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夜の点数:4.8
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¥10,000~¥14,999 / 1人
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料理・味 4.8
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|サービス 4.8
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|雰囲気 4.8
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|CP 4.8
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|酒・ドリンク 4.8
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[ 料理・味4.8
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| サービス4.8
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| 雰囲気4.8
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| CP4.8
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| 酒・ドリンク4.8 ]
フレンチのコースのクオリティをアラカルトで出してくる、すごいお店です
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2025/11/03 更新
新富町、八丁堀、宝町のちょうど真ん中。自分が書いたレビューを見返すと、最近この辺りを頻繁に探訪しています。行きたいけどまだ行けてない店もあるということは、それぐらい数多くの小さくて魅力的な路面店が周辺にあるのだな。
ビストロ・シンバは、これまで通ったビストロの中でも最高峰と呼べる一軒です。コースでの提供を主とするフレンチレストランと同じレベルの素材、調理、盛付けを、アラカルトでの注文を受けてから作り上げ提供してくれます。その剛腕には驚くばかり。店内の席数に比べてキッチンの人数が多いのも納得です(コースも設定されていますが)。
カツオの刺身(そんな呼び名じゃなかったけど、写真)には山菜が添えられていました。コゴミは、カツオの上に一本が丸ごと乗せられているだけでなく、茎の部分を硬めに茹でて短く切ってマリネしたものがカツオの下に敷き詰められています。歯応えに変化があって楽しい。行者ニンニクの葉に何らかの手を加えたものも脇に添えられており、味変担当として活躍していました。「楽しんでもらうためには、アイデアと手間を惜しまないぞ」という店の姿勢が感じられます。
そりゃまあ料理というものは、どこかで妥協せざるを得ないんだけど、妥協する(=諦める)タイミングがすごく遅い、というのは良い店の特徴です。
メインにはブイヤベースを注文。まず、海老や皮目を焦がした魚たちが乗ったスープ皿が席に届きます。続いて小さなストウブに入れられたスープが届き、それを自分でスープ皿に注いで食します。スープは濃厚なスープ・ド・ポワソン。魚とエビの出汁を煮詰めたもので、猛烈に美味しい。パンに付けたら、それだけでワインが進みます。
ワインは1万円前後から。好みを伝えると何本か目の前に並べてくれます。アルザスのオレンジをいただきましたが、料理にピタリと合いました。
ホールのサービスもソムリエも元気で明るく、お客さんに楽しい時間を過ごしてもらおうというホスピタリティで溢れています。
キッチンで忙しく働くシェフは、最初の一品であるアミューズを席に届けてくれて、そして帰る時にはドアの外まで送り出して挨拶をしてくれます。料理に火が入っている時間帯もあるだろうに、キッチンを抜け出して挨拶を継続するのはすごく難しいことだと思います。尊敬。
唯一気をつけなければならないのは、塩分量の総計が大きいこと。これなもうビストロの宿命なんだけど、アラカルトを前提としているため一品一品にしっかり塩を振らざるを得ず、結果としてトータルの塩分量が過大になってしまう。悩ましい問題です。
アラカルトで4品を食べて、食前酒とワインを1本飲んで、2人で25,000円。コスパも最強だと思います。違う季節にまた行きます。