2回
2015/07 訪問
ハマの裏路地にある隠れ家的なイタリアン
(2016/11/26記載)
2015年7月上旬の日曜日、久しぶりの日本を満喫すべく、「美味しくて優雅、かつ横浜駅周辺」というキーワードをベースにこちらを予約した。
予約したのは2ヶ月程前だが、当日は日曜の夜にも関わらず、「予約で満席」の札が掲げられていた。
横浜の鶴屋町という、飲み屋がメインの立地ながら、僅かにそこから外れた路地裏に、お洒落なレンガ造りを思わせる佇まいがある。
店内は1階がカップル向けのテーブル席が2~3席とワインセラーと厨房、2階席がテーブル席10席程度で落ち着いた雰囲気になっている。
今回は4名でかなり早い段階から予約したということもあって、2階席の少々奥まった個室的なところを準備して頂いていた。
こちらのお店はディナーについてはアラカルトではなく、前菜・ピザ・パスタ・食後をそれぞれ数種類のメニューから選ぶタイプ。
2種類あるコースの違いは、メイン料理を注文するかしないかというところで、メイン無しのものは4300円、メインありは6500円となっている。
今回は4名ともメインありで注文した。
なお、4名で注文をした場合は、ピザ・パスタについてはもちろんバラバラで注文することも出来るが、ピザを2枚、パスタを1種類注文してシェアすることも可能。
前菜はスモークサーモン、鮎のコンフィ、ホワイトアスパラガス等をそれぞれ注文、ピザは黒オリーブのピザと生しらすの3枚限定ピザを、パスタはポルチーニ茸のオイルパスタ、メインはシャラン鴨、ラム肉、霜降り豚肉等をそれぞれ注文した。
ワインは泡と赤をそれぞれボトルで注文し、食事に合わせて提供して頂いた。
テーブルセッティングもお洒落。
これから始まるディナーへの期待が高まる。
味は全体的にしっかり目で、料理によっては少し塩を強めに効かせているものもあった。
こちらは前菜のスモークサーモン。
低温でスモークしたこちらのお店自慢の一品。
季節限定の前菜である鮎のコンフィ。
こちらは絶品、骨まで美味しく頂くことが出来る。
メニューについてはもちろん季節によって変わるものもあるが、それでも前菜であればスモークサーモンはこちらの定番メニュー。
厚切りにされたスモークサーモンは、その厚みからは想像出来ない程柔らかく、スモーク加減も少々強めに効いている。
また、6月に解禁されたばかりの鮎については、天然のものを10時間近くかけてコンフィにしたとの事。
塩加減が少々強い気もするが、鮎の旨味をしっかりと閉じ込め、骨まで全て食べられる程の柔らかさに仕上がっていて絶品であった。
季節限定ではあるが、非常にオススメの一品。
一方のピザは全体的に上品な仕上がりであった。
生地はクリスピーまではいかないが、薄めでもっちりとした食感。
ところどころにある焦げが良い具合で味わいにスモーク感のインパクトを与えている。
黒オリーブのピザ。
文字通り黒オリーブの味わいが前面に出ている。
存在感が控えめの生地に対してオリーブの風味がストレートに効いていて味わいのコントラストが新鮮。
今まで見たことも味わったこともないタイプのものであった。
一方で生シラスのピザについては、ガーリックをベースに、ほんのり塩気の効いた生しらすの味わいと、焼き上げた後にのせられた水菜の食感がバランスよく味わえる。
泡との相性も良く、女性受けは抜群の味わいであった。
パスタについては旬のものということで、この時期にたまたま入荷したポルチーニ茸のオイルパスタを注文した。
1人ずつに取り分けて提供されたが、コース全体のボリューム感からすれば十分な量であった。
量はそこまでではないが、濃厚なポルチーニ茸とチーズの味わいでしっかりと満たされる。
軽くかかったチーズがアクセントになり、ポルチーニ茸の独特の味わいが一層引き立てられていた。
オリーブオイルのソースは素材の味の邪魔をせず、泡や白ワインとの相性も良い。
メインだが、思っている以上にしっかりと量がある印象。
豚については恐らく150グラムくらいあるのではないかというボリューム感であった。
豚の味わいは至ってシンプル。
厚く切られた肉の中に絶妙の火加減で火が通されており、炭火の味わいと塩の味というシンプルな味付けが素材の旨味を引き立てる。
メインのシャラン鴨。
豚肉のソテー同様に、ソースではなく素材の持ち味を生かした調理が嬉しい。
最後はデザートだが、これも手を抜かずにしっかりと自家製のものであることがわかる味わい。
食後のデザート。
甘さ控えめで果実の味わいがしっかりと感じられる。
食後のデザート。
トータル4種類の中から好きなモノを一つ選ぶことが出来る。
食後のエスプレッソ。
他にもコーヒーやカプチーノも選ぶ事が出来る。
食後のカプチーノ。
しっかりとイラストを書いてくれる演出がニクい。
食後のカプチーノ。
こちらはウサギのイラストが書かれている。
お値段は抑えめながら、味わいボリュームは一流、ワインもリーズナブルなものからそこそこプレミアムなものまで揃っており、バランスが良い。
今回は4名でメイン付きコースをオーダーし、ワインを2本ボトルで注文し、トータルで45000円程度。
この料理・雰囲気・立地を考えれば、リーズナブルとまでは言えないが非常にコストパフォーマンスの良いお店であることは間違いない。
一方で、ディナーの予約は必須なので、行く日にちが決まった際にはすぐに予約をしたほうが確実。
2016/11/26 更新
(2020/12/19記載)
こちらは以前に何度か来たことがあるが、その料理のレベルの高さや雰囲気等がとてもよく人気店なのだが、思い立ってフラッと行けるようなお店ではなくとにかく予約が困難なことで有名。
そんなこちらのお店が1Fをハイチェアースタイルに変え、メニューもピザのみとカジュアルなスタイルに変えて営業を始めたということで行ってみることにした。
訪れたのは2020年11月上旬の日曜日、この時は同行者に数日前に予約をしてもらったのだが、なんとか1席のみ空いているというラッキーな状態。
こちらは店舗外観。
知らないと通り過ぎてしまうような周囲に溶け込んだ造り。
店先には「本日はご予約にて満席です」の札が掲げられていた。
こちらは店内の雰囲気。
以前は1F席もテーブル席になっていており、ここでも10席程度はあったような記憶があるが、改装されてからは写真に写っている丸テーブルが3つ、4名で使えるテーブルが1つになっていた。
メニューはとてもシンプル。
こちらはドリンクメニュー。
メニューに載っているものはグラスのワインのみだが、好みと等を伝えるとレストランコーナーで出しているボトルワインも提供してもらえる。
2Fのレストランコーナーとは異なり、軽い前菜系の料理がいくつかリストアップ。
また、メニューにはないその日のスープやアペタイザーも何種類かあるようで、スタッフの方が口頭で説明してくれるのでそちらをオーダーするのものあり。
こちらはこのコーナーメインのピザのメニュー。
1500円程度からと、そこまで高い金額ではない。
また、こちらもメニューに載っていないものをスタッフの方が口頭で説明してくれる。
今回は前菜に「タコのサラダ(1000円)、ピザとして「マリナーラ・カンブーザ(1500円)」と「ガレオーネ(1900円)」をオーダーした。
そしてワインは折角なのでボトルでオーダー。
イタリアの「グラン マエストロ」が造る白ワイン。
シャルドネメインで、フレッシュな酸と共に凝縮されたフルーツの甘味もしっかりと感じられるタイプ。
市価1500円程度のものではあるが、こちらでは5000円で提供されており、少し高い感じもしなくはない。
しばらくすると「タコのサラダ」が提供された。
周囲にはザクロの実と黒オリーブが散らしてあり、見た目もなかなかオシャレ。
タコは弾力があるみずみずしい舌ざわりで、2名で頂いても十分なボリューム感。
しばらくしてから提供されたのが「マリナーラ・カンブーザ」。
サイズは30センチ程度といわゆる普通のピザより少し大き目かどうか、というところ。
生地はかなり薄めで、見た目は焦げ目も付いておりパリパリした印象もあるが、意外としっとりとした食感。
トマトの甘味がしっかりと凝縮されたソースにニンニクとオレガノの風味がしっかりと活かされているとてもシンプルながらお店のスタイルが現れるピザ。
そして最後に頂いたのが「ガレオーネ」。
こちらは自家製ハム、モッツァレラ、パルミジャーノをベースに黒コショウや西洋わさびで味を調えたピザ。
ソースはトマトベースではなくチーズベース。
自家製ハムのしっかりとした味わいと塩気がモッツァレラやパルミジャーノの味わいととても相性が良い。
そして、ピザの一番上に乗せられている西洋わさびが味にアクセントを与えており、先に頂いたトマトベースのマリナーラとは正反対の印象。
今回はガッツリ食事というよりも、飲みながらつまむというスタイルで過ごしたが、2名でトータル11000円程度。
決して安くはないが、この味わいとこの雰囲気、そしてこの接客ということであればそれくらいの金額は出しても良いと感じる。
ただ、折角美味しい料理をボトルワインと共に頂くのであればやはり2Fのレストランコーナーでしっかりと味わいたいもの。
1Fのピザコーナーはグラスワインやビールと共にピザを楽しむというスタイルの方が良いかも知れない。