2回
2018/09 訪問
おいしいものには自分の身体を合わせていかなければいけない
昨年のオープン時から行きたくて行きたくて震えていて何度か予約を試みたのだけれど、運悪く時間が合わずということが続いた。その間にお店はどんどん人気店になっていって、さらに予約が取りづらくなる。こらあかん、ということで電話をして一番早く入れる日を予約した。店を合わせるんじゃない、自分を合わせるんだ。
予約できた時間は開店の17時半から20時まで。カウンターに座ってとりあえずビールをいただく。漬物と口直しの大根おろしが出てくる。この大根おろしはおかわり自由だそうだ。
まずはオーダーについての説明がある。単品での注文でもいいが、おまかせがおすすめとのこと。おすすめの場合はストップとこちらから伝えるまで串を出し続けてくれるそうだ。では、肝を入れたおまかせでお願いしますと伝える。
さっそく血肝がやってきた。僕もようやく焼鳥の焼き加減のようなものが分かってきて、肝やささみあたりにお店の個性が出るもんだなあなんていっちょ前に思っている。こちらの肝はレア過ぎず、焼きすぎずといったあたりだと思う。なんにしても噛んだときの歯の通り具合と、そのあとのぷりっとした弾力がいい。もうおいしい。
続いてさび。焼鳥というシンプルな料理だからこそ、焼き加減という技術があって差別化されるというのはすごいことだと思う。日本で生活するというのは幸せなことだなと思う。みたいなことを食べながら思う。大げさだけれども。
単品で頼んだ肝わさ。これがべらぼうにうまい。部位はわからなかったがつなぎなのかな。ぷりっとした食感がいい。山葵はそれほど強くなくて、焼鳥の合間に少しずついただく。
銀杏は若いものらしくて、シャリシャリした食感がめずらしい。こんな銀杏ははじめて食べたがおいしい。
砂肝、焼き茄子、厚揚げと続く。厚揚げはお豆腐がなめらかで驚く。
つくねをいただいたあたりで白ワインにチェンジ。本当は日本酒をいただきたかったのだけれど、ここでお酒にいってしまうと一生飲んでしまうだろうなと思い踏みとどまる。20時までという時間があるのだ。ただその白ワインもまるはつ、軟骨をいただいたらあっという間になくなってしまったのだけれど。
ひしの南蛮という小ぶりな唐辛子をいただく。これも唐辛子とおなじく辛いものがたまにあるらしい。ひとつ食べると猛烈に辛い。どうやらはずれたようだ。そしてもうひとついただくとこれまた辛い。店主さんに聞くと辛いものはそんなにないとのこだったので、このあたりでやめておけという御示しだったのかもしれない。
焼きものはストップで伝えると締めの提案をいただいたので、最後に玉子かけご飯をいただく。とんでもなく濃厚な卵で締めとしては最高のメニューだった。
期待通りすばらしいお店だった。このクオリティでこの安さであれば、他の焼鳥屋さんにはなかなか行けなくなってしまいそう。これからも隙あらば予約をして、それに人生を合わせていきたい。
2018/09/17 更新
3回目の「おみ乃」。ミシュラン1つ星を獲得されたそうで、店内にはお祝いの花が飾られていた。開店からまだ3年も経っていないのにすごいことだ。
これでますます予約が取りづらくなる。今回も1ヶ月前に空いている時間を聞いて、それに合わせて行ったので随分と遅い時間になってしまった。もうそれは仕方がない。
スタイルは変わらず。まずは肝わさでビールを飲みつつ、焼鳥を楽しみに待つ。
まずは肝から。相変わらず弾力を残したいい焼き加減である。焼鳥は好きなので大衆居酒屋の焼鳥でもうまいうまいと食べてしまうのだけれど、素材と技術の差を感じるとびっくりしてしまう。
さびと銀杏。前回は秋に伺ったのだが、銀杏の食感が違って季節を感じる。
砂肝、厚揚げとこのあたりまではいつも通りの流れだ。もちろん初回の感動からは薄れるが、だからといっておいしくないわけがない。変わらずおいしい。日本酒をください。
前回はなかった芋が出てきたり、マルハツやちょうちんがなかったりと遅い時間だと終わってしまうものもあるようだ。
せせり、軟骨と続いて、そろそろ野菜が食べたいなと見ると、大きな椎茸がある。よし、あれをもらおうと思っていると、その椎茸、どんこが皿に置かれる。見透かされているようだ。
うずら、アスパラで今回は終わり。お腹がいっぱいになってしまったのだが、数としてはもう少し食べたかった。もっとお腹を空かせていけばよかったなあと少し後悔した。
相変わらずのクオリティでとても満足です。焼場の中はいろいろとバタバタしているのが見てとれたので忙しそうで大変だなあと思いつつも、これだけフルでまわしてくれるからまだ予約がとれるのだろうからありがたい。
またちょくちょく食べられるといいな。