15回
2024/03 訪問
これは反則
一口食べた瞬間、身体中からアドレナリンが溢れ出てきた。
「La Piccola Tavola」のマチェラーラである。
「マチュライオ」イタリア語でお肉屋さんを意味する通り、お肉がたっぷりの一枚だ。
具材は、モッツァレラ・サルシッチャ・プロシュートコット・ミニトマト・パルミジャーノ・バジル・ニンニク。
当店のサルシッチャはスパイスを強めに効かせた本格派。
噛むほどにスパイスの咆哮が漂い、滲み出る脂はふくよかで余韻が長い。
プロシュートコットは細切りながらに、確かな塩気で奥行きを与え、モッツァレラは肉から溢れる旨味を吸い込み、これでもかと味わいを膨らます。
ミニトマトは、肉の旨味を引き立てると同時に、甘酸っぱい汁が口内を程よくリセット。
初めの一口と同じ調子に戻してくれ、食べ手を旨味の無限回廊へと迷い込ませる。
そして、堪らないのがニンニクの存在。
細かく刻んで散らされたニンニクがオリーブオイルと絡むことで、全体に唆る香りが染み付き、生地をガーリックトーストへと昇華させる。
肉とニンニクと生地の三味一体。
食欲に薪が焚べられ、手が止まらなくなる確信的で反則的な旨さであった。
2024/04/03 更新
2024/03 訪問
逞しく頑丈な水牛の影を見た
水牛モッツァレラの甘美が最大限引き出されている。
「La Piccola Tavola」の「ドック コン サラメ」である。
具材は、水牛モッツァレラ・モッツァレラ・ミニトマト・トマトソース・サラミ・バジル・パルミジャーノ。
いつもの如くそそくさと写真を収め、一切れを持ち上げた途端、どこからともなくたっぷりとした汁が溢れ出して目を丸くした。
その湧源を確かめるべく、ゆっくりと口に運ぶ。
正体は、水牛モッツァレラ(ブッファラ)だった。
口内のどこにも引っかからない滑らかな口溶け、豊満な脂肪分と喉に落ちても消えない甘味の記憶は、乳牛のそれとは一線を画す。
釜の熱で熱されたミニトマトは、歯で潰せば頂点へと達した酸味と甘味がソースとなり、サラメはカリッと香ばしくエッジが効いており、バジルは爽快な緑を芽吹せる。
ミニトマト、サラミ、バジルによって切り取られ、引き立てるべくして引き立てられた主役のブッファラが、現実を超越した白夢へと私を誘う。
その瞬間、皿の上の浅い水面に、逞しく頑丈な水牛の影が見えた。
2024/03/26 更新
2024/02 訪問
久しぶり。カプリチョーザ
どのピッツェリアにもあるといって良いカプリチョーザ。
イタリア語で「気まぐれ」を意味し、店によって乗せる具材は多種多様。
たっぷりの具材は満足度も高く、魅力的だが、私はあまり頼んでこなかった。
というのも「全部乗せ感」が苦手だったからである。
勿論具材が多ければ多いほど味わいに層が生まれる。
その反面、味わいにばらつきが生まれるというデメリットもある。
加えて、ピッツァの魅力の大半を占める生地が具材によって殺されてしまうのが何よりも怖く、悲しい。
故に意識的に避けていた節があったが、信頼しているピッツェリア「La Piccola Tavola」ならそんな事は無いだろうと意を決して注文。
具材は、トマトソース・モッツァレラ・ミニトマト・シメジ・舞茸・プロシュートコット・サラミ・黒オリーブ・バジルと総勢9種類。
恐る恐る口に運んでみると、今まで避けていたことを心から後悔した。
各々が死なず、互いを殺さず、仲良く円陣を組んでいるではないか。
噛むほどに一つ一つから旨味が湧き出し、口の中で渾然一体となり、舌の上に味の大虹が描かれるではないか。
それでいて、肝である生地の旨味がしっかりと感じられる。
この際を征くバランス感は、ピッツァイオーロの経験とセンス故か。
あっぱれである。
マリナーラやマルゲリータが生地を楽しむための1枚なら、カプリチョーザはピッツァイオーロの具材との向き合い方を楽しむための1枚ということか。
また好きな1枚が増えてしまった。
「La Piccola Tavola」のカプリチョーザは、私のピッツァ愛をより深めてくれた。
2024/03/19 更新
2024/02 訪問
コクのある卵の甘味とすっきりとしたトマトの酸味
ピッツァ界の人気者ビスマルクは、店ごとに違いがあって面白い。
ロッサとビアンカの2つに始まり、ハムやサルシッチャなど他の具材によって如何様にも変化する面白みがある。
永福町は「La Piccola Tavola」では、ロッサのみ。
具材は、トマトソース・モッツァレラ・プローヴォラ・パルミジャーノ・サラミ・卵・黒胡椒・バジル。
卵をソースにしていた時期もあったが、現在は半熟卵。
ソースはそれで味が均等に行き渡るメリットがあるが、やっぱりとろとろ溢れる半熟卵の方が、日本人の琴線に触れてくるものがある。
当店のビスマルクの特徴はモッツァレラとプローヴォラをブレンドしていることである。
チーズから立ち込める燻香が、香りに深みを、味わいにコクを生み出してくれる。
更に辛味オイルを追加して垂らしてやれば、卵の甘味に一層ありがたみを感じると同時に、他の具材たちが引き立ち、全体に鋭さが生まれて尚良しである。
2024/03/13 更新
2024/02 訪問
豚に頬擦りしたくなる。
これまた、お気に入りの1枚と出逢えた。
「La Piccola Tavola」のアマトリチャーナである。
アマトリチャーナとは、ローマ北東に位置する山間町アマトリーチェが由来のイタリア料理に使われるパスタソースあるいはパスタ料理のことを指す。
グアンチャーレという豚頬肉の塩漬け、ペコリーノロマーノ、トマトを用いり、イタリアではラツィオ州の伝統料理に認定された歴史ある料理の一つである。
それをピッツァにしたのがこのアマトリチャーナであり、あアマトリチャーあでで用いsrのり、yあとリチャーなアトリあまとりtあまtv出会えた具材は、トマトソース・モッツァレラ・バジル・グアンチャーレ・ペコリーノロマーノ・黒胡椒。
いわゆるマルゲリータをべベースに、グアンチャーレ、ぺこりペコリーノロマーノ、黒胡椒が加えられた1枚ものである。
舌に乗ると、グアンチャーレの香ばしい皮目がペコリーノロマーノと交錯し、芳醇な香りが鼻を抜けていく。
トマトソースは酸味と甘味の均整が美しく、モッツァレラはもっちりとしてコク深い。
やがて濃密な脂が口腔内の熱でゆるやかに蕩けていき、ソースやチーズと一体となり、色艶に満ちた後引く旨味が広がっていき、最後に黒胡椒がキックする。
思わず豚に頬擦りをしたくなってしまう1枚である。
2024/03/06 更新
2024/02 訪問
具材は地味だが、味わいは壮大
具材に派手さは無いものの、調和を果たせば味わいは大きなものになる。
「La Piccola Tavola」の期間限定ピッツァがそれを教えてくれた。
2月の限定は「ペッシェ ギアッチョ」。
ペッシェとは魚を、ギアッチョは氷をイタリア語で意味するが、なぜギアッチョなのかは分からない。今度この1枚を生んだ若きピッツァイオーロに尋ねてみるとしよう。
具材は、ニンニク・白魚・縮みほうれん草・オレガノ・ミニトマト・青唐辛子オリーブオイル。
チーズが無いため、弾力に富んで香ばしく、旨味の強い生地も堪能できる。
供された瞬間、ニンニクやオレガノ、青唐辛子が鼻を抜け、食欲が沸き立つ。
堪らず口に運べば、ふっくらとした白魚がはらりはらりと舞い上がり、優しい甘味とほのかな磯の香りは、飾らない朴訥とした味わいである。
縮みほうれん草からは冬の寒さを耐え抜いた滋養溢れる青味を感じ、ニンニクとオレガノは香り高く、ミニトマトは果実味に富んでいる。
素朴な小魚の味わいを殺さず、それでいて風味に物足りなさを感じさせぬように、香り立つ具材たちを絶妙な分量で配置することで其々が白魚に寄り添い、持ち上げている。
そして、後がけした青唐菓子オイルの青き熱風が包み込むことで、爽やかな辛味が全体を引き締める。
具材一つ一つは地味で素朴だが、各々が光り、調和を果たすことで、香りと味わい共に力強さを感じられた。
若きピッツァイオーロのセンスが存分に感じられる1枚に、これからの「La Piccola Tavola」が益々楽しみになった。
2024/03/01 更新
2024/01 訪問
愛しいフリアリエッリ
長い間当店の窯を守り続けてきたシモーネ氏が去って以来、かつての弟子であった若い青年が現在ピッツァイオーロを務める「La Piccola Tavola」。
永福町を代表するピッツェリアの名店の看板を背負うという重圧の中、日々奮闘している彼を見ていると私も頑張らなければと鼓舞される。
毎週足を運び、彼の焼くピッツァを食べているが、日々生地の配合や発酵を微調整し、研究を続けているらしく、そんな彼なりのこだわりを聞くのも当店の楽しみの一つになっている。
今回はチーズベースの「カレティエーラ」。
具材は、プローヴォラ・フリアリエッリ・自家製サルシッチャ・パルミジャーノ。
いわゆるサルシッチャフリアリエッリというピッツァだ。
口を開けた瞬間に飛び込んでくるフリアリエッリの朧げな香りに魅了され、プローヴォラの薫香と交錯した芳醇な香りに鼻腔のヒダが揺らされる。
熱でトロトロになった舌あたりにもまた恍惚となる。
繊維から滲む奥底に微かな甘味を秘めたほろ苦さは、肉やオリーブオイル、生地にも馴染み、味わいを深くしてくれる。
見た目は地味なフリアリエッリだが、私はこの青菜にある種の色艶を感じるのだ。
2024/02/21 更新
2024/01 訪問
カルボナーラの違った形
先日は同じ永福町にある「MASSIMOTTAVIO」に浮気をしたが、本命はやっぱり「La Piccola Tavola」。
いつまでも咀嚼していたくなる弾力と旨味に富んだ生地と通う楽しみがある豊富なメニューは、私がピッツェリアに求める全てが詰まっている。
今回いただいたのはチーズベースの「カルボナーラ」。
具材は、モッツァレラ・グアンチャーレ・卵・ペコリーノロマーノ・フォンドゥータソース・黒胡椒・バジル。
濃厚なフォンドゥータソースとまろやかな卵の共演は、甘く優しい和む味。
カルボナーラといえばベーコンが一般的だが、グアンチャーレにしたことでベーコンには無い熟れた塩気と豊富な脂肪分がアダルトな雰囲気を醸し出し、最後にピリリと効いてくる黒胡椒もなんとも憎い。
麺類がどうにも昔から好きになれない私にとって、ピッツァカルボナーラは、カルボナーラを楽しめる数少ない機会である。
2024/02/14 更新
2024/01 訪問
ツナが好きになる
レギュラーメニューの制覇を狙うお気に入りの店の一つ「La Piccola Tavola」。
ピッツァの根幹である生地が旨いから結局何を食べても旨いのだ。
当店にはオリジナルと伝統的なSTGの2つの生地が用意されている。
オリジナルは発酵種とオリーブオイルを使うことでしっとりとした舌あたりとフワッとした食感を生み出したものであり、私はこの生地が好きである。
基本的にオリジナルの生地がデフォルトであるが、ピッツァイオーロ曰く現在はSTG生地の完成度をより高めるべく試行錯誤をしているらしく、次回はそちらも試してみたいと思う。
今回いただいたのはビアンカベースから「ノストロモ」。
水夫長、甲板長を意味するピッツァだ。
具材は、モッツァレラ・ツナ・赤玉葱・ケッパー・アンチョビソース・オレガノ・パルミジャーノ・黒胡椒・バジル。
ほろっと優しいツナの旨味を、アンチョビの塩気、赤玉ねぎの爽やかな甘味やケッパーやオレガノのキックするアクセント達が一体となって持ち上げてくれる。
ツナが主役なので全体的に柔らかな味わいだが、他の具材たちの風味が口腔の中で交錯し、次の一口を進ませる香りと喉に落ちた後の余韻も残る。
ツナは特段好む食材ではなかったが、ピッツァを食べる様になってからというものの、好きな食材の一つになった。
2024/02/09 更新
2024/01 訪問
キノコの香りに誘われて…
電車嫌いの私だが、京王井の頭線は幼少期からお世話になっており、他の路線と比べてほんわかとした雰囲気があってこの路線だけは無性に好きだ。
かつ、永福町は急行が止まり、当店は駅から徒歩2分という好アクセス。
美味い店は駅から少々離れた立地であることが多い東京にて、この立地の良さは兎に角ありがたい。
今回の1枚はポルチーナ。
前回ヴェスヴィオを食べていた際に隣の席から漂う香りに魅了され、次の訪問では絶対にこれと決めていた。
具材は、モッツァレラ・プローヴォラ・ポルチーニ・自家製サルシッチャ・パルミジャーノ・フォンドゥータ・バジル・オリーブオイル。
2種類のモッツァレラとフォンドゥータソースのふくよかな甘味をベースに、ポルチーニ茸とサルシッチャが交錯する。
ポルチーニの滋味深い風味、食感を残したサルシッチャから滲むスパイス香る肉の旨味。
互いの香りと旨味が絡み合い、美味の頂へと昇っていく。
やはり何を食べても間違いない。
絶対の信頼を寄せられる「La Piccola Tavola」。
2024/02/02 更新
2024/01 訪問
大噴火
数あるAVPN認定店の中で、私の中では別格的存在と位置付ける「La Piccola Tavola」。
丸皿一杯の迫力と喉がグッとなる香ばしい狐色のコルニチョーネを目前にすると、思わず胸が昂まってしまう。
豊富なピッツァメニューもまた魅力的。
ロッソとビアンカで総勢28種類という盤石の布陣は、通う楽しみがある。
この日は特に寒い夜だったこともあり、辛いピッツァで身体を温めようと「ヴェスヴィオ」を選択。
具材は、トマトソース・燻製モッツァレラ・プロシュートコット・サルシッチャ・パルミジャーノ・カイエンペッパー・バジル。
真っ赤に染まった熱き1枚を一口食べた瞬間、顔中の汗腺が開いた。
カイエンペッパーとサルシッチャに練られたスパイスが呼応し、燻製モッツァレラが溶けて粘土を増したトマトソースが、マグマの如き辛味で舌を侵してくる。
いつもは爽快な心地よい風を吹かしてくれるバジルでさえも、辛味をより引き立てる熱風となって体温をググッと上昇させる。
食べ終えた頃には冷え切った身体もすっかりと火照り、なんなら顔にうっすらと汗が滲んだほどだ。
この1枚は、かつてローマ古代都市ポンペイを滅ぼした"火の山"ヴェスヴィオそのものであった。
2024/01/26 更新
2023/12 訪問
美味しいものは美しい
「美味しいものは美しい」という格言があるが、「La Piccola Tavola」のピッツァには、この言葉がよく似合う。
見事な正円と狐色のコルニチョーネは美しいことこの上なく、被写体として申し分のない姿である。
肝心の味もピカイチだ。
中心部の生地は、舌に優しく触れるや否や粉の甘味を滲ませ、コルニチョーネは、しなやかでありながら弾力に富んでいて香ばしい。
香りや舌あたり、風味全ての均整がとれていて角が無く、ピッツァの理想系の一つといっても過言では無い。
この日は、チーズベースの「バレーセ」。
具材は、ブロッコリーソース・燻製モッツァレラ・パルミジャーノ・パンツェッタ・自家製サルシッチャ・バジリコ・オリーブオイル。
青いそよ風吹かすブロッコリーソースがチーズと絡み、緩やかな甘味が舌を包み込む。
それは果てしなく続く穏やかな水平線であり、単調ではある。
しかし、サルシッチャとパンツェッタが抱える脂によって尾を引く旨味を生みながら、スパイスや塩気が句読点にもなり、味わいの中に波を呼び込んでくる。
当店に来たら是非とも食べてもらいたい、素晴らしい1枚だった。
2024/01/13 更新
2023/10 訪問
頭ひとつ抜けている。
いつ行ってもお客さんで賑やか。
調理スタッフは大忙しなのに、ワイワイと楽しそうに笑顔で働いている。
良い空気が流れる、良い店だとつくづく思う。
「La Piccora Tavola」のピッツァは、面も良い。
丸皿より少しばかり大きいサイズ、狐色で香ばしいコルニチョーネ、艶めく具材とオリーブオイルを目前にすると、ぐっと喉が鳴る。
今回の1枚はトマトソース、水牛モッツァレラ、ミニトマト、バジルの「ブッファリーナ」。
しなだれるごく薄い生地が舌にとろりと触れ、噛むと目の詰まった旨味とコク深いトマトソース、溌剌とした赤を吐き出すミニトマトを水牛モッツァレラの乳の純情が受け止め、油分に満ちた汁が口中に溢れる。
コルニチョーネは、弾力に富んでいながら、しなやか。
粉の温かい旨味を滲ませ、香ばしい香りが鼻腔を吹き抜けていく。
活気のある店内と美味しいピッツァ。
「VERA PIZZA NAPOLETANA」を掲げる店の中でも、頭ひとつ抜けている。
2023/11/20 更新
2023/08 訪問
関東初・全国では2番目のナポリピッツァ協会認定店の確かな実力。
ラ・ピッコラ・ターヴォラ | 永福町
◆マルゲリータ
◆クワトロフォルマッジ
お気に召し度:★★★★★(★×5)
「ラ・ピッコラ・ターヴォラ」のピッツァは、いつまでも噛んでいたくなる。
生地はソースを浴びても溌剌としており、ふっくらと立ち上がったコルニツォーネにはモチモチと弾む強いコシがある。
噛み締めるほどに、小麦の甘い香りと釜の香ばしい香りが交差した芳醇な風味が広がっていく。
マルゲリータは、トマトとバジルとチーズの均整が美しい。他店よりもモッツァレラチーズをたっぷりと使っているため、どこを食べても3者が渾然一体となった旨味が楽しめる。
具材の乳化も大変見事。瑞々しいトマトの酸味と甘味、モッツァレラチーズのコク、オイルの旨味が詰まっており、後からバジルの清々しい香りが追いかけてくる。
クワトロフォルマッジは、チーズの太い旨味の中にナッツのような香ばしい香りもあり、脳幹を刺激する直線的なパンチと、咀嚼するたびに膨らむ奥深い風味が共存している。
2023/09/11 更新
「La Piccola Tavola」のブッファラは格別だ。
塊の状態からナイフを使わず手で捥ぎ、熱を入れられたブッファラは、歯が入った瞬間シルキーな汁が溢れ出す。
噛めば、もっちりと優しく歯の上を弾み、水牛ならではのコク深い香りと味わいが、舌をまろやかに抱き込んでくる。
数多くのピッツェリアでブッファラを食べてきたが、当店の扱いはトップクラスである様に思う。
今回は期間限定のPIZZA SATORU。
具材は、トマトソース・ミニトマト・水牛モッツァレラ・アンチョビソース・ケッパー・オレガノ・パルミジャーノ。
長年にわたって当店の料理長を務めてきた伊藤悟氏が考案のロマーナのブッファラverである。
丁度ロマーナを食べようと思っていたので、この1枚との出逢いには運命的なものを感じた。
鮮やかなトマトソースとジューシーで果実味溢れるミニトマト、そしてケッパーの弾けるアクセント、それぞれがトーンの異なる酸味の旋律を奏で、共鳴し合う。
それらの酸味のワルツが、シルキーなブッファラと塩辛いアンチョビが絡み合った濃厚な旨味を華やかに彩り、最高のフィナーレを迎える。
思わず拍手喝采だ。
これを考案した伊藤悟さんに直接お礼を言いたかったが、悟さんは24年3月10日をもって当店の料理長を退任されていたので叶わなかった。
悟さんがこれを見てくれるとは思えないが、
本当にありがとうございました。そして、お疲れ様でした!