4回
2021/12 訪問
スター揃い
今年3回目の訪問です。春は天ぷら、夏の鰻と来て今回は河豚です。
年末に近いこの日、大寒波が来ていて朝方は名古屋でも雪がちらつくほど。私は名古屋から浜松に走って行きましたが、道中ずっと気温計は0度〜2度の間と極寒。寒すぎて疲れているのに走ってないとむしろ辛いという地獄の様な環境の中で150kmも走って来たのはここでたらふく食べる為です。そう、気合が違います。
まずはビール。ああ、染みる。生きて浜松に到着出来て良かった。大袈裟だと思う人に0度の中150km自転車漕いでみろと言いたい。誰もやらんか。
トップバッターは海老芋にキクラゲとむかご。その上に唐墨です。乗っけから唐墨で日本酒が飲みたくなる。いつも通りの静かなスタートです。
いつものお出汁を使わない椀物。今回は鯛とみぞれ。うおー美味しい。鯛からこんなに出汁が出るのか。大根にも味が滲みています。
日本酒はいつも通りおまかせで。喜久酔。さあ飲むぞ。
さて河豚の登場。まずはてっさです。河豚は勿論ながらポン酢の爽やかな酸味が心に残ります。また煮凝りは味が濃い。酒が進むくん。
次の日本酒はなんと十四代。さらっと出てくんのかい。香りがダンチ。がぶ飲みしたい。
トラフグの白子。これと十四代という至福よ。私はこの瞬間、日本で1番幸せだった自信があります。
十四代が速攻で無くなったので次を頼むと而今。好きだよ、而今。
大根炊いたものに辛子味噌で箸休め。
さて、虎河豚の唐揚げです。むちゃくちゃ大きいものがドンドンと二つも。可食部も多く、店内皆手で持ってむしゃぶりついてます。
而今でも良いのですが唐揚げにはやっぱりビールでしょ。という事でオーダー。間違いない。2022年はそろそろCMオファー来ないかな。
さてそろそろメイン。てっちりかと思いきや猪でした。ちょっとずっこけ感はありますが、この猪は美味しいですねえ。豚肉に近いのですが、それよりも良い意味でケモノ感があり肉の味も脂の味も濃い。また出汁を吸った野菜も秀逸。椎茸とか最高。
実は密かに大将があちらの方は良く食べるからと少し私のお椀を大目にしてくれたのを見逃しませんでした。やっぱり心が通じてる。
而今の品評会用の大吟醸が入ったからと。同じ而今でも全然違いますね。しかし2013年の日本シリーズを彷彿とさせる連投です。
猪のお出汁でセリ。ああ、美味しい。このセリなら3束ぐらい食べれそう。
白菜も。一玉ぐらい余裕。
新政。十四代、而今と来てからのこの流れ、槙原斎藤桑田かよ。ミーハーな私にぴったりです。
セリの根っこ。私はこっちの方が好き。
〆はうどん。出汁を吸ったうどんの美味しいこと。
という事で4杯食べました。幸せ。
甘味は白餡にシャインマスカット。モナカの香り、白餡の上品な甘さに、シャインマスカットの少しの酸味と甘味がよく合う。和菓子なのですが香りと味の重ね方がフレンチみたいでデザートワインが飲みたくなりました。
以上、ビール小瓶2本に日本酒五勺を4杯で3万也。余は満足じゃ。
河豚と聞いていたので少し拍子抜け感はありましたが、そもそも河豚をすごく好きと言う訳でもないのでかえって色々なものが頂けたのが良かったですね。特に猪の美味しさが心に残りました。猪の出汁はあんなに野菜すらも美味しくしてしまうのかと気付きがありました。
幾分質素な料理でしたがそれだけに素材の良さがよくわかりました。ここの素材は他よりも良いのか、それとも引き出し方が上手いのか。多分両方なのでしょう。大将のインスタとか見る限りワインもDRCがあったりとかなり揃えは良さそう。どんな人脈なんだろうか。
前二回が圧倒的だったので今回は少しトーンダウンしましたが、やはり食べさせ方も上手いし、〆を思いっきり食べさせてくれる所も大好き。また次もペコペコにお腹を空かせて伺います。御馳走様でした。
2022/01/26 更新
2021/10 訪問
間違いじゃ無かった
浜松にやって来ました。こちらに伺うのは今年の5月以来2度目です。
まずはビール。実はこの日の前日、私はグルメな上司も含めて6人で上海蟹を食べながら紹興酒を5リットル飲むという暴挙をしており、この日の体調は絶不調。6人で5リットルはやり過ぎた。おっきい甕が空になってました。またその店は記事にします。
トップバッターは芋茎と鮑。鮑の出汁の優しい温かな味わいで胃の準備体操。迎え酒状態の私にぴったりな優しいスタートです。
地元で取れた小肌の巻物。穏やかな締め方で好み。光物の香りと海苔の香りと、三心を思い出す様な間違いないタッグです。
どどん。松茸御飯にいくら。ああ、美味しい。いくらの塩気の裏に松茸の豊かな香り。気品があります。
田酒。やっぱりここの大将と日本酒の好みが一緒だな。華やかな香り。やっぱり今日も飲んじゃおうかなという気持ちになって来ました。
地元で取れたハタの焼き物のお椀。そこに大量の松茸。私の目の前で大将が鍋に入れてたのですが、とんでもない量を入れてました。1椀に1本分は入ってたんじゃないか。
当然に松茸の香りがものすごいのですが、そこに負けない魚の美味しさよ。何と味の濃いハタなのか。白甘鯛にも負けない香り、味。出汁は一切取らず魚と松茸だけとの事ですが、信じ難いほど強い出汁が出ています。松茸に目が行きがちですが、魚の負けない強さがとても印象的でした。
お刺身はハマチとスミイカの子供。これは特にスミイカが美味しいですねえ。細かい包丁でネットリと舌に絡みついてきます。カットが大きいのも良い。食べてる感がすごい。
大将が取り出した海老があまりに大きく写真を。何じゃこらバケモノやん。浜名湖の牛海老というものだそう。
開運。少し辛口でこれも好き。
待ってました、この日は今シーズン最後の鰻デー。前回の天ぷらの時に聞いてから待ちに待った鰻。もうシーズン最後との事で滑り込みで間に合いました。浜名湖の天然海鰻の白焼きです。
当然に期待値はものすごく高かったのですが、一口。何やこれ。う、美味すぎる。。身の強い弾力、適度に落ちなおも残る脂の綺麗な事、香りも極めてクリアー。こんなに気品を感じる鰻は初めてです。もはや他の鰻とは完全に別物。こんな鰻を知ったらもはや不幸になる、しかしまた食べたい、何と贅沢な悩みなのでしょうか。
まだ食べれますと言ったらもう一切れくれました。こんな美味しい鰻をくれるなんて。やっぱりここの大将と心が通じ合ってる。
続いては鰻の牛蒡巻き。こちらはタレですが、やはり脂切れの良さがすごい。牛蒡の香りとも相性が良く、銀杏の苦味も良い。もはや二日酔いで体調が悪かった事など忘れてきました。
ここでエース而今。このタイミングで出してくる所に大将のセンスを感じます。しかも山田錦の大吟醸ですからね。ああ、美味い。再び酔ってきて私は幸せです。
先程の牛海老は何と海老フライに。こういうの好き。しかしこの海老の弾力は凄まじいですね。極めて筋肉質であり、大きさだけでない食べ応えです。私はいつも海老を女性に例えますが、この牛海老は完全にムキムキマッチョの男性的な味わい。海老フライといった遊び心だけでない必然性を感じました。
うざく。うざくってやけに酢が強い時があってあまり好んで食べないのですが流石のバランスの良さ。もずくがちゃんと美味しいのがポイント。にしてもこの鰻まじで何でも美味いな。
エース2連投。今度は雄町。日本シリーズの様な継投です。今のヤクルトで言ったら奥川からの高橋みたいな感じでしょうか。知らない人はYouTubeでこの前の奥川くんの完封を見ましょう。
最後は鰻丼。見て下さい、この量。笑えるぐらいのボリューム。気前が良いなんてもんじゃない。
そして何度も言いますがあまりに美味しい。タレは仄かに甘く香ばしく、やはり身の弾力と脂に気品を感じます。ここまでお腹いっぱいなのに店内皆無言で食らいつくこの光景。本当に美味い店はみな無言で食らい付いてるんです。それが〆だからすごい。
漬物と肝吸いも付いてきます。肝吸いの肝がむちゃくちゃデカくて思わず笑ってしまいました。
ご飯は余ってるとの事でお代わりを。こちらは卵かけご飯にしてくれます。大盛りにしてもらって食べる幸せ。この卵も美味しいなあ。鰻の余韻とこの卵だけでいくらでも食べれます。
最後は地元のメロン。何でも東京の有名店も最近使い出してるそうなのですが、これがむちゃんこ美味しい。とにかく甘いのですが砂糖的な甘さでは無く、とにかくマスクメロンの味が濃い。故に果汁が美味すぎる。そしてこれもデカい。店内のみんながこのメロン美味しいと再び無心で食べ始める程。今まで食べたメロンでぶっちぎりNo. 1でした。
抹茶でご馳走様でした。
という事で食べも食べ、ビール小瓶1本と日本酒五勺を4杯で30000円でした。今日も良く食べた。結局普通に飲んで食べてるやん。
圧倒された、というのが正しいでしょうか。前回感じたこの感覚は間違いじゃ無かったと確認出来ました。私の好きな天ぷらだったからあんなに感動しただけなんじゃないか、あの時がたまたま運が良かっただけなんじゃないかと、あまりに良かったせいか一抹の不安を抱えていたのですが、そんなものは杞憂でしか無かったと一点の曇りも無く思わせてくれました。
とにかく美味しい。なんと綺麗な鰻なのか。私の鰻感がまるで変わりました。ここまで来ると関東風とか関西風とか、白焼きが良いとか蒲焼が良いとか、そんなものはどうでも良くなるほど、超越した美味しさ。他と比べるのが馬鹿馬鹿しくなります。
そんな鰻に負けない食材。松茸の香りはもちろん、あのハタの味の濃さ、海老フライの弾力、最後のメロンの衝撃的な美味しさ。なんなんだろう。このお店は何がそんなに違うのかというぐらい違う。ひたすらに美味しい。
やはりここの大将と私の好みは完全に一致しています。とにかくカットが大きく、一品一品の量が多い。何を食べてるか分かり、かつそれが十分に味わえる。色んな料理が出てきて変化があり、それでいて一貫したストーリーを感じます。美味しいものを食べるのが大好きで、自分でそれを表現したいというのが伝わってきます。これは素晴らしい才能です。
食べ終わってお腹は満腹なのに、まだ食べたい。明日にでも食べたい。一皿毎の期待感とそれを上回る美味しさ、皆無心で食べるあの空気。この感覚は成生とここだけです。
多分私はこれからもずっと通う事になるのでしょう。また違う季節に違うものを味わえる喜び。それをまた夢見て。御馳走様でした。
2022/01/24 更新
2021/05 訪問
心と心が通じ合う瞬間
私は暇な時に食べログやGoogleマップを駆使して美味しそうな店を探すのが趣味なのですが、こちらはそんな日々の日課で探したお店です。浜松駅から歩いて15分ぐらいの繁華街を通り抜けた所にあります。
元々チェケラしていたのですが紹介制のお店だった様でぼっち飯の私は行きたくても行けなかったのですが、この5月よりOMAKASEでの予約が出来るようになりました。嬉しい反面、私はOMAKASEに対して穿った見方を持ってるので幾分斜に構えての来店です。
店内はゆとりのあるカウンターが6席ほど。大将にお若いお弟子さんが2人いらっしゃいました。2人ともまだ20代前半(なんなら1人は10代?)なのですが、キビキビとしていて良い雰囲気。大将優しそうなのに結構仕事には厳しいんだろうな。
まずはビール。お水が自動的に出てくるのですが、たっかい寿司屋で一本800円ぐらいで出てくる富士山の水だったのでビビりました。これお会計に入るんかな。
トップバッターは鮑。下には鮑と一緒に炊いたお米とカットされた鮑があります。え、なにこれむっちゃ美味しいんだけど。鮑の味が濃く、カットされた鮑がゴロゴロと入っています。写真じゃ分かりにくいですが先付けにしては結構ボリュームがあるのも嬉しい。鮑半身ぐらい使ってるんちゃうかな。
この日は一年に一ヶ月程限定の天ぷらのコースの日だった様で、その天ぷらの食材のプレゼンテーション。山菜はわざわざ山の方まで行って取って来たそうです。魚は地元のもの。海老でか。
浜名湖のエビに山菜と茄子の煮物。どこにでもある煮物の様ですが、特に茄子が美味しい。素揚げした上に海老の出汁で炊いてるのか味が染み込んで絶品。
日本酒へ移行。写真撮り忘れましたが、臥龍梅 鳳雛という地酒の純米大吟醸。綺麗で香りが豊潤なタイプの日本酒でした。
地元舞阪で取れた鯛のお刺身。熟成させた鯛を厚切りのカットで頂きます。厚切りの身を咀嚼するとぐわーっと鯛の旨味が出てきます。鯛の刺身が美味しいお店を私は信用しているので、この店好きだと確信し始めました。
天ぷら前の準備運動で御前崎のワカメと先程の鯛の出汁。ワカメがとろとろで美味しい。鯛の出汁もしっかりです。
日本酒も準備。黒龍の福。先程同様香りが豊潤。さあ天ぷら食べるぞ。
その天ぷらは1番センター、キス。いきなり主砲どころから来ました。キスらしい香りが素晴らしく軽い食感。キスから始まる物語のはじまりはじまり。
太刀魚。主役級が続きます。この太刀魚、ミキュイとも言うべきか半生に近い火入れであり、ジューシーかつほっくりとした食感。太刀魚特有の香りが素晴らしいですね。厚切りで食べ応えがあるのも好きな芸風です。
もう日本酒無くなっちゃったから而今。青リンゴの様なチャーミングのある香り。さっきから薄々思ってましたが、こちらの大将、こういう華やかな香りの日本酒が好きなんですね。私と一緒です。
タラの芽。うわーなんて香りが良いのか。衣が薄く、パリパリとした食感と食材の香りが抜群。なるほど、だからああいう日本酒が好きなんだな。
山菜続く。はりきり。後から山菜らしい苦味が来ますねえ。先日ひら田でも美味しい山菜頂きましたが、山菜って命の芽吹きって感じで良い。ビール飲みたくなってきた。
来ました甘鯛。これもデカい。甘鯛の天ぷらと言えば成生ですが、流石にそこまでと言いませんがそれでもかなり美味しい。やっぱり甘鯛は香りなんだよな。
山菜の天ぷらと言えばコシアブラ。苦味と仄かな酸味。バランスの良い食材で問答無用の美味しさです。
今度の日本酒は小布施のヌメロシックスが出てきました。先程の私の印象まんまのチョイスに笑う。絶対この大将ワイン好きだ。
天然の大車海老。さっきの特大のやつです。うわーもうこれむちゃんこ美味しいですねえ。大味かと思いきや、身の香り、旨味、甘味、パーフェクトです。食べ応えと合わせたら今までの天ぷらで1番美味しい海老だったかも知れません。
山うど。やはり香りが素晴らしいですねえ。海と山、同時に感じられる構成も素晴らしい。
穴子。高音でガリっと揚げられており、ザクザクとした食感がまず良い。芸風としてはみかわに近いかな。太白油の香りと穴子の香りもマッチして素晴らしい天ぷらのフィニッシュでした。
〆のご飯に行く前に出汁と豆腐の摺流しの様なもの。素敵な天ぷらの余韻に浸ります。
ご飯は前日も頂いた餅鰹を醤油で煮ただけの煮物と一緒に白米を頂きます。最初は醤油のアタックですが、鰹の旨味がぐわーっとくるグラデーションが抜群。甘い米との相性も良い。
お代わりお願いすると、「大盛りにしますか?」の一言に満面の笑みで応えるとほんとに大盛りにしてくれました。大将と心が通じ合った瞬間です。
いつもはご飯ものは一種類だそうですが、この日は特別にもう一種類出して頂けるとの事。もう私の心は完全に掴まれました。
その前に漬物。メロンとセロリと沢庵という珍しい構成。これがまたさっぱりと美味しく、それでいて変化があり良かった。
さて、もう一種類のご飯物はなんとかき揚げ丼です。何だよ最高か。しかもご飯にはコシアブラがこれでもかと混ぜ合わされています。九○萬でもコシアブラご飯食べましたが、こちらは入ってる量の気前が良く香りが良い。かき揚げも海老と山菜で甘味と苦味のバランスが良いですねえ。割と重ためなのですが、コシアブラの苦味が上手く中和させていてスイスイ食べれます。
と、またもや大将から「お代わりしますか?」の一言。大好きです、と思わず告白してしまいそうになりました。しかも次は海老だらけ。心が読まれてるのか。というか私がそれだけ美味しそうに食べていたのか。何でも良いですけどとにかく幸せです。
甘味はわらび餅。わらび100%のものだそうで20年置かれたものだそう。これ、作ってる時の香りが蜜というか少し癖のある匂い。しかし完成品は臭みなど無く、半分液体上で柔らかく香りが良い。ちなみにこれもお代わりくれました。やばくね。
とまあ、本当に食べも食べ、飲みも飲みました。ただ、水や純米大吟醸の件もあり、お会計にはかなりびびっていたのですが、お会計もらってびっくり。26000円でした。コース22000円にビール小瓶一本、日本酒五勺を4杯ですよ。水代なんか全然入ってないやん。もっと飲めば良かった。
語彙力貧弱で申し訳無いのですが、ヤバかった。私の好みドンピシャのお店でした。食材のカットが大きく、ボリュームがしっかり、どれも食べ応えと香りを意識した料理で、お酒も豊潤な香りのもの。〆の炭水化物の気前の良さは完全に食い道楽の発想であり、こんなに心が通じ合えるのかと感動を覚えました。
今回は天ぷらのコースでしたが、天ぷらの一流店と互角に戦える美味しさでした。脂がとにかく軽く、衣がかなり薄めなのが特徴的。天ぷらを置いた紙に最後まで全く油が付いていない事がその軽さを証明しています。食材の香りと食感を楽しめる様にとの事なんでしょう。正直成生の次ぐらいに好きでした。あら木よりこっちの方が好き。くすのきなんか比べ物にならない。
そもそもの食材が大変に美味しい。先の通り、山菜は自分達で、魚も地元のものであり、この浜松でお店をやる理由、意義を感じました。浜松ってこんなに豊かな所なんだと気付かされました。
大将は柔和でサービスも全く問題ありません。お会計見るにサービス料は入ってないと思われるのですが、デートでも友人とでも接待でも何でも使えるお店だと思います。いっぱい食べれる人を連れて行きましょう。
今回は天ぷらでしたが、1-2月単位ぐらいで食材が代わり、また調理も変わるとの事。聞いてるだけでワクワクしてしまいました。絶対来ないとあかんやん。
ここ数ヶ月で1番好きなお店かも。というか和食屋でトップクラスに好き。ハートを鷲掴みにされてしまいました。この感じは霜止苗出の時と同じです。
今回天ぷらという本来のコースでは無かったのであえて食べログ上の評価を一段階落としてますが、個人的な評価で言えば4.5レベルなのは間違いない。もう一回行って同じ感想になったら評価を上げようと思います。
次は夏かな。夏の間に絶対行く。大好きなお店が出来ました。御馳走様でした。
2021/06/12 更新
昨年は九州を巡ったGWの旅ですが、今年は浜松から。浜松からスタートとしたのはこのお店の為。大好きな勢麟の天ぷらの季節です。
まずはビール。大将が私の顔を見るなり、「慌てて天ぷら一品増やしておきました」とのひと言。本当かどうかよりこう言う気遣いが嬉しい。望むところと気合いを入れます。
わさび菜と赤貝を和えたもの。赤貝が甘いですねえ。そこにわさび菜のフレッシュな香りが重なります。春は貝。
今朝取れたばかりの藤枝の椎茸。染み出した出汁に椎茸の香りの強いこと。椎茸好きの私も満足。
サザエ。ただ焼いただけだそうですが、信じられない程濃い。どうしてここの素材はどこよりも素材の味が濃いのだろう。やっぱり春は貝。
慌てて日本酒をオーダー。サザエの海の香りに米の香り。ああ幸せ。
お刺身はマコガレイ。今朝取れたばかりだそうですが信じ難いほどの旨味。平目や鰈は寝かせて旨味を出す芸風が多いですが、寝かせなくてもこれほど旨味が強いのかと驚きがありました。
すぐ日本酒が無くなってしまったので。このお店で磯自慢を飲むのは初めてですが、大好きなお酒です。
さて、天ぷらの準備。この瞬間がワクワクする。だから天ぷらって好き。
トップバッターは天然の車海老。甘い香りに衣の軽さよ。
2本目。こんなのあと10本でも20本でも食べれる。
アスパラガスの芯。極太の身から溢れるジュース。アスパラガスを最初に天ぷらで揚げた人は天才だと思う。
十四代の龍の落とし子。綺麗で旨味が強い。正に十四代らしいお酒。
アスパラの先っちょ。さっきよりアスパラっぽい苦味が感じられます。久々ににい留行きたい。東京行っちゃう前に。
4番ファースト、キス。天汁にダイブさせた時のジュワッと言う音だけで幸せが約束されています。そして歯を入れた瞬間に広がるキスの香り。やっぱり天ぷらとは海老ではなくキスなんだと確信しました。
お口直しにトマト。うわ、これすんごい美味しい。甘味と酸味のバランスが見事。私は居酒屋で冷やしトマトを必ず頼むぐらいトマトが好きなのですが、控えめに言って今まででNo. 1のトマトです。10個は食べれる。
アカイカ。特大のイカを口いっぱい頬張る幸せ。こうやって大きく口を開けて食べさせるのが良い。
新玉ねぎ。甘いよお。もっと食べたいよお。成生とはまた違った芸風です。
メヒカリ。なるほどメゴチの代わりにメヒカリなんですね。メヒカリらしく脂が溢れてきます。この脂に溺れても良い。
この日は天ぷらという事でシャンパーニュと白ワインのグラスの用意が。折角なので白ワインのグラスを。ルフレーヴのプュイイフュッセ。プュイイフュッセとは言えルフレーヴがグラスで飲めるのは嬉しい。
うど。生姜の様な爽やかな香り。我ながらこのタイミングで白ワインを頼んだ自分を褒めたくなりました。
タラの芽。なにこれもう木かよ。特大サイズです。大将が密かに私に1番大きいやつを出してくれたのを見逃しませんでした。タラの芽ってほんと美味しいよなあ。それがこんなにいっぱい食べれるなんて幸せ。
穴子。もう終わっちゃうのか寂しい。と言いつつこれも食べ応え抜群。
最後だからもう一回日本酒に戻ります。抑えのエース而今。今年のヤクルトスワローズのリリーフ陣の様な安心感。ヤクルトが今年は強くて私はとても毎日平穏無事な生活を送っています。
海老と黄身のかき揚げ。海老の甘さにトロッとした黄身。あと5杯ぐらい食べれる。
本当の締めはこちら。あさりと生海苔の雑炊です。笑っちゃうぐらいのあさりと生海苔の量。そして丼いっぱいの量。幸せの溜息が止まらない。
お代わりも。あさりの出汁に生海苔の香りで美味しくない訳がない。お腹いっぱい。
デザートは自家製のアイスに10ヶ月熟成させたメロンを。メロンの香りが良くて上品な甘さ。去年のあのメロンだろうなあ。引くほど美味しい。
アイスも2回お代わり。なんぼほど食うとんねん。
まだ余ってるというので最後のお代わり。そこに瞬の大将からもらったというエキストラバージンをかけてくれました。このオリーブオイルが少し辛くてそれがバニラとベストマッチ。最後まですげえなあ。
以上、31000円。今日も良く飲み良く食べました。余は満足じゃ。
今回も変わらず素材の良さと食べさせ方の上手さが光りました。余計な手を加えず素材の味を引き出す事に全精力を注ぎ、その素材を最も味わえる大きさで提供してくれる。正に美味いもの屋の理想型です。
昨年に比べ山菜が少し少なかったのはタイミングもあるのかな。そこだけが若干残念でしたが、自然のものとはそう言うもの。代わりにキスやメヒカリが食べれましたし、こう言うのもその時々のタイミング。
毎回来る度に思うけど本当に私の好みにバッチリなんですよね。運命的なものすら感じます。こう言うスタイル自体は割と極端だと思うので好みが分かれそうなのですが、私は他の店に行けば行くほどこのお店が自分に合っていると感じます。そう言うお店が見つけられたという事は本当に幸せなんだろうな。
次は鰻の時期に。今から心待ちに。ご馳走様でした。