4回
2021/01 訪問
和のテイストも取り入れ、美味しさを追求♪
久しぶりの訪問となった。
コロナ禍で自粛中だけど、ランチでお食事するくらいはいいよねってことで訪問。カウンターが気楽なのでそちらを予約。足元にも暖房を入れて頂いてて、古民家でも寒さを感じることなく快適な時間となりました。
この日は車で伺ったのでアルコールはなし。それでも心配ない、こちらのお店にはノンアルのペアリングがある。数種類のドリンクを料理に合わせて出してくれる。そしてそのスタートはなんと鉄観音とごまのお茶。まずは心を寛がせるところからスタートしてくれて、とても気持ちが安らいだ。
ちなみにこの日のノンアルペアリングは、
鉄観音とごまのお茶。
ブラッドオレンジとブナのスパークリング。
ジャスミン茶とココナッツミルクのドリンク。
黄金桂と金木犀、ゆずのドリンク。
ぶどうとラズベリーのジュース。
どれも甘くなくてサッパリしており、料理を引き立てる事に集中している感じ。それでいてとても香りが豊かで、食欲をかきたてられる。本当はお酒と合わせたいとこだけど、これもアリだなって思う。
ちなみにこちらのお店、なんとパンまで料理との相性をとことん追求したペアリングを行っている。四種類提供されるパンは全て自家製なのはもちろん、粉を全て変えており、そのこだわり方もすごい。ちゃんと料理を引き立てられるよう、マッチするよう、香りや風味にも配慮している。
前菜に合わせるのはオーションという粉を使い、オレンジの香りをつけてある。
そしてもう一種類の前菜にはゆきちからという粉に海老とカレーの風味をつけたフォカッチャ。
魚料理に合わせるのがテリア特号という粉に西京味噌を練りこんだブリオッシュ。
メインの蝦夷鹿に合わせるのはスーパーキングという粉に赤ワインとカシスで香りをつけたもの。ソースと同じ風味なので絶妙にマッチする。
アミューズ1品目はスープ。大根と塩とバターのみで味付けをしたシンプルなもの。始まりの一品としては最高のスタート。まず口の中を柔らかくしてくれた感じ。泡の中にはオリーブオイルも隠れていて、とても風味がいい。
アミューズ2品目はじゃがバターのようなもの。縁日で出てくるアレ。それをとても上品に風味良く食べさせてくれる。インカのめざめというそもそも甘いじゃがいもなので、そこにグアンチャーレという豚頬肉の塩漬けを巻いてアミューズらしい料理に仕上げている。この日は二種類。燻製バターとトリュフバター。これでグッと大人の味になる。ワインが飲みたくなったのはこの料理のとき。お芋の甘さ、グアンチャーレの塩気、そしてバターの香り、三位一体の味。
前菜は泡のなかに隠れた真鯖。釣られてすぐ神経を抜く処理で、まったく臭みがない特徴を持つ。この鯖に合わせるのはオレンジと八朔のスライス。そもそも脂の多い魚なので、柑橘系で合わせて旨味を生かしながらサッパリ食べられるのは嬉しい。
前菜2品目は蟹と卵のリゾット。ほんのりカレーで香り付けをしつつ、海老味噌で旨味をだしている。この料理もとても美味しかった。お米の硬さも最適。
魚料理はオオクチイシナギという魚。初めて聞く名前。スズキの一種らしい。上質な白身がソースによって素材の旨味を引き出されてさらに美味しくなる。このソース、スープと言っていいくらいだけど、ベースは西京味噌。甘さの立つソースで魚料理と本当によく合う。付け合せとなっていた大根もどこかホッコリと安らぐ味。
そしてメイン料理は蝦夷鹿。これは圧巻の美味しさ。ソースはグランヴヌールという赤ワインとスパイスを煮詰めた王道の味だけど、そもそもお肉が最高に美味しい。臭みもクセも全くなく、お塩で食べても美味しい。鹿は火入れが命だと言うけれど、とにかくその加減が絶妙。鹿の美味しさを最高に引き出している。今回、バラ肉にあたる部分も食べさせて頂いたが、この脂が最高に美味しい。蝦夷鹿最強説を唱えたいくらい。最高のひと皿でした。
デザートは2品。まずはサッパリしたイチゴのデザート。バラで風味をつけ、ビーツも使用している。色あざかやなひと品。
2品目は栗がメイン。カスタード系の甘みもだしながら、あくまでメインは栗の甘み。とてもいい締め方ができた。
お酒を飲んでないので、食後の小菓子はほうじ茶と合わせる。フレンチのお店に来て、最初と最後にお茶を頂くとは思っていなかったけど、これがとても心安らぐ。日本人なんだなぁ。
和のテイストにイタリアンを合わせつつ、しっかりとしたフレンチの王道も歩む。最初から最後までとても素晴らしいお店でした。
メインは蝦夷鹿。
火入れが最高。とてもジューシー。
魚料理はスズキ科のオオクチイシナギ。
思わず唸る和の美味しさ。
アミューズはインカの目覚めとバターを合わせる。
燻製バターとトリュフバター。
前菜の真鯖。
オレンジでサッパリと頂く。
蟹と卵のリゾット。
海老味噌がアクセントになっている。
アミューズのスープ。
オレンジのパン。
フォカッチャ。
赤ワインのパン。
イチゴとビーツのデザート。
栗のデザート。
小菓子。
2021/01/31 更新
2019/10 訪問
古民家でいただく素敵フレンチ♪
以前にランチで訪問して感動したお店。今度はディナーで行ってみた。駅から少し外れた静かな場所に佇んでおり、外から眺める感じはとても雰囲気がいい。古民家に灯りが灯るとなんともいい感じ。
以前は夏の暑い日に訪問してスペシャリテの鮎に感動した。今回は季節的にもう鮎はないと事前にメールでご連絡を頂いていたが、それはそれでシェフがどんな料理を提供してくれるのか期待が高まる。
和室に着席して本日のメニュー内容に目を通す。こちらのお店のメニュー表は某ミシュランのお店と同じく、食材しか記載されていない。これらの食材や調味料を使ってどんな味に仕上がっているのかとても興味深い。料理が出てくるまで楽しみに待つ。
一品目は香りを楽しむ料理。
器の蓋をあけるとフワッとスモーキーな香り。これから美味しい料理を味わうぞって気分にさせてくれる逸品。トリ貝を食べるとほのかにほうじ茶の香りも。和洋の燻した感じがなんともいえない。
この日とくに美味しなぁと思ったのは鱒の介のバターミルク。脂がのってとても美味しい品種の鮭に合わせるソースが絶品。バターが乳化したようにとても自然にソースと絡まる。しつこくなりそうなところ、隠し味なのか林檎がサッパリと食べさせてくれ、とても感動する美味しさだった。
その次に感動したのが赤海老。メニュー表には赤海老の他にカレーを使用しているとも。フレンチでどのように調理されるのか非常に興味深い。パッと見た感じもしっかりカレーが使用されているよう感じたけど、まったくそんなことはなく、隠し味程度に香辛料を抑えて食材の味を引き出している。これもまた絶品。
カジキもでてきた。パサパサになるイメージのあるカジキだけど、とてもしっとりと食べさせてくれる。ソースは西京味噌を使っており、少し甘めで食欲をそそる。このカジキにはこのソースが合う! という典型的な料理で脱帽。
メインはマグレ鴨。一見すると鴨に見えないような力強さのある感じ。でも、食べてみるとしっかり鴨。臭みは全くなく、柚子胡椒がサッパリと食べさせてくれる。鴨だと個人的には京鴨が好きだけど、この調理の仕方だとマグレ鴨に軍配が上がる。シェフの素晴らしい腕前を感じる。
デザートは二品。カボチャのソルベ的なものと季節を感じさせてくれる柿をいただく。どちらもしっかりと隠し味で深みを増しており、カボチャと金木犀の香りのコントラストはなかなかだった。お腹いっぱいだったのに最後まで完食。食後は焼き菓子の盛り合わせまでいただけるのだけど、苦しいと言いながらこちらも完食。
こちらのお店は料理に合わせてくれるパンとお酒をペアリングで提供してくれる。特にパンのペアリングは珍しい。料理の食材に合わせてカレーや西京味噌などで味付けられており、過度に主張することなく、料理を引き立てることに専念されていて面白い。
お酒もフレンチでありながらシードルや日本酒が提供されるなど、地場食材との相性もしっかり考えられていて楽しい。ついつい飲みすぎてしまうところが危ないけど。
今日も完璧に堪能しました♪
店舗外観。
鱒之介。
バターミルクをかけていただく。
素晴らしいソース。
メインのマグレ鴨。
柚子胡椒との相性がいい。
カジキ。
西京味噌のソースが合う。
思い出せない。。
泡の下からでてきたのは…。
最初の一品。
器の蓋を取ると香りで満たされる。
スモーキー感が最高。
赤海老。
スパイス感がいい。
南瓜と金木犀の香りがマッチ。
季節感を感じる。
こちらは柿。
隠し味の風味がいい。
食後の焼き菓子。
シードルからスタート。
軽い白。
ロゼ。
日本酒を挟む。
メインに合わせる。
2019/11/17 更新
2019/08 訪問
古民家で楽しむ素敵フレンチ♪
自宅の近くにありながらなかなか行けてなかったお店。大きな古民家の中にいくつかのお店が入居しており、そのなかの一軒。靴を脱いであがる珍しいフレンチのお店。靴を脱ぐだけで日本人は少し落ち着ける。そのうえ和式の古民家なので柱や畳の香りに心から寛げる。祖父母の家を思い出し、どこか懐かしい気分にもなった。
肝心の料理のお味も期待以上!
最初はこの雰囲気をメインに味わいに行ったのに、気がつけば美味しい料理に夢中になっていた。都内の有名フレンチにも負けないクオリティにちょっと驚いた。
いちばん感動したのはシェフのスペシャリテ。鮎。シェフの一番の得意料理だということもあり、食べる前から期待が高まる。この鮎、なんと12時間も火入れをしているとのこと。それなのに本当に綺麗な形を保っている。頭から尻尾まで全て食べられるとの事ではあったけど、ちょっとビクビクしながら頭にかぶりつく。そしてその柔らかさにまず驚く。丸ごとなので内蔵のちょっとした苦味もアクセントとなり、鮎の美味しさを丸ごと楽しめる逸品だった。付け合せとなっていた焼き西瓜もしっとりとした甘さが感じられてとても美味しかった。交互に食べるとそれぞれの美味しさをさらに引き出す。
メインは黒豚のロースト。お肉の焼き加減も絶妙。シンプルな味付けでお肉本来の美味しさを堪能出来る。こちらのお店、火入れがとても上手に感じた。お肉そのものは素材の旨みを引き出すシンプルな味付け故に、付け合せの野菜は少し味を濃くしてある。夏らしくゴーヤチャンプル的なものでちょっと珍しい。でもなかなかいいアイデア。
繊細な料理は見ためにもあらわれている。鰯の料理は彩がキレイ。これだけでちょっと料理が楽しくなる。そして青魚の臭みはバジルが完璧に処理してくれていて、美味しさしか残らない。素晴らしい。
他に感動した料理はラビオリ的な料理。クリームチーズとサーモンを魚介出汁で味付けしてあり、最高に美味しかった。ラビオリはなかなか手がかかる料理だと思うけど、とても丁寧に作られているのがよく分かる。中に入っているサーモンは青森のとても高価な品種らしい。鱒之介と言ったような気がする。マスとトラウトサーモンをかけあわせた品種なのかもしれない。濃厚でありながらサッパリとした味も感じさせてくれる。
こちらのお店の面白いところはペアリングが充実しているところ。アルコールはもちろん、ソフトドリンクやパンもある。ソフトドリンクのペアリングもとても香りにこだわったものが多く、料理を引き立てるのに一役かっている。
パンも四種が提供されるのだけど、それぞれ小麦粉から品種を変えているこだわりようでどれも素晴らしく美味しい。パン屋さんも開いたらいいのにと言いたくなってしまう。
最後はデザート2品と食後の飲み物、焼き菓子で終了。素敵な雰囲気のなか、素敵な料理を楽しめて最高だった。接客もとても良く、料理の説明を丁寧にして頂けた。玄関までお見送り頂けるお店はよくあるのだけど、シェフが三つ指をついてお見送りしてくれるお店はそうそうない。だってフレンチだから。
料理も接客も最高で、素晴らしい雰囲気のお店でした♪♪
店舗外観。古民家。
シェフのスペシャリテ。
あゆは12時間の火入れ。
焼き西瓜。
メインの肉料理。
肉汁が滴る。
付け合せのゴーヤチャンプル的なもの。
見ためも綺麗な鰯料理。
バジルの風味が香ばしい。
鴨料理。
冷麺的な食感になるから驚き。
ナッツの燻製風味スープ。
泡で軽い仕上がり。
ラビオリ的な料理。
サーモンとクリームチーズ。
食後のデザート。
抹茶風味でありながら梅干と大葉がアクセントに。
焼き菓子。
2019/08/06 更新
週末の昼下がりに訪問。
こちらのお店、はかり屋という古民家を丸ごと移築させた建物の中にあり、靴を脱いで楽しめるという日本人にとってはとても居心地のいいお店。少し早めに訪問して、お庭やほかのお店も散策してから入店。縁側のような廊下を進んでいくのが毎回とても楽しい。
こんな雰囲気のお店だからか、お料理も和と洋が素晴らしく融合している。日本の食材を日本の技法で料理しながら、しっかりとフレンチしているところも素晴らしい。気負わずお箸で頂いたり、とにかく心地のいい時間が流れます。
アミューズひと品めは温かい人参のスープ。人参の甘みをシンプルにオリーブオイルだけで引き出していて、最初の料理としては軽さといい、美味しさといい、申し分ない。これからの料理に期待が高鳴る。
続いてもアミューズ。つぶ貝をエスカルゴバターで炒めた料理。これがたまらなく美味しい。エシャレットもいいアクセントになっていて、ボリューム多いかなと思ったけど、あっという間に完食。
次が鰹の藁焼き。これだけ聞くと完全に和食だけど、これをラズベリーのビネガーで上手にフレンチとして成立させている。燻製感のある濃厚な旨みとラズベリーの爽やかな酸味が絶妙にマッチする。最高に美味しかった♪
ここでリゾットを挟む。これが日本人なら絶対に大好きな味。アサリのお出汁で炊いてあり、とてもやさしい感じ。ここに富山産のホタルイカを一緒に合わせる。このホタルイカが絶品。とても味噌が濃厚で、そして滑らか。兵庫県産のホタルイカと食べ比べさせて貰ったのだけど、明らかに美味しさの質が違って驚いた。こんなにも違うものなのか。これからは多少高くても富山産を食べたいと思った。
続いて魚料理。お魚はヒゲソリダイという初めて聞く魚。なんてユニークな名前なんだろう。白身でありながら旨みがとても濃厚で、お魚の質自体もすごくいいのだと思う。ソースも生姜だったので、素材を引き立てることに注力している感じ。間違いなく美味しい。
そして付け合せとなっているキャベツのソテー。どうしてキャベツがここまで美味しくなるのかとても不思議。最高に美味しい。
そしてこの日のメインはシストロン産の仔羊。日本では長らく禁輸となっていたが、いまはなんとか手に入るらしい。予約時にシェフからこの仔羊を提供しますと聞いていたので、本当に楽しみにしていた。ほかの羊とは明らかに旨みの質も格段にすぐれていて、とにかく美味しかった。この日は3つの部位、フィレ、背中、腰といただく。それぞれに美味しさの質が違っていたけど、お肉の味を存分に楽しみたいならフィレがとても柔らかく、そして上品な味で良かった。
脂の美味しさを楽しめたのが腰の部分。これはお塩でいただくのが最高に美味しかった。もちろんベーコンとナッツのソースも絶妙に美味しくてマッチするのだけど、素材の旨味を一番際立たせたのがお塩だった。最高♪
こちらのお店はパンも料理に合わせてペアリングしてくれる。小麦粉の種類もそれぞれ変えているなど、本当にこだわりがすごい。そしてこのパンがまた美味しい♪
デザートは二品。
ひと品めはバラの香りが爽やかなソルベ。シェフの実家で収穫されたというイチゴも使われていて、爽やかさが際立ってて美味しい。
そしてふた品めのデザートはブラマンジェ。ミントの香りが爽やかではあるけど、ヨーグルトの濃厚な美味しさとまたマッチしている。
最初から最後まで最高に美味しかったです♪