Avignon_mats1984さんが投稿したSEZANNE(東京/東京)の口コミ詳細

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SEZANNE京橋、東京、銀座一丁目/フレンチ

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥80,000~¥99,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2025/02 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気5.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥80,000~¥99,999
    / 1人

絢爛壮麗

今回取った休暇の目玉の一つが、ここ〈SEZANNE〉。
東京に居る頃から「スゴイらしい」というのは方々で聞き及んでいたけれど、物事には順番もあり、懐事情もあり(←こっちのほうが切迫しているかも)、ようやっとここに来る踏ん切りがついたところで、予約のオファー。
なんでも一人客は、平日(水・木・金)で受けているそうで、上手くランチ営業のところで入りこむことができた。一応、予約は電話も受けてはいるが時間制限が厳しく、電話したらメール(お店のホームページにリンクがある)を勧められた。

ということで、首尾よく予約を取れたので、意気揚々と突撃。
感想。「いろいろな意味で圧倒的」。
料理はアミューズに始まり、9皿、アヴァンデセール、デセールが2品、パン(大きい)、と量の面でもスゴイが、何しろ料理の総てが極まっている。
フレンチ的手法を突き詰めるというより、コア・芯としてのフレンチの揺るぎなさを土台にして、アジア(中国と日本)の優れた食材、調味料、料理手法を柔軟に採り入れ、限界を拡げているような印象。今まで私が訪れた店の中では、同じフレンチの極みに立つ〈カンテサンス〉よりも、中華料理の技法を日本料理の発想で洗練させた〈茶禅華〉に印象が近い。
それぞれに料理のクオリティが精妙かつ緻密に作り上げられているし、たとえば前半戦で出て来る「ブイヤベース」に潜むムール貝のなめらかさ、ふっくら、脂の乗ったきんきの炭焼きの驚きなど、圧倒的な迫力を持った料理が押し寄せて来る。
ワインペアリングも素晴らしい。「発見」と題されたスタンダード、ハイエンドなもの、シャンパーニュで通す3コースを用意している時点で圧倒的だが、実は一番手ごろな価格のスタンダードなペアリングも、ワインのクオリティが良質であるというだけに留まらず、料理の展開の振幅を拡げ、このお店のコースの欠かせない魅力として振る舞っている。
サービスも完璧。これだけのクラスのレストランだから、と思うのだが、一切気位/プライドの高さを感じない。真に洗練されたお店とはかくあるべき。これは、かつて訪れたマンダリンホテル内のレストランにも言えることだけれど…。
店の設えも、ロココ様式的な優美さがあるうえ、昼は光が差し込んで明るい。知人の知人くらいの人は、夜に行ったら暗いので、昼がオススメ、と言っていたらしいが…。
ただまあ、お値段が何ともゴツイ(ペアリング、乾杯のシャンパーニュ1杯、水で95,000円弱)。一人の予約を受けてくれるのはとても有り難いけれど、そう何度も行けない。食事が終わった後、挨拶に来られたシェフは、ぜひ次は夏に来てほしい、と仰っていたので、夏にトライしてみたいところだが……ボーナスがハネないと、辛いな。
あと。
料理の美味しさを理解するうえで小難しさがあるというわけではないのだが、身体に堆積した食の体験をもって輝き方が変わるような感がある。フレンチでは通常、使わないようなアプローチで食材が処理され、組み合わされていることも多く、そこに面白さがあるので、4, 5年前の私がここに来て同じように感動できたかは疑問。案外、「試される」料理かもしれないな。

ここからは品数が多いのでいつにもまして冗長な「感想」兼メモ。

<いただいたものたち>
アミューズ:コンテとシュー生地
ワイン:Champagne, SEZANNE Extra Blanc, Le Brun De NEUVILLE
 以前、〈MAISON MARUNOUCHI〉にお邪魔した時にもいただいたコンテチーズとシュー生地の組み合わせ。シャンパーニュで受けるにはまことに気が利いたアミューズ。
 なお、アペリティフに当る乾杯のシャンパーニュは、ペアリングの枠外。このシャンパーニュ、こちらのお店のオリジナルシャンパーニュだそうで、この後に続く、前菜の①②もこのシャンパーニュで受ける。

①:ブイヤベース
 きんき、ふぐの骨、あと貝類を幾つか仰っていたが、いかにもいいダシが出そうなものをふんだんに使って取ったダシが利いたブイヤベースで、ここのシェフの手にかかるとブイヤベースも美しい味わいになるのだな、と感動。
 そしてスープの中に潜むなめらかなムール貝にも震える。ふだん、もっとしっかり火を通した感じだけれど、ほとんど生のような味わい。

②:しまえびのタルト
 タルト生地に生のしまえびが噛み合わされて盛られ、そのうえにシャーベットを乗せて隠す。いただくと、しまえびのなめらかで繊細な旨さをつよく感じる。これまたシャンパーニュに合う。
 この料理をサーブする際に、次からペアリングスタートです、と告げてくれるあたり、ワイン好きにはポイントが高い。

③:フォアグラ、中国醤油、デーツ、マッシュルーム、ブリオッシュ
ワイン:Bordeaux Sauternes, Chateau de Fargues, Lur Saluces, 1996
 フォアグラのムース、中国醤油で作ったコンソメのようなもの(食感は煮凝りに近い)を乗せて、さらにその上にデーツとマッシュルームが添えられている、一見、なんだこれ?と思う一品。
 同時に焼き立てのブリオッシュが供され、塗って食べてくれと言われるのだが、これがおいしい。ブリオッシュでフォアグラと中国醤油の煮凝りが温められ、ふわっと香ったところに、熟成したソーテルヌ。品のよい甘さときれいな酸が、料理に添いながら足りない物を補う。

④:きんき 備長炭で皮目を焼き、トマトと白ワインのソース
ワイン:Bourgogne, Corton Charlemagne Grand Cru, Maison En Belles Lies, vintage不詳
 ワインボトルを見た時、「おいおい、高いペアリングじゃなくてもいいワイン出るじゃないの」と思った一本。ブルゴーニュのグランクリュが軽やかに出て来るのだから流石。
 料理も素晴らしい。炭火焼きで作ったポワレのような仕上がり。きんきの皮目に乗った炭の香りとワインの樽香が添いながら、ふっくら、しっとりと仕上げられた、脂の乗った白身の美味しさに打ちのめされる。

⑤:モリーユ茸 鶏つめもの 黄色ワインのソース
ワイン:Jura, Singulier Trousseau 2022, Benedicte & Stephane Tissot
 モリーユ茸に鶏が詰められ焼き上げられた皿。ヴァン・ジョーヌのソース。下にはソテーされた行者大蒜?だったと思うが、ソースとともに布かれている。味わいと香りは中華料理のような印象を持つ。
 ワインは、珍しいジュラの赤ワイン。桜のような、梅のような香り。これを料理に合わせると、ふと肉体が宿る。高貴な女性が目の前で舞を踊るような錯覚に陥る。ヴァン・ジョーヌがジュラだから持って来たのだろうけれど、組み合わせの相性はそれ以上。この日、ワインペアリングとしてのNo.1はこれかな。

⑥:たらの白子 トリュフ トリュフのジュースと中国醤油のソース(冷たい)
ワイン:Champagne (AY), Vallee, Millesime 2014, Grand Cru
 冷たくてレアでねっとりおいしい上質な白子に、トリュフのジュースと中国醤油で作ったソースを流す、冷たい皿。黒トリュフの香りにも巻かれながら、シャンパーニュはアイ村のグランクリュで旨味とトリュフの香りが昇華していく。

⑦:子持ちやりいか バジルのソース パプリカのソースとまぜたお米
ワイン:Camin Larredya, 2020
 やりいかがまた、生に近い感じ。なめらかしっとりやわらか、で、珍しい仕立てだけどおいしい。これにバジルのソースを布き、パプリカのソースで和えた米(という説明だったけど、イカのワタも混ぜているような気がする…)
 ワインはシュッド・ウェスト、ジュラソンの珍しい白ワイン。ここまで来ると記憶が若干曖昧になってくるのだが、おいしくいただいた。

⑧:めぐみ鴨(愛知県) 金時人参 メークイン 金時人参の葉っぱのソース 鴨の内臓を使ったソース
ワイン:Bordeaux, Margaux du Chateau Margaux, 2017
 鴨の内臓のソースだ、と説明を受けたのだが、シェフとギャルソンの会話では「ムーレットソース」と伝えていた。鰻の蒲焼きのたれみたいに、ソースを注ぎ足して作っていて、鴨のシーズンが終わると冷凍して、また次の季節に解凍して使うのだとか。
 バリバリの皮目にしっとりした火入れの鴨自体のおいしさもさることながら、濃厚なソースの滋味深さに感動。
 シャトー・マルゴーのサードワインが迎え撃つ。王道と言えば王道だし、外さない組み合わせだけれど、いいワインだな。

⑨:鴨のスープ コンソメ ニラオイル 鴨のもも肉 ショートパスタ
ワイン:Cotes du Jura, Domaine de SAINTE MARIE, Vin Jaune
 鴨はしっかり、骨まで活用する。ということで、骨で取ったスープで、刻んだ鴨肉とショートパスタ。
 ニラオイルの独特な香りを、紹興酒的なニュアンスもあるヴァン・ジョーヌが絡めとってくれる。これまたいつまでも食べていたい品。

アヴァンデセール:口直しのシャーベット
デセール①:ミルフィーユ
デセール②:ケーキ
ワイン:RATAFIA CHAMPENOIS, HENRI GIRAUD
 ラタフィアで締め上げながらミルフィーユとその後の焼き菓子的ケーキをじっくりいただいたのだが、流石にここまでで満腹だったので、ケーキは半分お持ち帰り。
 料理が徹頭徹尾挑戦的だったのに対して、わりとクラシックな仕上がりのデセールだったのは、意外っちゃ意外だけど、バランスが取れているともいえるし、個人的好みには合う。

  • アミューズ:コンテとシュー生地

  • ①:ブイヤベース きんき、ふぐの骨などで取ったダシ、なめらかなムール貝がひそむ

  • ②:しまえびのタルト

  • ③:フォアグラ、中国醤油、デーツ、ブリオッシュ

  • ブリオッシュ

  • ④:きんき 備長炭で皮目を焼き、トマトと白ワインのソース

  • ⑤:モリーユ茸 鶏つめもの 黄色ワインのソース

  • ⑥:たらの白子 トリュフ トリュフのジュースと中国醤油のソース

  • ⑦:子持ちやりいか バジルのソース パプリカのソースとまぜたお米

  • ⑧:めぐみ鴨(愛知県) 金時人参 メークイン 金時人参の葉っぱのソース 鴨の内臓を使ったソース

  • ⑨:鴨のスープ コンソメ ニラオイル 鴨のもも肉 ショートパスタ

2025/02/18 更新

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