6回
2020/03 訪問
小さな喫茶店のナポリタン
(3/6訪問)
いつもの小さな喫茶店。
今日もふらりと訪れ、カウンター席に座りました。
(カウンター席でコーヒーのサイフォンの様子を眺めるのが好きなのです)
先客はカウンターの一番右側(ここが喫煙席)に新聞を読むおとうさんが一人だけ。
13時を過ぎて昼食がまだでしたので、以前から気になっていたナポリタンを注文してみます。
注文を受けてからママさんが乾麺を茹で始めます。
最近はスパゲティにも冷凍麺が登場して、飲食店の多くが使うようになりました。
これが扱いやすい上に提供時間がぐんと短縮され、しかもなかなか美味しいのです。
それでもやはり乾麺のほうがデュラム小麦の風味がよく感じられる気がします。
ご自宅で昼食を済ませてからいらっしゃるのでしょう、後から一人、また一人と入って来る常連さん達。
皆さんにほがらかに声をかけ、時にはコーヒーのサイフォンと並行しながらリズムよくフライパンを返してナポリタンを炒めていくママさん。
カウンター越しにその手際の良さを眺めているだけでも楽しくなります。
●ナポリタン(900円)
サラダ・コーヒー付きです。
甘酸っぱいトマトケチャップにまみれたパスタ。
粉チーズとタバスコを振っていただきまーす。
具材は定番の玉ねぎ、ソーセージ、ピーマンに加え、しめじとナスが入っていました。
サラダも千切りキャベツだけでなく、キュウリにトマトと野菜がしっかり摂れます。
ドレッシングは胡麻。
マカロニサラダもちゃんと自家製でした。
ナポリタンを食べ終えてコーヒーを出していただく頃には、常連さん達でカウンター席はいっぱいに。
皆さん自分より一回り以上も年齢を重ねられた人生の先輩がたばかりです。
お陰で久しぶりに若者扱いされ、何だかくすぐったい気分になりました(笑)。
常連さんのお話の輪に入れていただいてひとしきり盛り上がり、ふと壁時計を見るともう15時過ぎ。
特に予定がなかったとはいえ、居心地が良すぎて贅沢に時間を使ってしまいました。
こういう休日もたまには悪くないですね。
2020/04/25 更新
2019/09 訪問
初秋のコーヒーゼリー。
JR米子駅前まで、中央郵便局の帰りに立ち寄りました。
先客はカウンター席に3名ほど。
右手の壁に空気清浄機があり、その近くが喫煙席となっています。
「最近ヒゲダンってバンドがテレビによく出ちょーが。名前が長くてよう覚えられんけど。あの若い子やつはこっちの出身みたいだわねー」といった会話が聞こえて来ました。
おじさーん、それは「Official髭男dism」ですよ〜、と心の中で叫びつつテーブル席に腰かけます。
彼らは島根県出身となっていますが、米子出身のメンバーも居るんですよね。
楽しそうに語らっているダンディなおじさま達は、息子や孫の活躍を観ているような感覚なのかもしれません。
●コーヒーゼリー(500円)
バニラアイスの乗ったコーヒーゼリー。
上には自家製オレンジピールがちょこんと。
ぷるるんとしたゼリーは無糖です。
甘党さん用にシロップとフレッシュが別添えですが、自分はなくてもいい感じ。
アイスと一緒に食べるとちょうど良い甘さでした。
●ブレンドコーヒー(380円)
すっかり秋めいて温かいコーヒーが一段と美味しい季節になりました。
…
今日もママさんはベラベラと喋る訳でもなく無言でほったらかしでもなく、どのお客とも程よい距離感。
口ベタそうなおじさんには無理に話しかけはしないものの、優しく見守ってらっしゃるというか。
そういう一人ひとりに合わせて気配り上手なママさんのお人柄も、この店の居心地の良さの一つでしょう。
2019/12/05 更新
2019/05 訪問
アイスクリームも昭和の雰囲気が。
食べるの大好きな友人と二人、ランチを食べたあとにこちらへやってきました。
JR米子駅前の通りからちょいと入ったところ。
ライブハウス「AZTiC laughs」からも近いので、開演前にのんびりするにも便利だと思います。
自家用車なのでブルースカイ駐車場(1時間100円)へ停めました。
本日の注文は
●ブレンドコーヒー(380円)
●アイスクリーム(450円)
シンプルなバニラアイス。
濃厚過ぎずさっぱりし過ぎず、スタンダードな味。
オレンジピール(砂糖煮)が添えてありました。
以前は付いていなかったのにな…と思ったら、この日はたまたまママさんが炊いたので添えてみた、とのこと。
甘さ控えめのほろ苦さがアイスクリームの甘みを引き立てますね。
この日は友人のフレンチトーストにも添えてありました。
この前来た時もそうでしたが、ママさんがしきりに「ウチはクリームや果物の飾りがないから申し訳ない」とおっしゃいます。
他のお客さんがそういった要望を言うのでしょうか。
華美な演出などなくても、十分に美味しくて心地よく過ごせるお店ですよ。
2019/06/21 更新
2019/01 訪問
ふわふわのフレンチトースト。
人と会う予定があり米子駅前までやって来ました。
時間通りに着いた待ち合わせ場所で、先方からドタキャンの連絡が。
「早く教えて欲しかったな…」と少しイライラした気分を落ち着かせようとこちらのお店へ。
店内にはテーブル席に作業着のおじさまグループがひと組、ちょうど休憩タイムでしょうか。
カウンター席が空いていたのでそちらへ座りました。
●ブレンドコーヒー(380円)はいつものお決まり。
それに加えてフレンチトーストを注文しました。
フレンチトーストを焼きながらサイフォンでコーヒーを淹れるママさんの所作が無駄のない美しさで。
カウンター越しに眺めていると、フライパンから立ち昇るバターの香りがほんのりと鼻をくすぐります。
●フレンチトースト(500円)
おひさま色のフレンチトーストは厚みのある食パンにしっかりと卵液が染みています。
ポーション容器入りのメープルシロップとシナモンシュガーの小瓶が添えてあり。
パンのふわふわ感を楽しみながら、ちびちびとコーヒーをいただきます。
「本当はね、もっとクリームや果物をのせると流行りの感じになるんでしょうけどね」とママさんが。
いえいえ、こんなに美味しいフレンチトーストに余計な物は要りませんって。
シンプルイズベストですよ〜と言ったやりとりをしつつ、次々と入ってきたお客さんにもさりげなく応対をされていました。
それぞれのお客へ細やかな気配りでお声をかけられる場合がありますが、決して一方的なお喋りではないので不快には感じませんでした。
シニア世代の常連さんに混じって大学生?がコーヒーを片手に読書に没頭していたり、みんながそれぞれにくつろげる心地よいお店ですね。
2021/12/22 更新
2019/01 訪問
気さくなママさんがいれる珈琲
米子ほんどおり商店街内の今はなき「名店街」にあった頃には時々行っていましたが、こちらの場所になってからは初めての訪店。
移転してもう何年も経ちますし、つい近くまでは幾度か来ていたのですけど。
店舗外観はシンプルなカフェっぽさもありますが、中に入ると一転して懐かしい昭和な喫茶店の雰囲気。
テーブルや椅子、壁のメニューボードは以前の店舗の物を使い続けているようです。
店内はママさんとカウンターに常連らしきオジさまが
先客で。
ショートカットのママさんは気さくなお人柄で、細やかにお気遣いくださいます。
落ち着いたトーンのお声が美しいです。
今日はお昼を軽く済ませたかったのでブレンドコーヒーとミックスサンドを注文しました。
ナポリタンやカレーパスタにもそそられましたが、このあと友人とスイーツを食べに行く約束をしていたので今回はガマン。
●ミックスサンド(480円)
ふわっふわの厚切り食パンにレタス、キュウリ、卵とハムがはさんであります。
レタスの陰にマヨネーズが少し。
卵はゆで卵のマヨ和えではなく、スクランブルエッグです。
半熟よりはもう少し火が通っている位で、食べやすいかたさ。
思っていたよりボリュームのあるサンドイッチです。
添えてあるサラダは彩りよく、ゴマドレとアジシオが別に出てきます。
●ブレンドコーヒー(380円)
さらりと軽ろやかで飲みやすいブレンド。
テーブルにブラウンのコーヒーシュガーと白いグラニュー糖が置いてあります。
今回はブラックのままいただきましたが、砂糖でどれくらい変わるのか興味がありますね。
このまえ会社の若い人との会話で、サイフォン式を知らないとの発言に驚愕したばかり(汗)
今どきのカフェはもっぱらエスプレッソマシンですから仕方ないのかしら。
ぜひココへ連れてきてみたいです。
壁のPOPに「ある日突然生まれた いきなりランチ(パン800円ライス850円)」とあり、それもすごく気になりました。
2021/12/22 更新
ここのとこ数ヶ月近くご無沙汰で、昼どきに久しぶりの訪問でした。
入口ドア前でアルコール消毒と検温して入店。
ふとその横に貼ってあった
『閉店のお知らせ』に目が留まってビックリ!
いっぺんに頭の中が真っ白になりました。
すぐさまカウンターのママさんに尋ねてみます。
閉店は本当で、12月30日の営業がラストというのです。
いつもの調子でのんきにやって来た自分には、まさに「青天の霹靂」。
けれどもママさん自身はしばらく前から悩み続けて下した決断だったようです。
とはいえ、こんなショックな知らせを聞いてもお腹はペコペコで空いたまんま(苦笑)。
ですから大好きなナポリタンをお願いしました。
数種類の具材とケチャップを炒めてあるフライパンに、茹で上がったばかりの麺を投下。
手早く和えてあっという間にナポリタンの出来上がり。
ママさんの無駄のない動きと所作の美しさ。
いつもカウンター越しに眺めるのが楽しみの一つでもありました。
●ナポリタン(サラダ・コーヒー付900円)
小ぶりの白いボウルのサラダが先に登場。
葉物やトマトに自家製ポテサラorマカロニサラダまで盛り合わせてある彩りの良い一品。
見た目より深さのあるボウルにしっかり盛られているので、これに厚切りのトーストだけでも十分満足できそうなサラダです。
今日のナポリタンも具沢山。
定番のピーマンや玉ねぎに加えて、輪切りの茄子入りなのもお気に入りポイント。
スパゲティを食べ終わるタイミングを見計らって、ママさんがサイフォンでコーヒーを淹れてくれます。
ほがらかで少しだけしっとりと艶がある、落ち着いたママさんのお声と語り口。
他のお客さんとのやりとりを耳にしているだけでも癒されるなぁ〜。
たまたまカウンターの隣に座ったおかあさんと、手の空いたママさんと3人で、この日もちょっとした世間話に花が咲きました。
実は現在のママさんは二代めなんですって。
初代のママが移転前の商店街にあった店で9年ほど営まれたあと、今のママさんが後を継がれて現在に至ります。
その途中には、法勝寺商店街のアーケード屋根が撤去されたのを機に現在の場所へ店舗を移転されたり…色んな事があったそうです。
それでもこの30年間、地元のみんなに愛され続けてきたのは、コーヒーや料理の味はもちろん、今のママさんのお人柄だったと確信しています。
いつ訪れても四季折々の花(ママが庭で育てていた)がふんだんに活けられており、
互いに名前も知らないお客同士でも、いつしか自然と親しくなれる雰囲気がありました。
時には一人静かに過ごしたい気分の日もあったり。
そういう時はママさんが察して、あえて話しかけずにいてくださって。
シニア世代の常連客が中心なのは、どこでも「老舗喫茶店あるある」でしょう。
もちろんこの店もそうでした。
けれども年代の異なる客や一見さんに対して、決して排他的でなく大らかだった点は、少し珍しかったかも。
ここでは自分も「若者」扱いされるので、ちょっぴり嬉しくもこそばゆい感覚でしたっけ(笑)。
自宅や職場とはまた違う、自分のサードプレイスとして過ごせる貴重な店でした。
ここのところ店休日と仕事の休みが重なってばかりだったため、この日まで閉店が決まったのを全く知りませんでした。
それでも閉店される前にやって来れましたので、幸運だったと思うようにします。
ラストの12月30までに、都合をつけてもう一度訪れてみようかな。