2回
2020/12 訪問
日本が誇る唯一無二の新感覚フレンチ、忘れることのない感動体験となりました。
2012年からミシュランを獲得し続け、2021年版では三ッ星を獲得、アジアのベストレストラン50でも常に高評価され、世界中から一目置かれる日本を代表するモダンフレンチ。予約を取ったのはミシュランが発表される前でした。表参道の高級住宅街の中、寺院の目の前という立地からも神秘性を感じます。店内は黒と白で統一され、夜は照明暗く落ち着きある大人な雰囲気が広がります。ランチだと日が入り、また違った景色が見えるのかもしれません。テーブルにはお箸がセットされ、ここからすでに和の要素が伺えます。まずはお神酒を思わせる乾杯酒として金色のお猪口で日本酒のカクテルを頂き、コースがスタートします。
《ディナーコース》
・一献 野菜クリスプのブーケと豆腐サワークリーム
ケールやパプリカ、葱などの野菜チップスです。乾燥させたタイプと軽く揚げたタイプ2種あり、野菜ならではの味もしっかり出ています。
・ふぐ白子 ササニシキ 自家干し貝柱 白トリュフ
目の前で作り上げて頂くリゾットは小盛りに前菜風に仕上げたものです。白子と貝柱、ゆり根がササニシキで作られたリゾットの上に乗っています。米粒は大き目、粘り気ないさらっとした食感の日本米が相性ばっちり。リゾットですが、和の要素を強く感じる一品です。
それぞれの食感も楽しく、上の紫蘇や小葱もいいアクセントとなっています。
・じゃがいも入りフォカッチャと古代小麦入りパン
bricolage bread さんのパンは1番美味しい温度=常温での提供。
・アルチザン野菜
日本国内の農家や生産者の方々をアルチザン職人と称し、すべての野菜の生産者さんが書かれたリストを頂くのですが、ここからも生産者の方々への深い尊敬を感じます。
一つひとつの野菜を違った手法で丁寧に仕上げ、美しく並べられた野菜の一皿。それぞれの食感や味の違いをしっかりと感じることが出来るよう敢えて味付けは薄くしてあり、野菜そのものの美味しさを楽しむことが出来ました。
・蕪を複雑に火を入れて シンプルに
なんと4時間もかけて仕上げられたレフェルヴェソンスのシグネチャーでもある蕪の一皿。口に入れた途端に広がる蕪のジュースからは蕪の甘み、旨味、辛味など色々なメッセージが伝わってきます。タイトル通り、複雑に火入れされた蕪はみずみずしさと柔らかくもジューシーな口当たりが共存し、噛むごとにまた違った表情を感じさせてくれます。すごいの一言に尽きる、まさに蕪の可能性を最大限以上に引き出した逸品です。
・のどぐろ せいこ蟹 菊の花 里芋 柚子 山山椒
炭でパリっと皮目を焼かれたのどぐろは旨味逃すことなく、最高の状態でせいこ蟹のスープの上に乗せられます。外子もたっぷり入ったスープは優しくも、山山椒がキリっと味を整え、脂乗り良いのどぐろの旨味を引き出します。
・京都産・鴨胸肉を東京檜原村のミズナラで焼いて ソース・ヴァンルージュ 冬野菜と
鴨の薪焼きを赤ワインソースを添えて。横の野菜は白菜の芯の部分です。じっくり薪焼きされた赤身の美しい鴨肉の旨味がコク深い赤ワインソースとの完璧な相性。お肉はあっさりしすぎず、ほどよい脂感もあるため小さく見えますが満足感もある一皿です。
・タヤリン・イン・ブロード 鴨の様々な部位をトリュフとともに
鴨の出汁を使ったスープは体に沁みる優しい味付け。タヤリンは細目に仕上げられ、スープとも絡みやすく、鴨もも肉のジューシーさ加わり、さらに黒トリュフの香りが一口で味わうことの出来る贅沢な〆です。
・アルチザンチーズ
カチョカヴァロや青カビ、珍しいブラウンチーズなど5種類の国産チーズの盛り合わせ。
・栗 みかん 小豆 ショコラ
もはや芸術品なみの盛付。手前には栗のクリームと蜂蜜、珈琲風味のクリームの下にはショコラのシュー生地、中にはみかんと栗が入っています。
・茶菓子 紫芋 白ごま、無花果 ブルーチーズ、お抹茶、World Peace ピーナッツミルクを使ったカクテル
重箱に美しく並べられた中から2種類頂きました。その場でソムリエの方に点てて頂くお抹茶は最後の感謝の意味も含め、素晴らしい締めくくり。
・お土産 バスケットの中から選ぶスタイル。醤油や塩、かつお節など日本産にこだわった食材が並びます。私はおすすめ頂いた蜂蜜を。
食材一つひとつの生産者との繋がりを大切にされ、料理を越えた思いがものすごく伝わってきました。国産食材に徹底的にこだわり、素材それぞれの個性を活かしたお料理はレフェルヴェソンスでしか頂くことが出来ないです!料理の枠を超え、忘れられない感動体験となりました。
間髪入れぬきめ細かな対応、皆様のおもてなしにも頭上がりません。ごちそうさまでした!
テーブルセット
野菜クリスプのブーケ 豆腐サワークリーム
ふぐ白子とササニシキのリゾット
ふぐ白子 ササニシキ 自家干し貝柱 白トリュフ
アルチザン野菜(プレゼンテーション)
アルチザン野菜
蕪を複雑に火を入れて シンプルに
蕪を複雑に火を入れて(断面)
のどぐろ せいこ蟹 菊の花 里芋 柚子 山山椒
鴨胸肉を東京檜原村のミズナラで焼いて
タヤリン・イン・ブロード 鴨の様々な部位をトリュフとともに
アルチザンチーズ
栗 みかん 小豆 ショコラ
茶菓子 抹茶 World Peace
2020/12/31 更新
以前お伺いしたのがミシュラン3つ星を取ってすぐの2020年12月。それから約3年半経ち、今回は記念日に利用させて頂きました。ますます人気のレフェルヴェソンス、本当に運よくキャンセルが出たため、今回もディナーで訪問。平日19時代でしたが、店内はすでにほぼ満席。インバウンドが多いかと思いきや、この日は日本人の方が多かったです。
おまかせコースは1種のみ、ドリンクはペアリングもありますが、この日はグラスで頂きました。
席に着くと、お店の方がレフェルヴェソンスのコンセプトの説明をしつつ、ウェルカムドリンクとして薬草酒のカクテルをその場で作ってくれます。最初の1杯はシャンパンを頂きました。
《メニュー構成》
・一献 野菜クリスプのブーケと豆腐サワークリーム
こちらはずっと続くレフェルヴェソンスの定番の前菜。ノンフライだからこそ、野菜本来の甘さや旨味がしっかり。そして何よりこの豆腐サワークリームが美味しい、、、
・エゾバフンウニ めのこ トマトとバジルのササニシキリゾット
・じゃがいも入りフォカッチャと古代小麦入りパン
・アルチザン野菜
この一皿に52種類の野菜やハーブが盛り付けられ、もはや芸術作品のこちら。添えられている緑色のパウダーの正体は利尻昆布。リゾットで使われていた雲丹と同じ産地のものを使い、ストーリー性を出すという演出。
・蕪を複雑に火を入れて シンプルに
これぞレフェルヴェソンスのスペシャリテ「定点」 食材を通して四季の味わいの変化を感じてもらえるようにという思いが込められたこちら。4時間もの時間をかけて丁寧に火を入れられ、恐らく世界一手の込んだ蕪料理。前回冬の時期に食べた時はまろやかさや甘さを感じましたが、今回は甘さの中に辛味大根のような辛さを感じました。春や秋はまた違う味わいなんだとか。
・鮎と西瓜 茗荷 オカヒジキ 山椒 ガスパチョ
・京都産 七谷鴨胸肉を東京檜原村のミズナラで焼いて
ソース・オ・ヴァンルージュ アスパラガス
大好きな鴨肉と北海道ジェットファーム・長谷川さんのアスパラガス(通称ハセパラ)を使ったお肉のメイン。敢えて血を肉に回す窒息処理をされた七谷鴨は良い意味で繊細すぎず、シャラン鴨を思わせるどっしりとした旨味の強さ。そこに日本人の誇るかつお節の上質なお出汁が絡み、まさに口福。カットせず、まるごとのアスパラガスは瑞々しく、野菜には中々使う表現ではありませんがジューシー。お店の方曰く今年のハセパラはやや細い故、さらに味が凝縮しているのだとか。
・鴨腿肉のラビオリ レモンマリーゴールド とうもろこしのスープ
・アルチザンチーズ
パルメザンからブルーチーズ、カチョカバロなど全て国産の6種チーズを少しずつ頂きました。
・マンゴー パイナップル 島バナナ 玄米酒粕のクリーム 奄美珈琲
・アミューズのお菓子
・お薄、World Peace(100年の孤独を使用したピーナッツバター風カクテル)
お料理は最初から最後まで本当にどれも美しく、食材や調理法の細部まで聞けば聞くほどこだわりがあるレフェルヴェソンス。コースの流れにもハーモニー感があり、美味しいのは来る前から分かってはいたものの、改めてその完成度の高さに感動。日本中から厳選された食材のポテンシャルに負けない技や仕込み、一つひとつの料理になるまでの工程を考えたら映画にもなりそうなレベル。
さらにこのお店の特筆すべきはお店の方々のホスピタリティ。料理や食材の説明をする際の目の輝きがまぶしく、しっかりと自分の言葉に落とし込んで説明しているだけあって、その思いが直球に伝わってきます。私のように仕事が飲食と全く関係なくても、食への関心高い人はたまらないと思います。(笑)ミシュラン獲得、しかも3つ星となると賛否両論ありますが、ここは選ばれるべくして選ばれたお店。
とにもかくにも、普段使いにはもったいないですが、お祝いや特別な場には本当におすすめのレストランです。許されるものなら毎年伺いたいです。ごちそうさまでした!