レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
2回
2019/12訪問 2020/01/14
3回目の「おみ乃」。ミシュラン1つ星を獲得されたそうで、店内にはお祝いの花が飾られていた。開店からまだ3年も経っていないのにすごいことだ。
これでますます予約が取りづらくなる。今回も1ヶ月前に空いている時間を聞いて、それに合わせて行ったので随分と遅い時間になってしまった。もうそれは仕方がない。
スタイルは変わらず。まずは肝わさでビールを飲みつつ、焼鳥を楽しみに待つ。
まずは肝から。相変わらず弾力を残したいい焼き加減である。焼鳥は好きなので大衆居酒屋の焼鳥でもうまいうまいと食べてしまうのだけれど、素材と技術の差を感じるとびっくりしてしまう。
さびと銀杏。前回は秋に伺ったのだが、銀杏の食感が違って季節を感じる。
砂肝、厚揚げとこのあたりまではいつも通りの流れだ。もちろん初回の感動からは薄れるが、だからといっておいしくないわけがない。変わらずおいしい。日本酒をください。
前回はなかった芋が出てきたり、マルハツやちょうちんがなかったりと遅い時間だと終わってしまうものもあるようだ。
せせり、軟骨と続いて、そろそろ野菜が食べたいなと見ると、大きな椎茸がある。よし、あれをもらおうと思っていると、その椎茸、どんこが皿に置かれる。見透かされているようだ。
うずら、アスパラで今回は終わり。お腹がいっぱいになってしまったのだが、数としてはもう少し食べたかった。もっとお腹を空かせていけばよかったなあと少し後悔した。
相変わらずのクオリティでとても満足です。焼場の中はいろいろとバタバタしているのが見てとれたので忙しそうで大変だなあと思いつつも、これだけフルでまわしてくれるからまだ予約がとれるのだろうからありがたい。
またちょくちょく食べられるといいな。
昨年のオープン時から行きたくて行きたくて震えていて何度か予約を試みたのだけれど、運悪く時間が合わずということが続いた。その間にお店はどんどん人気店になっていって、さらに予約が取りづらくなる。こらあかん、ということで電話をして一番早く入れる日を予約した。店を合わせるんじゃない、自分を合わせるんだ。
予約できた時間は開店の17時半から20時まで。カウンターに座ってとりあえずビールをいただく。漬物と口直しの大根おろしが出てくる。この大根おろしはおかわり自由だそうだ。
まずはオーダーについての説明がある。単品での注文でもいいが、おまかせがおすすめとのこと。おすすめの場合はストップとこちらから伝えるまで串を出し続けてくれるそうだ。では、肝を入れたおまかせでお願いしますと伝える。
さっそく血肝がやってきた。僕もようやく焼鳥の焼き加減のようなものが分かってきて、肝やささみあたりにお店の個性が出るもんだなあなんていっちょ前に思っている。こちらの肝はレア過ぎず、焼きすぎずといったあたりだと思う。なんにしても噛んだときの歯の通り具合と、そのあとのぷりっとした弾力がいい。もうおいしい。
続いてさび。焼鳥というシンプルな料理だからこそ、焼き加減という技術があって差別化されるというのはすごいことだと思う。日本で生活するというのは幸せなことだなと思う。みたいなことを食べながら思う。大げさだけれども。
単品で頼んだ肝わさ。これがべらぼうにうまい。部位はわからなかったがつなぎなのかな。ぷりっとした食感がいい。山葵はそれほど強くなくて、焼鳥の合間に少しずついただく。
銀杏は若いものらしくて、シャリシャリした食感がめずらしい。こんな銀杏ははじめて食べたがおいしい。
砂肝、焼き茄子、厚揚げと続く。厚揚げはお豆腐がなめらかで驚く。
つくねをいただいたあたりで白ワインにチェンジ。本当は日本酒をいただきたかったのだけれど、ここでお酒にいってしまうと一生飲んでしまうだろうなと思い踏みとどまる。20時までという時間があるのだ。ただその白ワインもまるはつ、軟骨をいただいたらあっという間になくなってしまったのだけれど。
ひしの南蛮という小ぶりな唐辛子をいただく。これも唐辛子とおなじく辛いものがたまにあるらしい。ひとつ食べると猛烈に辛い。どうやらはずれたようだ。そしてもうひとついただくとこれまた辛い。店主さんに聞くと辛いものはそんなにないとのこだったので、このあたりでやめておけという御示しだったのかもしれない。
焼きものはストップで伝えると締めの提案をいただいたので、最後に玉子かけご飯をいただく。とんでもなく濃厚な卵で締めとしては最高のメニューだった。
期待通りすばらしいお店だった。このクオリティでこの安さであれば、他の焼鳥屋さんにはなかなか行けなくなってしまいそう。これからも隙あらば予約をして、それに人生を合わせていきたい。
2位
9回
2020/04訪問 2020/04/05
この日もテイクアウト。大好きな山崎さんも「お家で山崎」をはじめてくれたので予約をして伺う。基本的には事前予約制。おそらく完売必至なので早めに予約をしないといけない。受け取りは店頭で。
メニューは以下の通り。こちらで2,500円。
天むす
鯛めし
金平牛蒡
銀鮭西京焼
手羽昆布締め揚げ
出し巻き玉子磯部巻き
うるいと竹の子の煮浸し
さつま芋レモン煮
白滝鱈子煮
筑前煮
酢取り茗荷
お弁当スタイルで握り飯が2種類入っている。それぞれ2つずつ入っているので2人でいただくとちょうどいい。1人だとかなりボリュームがある。
お料理は山崎さんの定番の前菜を中心に、人気の手羽先や鮭の西京焼きなどメイン料理も充実している。ご飯ものも入っているのだけれど、どちらもお酒に合うご飯なので日本酒がいける。これだけで十分に満足できる量になっていて、2,500円でいいのかしらという気持ちになる。これ毎回書いているな。
移転される前にもう一度行きたいと思いながらこの状況になってしまったので、テイクアウトがあるのは嬉しい。移転準備で忙しい時期なのに手間のかかるテイクアウトメニューを用意をしてくれてありがとうございます。
定期的におじゃましたくなる山﨑さん。移転に際してしばらくお休みされるそうなので行き貯めておこう。今回もカウンターに座らせていただく。
毎度注文する「前菜盛り合わせ」。
白味噌クラムチャウダー
コンビーフポテトサラダ
カキのオイル漬け
ひたし豆と子持ち昆布
菜の花からし和え
すじこ
蓮根ごぼうのきんぴら
今回も好きなものばっかり。カキのオイル漬けとかすじこまで入ってる。いつも言っているけどすごくお得だし、すごくお酒が飲めます。
ということで早々にビールがなくなって「白老」というお酒をいただく。無濾過生原酒だそうで、香りが超強い。少しぴりっとしていてすっきりというおいしいお酒だった。
お隣の方が食べていて美味しそうだった「鮪の山かけ」を追加。「ホタルイカの天ぷら」もきてすいすいお酒がすすんでしまう。ホタルイカってどうやって食べてもおいしくてびっくりする。最近はホタルイカが余っているそうで、お安く食べられてうれしい。
「七田」の愛山。最近は愛山つかったお酒増えましたね。こちらもおいしいお酒だった。七田さんは酒蔵にもお邪魔したことがあって、なんとなく思い出のお酒。
食べたことがないって店主さんにいったらおすすめしていただいた「山﨑特製しゅうまい」。こりゃあうまい。肉たっぷり。これは特製だ。
最後に「真鴨のすき煮」。温まって今夜も満足。移転前にもう一度来たいけどいまは難しいかなと思っていたら、なんとテイクアウトをやってくださるそう。週末はオードブルセットを買いに行こう!
いつも楽しい山崎さん。少し時間が空くとすぐに行きたくなってしまう。
まずは「平目砧巻き」をいただく。旅館や料亭では食べたことがあるけれど、お刺身の一品としてさっと出てくるなんて見たことがない。いつも料理のクオリティに感動する。
感動したらすぐにお酒が飲みたくなるのだ。もうそれは仕方ない。白子が終わっちゃったということで「あん肝ポン酢」をいただきつつ、お酒は「屋守」から。無調整生ということで少し粘度のあって濃厚。結構好きです。
かわってお肉をいただく。「牛タンネギ塩焼き」はタン元を使っているそうで、とても柔らかい。
もう一品いただくとすぐに次のお酒にいってしまって、申し訳ないなあというかよろしくないなあというか、なんだか情けない気持ちになる。それがまた「栄光冨士」なんていいお酒飲んじゃって。すいません。後味が爽快で、いいお酒飲ませていただいているという気持ちになる。
「ズワイガニの蟹味噌入り甲羅焼き」は単純に好きなのでいただく。栄光冨士もするする飲んじゃってどうしようかしら。
いつもいただく「鳥の手羽先一夜干し」。これも好き。お酒は「墨廼江」純米吟醸。かなりすっきりしているので、手羽先にはちょうどいい。
「あさりと九条ネギの玉子とじ」もいつもいただくやつ。あさりがたっぷりですごくお得感があるんです。いつもいつも満足させていただています。
また次に行くのが楽しみ。
ちょくちょくお邪魔している山﨑さん。早い時間に伺うのはひさしぶりな気がする。
いつものようにまずはビールと前菜の盛り合わせをいただく。今回のメニューは
「カブの白味噌クラムチャウダー」
「白滝の明太煮」
「芽キャベツときの子の煮浸し」
「ひじきとしらすのナムル」
「コンビーフポテトサラダ」
「すじこ」
「つぶ貝ワサビ和え」
となっている。毎度思うけどこれだけで十分お酒が飲めてしまうよ。毎回スープから出していただくのだけれど、ちゃんと夏は冷製スープで寒くなってきたこの日はクラムチャウダーである。これがまた和風出汁の旨味しっかりしていておいしいのだ。
ひじきとしらすのナムルにはちょっと苦手なセロリが入っているのだが、こちらのセロリはなぜか食べられる。尖った香りがないからだろうか。不思議だ。
前菜なのにどんどんビールがなくなっていって、すじこにたどり着いた時点でもうアウトである。日本酒をお願いします。
はじめは「二兎」をいただいた。二匹の兎が向かい合っているというかわいいラベルのお酒である。角のない爽やかな酸味がちょうどいい。
おすすめされた「鳥の手羽先 一夜干し唐揚げ」は柚子胡椒といっしょにいただく。薬味がなくてもしっかりと味があっておいしい。おいしい手羽先っておいしいよねという頭の悪い感想をいってしまった。
「カキフライ タルタル付き」。自家製タルタルがたっぷり。毎回食べちゃう。お酒は「栄光冨士 ZEBRA」をするすると。
そして「ボラの白子 粒山椒焼き」はとろっとした白子ではなくて、歯がすーっと入っていくといういままであまり食べたことのない食感のものだった。焼かれていることで皮が張っていて魚介のいい香りがする。これはおいしい。
最後に締めの「山﨑ラーメン」。今回はじめていただいた。ラーメン屋のラーメンではなくて、懐かしくて優しいラーメンである。こういうのなかなか食べられないよね。
毎度毎度おいしい料理をありがとうございます。これでお値段もお安くて、いつも申し訳ない気持ちになる。また寄らせていただきます。
21時頃、もう少しお酒が飲みたいなあ、どこかないかなあとふらふら歩き、思いついて山崎さんに向かってみた。基本的には予約をしないと入れないのだけれど、この時間だとタイミング次第で入れるときがあるのだ。この日はラッキーだった。
盛り合わせを食べるほどのお腹は残っていなかったので前菜の中から気になった「鰹の南蛮漬け」をいただきつつお酒を選ぶ。
一杯目だったので淡麗系ということ「澤の花 さらさら超辛口」から。
それにしてもこの鰹の南蛮漬け、いいんですかね、こんなにお酒が飲めちゃって。大葉、ネギ、ミョウガなどの薬味の他に、玉ねぎとゴーヤが入っている。これだけでずっとお酒飲んでられる。
鰻が食べたくて「米茄子とうなぎの蒲焼き 胡麻あんかけ」を注文。想像していたものと違ってゴマ餡がかなり濃厚だった。こうなるとしっかりとしたお酒が飲みたくなってくる。「水鳥記 ひやおろし」はすっきりしつつも、少し甘い香りのするお酒で料理と合う。
「あさりと九条ネギの玉子とじ」はボリュームがあって出汁がしっかりときいている。これでもかというほどあさりが大量にはいっていて食べごたえもある。先ほどの鰻もそうだが、こんなにおいしくて量もあって原価率はどうなってるんだと思ってしまう。こちらとしてはありがたい限りなのだけれど。
いつもいつもおいしいお料理とホスピタリティに感動する。いいお店だなあ。
今回いただいた前菜盛り合わせはまた豪華だった。
「春キャベツのすり流しハマグリジュレのせ」
「山東菜の煮浸し」
「さつま芋のレモン煮」
「ほうれん草と釜揚げしらすのナムル」
「湯葉ウニべっ甲餡掛け」
「ホタテのいぶしドレッシング漬け」
「メカジキの南蛮漬け」
「田ぜりと胡桃の胡麻和え」
これだけ入って一人前だってんだからすごい。これだけでもお酒を無限に飲めそう。
まずは春キャベツのすり流しをさっぱりいただく。田ぜりは普通のせりではなくて、野生のものらしく通常のものより香りが強い。シャキシャキ感もあっておいしかった。メカジキの南蛮漬けがこれまたおいしい。酸味はあまり強くなくて、ちょっと甘みがある。湯葉ウニはビールで食べるのがもったいなかったので、さっそくお酒をいただく。
華やかなものということで「ハニークローバー」というお酒をいただいた。新潟のお酒で言われたとおり香りが強いのに飲み口はすっきりしている。トランプシリーズというものらしく季節によってマークが変わるらしい。夏はダイヤになるそうだ。
平目のウニ巻きなんて、一口で食べるのがもったいない。濃厚なウニの味とそもそも大好きな平目。ちびちびかじりたいけれどそうもいかなくて悔しいという。なんて貧乏性な感想だ。
筍の味噌焼き。山椒の葉といっしょにいただくとまた違った味わいがある。筍の歯ごたえに濃厚な味噌の相性がすばらしい。
お酒の追加はソガペール。小布施ワイナリーの日本酒で、以前に一度飲み比べをさせてもらったことがある。まずは「サケ エロティック」をいただいた。前にも思ったが本当に白ワインのような味わいだ。
料理はタラの芽と新玉ねぎの天ぷらをお塩でいただく。タラの芽ってなんでこんなにおいしいんだろう。
そしてもうひとつソガペールを。「リア サケ ナチュレル」という1号から6号酵母すべてを使い、バランスよく仕上げたお酒らしい。これはとてもおいしかった。あえて精米歩合70%にしているそうだ。感想が難しいが、すっきりしていて、飲みやすいのに、しっかりと味が残るというか。おいしい。
完全にお腹いっぱいなのに、A5ランク和牛のすき煮を最後にいただいた。
いつものことだけれど何でもおいしくて、店主さんも他のお客さんも楽しくお話してくれて、いいお店だなあとつくづく思う。最近は浅草の好きなお店が少しずつなくなっていってしまっているが、本当にずっと続いてほしいお店だ。
もう何度となく訪れているのだけれど、毎度すばらしいお料理とホスピタリティに感動する。
まずはビールをいただく。この日の前菜は「ごぼうのすり流し」からはじまり、お重に「ホワイトセロリとしらすのナムル」「ほうれん草の白和え」「蓮根クリームチーズ和え」「いぶし明太子」「ポテトサラダ」の5品。これも毎度思うことだけれど、これだけで十分である。
お酒が飲みたくなってお刺身を注文。金目鯛と平目をお願いした。
お刺身に合わせてお酒は寫樂の備前雄町をいただく。
「大きいにんにくとマッシュルームの酒盗オイル煮」は注文して大正解。アヒージョ風にパンがついてくるが、もうにんにくとマッシュルームがおいしい。特ににんにくがいつも食べる食感と違っていて、より濃厚に感じられた。バゲット代わりの食パンはタカキのミルクブレッドだそうで、めちゃくちゃ甘いのだが、酒盗オイルのしょっぱさだとなぜか合う。新しい食べ方だと思う。
最後に土鍋ごはんのタコメシ。これがまたおいしい。味噌汁には蟹が。ビールを飲んで日本酒を飲んで、しめにご飯を食べる。なんという幸せな夕食だろうか。タコメシは量が多くて食べきれなかったので包んでいただいた。ありがとうございます。家でまた楽しめていただきます。
こちらのお店にはもう何度も来ていて、最近は前菜セットというものができた。今回いただいたものは全部で8品。詳細はメニューをご覧いただくとしてどれもおいしいし、手が込んでいる。いろいろとお店の事情があってのメニューだとは思うのだが、クオリティはとても高くてこれだけで十分にお酒が飲めてしまうからすばらしい。プチトマトの加減酢がおいしかった。
その他にも季節の野菜を使ったお料理をいただいた。新竹の子のふき味噌焼きは竹の子の甘みと味噌のしょっぱさが合わさって日本酒がすすむ。
少しがっつりしたものを食べたいなと桜鱒のフライを注文。サクっといた衣にふんわりした魚の柔らかさがまたお酒をすすませる。酒ばっかり飲んでるな。自家製のタルタルソースもまたおいしい。
写真を撮るのは忘れたが日本酒は三連星の黒、白、赤があったので黒をいただいた。スッキリしていて香りが強め。これだけでガンガン飲めてしまう。
こちらのお店は接客もすばらしいので、いつも店員さんがお客さんたちと楽しそうに話している。和やかな雰囲気もすばらしいなと思う。
本当に大切にしたいお店のひとつです。
既に10回以上は訪問しているけれど、いついってもすばらしいお店だ。なんとなく裏浅草を歩いているときに見つけた場所で、こんな裏通りにあるのに店内はとても賑わっていて、なんとか座れたカウンターで食べた料理がおいしくて。そんなこんなでちょくちょく通うようになった。
まずすばらしいのは店員さんのホスピタリティで、とても丁寧な接客は感動するほどだ。お二人でやられているので料理の提供が遅くなることもままあるが、仕方ないなと思える。また日本酒の知識がとても豊富で丁寧に説明してくれるのもうれしい。
この日はまずお刺身を注文。魚もとても新鮮でおいしいのだ。雨でとても寒かったから熱燗をいただく。
必ず頼むのは梅干しの天ぷら。あったかい梅干しもよくて、これだけでずっとお酒が飲めるし、お酒がぐんぐんなくなるから、ぐんぐんに酔っ払って、陽気になれる食べ物だ。
どの料理もおいしくて、お酒がすすむものばかりだから、たまたまあった飲み比べを注文してしまう。銘柄の飲み比べではなく、酵母が違う同じ銘柄のお酒の飲み比べらしい。あまりこの店でこういったものを見たことがなかったが、先ほども書いた通り店員さんがとても日本酒に詳しく、自ら酒蔵にいって買い付けたりする方らしく、これもきっと珍しいお酒なのだろう。
お酒をたくさん飲んでしまうから、ここに来たときはいつも楽しいのかもしれない。最後はおにぎりで締めるのだけど、完全にお腹はいっぱい。なんとなく名残惜しくて頼んでしまう。
既に人気店なので満席のときもあるが、ふらりといって入れると幸せな気持ちになる。またふらっと酒が飲める日を楽しみに生きていこう。
3位
2回
2019/07訪問 2019/08/26
既に何度かお邪魔している「うぞうむぞう」さん。葛飾あたりから押上までの間でキレイめなお店をお願いされたときに重宝している。
この日はいくつかのお店に振られた結果に流れ着いた。周辺の居酒屋に比べて予算がお高めということもあって、いつも席に多少の余裕はある。そういうところも助かっている。
カウンターに座ってまずはビール。おつまみは「まぐろのぬた」がお気に入りで、かなり濃い赤味噌とわけぎがおいしい。
平目の刺身とサラダをいただいところで、日本酒をいただく。「美丈夫」の「慎太郎」をはじめて飲む。香りはあるけれど飲みやすいタイプ。
同行者がそろそろおでんを食べたいとのことだったので、そのタイミングで白ワインにチェンジ。おでんの出汁をつまみに白ワインを飲んでいる。季節のおでんは出汁にバターとブラックペッパーを入れて出してくれるものがあって、それはもう完全におつまみである。
こうなったら赤ワインも飲みたいと肉も追加する。店主さんといろいろお話しながらいつの間にやら数時間が経っていた。
最後に出汁のお茶漬けをいただく。お漬物がたくさんついてきて自分でアレンジしながら楽しめる。がっつり食べて、がっつり飲んだ。そりゃあお会計はそれなりになってしまうよね。ごちそうさまでした。
いろいろな方から「曳舟においしいお店ができたよ」と聞いていたのだけれど、なかなかタイミングが合わず、ようやく訪問できたおでんとワインのお店。
ハートランドの生をいただきつつ、いろいろとお話がきけた。お通しはくわいの素揚げかな。
おでんを担当されている方はもともと浅草の大多福にいらした方だそう。そして主にお酒を担当されている方は、バーテンダーとして浅草のオレンジルームなどで修行され、その後は浅草にあった焼鳥屋の萬鳥、その後はちゃこーるで働かれていたとのこと。お二人の得意分野を合わせてお店をはじめられたとのことだった。
おでんまでの肴にまぐろのぬたを注文。こちらのぬたは赤味噌を使っているようだ。ぬたで食べる分葱って本当においしいですよね。まぐろも適度に脂がのっていて、お酒がすすむ。
ビールがなくなったのでとりあえず白ワインに。さっぱりしているものをリクエストして、ピクプールをいただく。ワインのことは全然わからないんだけど。
もうひとつ肴に平目刺し。ふと魚やおでんに赤ワインは合うのかなと思い、聞いてみると「意外と合うんですよ」とのこと。特に酸味のある赤ワインがいいということでピノノワールをいただく。確かにさっぱりとして平目といっしょに食べてもそれほど違和感はない。
いよいよおでんをいただこう。季節のおすすめは牡蠣ということで、それは絶対に食べたいと思っていた。ちゃんと殻に入った牡蠣をむいて、それを酒燗器に入れる。こうすると急激な温度変化がなく、身があまり縮まないとのこと。
食べ方がまた変わっていて、牡蠣のうえにバターをのせて胡椒をふってくれる。おでんの出汁とバター、それに牡蠣。もっといえば赤ワイン。これが最高の組み合わせだーって感じではないのだけれど、違和感は全然ない。牡蠣と出汁、牡蠣とバター、牡蠣と赤ワイン、それぞれ合うんだからそりゃあそうだという話だけれど、新しい発見はあった。
白子はもみじおろしでいただく。もうこれはおでんなのかという気もするが、おでんの出汁で食べる白子はおいしい。
定番メニューから玉子とチーズ袋。複数種類のチーズが組み合わさっているらしく、びよーんと伸びる。しっかりチーズを味わえて、これこそおつまみとして酒がすすみそう。
最後にまた季節メニューから、ゆり根入りさつま揚げをいただく。ゆり根おいしいよね。小さい頃は苦手だった記憶があるのだが、児童文学の「ズッコケ三人組」で無人島に漂着した三人がゆり根をごちそうのように食べる描写があり、それから食べられるようになった。さつま揚げの中にゆり根がゴロゴロ入っていて、満足感のあるおでんだった。
楽しいお話とおいしいおでん、それにワインをいただいてとても満足度の高い夜だった。お店もゆったりとした造りになっているので、落ち着いて飲める。オープンして間もないがもう常連さんもついているようだ。個人的にもまたちょくちょくと寄りたい。いい店できたなー。
4位
1回
2018/11訪問 2018/11/04
5年前ほど、自宅近くにめちゃくちゃおいしい天津飯が食べられる中華屋があると聞いて訪れたのが最初だった。お店に着いて外観を見たときは「え、ほんとにここ?」と疑わしい気持ちになったが、いざ食べてみるとめちゃくちゃおいしかったのだ。いまではその天津飯がおいしいという情報がどこから得たのかすら覚えていないけれど、もうこちらはめちゃくちゃおいしい中華ということでいつも利用させてもらっている。
お店はご夫婦が厨房、そしてご夫婦のおそらくお母さんがホールを切り盛りされている。2階にも席があるのだが、お母さんの足が悪いのか使われているところを見たことがない。
まずはお母さんにビールをお願いする。こちらのアルコール類は瓶ビールか紹興酒のみである。他にもメニューがあるのか知らない。お母さんはゆっくり冷蔵庫からビールを取り出し、栓を抜いて置いてくれる。
冒頭で天津飯の話ばかりしたが、こちらは餃子もうまい。おつまみに「焼餃子」を(500円)を一枚注文。野菜の甘みがしっかり感じられる薄皮餃子である。ちゃんと厨房で皮から作っている。何個でも食べられそうなシンプルなおいしさだ。
そしてメインはもちろん「天津丼」(かにたまどんぶり、700円)。上にはわかりやすく天津飯と書いたが、本当は丼である。見た目はとてもシンプルで、定番のグリーンピースなんかものっていない。しかし、中具はたっぷりで蟹としいたけが詰まっている。
玉子もおいしいが、何がおいしいってやはり餡なのである。醤油系のかなり甘めの餡が、不思議なことにとんでもなくおいしい。玉子の食感もふんわりしていてレンゲですくうのにちょうどよく、スイスイ食べてしまうとあっという間に完食して、もうなくなっちゃったとしょんぼりすることになる。ゆっくり食べよう。やあ、今日もおいしかった。
ビールが余ったので「にらればいため」(550円)を追加。ニラともやしがたっぷりだ。こちらも抜群においしい。少し強面の店主さんが黙々と鍋をふる姿はかっこよくて、すばやく調味料を投入していく様からは料理への期待を高めてくれる。
もちろん好みもあるとは思うが、こちらの天津丼は間違いなくおいしい。
5位
1回
2018/12訪問 2018/12/16
浅草のバーをいくつかまわっているとたくさんの方から名前を聞くこちらのOrange Room。浅草のいくつかのバーはこちらのお店出身だったり、先日オープンした曳舟のおでん屋さんもこちら出身とのことで気になっていた。ラ・ポポットのマスターからはピザがおいしいと聞いていて、そりゃあ食べたいわいと時間が空いた日にいってみた。
カウンターに座り、とりあえずジントニックを注文。30年以上も続く老舗バーと聞いていたが、男性と女性の2名の店員さんは思いのほか若い方だった。チーズを食べながらちびちびと飲む。
後ろのテーブル席には若い人たちが多かった。合コンのようなものまで開かれていて、盛り上がっている。なんだかお忙しそうで話しかけることができなかったのが少し残念だった。
まわりを見るとやはり食事をされている方が多い。店内のPOPや黒板にもたくさんのメニューがのっていて、お酒がしっかりしているダイニングバーという感じ。カウンターに座ってお酒をやっているとそこはしっかりバーの雰囲気なのだけれど。
確か二杯目はグレンリベットをいただいたと思う。ロックで。
さてピザパイを食べよう。メニューにも「ぜひこれを食べてください」とある。サイズが選べるようだったので、小さいほうのSサイズにして、アンチョビをトッピングしてもらった。
焼き上がりには少し時間がかかるので先に注文しておくのがおすすめ。少ししてやってきたピザはピザパイとあるように少し厚めのどっしりとした見た目だ。
生地もソースも自家製とあって、なるほどと思えるなんだか懐かしい味。少し濃いめのソースとたっぷりのチーズがおいしい。アンチョビのアクセントもよくてトッピングして正解だった。これはおいしい。
ウイスキーのロックで食べるものではなかったので最初にカクテルといっしょに頼んで楽しむべきだった。少し遅い時間に差しかかかると若い方たちは少なくなって、常連さんが増えてきた。いろいろな層のお客さんを受け入られる懐の深さがあるお店なんだろうなと思う。次は友人を連れていきたいな。
6位
1回
2018/06訪問 2018/06/18
どうしても行きたかった「うを徳」さん。ご褒美に予約の電話をかけたら、土曜日なら一か月半後になるとのこと。待ちます。待ちます。むしろ一か月半も楽しみにできるなんて幸せなことじゃあないか。
当日なんて楽しみでじっとしていられなくてフラフラ出歩いちゃったりなんかして。予約の時間ぴったりにお店の前に到着。外観は普通の一軒家という感じ。がらりとドアを開け、店主さんに予約名を伝えるとカウンター奥に案内された。
おまかせと伝え、まずは瓶ビールをいただく。すぐさまつまみの稚鮎と枝豆が出てくる。ああ、ここから待ちに待った幸せな時間がスタートするのかと思うと手が震えてしまう。
「賀茂茄子と蒸し鮑」は勝浦鮑を使っているとのこと。こんな序盤から鮑が出てくるなんて、こんな贅沢でいいのかしら。
続いて「鰹の藁焼き」。鰹は那智勝浦のものでニンニク醤油でいただく。
お造りは「北海道バフンウニと淡路島の星鰈」。どちらも超高級食材である。おいしい雲丹の味を忘れていたけれど、こんなに甘いものだったのだなと思う。星鰈は歯応えがあって、たまらなくおいしい。
焼き物に「静岡県稲取の金目鯛」。ここで日本酒にチェンジ。
そうめん南瓜こと金糸瓜を文字通りそうめんのようにいただいて口直しをしたあとは、「児島湾のうなぎ」が白飯にのってやってきた。噂に聞いたことがある青鰻というやつだろうか。こんなの食べてよいのか躊躇するほどにおいしい。
握りの前の椀物として「秋田のじゅんさいと鳴門のわかめの味噌汁」がやってきた。白味噌ベースという少し変わったお味噌汁だ。関西風なのだろうか。
さあ、いよいよ握りである。もう名残惜しい気持ちが出てきてしまっているが、あとはしっかり味わって食べよう。
この日の握りは「羅臼のときしらず」「境港の中トロ」「行徳の小肌」 「三重県のあいなめ」「大トロ」「アオリイカ」「淡路島の胡麻鯖」「瀬戸内の平貝」、そして最後に「鮪の赤身」という流れだった。
寿司の評価をできるほど食べているわけではないが、目の前で繰り広げられる店主の丁寧な仕事を見られるのは贅沢な時間だ。想像していたよりも強めに握っているようだったが、いざ食べてみると口の中ではらはらと崩れるシャリと、ネタとの一体感に感動しっぱなしだった。
最後のデザートは「熊本の小玉スイカ、宮崎のマンゴー、台湾のライチ」。今年はじめてのスイカ。そして濃厚な宮崎マンゴー。爽やかなライチで締め。
気付けば3時間半も経っている。こんなにゆっくりとおいしいものを食べ続けるなんてはじめての経験で、こんなに幸せな食事があるだろうかと思う。若いころに銀座ではじめて寿司を食べたときもここまでの感動はなかった。
最後まで店主さんの心遣いを感じながら店を出た。頻繁には来れないだろうけれど、またいつか伺いたいと思う。
7位
2回
2022/03訪問 2022/04/05
浅草でモーニングを探すのは大変なので、こうなったらペリカンカフェにいってやろうと気合を入れて訪問。平日なのにほぼ満席でなんとか空いていた一席にすわった。あらためてペリカン人気を認識しますね。
ハムカツサンドにひかれるつつ、やっぱりトーストだなと「ハム目玉焼きトースト」(570円)と「ブレンドコーヒー」(470円)を注文した。
青いお皿と青いカップがかわいい。トーストはかぶりつきたいところだけれど、ハムと目玉焼きがトーストからがっつりはみ出しているので、仕方なくお上品にカットしていただく。
やっぱり朝はトーストですね。ペリカンのパンにハムと目玉焼きがのっておいしくないわけがない。ペリカンじゃなくたっておいしいんだから。ペリカンカフェはなぜかふんわりとした食感になっていて、自宅で食べるのとはまた違ったおいしさが味わえる。
個人的にはどちらもおいしいと思っている。ちょっとくちゃっとして口に残る感じはあるんだけどそれはそれでいい。ふんわり消えていくだけがおいしい食パンというわけでもないだろう。ペリカンのパン自体が特徴的なので好き嫌いはあるだろうし。それにしてもやっぱり僕はペリカンのパンが好きだな。
開店前からいきたくて仕方なかったのだけれど開店当初のあまりの混雑っぷりに恐れをなして、落ち着いたらいこうとずっと様子を伺っていた。ところがなかなか落ち着く気配がなく、もう辛抱たまらんと平日昼間にいってみることにした。
店内にあるウェイティングリストに名前を書いて待つシステム順番にきたときにその場にいなくても2時間以内なら次の順番で入れるということで良心的である。それだけ待つ人が多いということでもあるのだろう。
到着したのは11時頃だったが5組ほど待ち。そのときは6人ほどのグループで待っている方が2組いらしゃったので結局45分待つことになった。基本的にカフェなので落ち着いて本を読んだりされる方も多く、待ち時間が長くなるのは仕方ない。気長に待ちましょう。
それだけ待ったということもあって欲張って注文してしまう。サンドイッチとトーストの両方食べたかったので、オムレツサンド(650円)と本日のトースト(820円)、ブレンドコーヒー(430円)を注文。本日のトーストは「チキンのグラタン、目玉焼き添え」である。こんなもんおいしくないわけがない。
まずはサンドイッチ。生食パンにオムレツがサンドされている。食パンにはケチャップとマヨネーズが片面ずつ塗られている。ケチャップはかなり酸味が強いタイプ。ふわふわのパンなのでオムレツの存在感とケチャップが引き立つ。最近サンドイッチばかり食べているが、これはかなり個性的だと思う。
そして本日のトースト。写真だとなかなか伝わらない気がするが、これがテーブルに置かれたときの自分の心の中のテンションの上がり方はすごいものがあった。やあ、これおいしいでしょう。間違いなく。
結果やっぱりめちゃくちゃおいしい。ペリカンさんの食パンは何度も食べて、何度もトーストしている。もっちりしているのに柔らかくて最高である。そのトーストという工程をペリカンさんがやってくれるわけだからこれがいわゆるペリカンさんが推奨するおいしさということだ。そんなことを考えて謎の感動を覚える。
ただそういう意味だと普通のトーストを注文すべきだったかもしれない。でもグラタントースト食べたいよね。炭焼きトーストは次の楽しみということにしよう。とにかく幸せな時間だったということがいいたかったのである。行けてよかった。
8位
1回
2018/12訪問 2018/12/11
桜橋を渡って浅草七丁目から六丁目へ向かうあたりにあって、気にはなっていたのだけれど、なにしろ毎日毎日ジャンクなものばかり食べているものだから、見るからに丁寧で健康そうな食事を摂取することに斜めの目線があったりして。
とはいえ僕もそこそこのお年になってきたので健康で栄養バランスのとれた食事もたまにはいただきたいと、なんとか目覚めた13時半におじゃますることにした。
すでにランチメニューになっており、黒板に書かれた「本日の昼ごはん」から選ぶ。大根がこちらのお店のメインのようだったが、連れが注文するというので僕は「和風ハンバーグ」(1,080円)にした。
想像していたよりもだいぶお若い店主さん。お客さんたちは常連さんばかりのようで、いつもの食事といった感じで召し上がっている。そういうひとにぼくもなりたい。
奥にはキッズスペースもあって、地域の方を大切にされているのだなあと感じる。
和風ハンバーグにはご飯と味噌汁、それに小鉢とお漬物もついている。一汁三菜というやつだろうか。こんな食事、ひさしぶりすぎる。
どれも優しい味付けなのだけれど、満足できるおいしさ。ハンバーグに添えられていた大根がやっぱりおいしい。連れの鶏大根も一口もらったらめちゃくちゃおいしかった。
完食すると心地よいお腹の満たされ具合で、ああ、なるほど、これが食事というものか、と感じる。二日酔いの身体を癒してくれるお店だ。
メニューを見ていると朝ごはんのおにぎりや卵かけごはんがおいしそうすぎるのだが、10時半までという時間の制約が僕を苦しめる。そんな朝早く起きれないよ。でもこのために早起きすれば、健康的な食事もとれてまともな人間に近づけそうだ。やってみよう。いつかね。
9位
1回
2018/02訪問 2018/03/04
浅草でいくつかバーにお邪魔して話を聞いているとたまにこちらのお店の話題になることがあった。少し不便な場所にあるけれど、オーセンティックですばらしい店、それなのに本格的な中華料理が食べられるという変わった店だと。ある日、浅草で飲んだ夜の2軒目に困り、せっかくなら行ってみようと6号線をてくてく歩いてやってきた。
入るとびっくりするのが奥に広いカウンター。バーテンダーさんが3名体制で接客をしている。ずらりと並んだボトルが壮観である。
座ると山田さんというバーテンダーさんが飲み物を聞いてくれた。この店のオーナーさんとのこと。ウイスキーを飲みたいがあまり詳しくないので教えてほしいとお願いすると、いろいろと好みを聞いてくれ、最終的にブルックラディというモルトウイスキーを出してくれた。好みの味だ。
次は若いバーテンダーさんにもいろいろと教えていただいてラガヴーリンをいただく。かなり香りがすごい。「クセが強いものとそうでないもの、どちらがいいですか?」という質問に「強いもので」と答えたからかもしれない。だが甘味もあっておいしい。ウイスキーは奥が深いのだなあという浅いことを考えたり。
こちらのお店は山田オーナーの先代からここ向島でお店をやっているらしい。もともと山田さんは中華料理のシェフだったそうで、そこから紆余曲折ありいまのスタイルになったらしい。
今回は2軒目だったので食事はいただかなかったが、次回は中華料理をいただこう。節分の時期が近かったからか、山田さんが人懐こい笑顔で豆を持ってきてくれて、それだけでまた来たくなってしまう。バー初心者にも優しい。ここはいい場所だ。
10位
1回
2018/09訪問 2018/09/30
浅草近くにはじめて住んだのが約10年前。そこから少しずつ浅草を勉強をして、なんとか少しだけは友人を案内できるようになったり、語れるようになってきた。来月には浅草に関する本も出させていただくなんてこともあって、こちらのお店に来ていなかったことになんとなく不甲斐なさがあった。いままでにもチャンスがあっただろうに。
今回はもろもろのお祝い、お疲れ様ということで予約させていただいた。
席に案内されるとお着物をお召しの奥様が挨拶をしてくれた。噂通りのおきれいな方で、休むことなく動き回ってみなさんに接客されているのが印象的だった。
ファーストドリンクを聞かれ、まずはシャンパンで乾杯。
アミューズは5品とのこと。じゃがいもがのったタルト、鰊、マーラーカオ、鮎、ムール貝のムース。以前にも書いたがフレンチにはあまり明るくなくて、それでもこの独創的な料理の数々には驚く。これは一体なんだろうと考えながら前から横から上からと覗き込んで、ちょんとつまんでえいやっと頬張ってみると、なるほど美味しいとなる。
今日はおすすめの雲丹があると一品増やしてもらった、雲丹を白ごまと豆腐で白和えをイメージしたもの。もちろんそのまま食べてもおいしいはずの雲丹が、こういう料理になるのかという感動がある。
パンは自家製なのかしら。もっちりしたものとハードなものの2種類いただいた。無塩バターとさっぱりしたオリーブオイルでいただく。
続いての料理はチェリートマトとホオズキ、それにモッツァレラチーズが入ったものにメレンゲでできたおせんべいのようなものをのせている。仕上げにトマトのコンソメをかけていただく。メレンゲが甘く、さっぱりしたトマトがまたちがった味わいになる。
金目鯛はパッションフルーツとバターのソースでいただく。隣には茶豆が添えられている。皮がぱりぱりに焼かれていて、身が甘い。そのままでもおいしい。白ワインに変えてもらう。
ダニエル・キャスタンのフォアグラにはたっぷりとハーブがのっている。その間には生ハムといぶりがっこ。なんという複雑な味。いぶりがっことチーズなどを合わせることは多いが、フォアグラに合わせるというのはすごい。
仔羊は卵黄をベースにした仔羊自身の油を使ったソースで。横には玉ねぎ、ジロール茸、鰯。仔羊の肉なんてあまり食べることがないのだが、こんなに甘いものなのだなと思う。もちろん火入れのすばらしさなのだろう。
もうすでにお腹がいっぱいだ。品数の少ないコースにしておいてよかった。
デザートも盛りだくさん。まずは雷おこし風味のブラマンジェ。一口で食べるととろっとしたソースが溢れてきて、確かに雷おこしのような味が口に広がる。これどうなっているのだろう。
次はポルチーニ茸とセップ茸が入った梨のジュレとグラニテ。梨の爽やかで冷たい味がある一方できのこの濃厚な味があとからやってくる。こんなデザートはじめてだ。
デザート最後は桃のアイス。
食後にコーヒー。プチフールで人形焼きのようなフィナンシェとカヌレ、それから浅草の老舗である小桜さんのかりんとうをいただいたのだけれど、食べきれなくて包んでもらった。
個人的にこのクラスのフレンチは少し背伸びした感が否めないけれど、お祝いということで。理解は追いついていないかもしれないが、単純にお腹と心は堪能させていただいた。フレンチの勉強もちゃんとして、またお邪魔したいと思う。
昨年は浅草のお店のみでランキングにしたのだが、今年は少し広げて向島あたりまで含めてみた。
2018年はいいものを食べようと意識した一年だった。食べたいもののために飛行機で移動するなんてこともやった。食に関するイベントにも参加させていただいた。食べログも一日一軒ほどのペースで書かせていただいた。書き留めることで食に対する理解もより深まることを実感し、今後も続けていきたいと思う。