1回
2018/01 訪問
お手頃だけどサービスも味のクオリティも抜群のフレンチレストラン
2018/05/29 更新
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嫁の誕生日。フレンチに行きたいと急かされていた。正直守備範囲外だ。イタリアンならお手頃で感激できることもありたまに使うこともあったが果たして．．．
色々と探している内に当店のHPに辿り着いた。曰く、「高品質でお手頃価格のプチ・レストラン」を目指しているとのこと。かけがえのない時間作りと幸福感を持ってもらいたいとも。まさに探していた言葉たちだ。HPにある皿の写真もシンプルだが美しい彩に溢れている。
ここだ！と決めて予約を取る。誕生日であることを相談すると簡単ながらメッセージも添えてデザートもサービスして頂けるとのこと。有難い。
当日は滅多に食さないフレンチということもあって朝から二人で楽しみにしていた。名古屋の街中でもかなり寒かったが、そんなことはお構いましにレストランへ一直線。ここか？と見つけて入口の近くまで行ってみると中から店員の方がドアを開けてくれた。名前を告げて一番奥のテーブル席に通される。厨房はカウンター席だと見れるらしいが、一番奥の席も店内の雰囲気を味わうには良いポジションであった。
店名を冠したFloraisonコースを予約しておいた。お口取りからデザートまで6品と珈琲＋小菓子のフルコース。メニューを見た時から想像が始まる。待っている時も楽しい時間だ。お口取りに合わせて、嫁さんはほとんど飲めないもののせっかくの誕生日なのでフルーツシャンパンを、自分は普通のシャンパンを頼んで誕生日らしくした。フルーツシャンパンは見た目にもキレイで他の女性客も大概頼んでいるようだった。お口取りからして色鮮やかな一皿で適度な酸味が目からも舌からも食欲を増してくれる。その後は嫁さんの誕生日ながらも自分だけペアリング4杯のワインを頼んだ。
冷前菜は帆立と牡丹海老のタルタル。ソービニヨンブランの白ワインを合わせてくれた。非常に上品な甘さである。それに伴って追いついてくるケッパーの風味がパンチとなりキレもいい。タルタルであること、それを教えてくれる一皿だった。
温前菜はフォアグラのロワイヤル。今回のコースで一番気に入った料理であった。黒い器も渋い。上等なコクと鼻からぬけるトリュフの香りがたまらない。茸たちの渋みとも大変にあう。一緒に出てきたのはミドルくらいの赤ワインが出てくるかと思いきや、やや色が濃く、味わいも深い白ワイン。気に入り過ぎて後でソムリエに聞くとリースリングとピノグリージョということなので普通の組み合わせであるが、絶妙なペアであった。これだけ息の合う組み合わせには自分はなかなか出会えない。早くもご馳走様でした！という気分になる。
魚料理はブイヤベースのコンソメに浮かぶ甘鯛のうろこ焼き。こちらも新しい白ワインで。メニューにもあるクリアーの文字。見た目だけではなく味に対する自信からつけられたものと思う。スッキリキレているのに舌にほのかに広がる旨み。それに鯛の脂身とうろこの風味、食感がマッチする。勿論コンソメも残さずスプーンで頂いた。
肉料理は北海道産蝦夷鹿の低温ロースト。ここで大好きな赤ワインが登場。品種はマルベック。鹿肉で臭みは少ないものの野趣あふれる味わいだ。噛むほどに肉を食べていることを感じさせてくれる。そしてソースである胡椒のパンチがさらに肉の旨みを増し鼻から抜ける風味もいい。目と舌と鼻と3感が支配される。赤ワインもこの肉とソースを支えるに十分な重みをもったものを選んでくれた。
デザートには柑橘系のゼリーとチョコレートのムース？あまりスイーツを食べることはないが、食事の後でもサッパリとしっかりがバランスが取れていて美味しかった。その後に場を乱すことなく静かにハッピーバースデー♪を奏でるオルゴールとともにサービスをしてくれると言っていたメッセージ入りのデザートが。さりげなく入ってくるタイミングはさすがプロだなあと感じ入った。深謝。記念ということで店の方から写真を撮りましょうといってくれたのも嬉しいサービスだった。
これだけ料理もサービスもハイレベルなのに本当にお手頃なお値段であった。コンセプトに偽りなし。一つだけワインが好きな身としては総量が少なかったか。でも皿に合わせたペアリング、堪能させて頂いた。
なかなかフレンチに行く機会はないが、何かの記念日に再度訪れたいレストランである。
ご馳走様でした！！