Avignon_mats1984さんが投稿した銀座 レカン(東京/銀座)の口コミ詳細

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銀座 レカン銀座、東銀座、銀座一丁目/フレンチ

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2024/10 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

殿堂

ワインを飲むことから始めてフレンチ通いをするようになった人間としては、一度は行きたい憧れの殿堂中の殿堂、〈レカン〉。3年前に訪れて雷に打たれるような感動を受けて帰って来た〈シェ・イノ〉を築いた故・井上旭シェフが、「実質はレカンの礎を作った」(from東京最高のレストラン2023)なんていう評価も目にすると、やはり行きたくなる。フレンチで最も愛用している〈ラフィナージュ〉の高良シェフが料理長を勤めていたレストランでもあるし。
そんな中、首尾よく休暇の最後、これを超えたら新幹線に乗って仙台へ帰るだけ、という絶妙なところに予約が取れた。

グランメゾンは行く側もある程度覚悟を決めて臨まないといけない部分があるし、お値段も相応にゴツイから、私もそう滅多やたらに行かないが、ここ〈レカン〉を訪れて感じたのは、「グランメゾンにはグランメゾンにしかない楽しさがある」ということ。
料理のクオリティがどれも完成されているのは言うに及ばないが、それ以上にサービスの方々のレベルが高い。お客さんが身を預けたら、店に居るその間の時間、とにかく終始、心地よく、快適に、楽しんでもらえるように徹底している。しかも、料理の説明がどれも極めてわかりやすい。安易に横文字使わないし、料理の構成は相当に複雑に組み立てられているのに、説明はよどみなく流れてすんなり理解できる。何を味わうべき料理なのかも理解できる。こういうサービスって滅多に出逢わない。流石〈レカン〉。グランメゾンならではのサービスって感じがするし、こういうお店でサービス料取るってのは理解できる。
それでいて、ペアリングなんかもすらっと用意してあるし。昔からやっているフレンチのお店は、ペアリングを備えていないお店も少なくない中、当然のようにペアリングが備えてある。そして供されたワインは、それぞれかなり高品質だというだけでなく、ペアリングの精度・レベルが高い! シャンパーニュは当然のこと、ブルゴーニュは赤白揃っているし、熟成ボルドーまでいただける。それも、飲み手をびっくりさせてくれる驚きのペアリングを構築して来るのが嬉しい。
お高く留まるわけでもなく、キッチリと備えて訪れれば向うから歩み寄ってくれるようなサービス。そして、時代に合わせて在り方を巧みに変えて来たお店のようにも思う。この手のグランメゾンの中では、〈シェ・イノ〉と並ぶお店だな。

以下、ペアリングを中心にした冗長な感想。(料理も凄かったのだが、それ以上に、ペアリングが予想を遥かに上回る凄さで圧倒されたので、いつにもまして読むに堪えない)

・アミューズ・ブーシュ①:「タジャスカオリーブのマドレーヌ」
・アミューズ・ブーシュ②:「エポワスのムース 洋梨のコンポートとフヌイユのサラダ」
 ワイン Champagne, Pommery
 乾杯のシャンパーニュは、レストラン向けかつ日本でも限られたレストランでしか出していないものです、なんて言われたら「流石〈レカン〉さんですね」以外の言葉ないでしょ(笑)。
 アミューズは、2品目の、ブルゴーニュ産のクセありまくりなエポワスが、すんなりと受け入れられて、かつ、クリーミィに感じる前菜の仕立てに感動しながら、それをシャンパーニュで受けてもちゃんと美味しいというのが凄いな、なんて思いつつ、本当にやられたのは次の前菜。

・前菜:「仔猪」 広島県仔猪のショーフロワ ”ウフ・アン・ムーレット”
 ワイン ①Bourgogne, Gilbert et Christine Fletting, Chambolle Musigny, 2021 ②Spain, Garcia Georgieva(オレンジワイン)
 ”ウフ・アン・ムーレット”はブルゴーニュの郷土料理でポーチドエッグをベーコン・タマネギ・マッシュルームを入れた赤ワインソースの中に落としたもの。濃厚な卵の味わいと赤ワインソースの味わいを合わせて何とも言えない全き味がクセになるフランス郷土料理の逸品。
 それを、煮込んだ仔猪と半熟卵を、仔猪の血で固めた”ショーフロワ”で再現。まず食べると猪の野性的な味わいと肉っ気、卵の濃厚さを味わえて料理だけでも感動的な気持ちになったのだが、これにシャンボールミュジニーを合わせるとまごうこと無き「ウフ・アン・ムーレット」の味わいに化ける。野性味あふれる猪に繊細なシャンボール?と疑ってかかっていたのだが、見事にやられた。
 そして付け合わせのムースと野菜と一緒にいただくと、スペインのオレンジワインが活きる。こういう、どこに照準を合わせればこんなペアリングが見出せるのかよくわからないペアを見せつけられると、心酔してしまう。

・魚料理:「岩魚」 宮城県川崎町より 後藤さんが育てた岩魚 シャテーニュのカプチーノとヴァンジョーヌのサバイヨン
 ワイン ①Bourgogne, Jean-Louis Chavy, Puligny-Montrachet, ヴィンテージは不詳(控えもれ) ②Champagne, Thienot, 2012
 フレンチでは珍しい、白身じゃない魚・岩魚を、栗のソースやらサバイヨンやらで化粧しまくりの一皿。完璧に美味しい。
 そこへピュリニーモンラッシェを流すと、料理と探り合いを始めるのだが、そこからやがて料理を踏み台にして自身の魅力を主張し始める。シャルドネのチャーミングなところ、バニラ香の甘さ、華やかさが立ち上がって来るという意味ではこれも成功ペアリング。
 しかし、もう一つ合わせたシャンパーニュのほうが、料理の様々な要素を拾い上げながら、ガッチリと組み合って厚みをもたらすペアリングで、料理を主役と考えた時には優れたペアかも。

・肉料理:「上州牛」 群馬県上州牛フィレ肉とセップ茸のパイ包み焼き ビーフコンソメ添え
 ワイン ①Chateau Saint-Pierre, Saint-Julien, 2002 ②Chateau d'Armailhac, Pauillac, 2012
 なぜかワインを2種いただけてしまった。
 料理は、赤身肉がおいしい上州牛のフィレ肉を使ったパイ包み焼き。これにビーフコンソメが添えられ、パイ包み焼きをいただきながらビーフコンソメを合わせることで旨味がふくらみます、という説明を受ける。
 実際、肉の旨味を噛み締めたところに、カップのビーフコンソメを流し込むと、口腔中に旨味が爆ぜるような感じになる。
 そこに、同じボルドー左岸で、ヴィンテージと産地が微妙に異なる2杯。2002年のサンジュリアンは熟成の結果華やか、2012年のポイヤックはこなれているがまだ凝縮感とタンニンを感じる。
 コンソメの有無でどちらが合うかが微妙に変わる、というもの。コンソメがある場合には旨みが膨らんでいるから、ワインも華やかな2002年のサンジュリアン、コンソメが無い場合には旨みが口の中で凝縮して存在しているから、ワインも2012年のポイヤックが合う、ソムリエの表現を借りれば「着地点が変わる」と。
 そこそこ熟成したボルドーを飲めた満足感と、そのボルドーを真正面から受け止める骨太な料理をいただいて大満足。

・アヴァン・デセール:「グァナラ」 グァナラ トンカ豆
・デセール:「巨峰」 巨峰とカシスのヴァシュラン
 このデセールに、〈レカン〉の今の立ち位置が見えるような気がするのは私だけ?
 味わいはオーソドックスな、いただけばほっとするデセール。でも、どこか前衛的でスタイリッシュな出で立ち。映えるとか、ヘンに見た目を気にした繊細さやキレイさはないけど、整っている。

2024/11/02 更新

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