Bachuuserさんが投稿したフェネトレ(北海道/中標津町その他)の口コミ詳細

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サイゼリヤからロブションまで

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フェネトレ中標津町その他/フレンチ

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  • 夜の点数:4.5

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2021/09 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

地産地消の理想型

今回道東まで来たのはこちらに伺う為と言っても過言ではありません。ミシュラン一つ星。ゴエミヨにも掲載されています。

中標津の街から少し離れた国道沿いにお店はあります。私は街中のホテルを取って歩いて行ったのですが、途中街灯も無く森で真っ暗です。訪れた当日に熊が出たという看板を中標津の手前で見たのでガチで熊が出るんじゃ無いかとビクビクしていました。賢明な方はタクシーで行きましょう。みんなそうするか。

国道から少し入った所にあるのですが、4-5棟の建物が立っておりどれがお店かかなり分かりづらい。1番レストランっぽいのがこちらのお店です。この外観が目印。私は気が利くブロガーなのです。

何はともあれビール。ハートランドの中瓶が770円と安い。

店内は暗く、全て窓の側にテーブルがありライトアップされた森を見る配置になっています。静かで正に森の中のレストランという感じ。

アミューズは2品。どちらもピュアホワイトというとうもろこしを使った料理との事です。手前はブランマンジェ、奥はポレンタです。

ブランマンジェはとうもろこしの甘さが前面に出ていてはっきりとした味わい。ブランマンジェで甘いと聞くとデザート的なものを想像しますが、しっかりアミューズです。

ポレンタはモッツァレラと秋刀魚の燻製が載っており甘さと塩気のバランスが良い。香りも良く、空腹が刺激されます。

パンと発酵バター。このパンは滅法美味しいですねえ。炭の香りが抜群で仄かな酸味があります。バターとの相性も抜群。

色鮮やかなこちらは北見産の素麺とトマトでパスタ風に。これもむちゃんこ美味しいですね。素麺なのでカッペリーニの様ですが、すごくモチモチしています。トマトもはっきりとした美味しさで少しアラビアータ的に唐辛子を効かせてるのも良い。イタリアンでも相当に美味しいぞこれ。

ビールを飲んだのでワインを。グラスワインは880円からでカラフェもあります。またボトルワインは国産のもののみリストにはありました。ドメーヌタカヒコもあったけど値札付いて無かったから出してないんだろうな。あと、珍しく城戸ワイナリーもありました。

グラスワインはマダムにお任せします。まずは中澤ファームのクリサワブラン。なんやろこれ。ピノグリかな。ちなみに私はビオのよく分からない白は全てピノグリだと言う事にしています。

こちらは松川鰈とキノコと茄子。焼きナスをかき氷状にしたものをかけています。まず茄子の香りがして、鰈やキノコに香りが変化、でも余韻は再び茄子と見事な香りのグラデーション。焼きナスは他の食材と合わせるには香りが強すぎる嫌いがありますが、パウダーにしてるので良い塩梅になっています。私の大好きな料理の類で楽しくなって来ました。

帆立と枝豆のフリット。カレー粉の香りをつけたホタテの卵巣のパウダーをかけているそうです。ああ、美味しい。単刀直入に美味しい。帆立の香りにカレー粉の香り。食感も良く単なるフリットではない完成度の高さです。

どこかのピノグリ。という事はさっきのはピノグリじゃないんかな。まあええか美味しいから。

昆布森の牡蠣を蒸したものに、3種のキノコ、銀杏のフリット、ブイヨン。うがーなんやこれは。まず牡蠣が牡蠣より牡蠣しててめちゃくちゃ濃厚。キノコは素朴ながらしみじみと美味しく余韻が長い。銀杏はその香りのまま。ブイヨンにもキノコの旨味がしっかり出ています。すげえ、完璧じゃん。むちゃくちゃ美味しい。正に秋の海と森を感じる一皿です。

マダムがこいつ飲むぞと分かったのかメニューには無いワインを一本開けてグラスで出して下さいました。パンもおかわりくれます。やばい、どんどん好きになって来た。

中春別の牛肉を国産ビールで煮て国産ポルチーニと。あかん、これもむちゃんこ美味しい。単刀直入に牛肉が主題かと思いきや、キノコの香りの強さと旨味さが凄い。この強いソースに負けないのか。

ドメーヌモンのピノグリ。この色でピノグリなんだ。ピノグリとは言え変化はあるので違和感はありません。

標津で取れた銀ジャケのハラミの部分に花咲蟹と生姜のリゾット。これグリーンカレーのソースなんですよ。でもこれがぴったり。鮭と蟹とリゾットの味を損なわず、でもグリーンカレー。なんでこれがこんなに調和するんだろ。

ローヌの赤。国産だけかと思いきやフランスのワインもあるんですね。いっぱい飲んでるので色々空けてくれたのかも知れません。

メインは豚のローストとハーブをいれたつくね。右奥はかぼちゃのピューレです。これも抜群に美味しいですねえ。豚のローストもさることながらつくねの香りがすごい。ソースも赤ワインのソースっぽいけど黒酢っぽい気もします。中華とフレンチが混在。ベルロオジエより美味しいかも。

デセール2品。

こちらは木苺のグラニテに白桃。しっかり濃厚で美味。これぐらい濃厚なのが好き。

チョコのスフレ。これもチョコの香りが良くそしてしっかり甘い。ちゃんとしたフレンチのデセールです。

コーヒーを頂いて御馳走様でした。

以上、コース一通りにグラスワイン5杯でお会計は2万円ほど。素晴らしい。私がアメリカ人ならブラボーと言って握手したいぐらいです。


この店に行く為と言ったものの写真を見る限り創作フレンチの様なシンプルな見た目であり、この手の店は満足感に欠ける事多いんだよなあと疑心暗鬼だったのですが、そんな先入観はあっという間に消え去り、次のお皿が出てくるのがとにかく楽しみになるお店でした。とにかく美味しい、この一点に尽きます。

まずお皿が出てきた瞬間の香りが抜群。そして食材の合わせ方、香りの変化、温度、全てに意図があってそれが良く分かります。ややこしく無いのに意外性があって、そして美味しい。お皿を目の前にして香りで期待感が湧き出て、口に入れるとその期待感をまた上回ってくる。むちゃくちゃセンスを感じました。

北海道、それも中標津に近い所の食材だけでこれはすごいの一言。シンプルな料理って味も質素な所が多い中で、ここは香りとか食感や温度でちゃんと変化を付けてるのが素晴らしいですね。すごいなあ美味しいなあとずっと思いながら食べていました。

シェフやマダムのサービスもすごく柔らかく、お店の雰囲気通りでした。私が良く飲むと悟って頂いたからかグラスワイン用にボトルを空けて下さったりなど、そう言う心配りがすごく温かかった。ワインは道産ワインが殆どでビオばかりでちょっとどうかなと思っていましたが全然アリ。テロワールをしっかり感じる事が出来ました。

Villa del nidoとすごく似てるんですよね。ご夫婦でやられていて立地とか建物とか雰囲気とか。でも料理はこちらの方が好きだなあ。料理の方向性は違うのですが、ラトリエドゥノトで感じた様な、日本でのフレンチやイタリアンなどの理想型だと思いました。地産地消と簡単に言うけれど、それが世界観としてキッチリ料理に組み込まれて根本的に美味しいというのは殆ど無く、奇跡に近い。

中標津に行く事は近くに住んでいなければまず無いと思いますが、わざわざ行く価値があります。なるべく泊まって夜の方が良い。店内のフェネトレ=窓から薄くライトアップされた森を眺めながら頂く料理とワインはこれ以上無い贅沢。東京からは飛行機で割と近いですし、それ以外の人は頑張って車走らせて行きましょう。私はまた違う季節にロードバイクで走って行きたいと思います。御馳走様でした。

2021/10/15 更新

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