Avignon_mats1984さんが投稿したFlorilege(東京/神谷町)の口コミ詳細

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Florilege神谷町、六本木一丁目、御成門/フレンチ

1

  • 昼の点数:5.0

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2025/08 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.6
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

装いも技法もフレンチながら、時折、和食をいただいている心地になる

盆だし、と、1日だけ休暇をもらって訪れたのは〈Florilege〉。
最も、これは副産物的なもので、1日休暇を得る目的は別にあり、仙台への帰り道でどこか行けないかなぁ、と探した結果、たまたま席が空いていたのでこれ幸いと予約した、という感じで、このお店を思い抜いて訪れたわけでもないのだけど。

……という書き出しで何となく察してもらえると思うのですが、当初ワタクシ、けっこうハスに構えていて、何となく少量多皿っぽいなというのと、軽やかでライトな感じとかも見えて、フレンチに関しては最近とみにコンサバ&クラシカルに志向が傾いていることもあり、あまり期待していなかったのです。
とはいえ〈東京最高のレストラン〉にも掲載されているお店だから、1回は訪れておきたいなというのは正直にあったのだけれど。
そんな私の偏見を見事にひっくり返してくれたのは、「ペアリング」。
最初のアミューズからして、料理自体の完成度の高さは伝わって来る。ガスパチョですらスイカをはじめ、3種類くらい素材を使っているわけで、どれも備えている要素が多岐に及び、そこに当てるワインを選ぶのは「針の穴に糸を通すようなもの」。特にイノベーティブ色が強くなればなるほど、ワインのセレクトには難しさが出て来てしまうので、ワイン飲みたさにフレンチ通いをしている私がイノベーティブと名の付くものを敬遠する一番の理由になっている。
そんな中、こちらのペアリングは、アミューズのガスパチョに使われているスイカの味わいをぐっと押し出してくれるシャンパーニュの使い方で、センスのよさを悟ったが、精巧に作り込まれた料理の数々に見事にぴたっとワインを当て続けてくれる。最後の2品・とうもろこしのクネルにはサン・トーバン(ブルゴーニュ)のプルミエ・クリュ、黒毛和牛のロティにはポマール(ブルゴーニュ)のプルミエ・クリュで〆るなど、ワイン愛好家のキモチをよく心得ていらっしゃるセレクトで、大満足。
料理自体は私の好みの方向性からするとあまりストライクゾーンには入って来ないやつ(イノベーティブ的であまり1皿のポーションが大きくない)なのだが、そんなのお構いなしに捻じ伏せて来る料理の説得力があるし、「好みを離れて」美味しいと思わされる料理。
お値段の仕上がりも実に良心的(この日はディナーコース25,300円+高いほうのペアリング18,700円+水で45,000円くらい)。料理のクオリティの高さ、フレンチの技法を使って仕立てられた料理だなとわかっていても和食を食べているような錯覚に陥るボーダーレスな仕上がり、といったあたりに、ふと〈SEZANNE〉を思い出したが、あちらの半分くらいのお値段。志向している世界が全く違うので較べられるものではないけど、食の充実感という意味では遜色ないので…。

また、こちらのお店はサービスも洗練されている。求めることを先回りして案内してくれるし、万事が滞ることなく進んでいく。インバウンドが目立ったけれど、英語は当然にしても、韓国語まで対応しているキメの細やかさ。
メニューを最後に、封蝋した封筒に入れて渡してくれるというのも気が利いている。メニューが無いお店も増えたけど、何が出て来るか楽しみにしながら食べ進めて欲しいというお店側の思惑・気持ちはさておき、後から見返した時に「あれ、この料理なんだっけ」と思うことも多く、振り返った時によすがになるのは大きい。
万事において気配り、サービスが行き届いているのと、好みがどうとかを問答無用に捻じ伏せる料理の力、そして、完成度が高く普通ならミスマッチの起きやすいワインがぴたりと合っている。けちをつける要素が見当たらない、素晴らしいお店。

<いただいたもの>
◆料理
①すいか グジェール … すいかは、ガスパチョ仕立て。ガスパチョをいただいているところにシャンパーニュを流し込むと、ガスパチョのパーツとして潜んでいるすいかの味がふっと浮き出てくる。
②白菜 … 発酵した白菜で、鯵などを巻く
③稚鮎 … 稚鮎は串に刺して焼き、鮎の骨などで採ったダシをもとに作ったブイヤベースをソースがわりに。
④茄子 … 茄子の身をクリーム状にしたり、茄子の皮を薄っぺらくせんべい状にしたりして、内側にシラスを盛る。
⑤大根 … どういう仕立てか思い出せないが、カリカリ食感と上に乗せたキャビアの組み合わせが何とも美味しかった。
⑥とうもろこし … クネル。ブルゴーニュ・シャルドネがぴたり。
⑦兼ね合い … 牛肉のロティ、牛肉の赤ワイン煮など。ブルゴーニュのピノノワールの中でもやや濃厚なポマールを持って来たのはホームラン。特に、野菜で作った皮に包まれた牛肉の赤ワイン煮とよく合う。ブフ・ブルギニヨンと合わせるイメージかなぁ。
⑧マンゴー … アヴァン・デセールとして。タルトのようにマンゴーが盛られている。
⑨赤紫蘇 … グラン・デセール。赤紫蘇の皮がシャッキリした酸味を形成。
◆ワイン
❶Champagne, Guy Larmandier, "Signe Francois" Grand Cru, Millesime, 2011
❷Austria, Hinter Der Burg, "Prager", Gruner Veltliner, 2023
❸山梨県 Domaine Passerelle, Passerelle Rose, 2024
❹Spain, Garcia Georgieva, "100% Malvasia", 2021
❺日本酒, 石川県, 山吟原酒, 平成24年度
❻Bourgogne, Jean Chartron, Saint-Aubin 1er Cru, 2022
❼Bourgogne, Lucien Le Moine, Pommard 1er Cru "Les Epenots", 2021

2025/08/17 更新

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