4回
2025/07 訪問
北新地の中で北新地を忘れた
大阪で最も暑い日は天神祭頃と言われる。そんな日に暑気払いということで再訪。
北新地の街は炎暑で喧騒に満ちているが、当店は落ち着き閑静。北新地を忘れる。
まずは瓶ビール(アサヒ)を注文し乾杯。
炎暑で渇きった体内に染み入る。
◾️ダシと半田そうめん
スタートから麺類に吃驚する。しかしこれが正解。山形のダシに半田そうめん。ダシは茗荷、紫蘇、オクラ、茄子、胡瓜と言った細かく切った野菜に冷やした出汁つゆがかかる。そこにツルツルの半田そうめんの喉越しが素晴らしい。最高のスタートに感動。
◾️よだれ鶏
よだれ鶏の一般概念から異なる様相に一瞬たじろぐ。塩麹で漬け込み低温調理された鶏に、唐辛子や山椒の効いたラー油にたま葱、胡麻ダレなどが入る。鶏自体も柔らかく味わい深い上に、しっかりとよだれ鶏の麻辣、そこに濃厚な胡麻が加わる。刺激と驚きに感電。
◾️自家製メンマ
麻竹が手に入ったとのことでママの手作り。シャキシャキとした食感に辛味、薫りが共に素晴らしく、ビールのおつまみに最高である。ちょっとした一品として出てくるレベルの高さに感涙。
◾️造り二種盛り
鮪と烏賊。鮪は赤身で旨み十分、烏賊はねっとり、下足はコリコリで美味い。ここにビールを合わせる。旨みと喉越しに完敗。
◾️そうめん南瓜
そうめん南瓜そのものを初めて頂く。南瓜から柔らかくホクホクした食感を想像するも見事に裏切られる。一本一本がシャキシャキと主張し、そこに甘辛い味付けがまとわりつき美味い。新たな出会いに感激。
ここでシーバス(ミズナラ)のハイボールを注文。
相変わらず絶品。
◾️ポテトサラダ(自家製タバスコ)
しっとり炊き上げたじゃがいもに胡瓜やたま葱の歯応えが心地よい。更にはベーコンの旨味も加わり申し分無い。そこに辛味と酸味の自家製タバスコを合わせる。味わいの積み上げに感嘆。
◾️万願寺唐辛子バター炒め
前回に引き続き今回も登場。今回の万願寺は辛味があったが、それがまた良いアクセントとなる。バターの香り万願寺唐辛子の食感とも素晴らしい。絶妙な火入れに感服。
◾️牛肉と筍すき焼き風
一見、白出汁と見まがう色味に牛肉と筍それに黄身がある。これがしっかりとした塩味と甘味。黄身を割るとまさに上質なすき焼きとなる。その変化と美味さに関心。
日本酒「石鎚」を注文。スッキリのみやすく素晴らしい。
◾️麻婆豆腐
豆板醤の辛味、甜麺醤の甘味、肉やスープの旨味、そこに好みで花椒の痺味を追加。小盛りのご飯と共に食す。そのバランスは完璧。
◾️ハンバーグ
手作りのジューシーなハンバーグ。口に含むと肉やソースの旨味が爆発。お腹一杯ではあるが重く無く軽くいける。上品な肉の美味さに感銘。
◾️ポークビンダル
締めはポークビンダル。これが最高である。ホロホロと崩れる豚肉が美味い。スパイスの華やかな薫りが鼻から抜ける。そこにビンダル特有の酸味。スタンディングオベーション。カレーとしての完成度の高さに歓喜。
最後にお土産の当店特製のレトルトカレー(ポークビンダルを選択)を頂く。
おまかせにビール、ハイボール、日本酒をしこたま頂き、11,000円程。
最後までおもてなしに感謝。
ご馳走様でした。
2025/08/12 更新
2025/06 訪問
料理、サービスとも素晴らしい
ママの作り出す美味い料理の数々と、店の方の心配りが素晴らしく再訪。
基本的におまかせで予約のみ。
まずはアサヒの瓶ビールで乾杯。
オクラと茗荷の和物。茗荷の風味が爽快で、さっぱり喉越し良く、初夏の暑さを考えたスッキリした出だし。スタートからやられる。
続いてトマトの煮浸し。こちらもさっぱりした味わい。出汁がトマトの甘味を引き立てる。
ここで箕面ビール、ヴァイツェンをオーダー。エールビール特有のフルーティさが美味い。
平目の薄造り。歯応えと柔らかさのバランスがよくイノシン酸の旨味が炸裂する。目が眩む。
蛸のネギダレ。これも絶品。コリコリとした蛸の食感が心地よく、ネギの芳香が鼻から抜ける。思わず唸る。
ポテトサラダに自家製タバスコ。ほっこりとしたポテトにきゅうりの程よいシャキシャキ感、そこにたま葱やベーコンの旨味が絡み素晴らしい。さらに自家製タバスコを添えると劇的な味変に感動。
ここでシーバスミズナラのハイボールをオーダー。文句無く美味い。
万願寺唐辛子のバターソテー。万願寺のシャキシャキ感が残りバターの薫りが後を追う。火入れが素晴らしい。そこにミズナラハイボールで流し込むとまさに至福の一時。
ローストビーフ。一口噛み締めると旨味の洪水に溺れる。牛肉を塩麹に漬け込む。アミノ酸と火入れ抜群の柔らかい牛肉。これが脳髄を揺さぶる。
揚げ出し豆腐と茄子の煮浸し。出汁が効いており心からホッとする味わい。心が和む。
ゴーヤの酢漬け。ここでゴーヤの酢漬けとは憎い。さっぱりした苦味が爽快である。胃が活性化され、更にギアが入る。
豚肉と大根の煮込み。豚肉は程よい食感で大根も滋味深く美味い。
ここでお勧めの日本酒をオーダー。素晴らしいコラボに卒倒。
名物の煮込みハンバーグ。しっかりとした味付けで肉本来の味わいがガツンとくる。そこに自家製のタバスコをつけると言葉にならない。これがまた日本酒と合う。
締め前におばんざいのリクエスト(おかわり)を聞かれ、万願寺唐辛子をリクエスト。この様なサービスに平伏。
締めに特性カレー。カルダモンやグローブの薫りが効いている。具の鶏手羽元はほろほろ。スパイスと旨味が絶妙なバランスで調和されている。美味さに喝采。
最後、お土産に海苔まで頂く。
ここまでのおもてなしに感嘆。
おまかせ料理にビール、ハイボール、日本酒などしこたま頂き、12,000円強。
料理、サービスとも素晴らしい。
ご馳走様でした。
オクラと茗荷の和物
トマトの煮浸し
平目のお造り
箕面ビール
蛸のネギ塩ダレ
ポテトサラダ自家製タバスコと共に
ハイボール シーバスミズナラ
万願寺唐辛子バターソテー
ローストビーフ
揚げ出し豆腐
ゴーヤの酢漬け
日本酒(銘柄失念)
豚肉と大根の煮込み
煮込みハンバーグ
スパイスカレー
2025/07/04 更新
2025/04 訪問
会員制の小料理屋
新地の上通りにあり、設え/外観から中々一見を寄せ付けない。会員制とのことでご紹介頂く。
まずは瓶ビールで乾杯。
わかめと山芋の擦り流し。わかめの海の香りと山芋の野趣溢れる香りの相乗効果に思わず唸る。
続いて箕面のクラフトビール/ヴァイツェンをオーダー。華やかで、フルーティな香り。
トマトの冷製おでん。出汁にトマトの甘みが加わり美味い。ヴァイツェンとのコラボが最高である。
鮃と蛍烏賊の刺身。蛍烏賊は肝が添えられ、それをつけて食べると卒倒ものである。一工夫が素晴らしい。
筍のチーズ和え、生ハム添え。薄く切った筍をパルメザンチーズ?で和える。筍のシャキシャキ感が心地よい。チーズの芳香と筍の甘み、生ハムの抜群の旨味が重なる。誠に恐れ入る。
万願寺唐辛子のバターソテー。万願寺唐辛子の火入れが絶妙である。食感が残り苦味もアクセントとなる。
この辺りで日本酒をオーダー。
麻婆豆腐。本格的な麻婆豆腐にワガママ申して花椒、唐辛子を別添えで頂く。これを添加すると鼻から花椒の香りが抜けて素晴らしい。
自家製ハンバーグ、自家製タバスコ添え。自家製ハンバーグはほわっと柔らかい。そこにアクセントで自家製タバスコを添えて頂く。これも絶品である。
締のラーメン。さっぱりした旨味溢れる、締めのお手本の様なラーメン。
お土産に特製レトルトカレーを頂く。この様な心遣いが憎い。
おまかせに、ビールや日本酒をけっこう頂き14,000円程。
ご馳走様でした。
2025/05/01 更新
明日をまちわびて、予約制の当店に伺う。
他との区別がつかないビル、決して大きいとは言え無いエレベーターにて4階まで上がる。扉の横にあるインターフォンを鳴らす。ここに入る神聖な儀式でもある。刹那、笑顔と共に店員さんが扉を開ける。
中に入ると静かでそれでいて暖かい空間が広がる。
まずは瓶ビールで乾杯。喉がなる。
◾️ふろふき大根と肉味噌 ホクホクに炊かれた大根に甘辛い肉味噌。シンプルながら滋味深い味わいに安堵感に似た落ち着きを感じさせる。
◾️出汁巻き玉子 出汁の味がしっかりと玉子の優しさを包み込み、思わず笑みがこぼれる。
◾️鮪の刺身 肉厚に切られた鮪が存在感を主張する。噛み締めるとイノシン酸の旨味が小躍りしてやってくる。
◎TAKE7の金柑ソーダ割。現在、ママ最善の飲み方。TAKE7はカルダモン焼酎、それをソーダ割し金柑を加える。カルダモンの気品ある芳香と、金柑の上品な香りと酸味、お互いがぶつかり過ぎることの無いマリアージュが束の間の至福をもたらす。
◾️蛸とトマトのマリネ 蛸のコリコリとした食感が小気味好く、適度にマリネされたトマトとオニオンがしっとりと絡む。アクセントとしてのバジルが相乗効果となり、口の中は幸せに満ち溢れる。
◾️ポテトサラダ自家製タバスコ添え ポテトの甘みやベーコンの塩味が素晴らしい。そこに自家製タバスコを付加すると一刀両断の切れ味により全てを更なる高みに導く。
◎麦汁44度のロック 一口含むと芳醇な麦の薫りが圧倒的な風圧で押し寄せ鼻から抜ける。
◾️万願寺唐辛子のバター炒め 万願寺唐辛子の絶妙な火入れはもはや芸術である。ショキショキとした食感にバターの香りと醤油の塩味に言葉を失う。
◾️牛肉すき焼き風 牛肉を頬張ると脂身の甘味がジュワッと躍り出る。黄身をつぶすと出汁が柔らかくトロリとした暖かさに抱擁される。
◾️麻婆豆腐花椒添え 花椒の痺れ豆板醤の辛味、そこに五香粉が効くことで、複雑かつ奥行き深さを演出する。
◾️春菊のお浸し 春菊特有の苦味が突き抜ける。何より火入れが見事であり食感が素晴らしい。
◾️茄子の煮浸し 出汁を含んだ茄子はトロトロでとろける。春菊との火入れの対比の面白さ、この順番で出すママの策略に震撼する。
◾️ハンバーグ 頬張るとたま葱の甘味が光速で弾ける。見た目から感じる重厚感とは異なる軽快感からその奥深さを知る。
◾️出汁のグリーンカレー さわやな辛味が後を引く。そこに大根や豚肉やきのこなどとの素晴らしい出会いが一層の味の幅を持たせる。
一品一品しっかり丁寧に仕上げられる。味付けも、さることながら、火入れや調理法、出す順番により圧巻の12品を構成する。また様々なお酒を最善の形で提供して頂ける。
お土産のレトルトカレーも頂き、まさに至れり尽せりな時間となる。
寒い夜だから、心も暖かくなる、そんなお店である。
おまかせにビール、焼酎、日本酒をたっぷりと頂き、14,000円程。
ご馳走様でした。