2回
2021/05 訪問
料理を楽しむ天才がいました
昨日、天才に会ったと思う。
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頂いたもの:ランチコース@6,000円
◆定点トマト飴
シェフが子供の頃、お祭りで食べたリンゴ飴をイメージして作ったそうで、言わばリンゴ飴のプチトマトバージョン。ローズゼラニウム(ハーブ)とキプルス島の塩の第一結晶を添えているそう。
見た目にもワクワクするメニューで、いきなり一品目から心掴まれます。
◆GV鰹
鰹を減圧加熱調理器ガストロバック(GV)で調理。
ビーツのピクルスと千葉県八千代市産牛乳のヨーグルトを水切りしたものを添えて。
鰹はむっちりとした食感で、GVにより信じられ無いほど旨味が濃厚です。
◆クロワッサン
提供時間に合わせ焼き立てを提供。
物凄く香りが良く、生地も柔らかしっとりで伸びーる。そしてとても甘い♪
◆新玉ねぎとフォアグラ
白く見える新玉ねぎはふわふわとムースのよう。窒素ガスで圧縮した後、解放すると泡状になるのだとか。
黒いのは竹炭、黄色いのは人工イクラを作る技術でオリーブオイルを閉じ込めているそう。
更にお皿は3D プリンタで特注したそうで、食材から調理方法、器に至るまでシェフの拘りが溢れ過ぎ、早くもカオス状態。
◆佐倉の魅力と海
糖度が高い佐倉産レンコンをカリカリのフリッターにし、1本ネギを添えたもの。
付け合わせはビーツを漬けた汁に浸したらっきょうと、ウドと夏みかんのジャムを和えた物で叩いた烏賊。
甘いレンコンとフリッターの塩気が絶妙で、ウドのしゃりしゃり感と夏みかんの爽やかさがねっとりとした烏賊にとても良く合ってました。
◆挑戦
骨が多くイタリアンでは普通使われない鯉(利根川産)の料理に敢えて挑戦。
鯉の骨はハモのように骨切りし、GVでハゼ節の出汁を浸透。ハゼ節は東北の一部で食べられているもので、仙台出身のご家族に作り方を聞き、自作したもの。
野生のアザミの根っ子をバルサミコ酢に漬け、マイクロハーブのコショウ草を敢えて大きく育て、辛みを増した物を添えてます。
鶏の竜田揚げのような味わいで、鯉がこんなに美味しいなんて新鮮な驚き。マイクロハーブを育てるという発想にも驚き。
◆本日の焼き立てパン
地元産小麦を用いてパルミジャーノと発酵バターを乗せ焼いたパン。生地もっちもちです。
◆トラフグのフラン
トラフグを発酵バターでソテー。
GVで皮や骨のスープを注入。
ソースは2層で上はクリーム状の白子のムース。
下は骨やアラの出汁を玉子で蒸しているそう。
表面にはノビル。周りはイタリアンパセリのソース。
もの凄く濃厚なフグの茶碗蒸しのようで、フグの身の中に皮や骨の旨味が含まれた究極完全体の食べ物。
◆アイスキャンディー
ヨーグルトを作る時に出たホエーに柚子果汁を加えたキャンディーでお口さっぱり。
◆High&Lowステーキ
旭市のなでしこポーク。
肉汁を出し過ぎないよう60℃の火で2時間加熱した後、-25℃で周りを冷やし、薪でロースト。
肉をカットするナイフは特注で、刃にギザギザを付けず切れ味鋭く加工したもの。
器も有田焼とシェフの拘りしか感じない一品で、こんなもん美味いに決まってます。
◆杉寿司
メバチマグロの中トロにGVでフォンドヴォーとガルム(イタリアの魚醤)の旨味を注入。
米は佐倉のコシヒカリと古代米を炊いてドレッシングで味付け。上からはサマートリュフと、カラスミだと生臭くなると敢えて卵黄を乾燥させたものを。
熟成した寿司のようなとろとろ食感で、食べると溶けちゃいます。多層的な旨味の沼に溺れそう。
◆再生
コンソメスープ。
素材に穴熊、猪、鴨、鹿、キクラゲと採取の難しいモリーユ(アミガサタケ)を使用。
モリーユからは貝のような出汁が出て滋味深い味。
◆Sugi畑をお皿に乗せて
紫色のポジリー等エディブルフラワーのサラダ。
黒豆は山武産で正月の煮豆とは違ってコリコリとした食感。ハーブはリタイヤした義理の父上にお願いして栽培しているそう。
アイス状のドレッシング、パウダー状のオリーブオイル、パチパチと弾ける飴まであって、珍しい食材に見た目に食感も楽しめます。
◆本日のパスタ
一見バジルのようですが、麺にはルッコラを和えているそう。ジビエの鹿腿肉に自家製(!)フカヒレ、竹の子、ユキノシタを使用。
シンプルなボロネーゼのような味わいですが竹の子が効いています。さっぱりした食後感とする為、ニンニクは不使用とのこと。
フカヒレって自分で作る場方いらっしゃるんですね。。
◆エアーアイス
空気を大量に含んだアイスでふわっふわ。
自家製ヨーグルトを泡立て、急速冷凍するそう。
黄色ソースはイタリア産マンゴーをベースに自家栽培した山椒を合わせた物で、スモモの皮のような味わい。酸味を加える為、ブラックオキザリスの花を添えているそう。
◆わらび餅!?
和菓子かと思いきや正体はパンナコッタ。
素材にはったい粉(大麦の粉)や松の新芽を用いており、素朴な甘さが感じられ香りも良いです。
◆食べられなさそうで食べられる
モアイ像のフィナンシェ(笑)
素材に竹炭やドングリを用い、猪のラードをバター代わりに使用しているそう。
◆食後のお飲み物
フィナンシェに合わせてカプチーノを。
◆食べられないけど食べられそう
まるで飴細工のような石鹸(これも自家製)をお土産に頂きました。
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オーナーシェフの杉岡さんは、その時期旬な千葉県産の食材にこだわり、イタリアンの枠に捕らわれない自由な発想で料理を創作。
珍しい食材に調理方法、調理器具や器まで固定概念に縛られず、常にお客さんを楽しませようと新しい料理を追求。
大変な努力の筈なのですがそれを努力とは感じず、自然体でされている様が印象的でした。
また、ご自身の感性だけでなく奥様のご意見にも耳を傾け、少しでも違和感のある部分は工夫・改善を続ける事で何処までも高みに登っていけるお方だな、と。
やはり天才です。
2021/06/08 更新
週末ランチで佐倉の『プレゼンテ スギ』さんを訪問しました。
場所はJR佐倉駅からタクシーで10分程度。
現在、緊急事態宣言中の為、ディナーメニューをランチで@11,000円で提供と変則的な形態で営業されています。
途中写真を撮り忘れた料理もありますが、お土産の石鹸も入れると全24品の圧巻のメニューで、杉岡さんの拘りが溢れるほど迸るお料理ばかりで驚愕・感動・興奮の嵐。
美味しい物を食べると人って笑顔になるんですね、と改めて実感した食体験でした。
この日頂いたのは以下のとおり。
■1.定点トマト飴
パチパチと弾けるプチトマトの飴。
ローズゼラニウムとキプルス島の塩を使っているそう。飛び散るので一口で頂きます。
■2.八街のジャンボタニシ
タニシて初めて食べました!
ソースはマヨベースでハーブはセイジ。
タニシには何の臭みもなく柔らかい煮貝のような食感で佃煮のような風味です。
ちなみにジャンボタニシを料理で提供する事でYAHOO!ニュースにも載ったんだって!
(タニシ スギ で検索で出て来ます笑)
■3.フォアグラと人参
これ、ウンマイ!!
フォアグラの上に地元産人参のムースをかけて酸味のあるブラックオキザリスが添えてあります。
ムースの甘さとフォアグラの塩味が超絶的に合う。
■4.森の地面
地元キノコ(ヤマドリダケ)のフリット。
日本のポルチーニと言われているそうでコクのある旨味。黒い粉末は鮑の肝のソースを煮詰めて砕いたもの。
■5.利根川のスッポン
利根川産の天然のスッポン。
食感はむぎゅむぎゅ。生姜のマリネを添えて。
■6.クロワッサン
地元佐倉の大麦の焙煎した粉を発酵させ焼いたもの。黒いから固そうだけど実はふっかふか♪
■7.利根川のアメリカザリガニ
スギさんの手を模したオブジェに乗って登場!
アメリカザリガニも初めて食べました。
頭のミソを使ったアメリケーヌソースがかかっててグラタンのような濃厚な味わい。
■8.夏と夏
利根川産の天然ウナギとヒマワリを使った料理。
ウナギは一旦蒸してから遠赤外線で焼くそうで、表面はパリパリだけど身はふっくら。
■9.農家さんからの贈り物
無農薬の紫人参を乾燥焼きした料理でまるで焼き芋のような甘い良い香り。パルマの生ハムにブルーベリーと完熟梅のソースが添えてあります。
■10.GV鰹
鰹の身に鰹の骨とフランボワーズのスープをガストロバックで注入するという変態的な一品。
鰹かむちっ!として旨味が溢れそう。
下には八千代市から取り寄せたヨーグルトがひいてあります。表面の薔薇のようなものは酸味のあるビーツ。
■11.野菜のフラン
これうめええええええ!!!
玉ねぎとシャモの卵を蒸し固めた茶碗蒸しのような料理で、オレンジのソースは有機パプリカ、グリーンはイタリアンパセリで表面に焼き目を付けてます。
ムースのような濃縮した玉ねぎの旨味が大・爆・発!!何かスギさんが「トウモロコシをGVで~」と言ってた気がするけど、情報量多すぎて脳みそがバグった。。
■12.本日の焼き立てパン
これもうめええええええ!!!
手摘みの小麦を使ったパンにパルミジャーノチーズを塗して発酵バターを加えてあります。上手く説明出来ないですが一度食べたら病みつきになる美味さ!
■13.鱧(写真無し)
骨切りした鱧の身に幻の魚と言われる川穴子のスープをGVで注入した旨味が迸る一品。
ゴーヤのマリネを添えて。
■14.アイスキャンディー(写真無し)
口直しでお口さっぱり!
■15.High&Lowステーキ
100個喰える!!!
60℃の低温で2時間焼いた後-25℃で5分間冷やし、最後に表面だけ高温の火入れをする事で肉の旨味を閉じ込めています。
シルキーできめ細かい肉質はまるで鮪の大トロのよう。ドライトマトと砂漠塩で旨味を加えているんだって!
■16.杉寿司
100貫喰える!!!
メバチマグロの中トロにGVでヤマドリダケとガルムのエキスを注入。お米はコシヒカリをノンドレッシングのオイルで洗った古代米。トリュフとシャモの卵黄の塩漬けがめちゃくちゃ合う。
■17.再生(写真無し)
スッポンのスープに奈良茸と銚子産のげのりを加えたもの。イタリアンパセリのオイルも入れているそう。
■18.Sugi畑をお皿に乗せて
正に見て美しく、食べて楽しいエディブルフラワーのサラダ。薔薇も自家製だそう。パチパチと弾ける飴はここでも登場!
■19.本日のパスタ
冷製のアラビアータソースのパスタ。
敢えての太麺を使用し、千葉の銘柄鶏である錦爽鶏のむね肉にヒマワリの花のコンフィ、トマトとパプリカも添えてあります。
■20.食後の飲み物
アイスコーヒー頂きました。
■21.エアアイス
窒素ガスを用いて粉雪のような食感を実現した赤肉メロンのアイス。上の黄色いきな粉みたいなのはマリーゴールドの花びらとホワイトチョコレートのパウダー。
■22.桃のニョッキ
ニョッキと聞いてパスタと思ったらデザートでした!ジャガイモをスライスして出たでんぷんにわらび粉と更に千葉県産の桃のエキスを加えたそう。
食感は正にわらび餅という感じ。
上に乗っている緑色の物体は丸ごとセロリのアイスで、これがまるでセロリをぶっすと鼻に突っ込まれたかのような青臭さ。セロリ一人勝ち状態。
■23.食べられなそうで食べられる
モアイ像を模したフィナンシェ風デザート。
地産地消に拘った結果、千葉県にはバターを作っている酪農家はいなかったので、猪の脂身をラードに代用するという徹底っぷり。ドングリを入れ竹炭を混ぜて消臭効果を狙ったそう。
■24.食べられないけど食べられそう
ローズゼラニウムが入った手作り石鹸。
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食べ終わって帰る時にタクシーを呼んだんですが、スギさんわざわざ道路まで出て来てくれて、両手をぶんぶん振って見送ってくれました。
うーん、惚れてまうやろ。