材の実力を引き出す業に感銘

今回の休暇のメインに据えて、2ヶ月近く前から予約を入れておいたお店。
和食をちょっと探究したいなと考え始めた時に、このお店は候補としてかなり上位にあった。2022年4月開店の新店ということで、〈東京最高のレストラン〉の座談会に採り上げられていて、日本が誇る食いしん坊(?)たちがこのお店のことを縦横無尽に語り尽くしているのを見て、面白そうな店だなぁ、と興味を持ったのがきっかけ。

土曜の20:30から、という遅いスタートながら、日本酒をお任せにていただきつつ、名刺代わりに出された1品目の、椎茸をほぼ水で煮て旨みを引き出しただけの〈水煮〉でキレイにかまされる。ボラの白子と卵巣を柚子餡でいただく2品目、蛸塩と鯛のダシなどから作った醤油、タレを使っていただく鯛と蛸の刺し身と続くうちに引き込まれ、5品目に出て来た”ブリ大根”こと、皮目を細かく切って炙り、脂を出して、おろした大根おろしでいただく脂たっぷりのブリを頂いて完全にノックアウト。
あとはもう純粋に楽しんでいたが、酢飯の上にシシャモの骨せんべいを乗せ、その上に揚げた雌雄のシシャモを組み合わせて乗せ、生地で巻いていただく7品目、香箱蟹で作った蟹まんじゅう、白甘鯛の焼き物、など、この日感銘を受けたものは数え切れず。肉・魚のメインが出て来る直前の10品目にして出された”茄子素麺”は、茄子の濃厚な旨味に絡む素麺にも驚いたが、料理の説明の際に、ここで初めてカツオダシを使いました、と言われてはっとする。そこまでの「旨いダシ感」は一体なんだったんだろう、と驚き、惚けているうちにメインの2品、ごはんもので畳みかけられて終わる。

控えめに言って凄い店。日本酒3合(お店にお任せ)を頂いて、サービス料込で50,000円ジャストくらい。お値段はゴツイものの、このお店は定期的に通いたいと思う魅力に満ちている。
勘定の関係で、最後に少し料理長の中村さんとお話ができたが、いわく、カツオダシや昆布ダシは美味しいものだが、それに引っ張られてしまい素材の味を感じにくくなる瞬間がある、日本の各地の「水」に可能性を感じており、京都と金沢から取り寄せたものを使っている、などなど。色んな拘りをうかがうことができた。

時々、「素材を活かす」という名の元に、ろくに仕事をせずに素材そのままみたいな料理を出す店もあるけれど、この店では到るところに細かい仕事が施されている。「素材を活かす料理」って、本当は、こういうことなんだろうな。色んな細工、業を施して、素材の持っている本来の実力を引き出す、という意味での「活かす」。ここに行くという人生の楽しみが増えた、ということで。

  • 椀物・椎茸の水煮

  • 真鯛と蛸の刺し身

  • 「ブリ大根」

  • ししゃもの巻きずし

  • 香箱蟹のかにまんじゅう

  • 茄子そうめん

  • 白甘鯛の焼き物

  • 牛肉とセリの炊き合わせ

  • ごはん

  • 香の物

  • 山椒ちりめん、いくら、穴子

  • 丼物

  • ごはんのおかず(追加)

2023/11/19 更新

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