4回
2025/07 訪問
そこにダニエルがあるかぎり
夏の日の夕暮れ、全てが橙色に染まる頃、美食と暴食を求め当店に伺う。
鍛え上げられた満腹中枢はこの時のために余念なく準備されている。
こちらは1967年東京虎ノ門にて創業。令和と昭和を融合させる名店。
事前に予約し、個室に案内される。
生ビールを注文し乾杯。喉を通る刺激と共に、その日一日の業を洗い流す。
◾️スープ
マッシュルームのスープ。濃厚なマッシュルームの薫りの破壊力と、旨味の爆発力によりスタートから悶絶する。
◾️冷前菜
平目のカルパッチョ、蛸とケイパーのサラダ、ラム肉のロースト、生ハムとブラータチーズ。特に、蛸とケイパーのサラダはディルが効き、蛸の食感との重奏が素晴らしい。またラム肉はほんのりラムの薫りが残り味が複雑化する。これをビールで流し込む。余韻が何物にも変え難い。
ここで角ハイボールをオーダー。
◾️温前菜
サルシッチャと水茄子のソテー。まずはサルシッチャ。肉肉しい豚肉の旨味が口中を突き抜ける。その後ハーブ(セージ)が薫る。ソーセージとは異なる荒々しさがそこにはある。またトロトロに火入れされた水茄子が主役級に主張する。これらとハイボールで、新しい扉が開く。
◾️魚料理
サーモンのグリル、トマトソース。サーモンは皮面はカリッと身はフワッと加熱され、タイムが薫る。そこに酸味のあるトマトソースやアサリの旨みが加わり、閃光が走る。
肉料理の前に赤ワインをグラスでオーダー。
◾️肉料理
ビステッカ、パルサミコソース。これも素晴らしい。牛肉は想像を超える厚切り。赤身ながら、しっとりとしており、心地良い弾力から最高の火入れと分かる。噛み締めると上品な肉汁が溢れ、旨味が弾ける。暴力的な美味さとボリュームに敗北。
◾️ダニエル
通常のコースのパスタをダニエルに変更して頂く(予約時)。こう言ったところの対応が嬉しい。
この期におよんで、パスタは一人一皿でサーブされる。そこには悲鳴か歓声かわからない唸り。
太麺で柔らかく茹でられたパスタに玉子がふんわりと絡む。そこにたま葱の甘味、ベーコンの塩味、マッシュルームの旨味、ブラックペッパーの刺激がアクセントとなり、ガーリックとバターの芳香が融合し、唯一無二のダニエルとなる。これと同時にチーズ、タバスコ、醤油、胡椒などの調味料がサーブされる。大量にチーズを投下しワシワシと嗜む。
市民権を得て久しいアルデンテパスタなどとは一線を画す。満腹中枢への攻撃を代償とし、ここでしか出会えない至高に打震える。
◾️ペスカトーレバジリコ
追加でもう一つのこちらの名物であるペスカトーレバジリコをオーダー。バジリコと言いながら紫蘇であり、アサリや海老などの魚介が柔らか太麺のパスタに絡む。あっさりではあるが魚介の旨味が凝縮し、紫蘇の薫りが爽やかな余韻を残す。
そして静かに満腹中枢へ打撃を与える。
◾️デザート アイスコーヒー
セミフレッド。フワッと半解凍されたアイスにラズベリーやドライフルーツなどが投入される。甘さ控えめで食感が楽しく拍手喝采である。
店員の皆さんの動きも素晴らしく、声掛けやサービスのタイミングなど適切で、何より皆さんの笑顔に平伏する。
Cコースにバジリコ追加し、ビール、ハイボール、ワインをしこたま頂き、11,000円強。
満腹中枢は著しく損傷。
そこにダニエルがあるかぎり。
ご馳走様でした。
2025/08/12 更新
2025/02 訪問
全てに感嘆
春も近づき飲もうということで伺う。
大人数で伺っため、入口が異なる奥の個室に案内される。隠れ家感満載で大満足の個室である。
おまかせコースを予約時にオーダー。
生ビールで乾杯。
まずはスープ。さつまいものポタージュにフォアグラのフライ。フォアグラがとろける。ビールを一気に飲み干す。
続いて前菜盛り合わせ。鮪(中トロ、赤身)のカルパッチョキャビア添え、ホワイトアスパラガスのムース、蟹のコールスローとバケット、タラの芽のフリット。酒飲みには堪らないラインナップ。どれも申し分無いが特にホワイトアスパラガスのムースには恐れ入った。口の中に入れた瞬間に溶けるムースが絶品。ここから白ワインに変更。
続いて鴨のロースト。ジューシーな鴨肉。火入れは絶妙。
魚料理は鰆のパイ包焼き。しっかりとしたソースにパイと鰆が絡まり至高。白ワインを瞬殺。
肉料理は牛肉のロースト。赤身のお肉がしっかりとした味わいを残し、赤ワインソースが重厚に支える。思わず唸る。
締めはダニエル。1人1皿提供。パルメザンチーズをたっぷりとかける。チーズ、たま葱とバターの風味が広がりベーコン玉子が包む。太めのパスタが絡む。少し甘めのオイルが延髄を揺さぶる。
最後はデザート。
おまかせコースにビール、白ワイン、赤ワインをこれでもかと頂き12,000円。
ご馳走様でした。
2025/11/02 更新
2024/12 訪問
パスタ以外も至高
東京虎ノ門にあるパスタの名店が大阪肥後橋近くで店舗を構え、早10年。あまり知られたく無い名店。
ディナーで伺う。
おまかせコースを予約時にオーダー。
個室に案内される。
まずはイタリアビール/モレッティで乾杯。
あっさりコクもあり一気に飲み干す。
【前菜】スイートトマトのブルスケッタ、フォアグラのフライ。ブルスケッタはサクサクでフルーツトマトは嫌味のない甘さ。思わず唸る。フォアグラのフライは外はサクッと中はトロトロ。これには卒倒。
【冷菜】ラフランスと生ハム、カブ(もものすけ)の雲丹添え、本鮪のキャビア添え。
これは圧巻。まずは生ハムとラフランス。生ハムの塩味とラフランスの甘みと酸味が、この上無い相乗効果を生む。雲丹とカブは、カブの甘みと雲丹の濃厚さが絶妙で脱帽。本鮪のキャビア添えは言うまでも無く美味い。本鮪赤身の最高な旨味をキャビアの塩加減が引き立たせる。くぅぅっ!美味い。ビールを飲み干す。
【温菜】
牡蠣と百合根のオーブン焼き。これも絶品。熱々トロトロの牡蠣と百合根がチーズとホワイトソースと入り混じる。ここで白ワインをオーダー。白ワインで牡蠣の旨味を流すと言葉にならない。
【魚料理】
金目鯛のソテー松茸ソース、リゾットと共に。
金目鯛の旨みが爆発し、その後松茸の薫りが包む。スープとクリームで炊かれたリゾットと共に食すと最強のコラボ。白ワインが止まらない。
【肉料理】
ビステッカ 肉の赤身が柔らかくジューシー。赤身の野生味が直撃し脳髄を揺さぶる。圧倒的美味さの前に平伏す。赤ワインで流し込むと至福の時が訪れる。
【パスタ】
その後、パスタ。
こちらのパスタは唯一無二の逸品。
ペスカトーレバジリコ。
青紫蘇の薫りが爽やかで魚貝の旨みが突き抜ける。パスタは太麺でもちもちとしており、イタリアンのパスタとは一線を画す。だが美味い。
追加でダニエルをオーダー。オイルが甘く上品かつ繊細。ベーコン、卵、たま葱、シャンピニオンが一体となり懐かしくも新鮮。やはりこれは外せない。お腹一杯なのにズルズル啜る。
【デザート】
最後は、デザートとコーヒーを、いただく。
柿のコンポートはクローブが効いて美味い。
ホールの方々の適切な声掛け、心配りに感謝。素敵な時間を頂き大満足。
パスタは当然美味いが他の料理も至高。シェフのレベルの高さを伺える。
おまかせコース8,000円、飲み放題2,000円。
この料理にてこの価格。笑いしか無い。
ご馳走様でした。
イタリアビール モレッティ
前菜 ブルスケッタとフォアグラのフライ
冷菜 生ハムラフランス、カブと雲丹、本鮪キャビア
温菜 牡蠣と百合根オーブン焼き
魚料理 金目鯛松茸リゾット
肉料理 ビステッカ
デザート
2024/12/04 更新
一日毎に冬に近づくこの時期。秋麗と憂愁の間に思いを馳せる。
夕闇に浸されるビジネス街。辺りを温かく照らす一角。そこが当店。
扉を開ける。店員さんの素敵な笑顔。最高のおもてなし。
店はほぼ満席。コースを事前に予約。個室に案内される。
まずはビールで乾杯。この瞬間の為に生きている。
◾️スープ 南瓜のスープ。南瓜の甘みが際立つ。濃厚な味わい。くどさは無い。飢渇の身体に浸透。
◾️冷前菜 パテドカンパーニュ、蒸し鶏、ポテトサラダ。どれも肴に適している。特にパテは脂と肉の調和が卓越。
◾️ピザ クアトロフォルマッジョ。ハチミツをかける。甘じょっぱさが後を引く。そこに生ビールを流し込む。まさに至高。
◾️温前菜 芽キャベツと茄子のアーリオオーリオ。芽キャベツの甘み。ガーリックの薫り。シンプルであるが素晴らしい。
◾️魚料理 鰆のグリル。鰆の旨味が溢れる。ソースと絡み合う。スパイスが薫る。思わず唸る。
◾️肉料理 ビステッカ。塩で頂く。火入れが絶妙。赤身のストレートな美味さ。豪速球にやられる。笑うしかない。
◾️パスタ① ダニエル。真打登場。チーズと胡椒を投下。玉子の優しさ。もっちりとした麺。そこにベーコンやたま葱の薫り。味変で醤油やタバスコも楽しい。シナプスが震える。
◾️パスタ② ペスカトーレバジリコ。魚介の旨味。大葉の薫り。もちもちのパスタ。波状攻撃にやられる。爆笑しかない。
◾️デザートとコーヒー シャーベットとコーヒーを頂く。大満足。天を仰ぐ。
個室ではあるが適宜店員さんに声掛けて頂く。会話や雰囲気を壊すことは無い。質問などには適切に対応。サービスの真髄。
コースにドリンクのフリーフローを付け8,000円。
サービス、料理、価格全てにおいて大満足。まさにシナプスが震える。
ご馳走様でした。