3回
2024/12 訪問
ひたひたと打ち寄せる濃厚なうま味
夏に訪問したレストランですが、発酵や熟成など巧みな技量に感銘をうけ再訪をたのしみにしていました。場所は神保町、駅からもちかくアクセスはとてもいいですね。ビルの地下にありますが、かるい緊張感をおぼえるような、レストランの醸し出す雰囲気がいい。
今回もペアリングで(◎はのみもの)。
◎ ブルゴーニュのスパークリング(ウェルカムドリンク)
◎ ロゼ
◆ ヤムソムオー(文旦、帆立、蕎麦の実、ライスペーパー)
ソムオーは柑橘系のくだもの、ナッツ類の食感もよいスパイシーなシーフード、ココナッツミルクのヨーグルトと和えればまろやかに
◎ Alsaceのリースリング
◆ 生渡り蟹
こちらのシグネチャー、3年熟成された赤酢でやさしくマリネされ味噌と和えれば渡り蟹の濃厚な甘味、海の香りがひろがる
◎ ロワール(シュナンブランのオレンジワイン)
◆ 見蘭牛、ジャスミンライス麺、ベルガモット、キャビア
ベルガモット、パクチー、レモングラスなどのハーブが2W熟成された見蘭牛をつつみこみ複雑なうまみがひろがる、炙りくだかれたジャスミンライスともち米の食感もとてもよい
◎ オーストリアの白
◆ 甘鯛、蕪 レッドカレー こぶみかんの葉
うつくしく松笠揚げされた甘鯛をハーブ、甘とうがらしの複雑だが主張の少ないレッドカレーといただく、神経締めされた甘鯛は身のしまった甘味
◎ ブルゴーニュ シャルドネ
◆ 車海老、バンダンリーフ、パクチーの根、梨、ココナッツ
車海老をハーブや果物とたたきバンダンリーフで包み焼きした一品、車海老の重層なうまみ、甘み
◎ ココナッツミルク
◎ ブルゴーニュ赤
◆ 見島牛 平茸 レモングラス ガランガル
牛骨とレモングラスの濃厚な熟成された牛スープ、クリアだが深みがとてもよい、雪の中でとれた平茸は味が凝縮されている
◎ ジュブレ シャンベルタン
◆ ほろほろ鳥 発酵玉葱 青唐辛子
スパイシーな青唐辛子と発酵玉葱、ココナッツミルクがまろやかな奥行をだすフレッシュなグリーンカレー、ほろほろ鳥の肉質もよく重厚な一品
◎ ローヌ シラー
◆ ソフトシェルクラブ 地鶏卵
ソフトシェルクラブの卵カレー炒め、ジャージー牛をくわえマイルドなカレー味だが、複雑なスパイスで味に深みがある、セロリは計算されつくした食感
◎ パッタイ
サービスの一品、タマリンドや魚醤のうまみをかんじ、とても上品な味つけ
◆ Alsace ゲブルツラミュネール
◎ カスタードプリン(松の実、フェンネルシード、マンダリン)
◎ レモングラスのハーブティー
こちらのレストランはタイ料理と一言ではくくれないくらい熟成、発酵などを駆使したうま味が特徴、シェフの卓越した技量や料理、食文化にたいする探究心をかんじます。11月にタイ出張した際、現地スタッフといわゆる星付きへ行きましたが、それもかすむくらいのうま味が印象的。シェフは本国でも腕をふるわれていた方ですが、タイの伝統的な調理方法と日本の食材を見事に昇華させたお料理にはうならされるものがあります。この日同席した他のお客様方もそれぞれにこちらのお料理を楽しみに訪問されたようで、不思議な一体感をかんじる夕べの集いとなりました。たいへん満足した時間を過ごさせていただきお店には感謝です。
ブルゴーニュのスパークリング(ウェルカムドリンク)
ロゼ
ヤムソムオー(文旦、帆立、蕎麦の実、ライスペーパー)
Alsaceのリースリング
生渡り蟹
ロワール(シュナンブランのオレンジワイン)
見蘭牛、ジャスミンライス麺、ベルガモット、キャビア
オーストリアの白
甘鯛、蕪 レッドカレー こぶみかんの葉
ブルゴーニュ シャルドネ
車海老、バンダンリーフ、パクチーの根、梨、ココナッツ
フレッシュココナッツミルク
ブルゴーニュ赤
見島牛 平茸 レモングラス ガランガル
ジュブレ シャンベルタン
ほろほろ鳥 発酵玉葱 青唐辛子
ジャスミンライス
ローヌシラー
ソフトシェルクラブ 地鶏卵
パッタイ
Alsace ゲブルツラミュネール
レモングラスのハーブティー
2024/12/28 更新
2024/08 訪問
日本人だからこそうまみのわかるタイ料理
こちらのレストランはマイレビ様のご投稿で知りました。暑い日がつづく毎日ですが、こうした時期にはエスニック料理への渇望感が強くなります。場所は神保町、私個人はほとんど利用することのない駅ですが、駅から至近。
お料理はコースですが、ペアリングで楽しむこととしました。
店内ですが、グレー基調のシックな雰囲気、カウンターのみ6席。ちょうどシェフの目が届くギリギリの人数なんでしょうね。
(以下 *はペアリングしたドリンクです)
席につきさっそくアルザスのスパークリングワインを。
◆ カオヤム
目にも鮮やかな彩り、レモングラス・河内晩柑・和三盆・ココナッツなどを魚醤ベースのドレッシングでいただくサラダ
レモングラス、柑橘系の酸味でさっぱりとしたサラダ、ココナッツで味に奥行を
◆ プードーン
メスの渡り蟹を魚醤などでつけた渡り蟹、スパイシーだが渡り蟹の濃厚なうまみ
* マデイラのワイン(紹興酒のようなトーンがプードーンによく合う)
◆ ヤムマクア
焼き白茄子、タイの伝統料理の一つ、アオリイカ、白茄子、車エビ、白エビなど
イカ、エビの甘味をコリアンダ、ナッツと絡み、さらに炙られた白茄子のチャコールの香りと複雑な味・うまみがよい
* シャブリの硬質さとともに
◆ チューチープラ
甘鯛の松笠揚げをレッドカレー、ハーブ、唐辛子などのスパイシーなソースをかけていただく一品
身のしまった甘鯛の上質な甘味を上品なスパイシーソースが包み込む、松笠の食感もアクセント
* ピノノワール 軽い赤、きれいな酸味がよい
◆ ジンソム
タイ北部の伝統料理、ジャスミンライスと塩で乳酸発酵させた黒豚料理
熟成された豚肉の酸味をバナナの葉の香りがつつみこむ
* 新政 陽乃鳥(濃密な甘味と酸味のバランスが取れた酒)
◆ 熟成されたココナッツの生絞り
まったりとしつつもフレッシュで香りがよい
◆ トムセープ
タイ東北地方の郷土料理
レモングラス、生姜などハーブをふんだんにつかった煮込み料理、乳酸発酵されたスペアリブを滋味深い
◆ ゲーンキャオワーン
グリーンカレーは青唐辛子、レモングラス、クミン、ココナッツミルクなど複雑かつ奥行あるスパイシーな甘さ
滋味深い牛ヒレとともに
◆ ゲーンカリー
こちらはまろやかなうまみを感じるイエローカレー
* ローヌの白と北海道のピノノワール
◆ パッタイ
おまけの一品、魚醤の酸味、甘味をたっぷりと吸い込んだ平打ち麺
◆ サンカヤー
枝豆のカスタードプリン
* 新政 見えざるピンクのユニコーン(エレガントな酸味の貴醸酒)
菩提泉 (キレと深みのある貴醸酒)
こちらのレストランはタイ料理の個人的な概念がかわるほどの鮮烈な印象をうけました。バンコクでもランクのたかいThe Localというレストランで何度も食事していますが、こちらはレベルが違います。素材のもつ本来の味に発酵や熟成という一手間、二手間を加えつつ、ふんだんのハーブや魚醤、スパイスなどで上品かつ繊細な味付けをされたお料理の品々。シェフはタイでもしばらく修行なさっておられたようで、タイの伝統料理に造詣がふかく、教えていただかなければ知ることのないお料理の品々に出会うことができました。
スパイシーなお料理がおおいのでペアリングはどうかなとおもっていましたが、硬質な白や軽い赤、オークを感じる白・赤、そして貴醸酒やマデイラなどお料理をみながら上手にくみあわせ、よく工夫されているな、とかんじました。
元は名古屋でお店を開かれていて名声をほしいままにしていたお店が都内に進出されたとのことですが、まもなく同じことがこちらでも起きるでしょう、そんな予感がします。
また季節をかえて再訪したいお店となりました。
アルザスのスパークリングワイン
カオヤムの素材
カオヤム(ライスサラダ)
プードーン(渡り蟹の魚醤づけ)
紹興酒のようなマデイラが合う
ヤムマクア(焼き白茄子のサラダ)
硬質なシャブリ
ジンソム(タイ北部の乳酸発酵肉の伝統料理)
搾りたてのココナツミルク
トムセープ(タイ東北地方の煮込み料理)
イエローカレー
グリーンカレー
ジャスミンライス
ジャスミンライス
ロワールの白と北海道のピノノワール
パッタイ
新政
菩提泉
ジャスミン プリンに花びらを
カスタードプリン
2024/08/10 更新
暑い季節には体がエスニック料理を求めますが、今回はこちらのお店へ、神保町駅からは至近の場所です。タイ料理は好きで、タイへの出張時にも現地スタッフとかならず行きますが、こちらは本場との比較でも第一級と感じています。
今回もペアリングでお願いしました。本日いただいたものですが(◎はワイン)、
◆ ヤムソムオー
柑橘類(文旦)、ホタテ、車海老を使ったスパイシーなサラダ、ココナッツミルクのヨーグルトでまろやかな風味としつつもナンプラー、ライム、唐辛子などのスパイスの辛味、酸味、甘味が調和、蕎麦の実やカシューナッツの食感もよい
◎ シャルドネ100%のシャンパン
ふくよかなミディアムボディ、スパイシーなサラダによく合う
◆ プードン
こちらのお店のスペシャリテ、熟成された赤酢、酒粕、レモン、ココナッツ、(青)唐辛子で漬け込んだ渡り蟹、渡り蟹の濃厚なうま味と甘味をスパイシーな味付けで引き出す一品
◎ ゲヴェルツトラミネール(アルザス)
熟成した果実の甘味が特徴の白、スパイシーな味がひろがった口中をリセット
◆ ヤムマクアバオ
こちらもタイの伝統料理、ナンプラー、ライムなどで味を整えられた白イカ、車海老、黒豚、茄子のサラダ、様々な味わいを楽しむが主役はチャコールでローストされた茄子の香ばしい香り、発酵したジャスミンライスが味に奥行を与えてくれる
◎ ボジョレー
ストロベリーのかおりが、ローストされた茄子の魅力を高めてくれる
◎ 仙禽(9年の熟成酒)
お店からワンドリンク、熟成された酒米のカラメル、燻製のような香りを楽しむ
◆ チューチープラ―
美しく松笠揚げされた甘鯛をレッドカレー、ココナッツミルクが包み込む一品、甘鯛の上品な甘み、香り、きれいな脂をレッドカレーの複雑な辛味が重層的なうま味へ昇華、松笠が目にも美しい
◎ オーストリア白
フレッシュな柑橘類の香り、口当たり、チャーチ―プラ―との相性も良い
◆ クンホーバイトゥーイ
香りのよいバンダンリーフにつつまれた車海老、豚の背脂とココナッツがよく叩かれた車海老の甘味と濃厚なうま味を引き出す、バンダンリーフの香りもよい
◎ ムルソー
バニラの香りが鮮烈、ミネラル分もたっぷりの硬質的なフルボティ
◆ トムセーブ
タイ東北部の郷土料理、牛のテールや北海道の様々なキノコをレモングラス、唐辛子、ライム、生姜などのハーブで煮込んだスープ、キノコの野趣に富んだ滋味、牛テールの濃厚な奥深さを楽しむ
◆ マッサマンカレー
カルダモン、八角、レモングラス、シナモンなどのスパイスをふんだんに使ったチキンカレー、マイルドな甘さ、酸味、辛味、とてもスパイシーで複雑な味わい、チキンは力強さをかんじる弾力ある地鶏
◎ シャンボールミュジニー
これがペアリングに入っているとはおどろき、しなやかななめし革のような口当たり、タンニンはやさしい、若いが実力をかんじる赤
◆ パッタイ
上質な米粉が、海老、厚揚げ、卵、もやし、ニラ、ピーナッツなどの具からでたうまみやナンプラー、ライムをたっぷりと吸い込み上品に仕上がっている
◎ シュナンブラン100%の貴腐ワイン
マスカットやアプリコットのような香り、貴腐ワイン特有の濃厚な甘みがひろがる
◆ カスタードプリン
店主様はタイ星付きレストランで腕をふるいつつ、タイの郷土料理も研究なさった経歴。タイの食文化にも造詣が深いことから、タイ料理の本質を踏まえつつ、日本の食材を上質なタイ料理へと昇華されています。そこがこちらのお店の最大の魅力と感じています。今回は夏ということもあり、発酵食材はあまりお使いになっておられなかったようですが、軽やかにいただけるメニュー構成でとてもいいな、とかんじました。
ペアリングでいただいたワインもすばらしく、お出しいただいた料理との相性はとてもよかったです。ワインが主役になってはいけませんが、お料理の魅力を存分に高めてくれました。
とてもいい時間をすごすことができました。