1回
2025/04 訪問
鬼才の気まぐれ、晩春の千載一遇。
鬼才 久田氏
これだけ飲み切りました笑
・煮帆立、蒸し雲丹
・オランダ産 ホワイトアスパラガス、唐墨、黒七味
・鮑の出汁しゃぶ、大根おろし
・メヒカリの炭焼き
・漬けボッコンチーニ、赤酢ジュレ
◯ アコウ
◯ 石垣鯛
◯ アオリイカ
◯ ビワマス
◯ キス
◯ 白海老
◯ 赤身
◯ 血合ぎし 中トロ
◯ フグ アンコールペッパー
◯ 車海老
◯ 榊山牛カイノミ 醤油漬け
◯ ノドグロ 求肥昆布
・黄ニラの白出汁
◯ 中トロ 浅葱 いぶりがっこの手巻き
・白小豆 こし餡のチーズケーキ
・茶
・而今 きもと赤磐雄町 木桶 火入、而今 純米吟醸 朝日 火入 (木屋正酒造/三重県名張市)
・而今 きもと秋津山田錦 木桶 火入 (木屋正酒造/三重県名張市)
・而今 純米吟醸 愛山 火入 (木屋正酒造/三重県名張市)
・花陽浴 備前雄町 純米大吟醸 磨き四割 無濾過生原酒 (南陽醸造/埼玉県羽生市)
・田中仙禽 ver.2023 (白糸酒造 × せんきん/福岡県糸島市 × 栃木県さくら市)
・醸し人九平次 純米大吟醸 2022 (萬乗醸造/愛知県名古屋市)
・磯自慢 純米大吟醸 雄町40 (磯自慢酒造/静岡県焼津市)
◯ アコウ
◯ 石垣鯛
◯ アオリイカ
◯ ビワマス
◯ キス
◯ 白海老
◯ 赤身
◯ 血合いぎし 中トロ
◯ フグ アンコールペッパー
◯ 車海老
◯ 榊山牛カイノミ 醤油漬け
◯ ノドグロ 求肥昆布
居間
外観
2025/05/06 更新
本日はこちらでランチ。
手掛けるは、鬼才 久田氏。京都"きう"の営業をメインに、掛け持ちで年間数十日のみ暖簾を掲げる幻の鮨店。まさか自分に伺う機会が訪れるとは…、今回のお誘いには感謝しかありません。
岡山駅からチャーターのマイクロバスに揺られること3〜40分、住宅街に佇むお店に到着です。今回は常連さんの貸切営業にお邪魔させていただきました。
◆ おまかせコース 44,000円/税・サ込
◯ = 握り
・煮帆立、蒸し雲丹
・オランダ産 ホワイトアスパラガス、唐墨、黒七味
・鮑の出汁しゃぶ、大根おろし
・メヒカリの炭焼き
・漬けボッコンチーニ、赤酢ジュレ
◯ アコウ
◯ 石垣鯛
◯ アオリイカ
◯ ビワマス
◯ キス
◯ 白海老
◯ 赤身
◯ 血合ぎし 中トロ
◯ フグ アンコールペッパー
・黄ニラの白出汁
◯ 車海老
◯ 榊山牛カイノミ 醤油漬け
◯ ノドグロ 求肥昆布
◯ 中トロ 浅葱 いぶりがっこの手巻き
・白小豆 こし餡のチーズケーキ
------- 以下 詳細 -------
最初の5品でアテが出ます。
今回は常連さんがご準備いただいた選りすぐりの日本酒と共にいただきます。すごいラインナップだ!
アテ1品目は、煮帆立と蒸し雲丹。
旨みを閉じ込めて煮た大粒の帆立と、甘みのある雲丹をあえて蒸してフワフワ濃厚な口当たりにした蒸し雲丹とのコンビネーション。蒸し雲丹が味噌のような深みがあり、これが帆立と相性抜群。酒のアテに極めて良し。
アテ2品目は、オランダ産のホワイトアスパラ。
極太のオランダ産ホワイトアスパラガスを軽く炭火焼きし、上から唐墨と黒七味を少々…。ホワイトアスパラのみずみずしい甘さに、旨みが凝縮された唐墨、そして上品な辛みの黒七味が三位一体となった逸品。
アテ3品目は、鮑の出汁しゃぶしゃぶ。
巨大な黒鮑、ブリンブリン、コリッコリの身質。それを出汁で煮ておろしポン酢で…。シンプルながら、鮑の味わいを限界まで引き出してます。唐墨で濃い味寄りになった口を、さっぱりとおろしでリセット出来ました。
アテ4品目は、メヒカリの炭火焼き。
今まで食べたメヒカリの中で断トツ。まず、ここまで太ったメヒカリを見るのも初めて。フワットロッ…そして鼻から抜ける炭火の香ばしさ…。とんでもない焼物ですね、メヒカリのポテンシャルの高さに驚き。
アテ5品目は、漬けにしたボッコンチーニ。
いわゆるモッツァレラチーズで、それを漬けにし、赤酢のジュレといただきます。ミルキーながらも和の深みを感じます。赤酢ジュレで、アテと握りのスイッチ役になってますね!モッツァレラチーズですが、この漬けボッコンチーニについては、完全に白ワインより日本酒。
さて、ここからお待ちかねの握りが始まります。手巻きを合わせて13貫、シャリは程よい酸味に、粒立ちよく、ホロッと口の中で解ける口当たり。
1貫目、アコウ。
しっとり感の中に、プリッとした身質。上品な白身の味わいで、脂乗りもしっかりしてます。
2貫目、石垣鯛。
厚みのあるポーションで、咀嚼で押し返してくる弾力と、適度な熟成から来る柔らかさと旨み。
3貫目、アオリイカ。
隠し包丁で、絶妙な口当たり。ねっとりした舌触りで、アオリイカの甘みがじんわりと口の中に広がります。
4貫目、ビワマス。
独特の風味、とろけるような口当たりが特徴。
5貫目、キス。
ここまで肉厚に食べられるキスの握りも珍しい。気品のある白身の旨みに加え、しつこさのない良い脂感がある。淡白な魚のイメージだけれど、とんでもない。
6貫目、白海老。
ペースト状に近くなるまで叩いた白海老は、悶絶級の甘みにねっとりとした口当たり。美味すぎる…。もちろんプリプリ感のあるそのままも美味しいけれど、それを忘れさせるレベルの逸品でした。
7貫目、赤身。
ルビーのように輝く赤身。一切雑味のない本鮪本来の味わい、旨み。文句のつけようがない。
8貫目、血合いぎしの中トロ。
旨みが最も強いとも言われる血合ぎしの部分であり、一本買いでない限りなかなか手に入らない。宝石のような輝き…、口当たりはとろけますが、赤身の鉄分な味わいと、血合いぎしだからこその力強い旨みが合わさる逸貫。
9貫目、フグ。
コリッとした口当たりに、軽やかな旨みが広がるネタ。アンコールペッパーのアクセントが他にない。
10貫目、車海老。
半レアに火入れされた車海老。ムッチリ感とプリッと感を両立した匠の技。食べ応えも抜群。
11貫目、榊山牛のカイノミ。
広島のブランド牛"榊山牛"のカイノミを漬けにした握り。ここで肉寿司か!と驚きましたが、とてつもなく旨い…。たたくことで旨みが溢れ、最終的に口の中で爆発します。カイノミなので脂のしつこさもなく、赤身部分の旨みを感じつつも、後味はとろけてなくなる堪能的な味わい。
12貫目、ノドグロと求肥昆布。
白身の王様 ノドグロの脂の旨みと、求肥昆布の旨みを掛け合わせる最強の布陣。ノドグロは言わずもがな、素晴らしいコクと口溶け、そこに求肥昆布の旨みの存在感。初めて食べた組み合わせで、ただただ感動しました。
巻物の前に、白味噌のお椀が登場。
岡山といえば、黄韮、めちゃ嬉しい。普段はコッテコテの赤味噌派だけれど、たまにいただく甘みのある白味噌も美味しい〜。お出汁も効いており、何よりシャキシャキの黄韮が最高!何杯もお代わりしたいレベル。
さて、握りラスト、巻物です。
中トロに、浅葱、アクセントにいぶりがっこ。個人的には沢庵よりいぶりがっこの方が好きなので、これまたハッピー。パリパリの海苔、とろける中トロ、浅葱の風味にいぶりがっこの食感と燻感。ラストに相応しい一本でした。
デザートは白こし餡のチーズケーキ。
かなり濃厚、和を全面に出したチーズケーキでした。美味しかったけど、お腹いっぱいで全て入り切らず…笑
ご馳走様でした。
アテから握りまで、ハズレ無し、何もかもが悶絶級。お値段も、最近の都内の鮨バブルな価格に比べれば、内容を加味するとリーズナブルとさえ思える(交通費はそれなりにかかりますが…笑)。常連さんのご厚意もあり、素晴らしい日本酒とのマリアージュを堪能できたのも大きかった。人生ベスト級のお店です、いつかまた戻って来れることを祈って…。
※訪問時→評点 4.40