2回
2020/06 訪問
生まれ変わったHEINZBECK 新たな人気店の予感☆日本食材を贅沢に使った上品なモダンフレンチ
日本生命丸の内ガーデンタワー内にあったHEINZBECKが新たに生まれ変わり、店名も変え、「Plaiga Tokyo」として2020年6月17日にオープン!
HEINZBECKへ行こうとしHPを見たところたまたまこのニュースを知り、これは行かねば!と偶然の産物的に見つけたお店です。(裏話ですが)メディアやSNSでも情報が出回っていなく、事前情報ほぼゼロの状態ということもあり、色々なドキドキと共に念願のオープン3日目のディナーで伺いました。
1階のTRATTORIA CREATTAと入口は同じですが、2階はまた違った雰囲気あり、一足踏み入れると都会の真ん中の喧騒を忘れさせるエレガントな空間が広がります。
テーブル席、ボックスで仕切られたソファ席、個室の3タイプ。テーブル席はカーテンレールがかかり、ゆったりとした距離感もあるため、周りが気になることもありません。
サービスの方に丁寧に席に案内していただき、おすすめのグラスワインでスタート。
コースは15,000円と24,000円の2種類、今回は15,000円の方を頂きました。
《コース構成》
Menu Degustation(11品) 15,000円
1.熟成じゃがいものスモーク キャヴィアクリーム
出てきた途端にふわっと蒸したてのじゃがいもを思わせるいい香りがします。
粉もの系かと思いきや、中身を割ると中にもたっぷりキャヴィアクリームが入っています。ほんのり塩気の効いたキャヴィアがじゃがいもの甘さを優しく引き立てます。
2.入梅イワシと帆立貝のマリネ パッションフルーツ
下の葉っぱに見立てたものがパッションフルーツ。その上にイワシと帆立のマリネが乗せられています。
魚介の甘さや旨味がハーブで助長され、さらにパッションフルーツの甘みが後を追いかけてきます。
3.毛蟹とビーツピクルスのたこ焼き仕立て
たこ焼きのように仕立てられたこちらは中に毛蟹クリームがたっぷり入り、サイズ感に反して満足感しっかり◎
上に乗った真っ赤なビーツが見た目にも味にもアクセントを与え、生地はさくっと仕上げられています。
4.蝦夷鮑のショーフロア ミネラルクリーム 初摘み海苔のエキューム
肉厚ボリューム感ある鮑と雲丹をたっぷり贅沢に使った一品。
下には細かく刻まれた野菜入りのジュレが敷かれ、クリームを纏った鮑、雲丹を合わせながら頂きます。
5.馬肉とイカのタルタル キャヴィア乗せ
フォアグラがあまり得意でないため、別メニューを用意していただきました。(通常はラズベリーを纏ったフォアグラのテリーヌ コーヒーのクランブルです。)
馬肉とイカの組合せは初めてでしたが、ねっとり食感同士、味も旨味と甘みたっぷりで相性抜群です。
6.有機野菜のヴァリエ
いったん小休止目的も兼ね、ここで野菜がワゴンで運ばれて、綺麗にテーブルに並べられます。
左からじゅんさいとセロリのアイスクリーム、ズッキーニの花のファルシ、
ビーツのチーズクリーム包み、冷製スープ、大根のピクルス 黒にんにくソース
旬の野菜をたっぷり使い、見るにも美しい、美味しい5品たちです。メインの前にお腹を整えます。
7.根室産キンキの鱗焼き 渡り蟹のブイヤベース風イカ墨仕立て
インパクトある見た目のこちらはシェフの工夫が詰まった一品。
イカ墨は旨味残し、塩味は控えめ、アイオリソース入りのクリームソースはしっかり目の味付けとなっていて、口の中で改めて味が完成するように仕上げられています。ソースには色々な野菜も入り、食感も楽しいです。
ムール貝、蟹、キンキという贅沢な三拍子が一皿で体現されています。
8.WAKANUIスプリングラム 柑橘マーマレード焼き オレンジパスティスソース
メイン2品目は赤身の美しいNZ産のラム肉 ラム肉大好きなのでテンション上がりました。
ほんのり柑橘のベールで包まれたラム肉をハーブやスパイスの効いたオレンジソースで頂くのですがこれがまた絶品!
私史上1番美味しかったラム肉のソースかもしれません、、、ラム肉自体も旨味が凝縮されつつも臭みは全くありません。
9.クルミのクルートを纏ったヴァンデ産鳩のロースト アバとクルミのソース
メインの最後を飾るのは鳩肉です。お料理の前に高級ナイフメーカーとして知られるLaguioleをセットしていただき、準備万端。鳩肉はクルミのパン粉を付けてローストされ、アバ(内臓)とクルミ味噌ソースが添えられています。
ピンク色の鳩肉はぎゅっと身が引き締まっているものの、スーッとナイフが入る柔らかなというか滑らかさ。クルミの香ばしさと味噌のコクや塩気と鳩肉を合わせようもんなら、やみつきの美味しさです。
10.生姜とミルクのソルベ レモンのクリーム ローズマリーのメレンゲを添えて
デザート1品目はさっぱり系。ソルベというよりかはクリーム感を控えたアイスかな、メレンゲはさっくりというよりかはやや水分が強めの印象でした。
11.サントノーレの再構築 柚子クリームとキャラメルアイスをアクセントに
サントノーレをモダンに演出したデザートです。土台はしっとり系でガレットブルトンヌ風、その上にたっぷりキャラメルアイスと柚子クリームが乗っています。本来であれば土台構築のために使われるカラメルが飾りの薄焼きフロランタンでアレンジ。ボリュームあるものの、クリームとアイスの食感が軽やかに仕上げられ、甘さも抑えられているため負担なく完食できました。笑 飾りの焼菓子たちはやや甘さ強かったです。
HEINZBECKの生まれ変わりとしてオープンしたこちらのお店、メンバーはほぼ変わらず渋谷のホセ・ルイスの立ち上げも担当した古賀シェフが今回のオープンも担当されています。朝起きた瞬間から料理のことを考えるという古賀シェフ、ついついそのお話を聞き入ってしまいました。
コース11品、一皿一皿の中にかなりの工夫が詰まっていて、次はどんなお料理が出てくるのだろうと終始ワクワクが止まりませんでした。食材勝負、敢えて手を加え過ぎない手法もありますが、こうやって色々な食材、調理法を足し合わせ作り上げられたお料理大好きです。
また誰か連れて行きたくなる、誰かに教えたくなる、そんな素敵なレストランでした。
メニュー
熟成じゃがいものスモーク キャヴィアクリーム
熟成じゃがいものスモーク キャヴィアクリーム(分割)
入梅イワシと帆立貝のマリネ
(提供時)毛蟹とビーツピクルスのたこ焼き仕立て
毛蟹とビーツピクルスのたこ焼き仕立て
蝦夷鮑のショーフロア ミネラルクリーム 初摘み海苔のエキューム
5.馬肉とイカのタルタル キャヴィア乗せ
有機野菜のヴァリエ
有機野菜のヴァリエ
根室産キンキの鱗焼き 渡り蟹のブイヤベース風イカ墨仕立て
WAKANUIラム 柑橘マーマレード焼き
ヴァンデ産鳩のロースト
Laguiole製ナイフ
生姜とミルクのソルベ メレンゲ添え
ントノーレの再構築
2020/06/22 更新
大手町の丸の内ガーデンタワー2階にある、モダンフレンチレストラン・Plaiga(プレーガ)東京。大手町駅からは直結、東京駅からも徒歩圏で、パレスホテルの目の前にあります。オフィスビルのため、土日だと入り口がやや分かりにくいかもしれません。Plaiga専用の入り口はなく、1階のイタリアンレストラン「Trattoria Creatta」から入ります。実は2020年6月、オープンしてすぐのタイミングで利用させて頂いたのですが、その時からお気に入りのレストランのひとつ。だいぶ日が開いてしまいましたが、自分の誕生日にリクエストして再訪。2022年8月から現在の池田シェフに変わられたとのことで、前回とはまた違ったスタイルのお料理にわくわく。偶然にも池田シェフがかつて勤められていた外苑前のフレンチ「Ysm」にも伺ったことがあり、勝手ながらご縁も感じつつ、、、
フレンチレストランではありますが、お店のコンセプトは「日本の四季を旅するフレンチ」。その名の通り、この日は「春の旅」でシェフの出身である福岡県糸島をはじめ、北は青森から神奈川や千葉、静岡、長崎など日本各地の食材を用いた構成。ディナーコースはムニュ・デギュスタシオン(8品・15,500円)、ムニュ・グルマン(10品・19,500円)、特選飛騨牛フィレ肉コース(25,000円)の3種類。
ワインペアリングもありましたが、私の好みのものがピンポイントであったので、グラス注文で頂きました。
《ワイン》
・シャンパーニュ ボランジェ
・白ワイン 2022 Sancerre Blanc(サンセール)、Alsace Grand Cru Zotzenberg(ゾッツェンベルク)
《ムニュ・グルマン コース構成》
・山形県寒河江 菅井農園つや姫米 毛蟹 春の芽吹き
つや姫米を使ったシグネチャー。お米を使ったフランスのデザート・リオレから着想を得たとのことで、真っ白なお米のムースの上には桜の木を模した米粉のチュイール、下には毛蟹がたっぷり。お米の粒々食感を残すリオレとは異なり、生クリームのような口当たりのなめらかさはあるものの、動物性の重さは感じず、お米の優しい味わいが際立ちます。そこに毛蟹の旨味が加わり、こんな言い方したら怒られるかもしれませんが、例えるならば超贅沢なカニクリームコロッケの中身。シャンパンとの相性も抜群で最初の一品から大満足。
・青森県 下北 天然サクラマス グリーンピース ブラッドオレンジ
蓋を開けると燻製の香りと共に美しい3皿が出現。それぞれが良い意味で想像と違う味わいと食感で、見ても楽しいアミューズ。
・玄米パン、自家製バター、藻塩
・千葉県 九十九里 地蛤 アスパラガス ルタバガ
・福岡県 糸島野菜 野菜やトラキ ナガミツファーム 久保田農園
・青森県 シャモロック アミガサ茸
目の前で鰹節ならぬ鶏節をサイフォンで抽出する演出付き。軟骨などの部位も入り、コリコリっとした食感も楽しい一皿。
・長崎県 平目 シラス 春キャベツ
・フランス 仔羊 静岡県伊豆 大島桜
塩釜焼風に仕立てたパイから出現するのは桜の葉で巻かれた仔羊肉!生地が分厚くやや切りにくそうではありましたが、調理工程の一部を見ることが出来るのは嬉しいポイント。大胆な見た目のパイ生地からは出来上がったのは、こちらも美しく盛り付けられた一皿。野生味ありつつ、食べやすい味わいのフランス産仔羊と日本人であればきっと誰もが親しみを感じる桜を使ったタプナード、意外な組合せでしたが絶妙にマッチ。
・神奈川県三浦半島 規格外紅芯大根(お口直しのソルベ)
・静岡県 紅ほっぺ レモン トンカ豆
オーストラリアのパブロバのようなデザート。サックサクのメレンゲと軽やかなクリームに、紅ほっぺのきゅんとする甘酸っぱさとレモンのほのかな酸味が追いかけてきて、大満足なコースの後でも重くなく締めくくりにピッタリ。
・ミニャルディーズ(右からフィナンシェ、生姜入り生チョコレート、パートドフリュイ)
・バースデーケーキ ショコラフランボワーズケーキ
お腹いっぱいでその場では食べられなかったため、こちらはお持ち帰り。表面には薔薇とチョコレートプレートが乗せられ、チョコレートコーティングの下にはフランボワーズとトリュフが混ぜ込まれたムースの2種。ホールケーキですが、クリームでなくムースが主体なので重たくなく、全体的に軽やかな仕上がり。チョコレートは見ての通り濃厚なので、物足りなさはなく、満足度も高いずるい美味しさなケーキ。
テーブルはそれぞれ区切られ、席同士のスペースも十分なので周りを気にすることなくゆったりと上質な時間を美味しいお料理とお酒と堪能し、あっという間に時間が過ぎていました。サービスの方もソムリエの方も気さくで終始丁寧な対応で、最後には池田シェフもご挨拶に来て頂き、総合的にも大満足!フレンチの技法をベースにしつつ、日本の食材を取り入れたり、自由な発想を感じることも出来、見た目も美しいお料理。特別な日やおもてなしなどの接待などにもおすすめ。また季節を変えて伺いたい、素敵なお店でした。ごちそうさまでした!