9回
2025/09 訪問
最後は天然舞茸にノックアウト
ニホンミツバチの蜂蜜のソーダ割り
素麺に合わせたのは稲生沢川の天然鮎と鰯のすり流し. 口に入れると鰯と鮎の苦味が広がります. でも臭みは一切ないのがすごい.
太刀魚です. ぷりっとした食感で美味しかった. 上にのせた醤油麹がいい仕事しています.
小鯵の唐揚げ. 皮はパリパリなのに身は柔らかい. いくらでも食べられそう. 付け合わせは天然銀杏.
メバルのお椀. 吸い地はいつものようにに手火山式の香り高さを感じます.
焼津の泳がせ鯛と鰹. 鯛はもちもちです
蒸し茄子にどうまんがにのほぐし身. 合わせたのは味噌に見えるけど、実はドライトマトのソース. ご主人に「味噌田楽ですか?」と声をかけたけど見事に裏切られましたが、嬉しい不意打ちでした.
シャインマスカットの白和え. 胡麻は藤枝のきんごま. 煎った香りが香ばしい.
鰆の山椒焼き. しっとりした鰆です.
鯵の酢の物. この鯵も美味しかった. ぷりぷりの弾力ですよ.
口の中で合わさるとサバ味噌の味になるのが不思議. この鯖は生臭さが全くなくて美味しい.
栗ご飯です. 今年初の栗.
天然舞茸の登場
巨大です. 香りが漂ってきます.
生しらすご飯
舞茸ご飯 香りも味もすごい
この日はラーメンではなく雑炊. もちろん舞茸入りです. ご飯とは違った美味しさ.
わらび餅
2025/09/24 更新
2025/02 訪問
今宵も魚とお酒に酔いしれる
2025年2月の夜です.
今回の静岡出張はFUJIさんで〆です. 夜に伺うのは久しぶりですね.
今夜もカウンター席は満席. 目の前では焼き場の炭が赤く光ってます.
半年以上空いてしまったのですが食材には焼津の泳がせの魚が増えています. 食べてみるとやっぱり普通の神経〆とはちょっと一味違います. 青魚でも臭みは全くないし、それ以外の魚も身の水分が違う.
サスエ鮮魚店の前田さんの腕や漁港との近さや漁師さんの努力もあるんでしょうが、それを活かすのも料理人の腕. 今宵も存分にご主人の料理を堪能しました.
ソムリエさんのペアリングも始まったようで、日本酒、ワインを織り交ぜたマリアージュもしっかり味わって大満足の夜でした.
この日のコースは以下の通りです.
◇クエ
一品目はクエ. これに大根と水菜、九条葱の組み合わせです. 寒い時期なクエは美味しいですね.
◇赤座海老とプチヴェールの素揚げ
海老味噌と海老卵のソース
目の前で捌いた赤座海老は身がプリプリ. 焼津のフレンチでは焼いてたけど生で食べるのも甲乙付け難い. 味噌と卵のソースも絶品.
◇蛤飯蒸し 蕗の薹
春を感じる一品. 蕗の薹の苦味がいいアクセント.
◇おかき揚げ
・あさはた蓮根
・太刀魚
久しぶりにあさはた蓮根を食べました. この糸引く感じがいい. 太刀魚は焼津小川港の泳がせで口にした時のしっとり感がすごい.
◇お椀
・えぼ鯛
・じゃがいも餅
お椀の出汁は焼津手火山式の鰹節で力強い. えぼ鯛は静岡に来てお馴染みになった食材だけど美味しいね.
◇お造り
・鰆
鰆も焼津の泳がせ. この時期は脂ものって美味い.
◇海老芋 栗のような風味
海老芋の皮の出汁で炊いたという海老芋は栗みたいない風味.
◇白甘鯛松笠焼き
炭火で松笠焼きにした白甘鯛. 噛んだジュワッと旨味が出て来ます. 下に張った出汁も白甘鯛.
◇ほうれん草胡麻和え
◇鯖蒸し煮
以前も驚いだけど油で蒸し煮にした鯖です. 鮮度が良くて臭みなし. 鯖の白子まで食べられちゃう. これも泳がせだからからかな.
◇土鍋ご飯
・煮えばな
・鯵漬けご飯
・じんどう烏賊と菜の花ご飯
土鍋ご飯は3種類. 鯵漬けご飯の鯵はやっぱり脂が一味違う.
◇魚のアラのラーメン
〆はこの日の魚のアラを全部使ったお馴染みラーメン. これだけのアラが使われると旨みたっぷり.
◇酒粕ババロア 苺ソース
またお世話になります.
ごちそうさまでした.
クエに大根と九条葱
赤座海老
赤座海老に海老味噌と卵のソース
蛤飯蒸し
あさはた蓮根と太刀魚のおかき揚げ 太刀魚の水分がほとばしります
えぼ鯛のお椀
泳がせの鰆
海老芋 栗みたいな風味
白甘鯛
ほうれん草胡麻和え
鯖蒸し煮 添えられた鯖白子も美味しい
煮えばな
鯖漬け丼
じんどう烏賊と菜の花ご飯
アラのラーメン
酒粕ババロア
2025/02/24 更新
2024/07 訪問
金目鯛に桃に玉蜀黍
2024年7月の昼です.
この日はお誘いいただき休みをとって静岡まで小旅行. 4ヶ月ぶりのFUJIさんです.
前回来た時に活け〆の鯖の美味しさにびっくりしましたが、今回はどんな魚に出会えるかなと楽しみです.
この日のコースは以下の通り.
この日は活け〆の金目鯛に出会えました. 深海の魚ですから活きて揚がってくるのはかなり珍しいでしょう. お陰で金目鯛の白子という食材にも出会えましたし、金目鯛の身もぷるっとした弾力で旨味充分です.
そして季節物の吉田の玉蜀黍や長田の桃も食べられて大満足の食事でした.
◇玉蜀黍の茶碗蒸し
吉田の玉蜀黍の茶碗蒸しに擦り流し餡を掛けて、揚げた玉蜀黍の髭をトッピングした玉蜀黍三連発の茶碗蒸し. 深い甘さはもちろんのこと、揚げた髭の香ばしさが素晴らしい.
◇金目鯛の白子と海苔の茶碗蒸し
生きたまま揚がった活き〆金目鯛の白子です. 珍しい食材ですが臭みが全くなく、コクは控えめですけど深みのある味でした.
◇えぼ鯛
茹でモロヘイヤを下に敷いて上には梅肉と白葱オイルをかけています. 脂がのった食材を梅肉やモロヘイヤと合わせて比較的さっぱりした料理.
◇鯵唐揚げ
豆鯵というにはちょっと大きな鯵をシンプルに唐揚げしてます. これはシンプルイズベストですね. 塩気もいい塩梅であっという間に皿が空になりました.
◇お椀
いつものように手火山式の鰹節を使ったお出汁のお椀. 椀種は花鯛にじゃがいも饅頭. 輪郭のくっきりした力強い出汁に花鯛の旨味も極上でした.
◇真羽太
お造りは真羽太です. しっかり目に炙ったもの、サッと炙ったもの、そのままでの3種の食べ比べ.
◇桃の白和え
長田の桃の白和えです.胡麻は目の前で炒っているのでとにかく香ばしい. この香ばしさと桃の瑞々しさと甘さが絶妙なバランス.
◇白甘鯛の松笠焼き
最初に油に通してから米油を塗って炭火焼きにしてあります. 松笠焼きで鱗がパリッとしつつ柔らかな絶妙な火加減. 身の旨味もさすが白甘鯛.
◇茄子の煮浸し
折戸茄子を手火山式鰹節の出汁で煮浸しに. 瑞々しい茄子と鰹節の出汁の相性が良い. 上にのせた鰹節も旨い.
◇金目鯛の炭火焼き
活け〆の金目鯛を油で蒸し煮にしてから炭火焼きに. まず色合いからしてきれいだけど上品な脂の旨味もすごい濃いですね. そこに甘口醤油のタレが加わって、炭火焼きなのに煮付けのような濃厚な味わい.
◇土鍋ご飯
・煮えばな
・神頭烏賊の炊き込みご飯
・〆真鯖の小丼
土鍋ご飯は3種ですが、神頭烏賊の炊き込みご飯がすごかった. 炊き込みご飯の中の神頭烏賊に加えて神頭烏賊の幼体を蒸して大量に載せてます. 全部ワタを取り除く撤退ぶり. 鮮度も良くて旨味が凄かった.
◇特製冷製ラーメン
天城軍鶏の出汁に今日の魚のアラから取った出汁のブレンドスープ. そこにトマトと白胡麻トッピングです. 美味しい和風ラーメンでした.
◇甘味
蕨餅
また来ます.
ごちそうさまでした.
2024/07/24 更新
2024/02 訪問
鯖鯖鯖
2024年2月の昼です.
この日は静岡でランチ. 静岡駅近くのFUJIさんに4ヶ月ぶりの訪問です.
駿河湾の海の幸と静岡県産の野菜を組み合わせてここでしか食べられない料理に仕上げて味合わせてくれます.
最近は焼津の泳がせの魚という新たな食材で、種類によっては今までとガラッとイメージを一新してくれます.
この日もびっくりするような魚に出会えました. この日のコースは以下の通りです.
◇蕪 べにはるかの餡
蕪の皮が取った出汁でほろほろに炊いた蕪. これにかけるべにはるかの餡が甘すぎずいい塩梅.
◇赤座海老とプチベール
特大の赤座海の頭と身の炭火焼き. 味噌をかけた大ぶりの身は当然ながらプリッとして旨みたっぷり. 頭は口をつけてチューチュー旨味エキスを吸い取りました.
◇蛤の飯蒸し 蕗の薹
運ばれてくるとちょっと焦がした蕗の薹の薫りが漂います. 肉厚蛤にほろ苦い蕗の薹は美味しかった. 来シーズンもこれは食べたい.
◇あさはた蓮根おかき揚げ
静岡野菜で大好きなあさはた蓮根. 香ばしく揚げた蓮根から伸びる繊維の糸がたまらん.
◇お椀 太刀魚に海老芋饅頭
太刀魚は細身のものを結んでから火を通したということで内部はしっとりした美味しさ. 出汁はもちろん手火山式鰹節の薫りも味も力強い味.
◇お造り
・鯵
・鮃
切り付ける前から大きいなとわかる鯵と鮃. どちらも弾力が素晴らしい.
◇ほうれん草金胡麻和え
胡麻は目の前で煎って潰します. この香りがなんとも言えない香ばしさ. 軸だけ胡麻をかけてないですが、この部分は甘〜い.
◇白甘鯛
油で鱗焼きにした白甘鯛を白甘鯛の出汁に浸してます. パリッとした鱗にぷりっとしたした身の組み合わせ. 上質な美味しさですね. この出汁はエンドレスで飲めそう.
◇水菜お浸し
水菜と蕪の甘酢漬けに削りたての鰹節が掛かってます. 薄く削った鰹節の香りが良い.
◇鯖と鯖白子
この日一番驚きの食材がこの鯖. 船上ではなく港に揚がってから〆たという泳がせの鯖. 低温の油の中で蒸された鯖の弾力や旨味のなんと強いことか. 血合いもキレイで臭みゼロ. そして新鮮な鯖だから出せたという鯖の白子. トロッとしてクリーミーな感じは河豚や鱈にも劣らない. 下には味噌を敷いて鯖味噌の再構築.
◇土鍋ご飯
・煮えばな
・メジマグロ漬け丼
・エボダイ
土鍋ご飯は3段階. 焼津のエボダイは筍ご飯にのっけて. このエボダイも美味いんだ. エボダイなんて主役を張れない魚と思ってたけど最近認識を改めました.
◇アララーメン
この日の魚のアラを全部使ったスープのラーメン. スープ旨!
◇甘味
杉錦の酒粕に紅ほっぺ.
期待通りの2時間でした. また季節を変えて伺います.
ごちそうさまでした.
2024/02/19 更新
2023/10 訪問
駿河湾の幸たっぷり
2023年10月の昼です.
前日の名古屋出張からの帰りに静岡駅で途中下車. 目的はこちらFUJIさんです. 幸運にも某予約サイトでこの日のひと枠を予約できたので寄ってきました.
平日ランチですけど当然のように満席. 半年ぶりですが駿河湾の魚介オンパレードで
一皿目は富士宮のおおまさりを使った落花生豆腐. 口にした瞬間に落花生の強い風味がふわっと口中に広がります. おおまさりは最近よく見る食材ですけど落花生豆腐にしてここまでしっかりした味になるとは.
二皿目からは静岡の魚介オンパレード. 浜名湖のどうまん蟹に太刀魚も美味しかったですけど、お馴染み手火山式の鰹節で取った力強い出汁のお椀に入ったイトヨリダイのふっくらしてなんと旨いことか. 静岡に来て初めて食べたこの鯛、すっかりお気に入りの食材となりました.
繊維が伸びーるあさはた蓮根のおかき揚げの食感を楽しんだ後の白甘鯛もまたうんまい. 松笠に仕立てた皮のパリパリ具合と身のふっくらとした美味しさも良く、下に張った魚の出汁も旨味があふれていました.
そこから油で火入れしたカマス、エボダイの酢の物と駿河湾で水揚げされた魚を堪能.
〆ご飯も煮えばな、玉子かけご飯、猪肉ご飯と当然全種類食べて、最後は天城軍鶏とこの日の魚のアラオールスターで取ったスープのラーメン. 最後の最後まで魚を堪能させてもらいました.
もう予約を取るのも難しくなりましたが、何とかまた来ようと思います.
この日のコースは以下の通りです.
◇落花生豆腐
◇どうまん蟹
◇太刀魚飯蒸し
◇一番出汁
◇お椀
・イトヨリダイ
◇鯵
◇あさはた蓮根おかき揚げ
◇白甘鯛
◇カマス
◇エボダイの酢の物
◇土鍋ご飯
・煮えばな
・玉子ご飯
・猪肉と万願寺唐辛子
◇ラーメン
・魚のアラと猪出汁
◇栗茶巾
ごちそうさまでした
落花生豆腐 口に入れると落花生の濃厚風味が広がります
どうまん蟹 ほぐした身の美味しさよ
太刀魚飯蒸し ふっくらした身とちょっとタレをつけて焼いて香ばしさも演出
力強い一番出汁
皮の色がきれいないイトヨリダイ
鯵です
繊維が糸を引くあさはた蓮根
白甘鯛 出汁も旨味たっぷり
白和え
カマス 油で火入れして醤油麹と玉ねぎソースで食べます
エボダイ酢の物
煮えばな
玉子かけご飯
猪肉と万願寺唐辛子ご飯
ラーメン スープがめちゃ旨い
栗茶巾
2023/10/23 更新
2023/05 訪問
この夜も駿河湾の恵みに感謝
2023年5月の夜です.
この日は久しぶりに何の仕事もないけど静岡訪問. お目当ては駅そばにあるFUJIさん. 半年前に訪問して、美味しいのはもちろん、段々と洗練されてきたなという感想を持ったのでマイレビュアーさんと予約して行ってきました.
4月からスタッフの入れ替わりがあったみたいです. カウンター内で働くスタッフは初々しいと思ってしまいましたが、後から聞くと結構経験値を積んでる方でした.
さてこの日はご主人もお目にかかったことがないやばい食材が入ったという事前情報があり、何が出てくるかと楽しみにしていました.
この日の一通りは以下の通りです.
◇玉蜀黍の摺流し
この一品目が素晴らしく甘くて美味かった. 玉蜀黍は味来という品種らしい. 上には玉蜀黍のヒゲを素揚げして香ばしい香りと味をトッピング.
◇梭子魚 大葉と胡瓜のソース
皮の方だけ炭火でサッと炙ったので皮の下の脂はトロッととけて身はレアという状態. 梭子魚と言えば鮨屋のつまみの焼魚でしか食べたことないので、これは口にした瞬間オッと声が出る美味しさ.
◇白みる貝と小松菜のお浸し
コリコリした食感で香りもいいですみる貝.
◇鰹出汁
手火山式の鰹節を目の前で削り出した出汁. 力強い味.
◇お椀
吸い地はもちろん先にとった鰹出汁から. クッキリとした輪郭でいくらでも飲めそうな旨さ.
◇お造り
・泥障烏賊
・メイチ鯛
飾り包丁が細かく入って舌の上でトロッとなくなる烏賊でした. 包丁の入れ方で甘味も際立ちます.
◇白甘鯛の松笠仕立て
この甘鯛は旨いです. 素材も間違いのないものですけど火入れも見事. 下に引いた出汁も脂を吸って美味.
◇桃の白和え
脂がのった魚の後の口直し. もう桃が出るんですね. 豆腐と合わさってほんのりした甘さ.
◇ズッキーニと独活の新芽のおかき揚げ
衣にピーナッツが入って香ばしい. ズッキーニは瑞々しく独活はほんのりした苦味が山菜の味.
◇活け締め金目鯛と玉取り茸
やばい食材とはこの金目鯛. 深海魚の金目鯛が港まで生きていたそうで港で活け締めされたそうな. その金目鯛を80℃の油で火入れしてから炭火焼に. 金目鯛の焼物といえばしっかりとした身の締まりの印象ですが、この活け締め金目鯛はしっとりした食感. 身の水分が旨味ごと保たれている感じで新しい美味しさ. 面白いものを食べさせてもらいました.
◇青柳とスナップエンドウの酢の物
青柳独特の味わいがたまらない. ここに来てお酒がすすみます.
◇土鍋ご飯
・煮えばな
・カマトロ炙り丼
・桜海老ご飯
ご飯は3種. 中でもカマトロは舌の上で蕩ける美味しさ.
◇天城軍鶏のラーメン
軍鶏の旨味詰まったスープです. これも当然完飲. 〆でも丼一杯食べられそうなラーメンでした.
◇甘味
・青梅の蜜煮
・わらび餅
お酒
・森本 純米酒 静岡
・天青 純米吟醸 夏 神奈川
・国香 純米吟醸 静岡
・杉錦 山廃純米 静岡
ますます美味しさに磨きがかかった感じですね. 予約も取りづらくなったと思いますけど何とかしてまた来たいと思います.
ごちそうさまでした.
2023/05/31 更新
2022/12 訪問
FUJIさん再訪
2022年12月の夜です.
この日は静岡出張. 普段なら何とか予定を合わせて温石さんへ行こうとするのですがこの日はどうにもならず. 代わりにどこかないかと探したらomakaseでこちらの1人席を見つけて1年ぶりの訪問となりました.
暗くなった静岡駅からの道を5分も歩けばお店に着きます. 戸を開けてカウンター席に1番乗りしてご主人にご挨拶. お会いしない間に貫禄が出たような気がします. カウンター奥の炭火ではどんな魚を焼くのかななんて思いながらコースがスタートです.
この日の一通りは以下の通りです.
◇海老芋饅頭に鰆
おろした海老芋で饅頭を作り中には鰆です. この饅頭が美味かった. ちょっと芋の繊維質が残っていて尚且つトロッとした感じです. これが脂がのった鰆を優しく包んで旨い.
◇伊勢海老
ぷりぷりの伊勢海老の身をちょっと炙って薫りを立てて海老味噌、蕪と共に. この海老の弾力と旨味はすごかった.
◇飯蒸し
鰯の飯蒸し. 鰯が香ばしったらないですね. 嗅覚から胃袋を刺激してきます. パリパリの皮と身に鮨酢を混ぜた餅米で本当に鮨みたい.
◇一番出汁
目の前で削った手火山式の鰹節. この鰹節からとった一番出汁はちょっと荒々しい風味がします.
◇お椀
この一番出汁を使ったお椀の椀種はイトヨリ鯛. お椀に合わせて荒々しさを抑えて角が取った吸い地はくっきりしてなんとも言えない美味しさ. ふっくらしたイトヨリ鯛と合わせてこの日一番の料理でした. お椀としても過去一二の美味しさだったと思う.
◇お造り
太刀魚と泥障烏賊. 捌いているところから美しさが際立っていた太刀魚の身は弾力・旨味ともピカイチでした.
◇白甘鯛
白甘鯛は松笠焼きにしてあります. 程よくレアに火入れされた身の美味いことったらないですね. さすが白甘鯛です. パリパリになった鱗と皮目の脂も美味しかった.
◇白和え
富士宮の四つ溝柿を渋抜きして白和えに. この柿が甘くてびっくり.
◇麻機蓮根
繊維に沿って縦に切った蓮根は揚げることでしゃくしゃくした蓮根の繊維とねっとり感両方味わえる仕立て. この蓮根はいつ食べても美味しいので東京でも食べられないかな.
◇鯖
真鯖を油で蒸し煮にしたらしい. この鯖が青魚の臭みが全くなくて脂と旨味だけという素晴らしい個体. 冬でもこれくらいの鯖はなかなかないでしょう. 合わせた玉取り茸もやっぱり美味しい. 静岡ならではですね.
◇鯵
これは素揚げしたブロッコリーと大根おろしを薬味にしていただきました. 鯵の美味しさが直球で来ます.
◇ご飯
ご飯はきぬむすめの新米. 一膳目は桜海老、二膳目は金目鯛ご飯. どちらもお代わりを所望したくなる美味しさ.
◇〆ラーメン
新しくラーメンが始まっていました. 魚介のアラから取った出汁のラーメンですがこの出汁に魚介の旨味が全部滲み出ていてなんとも言えない旨さ. これは反則級です.
◇サツマイモムース
一年ぶりでしたけどより一層美味しくなったんじゃないかとびっくりした夜でした. どんどん新しい味を追求されているみたいでこれからも楽しみです. 一年ぶりだなんて言わず、静岡に用があるならもっと通わないといけないですね.
ごちそうさまでした.
2022/12/16 更新
2021/10 訪問
静岡の富士じゃない「FUJI」さん
2021年10月の昼です.
カフェで小腹を満たし駿府城公園を散策した後に6月以来となるこちらに伺いました.
サスエさんの魚をはじめ静岡の素材で勝負するのは温石さんと同じですが、素材に対するアプローチは少し異なるので食べ比べも面白い.
静岡駅近くのお店は平日お昼でしたがカウンター席がほぼ埋まっていて人気の程が伺えます. 交通の便も良いので帰りをあまり気にしなくてもいいのがありがたいお店です.
さてこの日のコースは以下の通りでした.
◇落花生豆腐
こちらの落花生豆腐はトロッとした食感が特徴. 上には素揚げした落花生がのってかなりの香ばしさがあるのと、カカオニブでちょっとした苦味があります.
◇胴満蟹の飯蒸し
蟹の身たっぷりの飯蒸し. 蟹の甘さが際立つ飯蒸しでした. 添えられたのは銀杏.
◇伊勢海老に空芯菜のお浸し
これまた活きた伊勢海老を目の前で捌いてもらい炭火の上でジュワッと火を入れるのを見てこりゃ美味しそうだと眺めておりました. ほんのり火が入った海老のプリプリの弾力を楽しみました. 上にかかっているのは海老の味噌. 添えてあるのは空芯菜のお浸し.
◇一番出汁
鮪節と鰹節からとった一番出汁. くっきりした旨味です.
◇お椀
この出汁を使ったお椀です. 椀種はこの日の朝に焼津で揚がった赤むつと蓮根餅. 赤むつの脂が口の中だけでなく出汁に溶け込んでうんまいです. 蓮根餅も香ばしい薫りもいいですね.
◇ハタ
皮下の脂を楽しめるように皮を剥がずに提供. ちょっと炙って香りがでた脂もいいですが、生の脂も美味しい、そんな上質なハタでした.
◇スマ
お造り第二弾はスマです. こちらも鰹とはちょっと異なる味が美味しい.
◇黒むつ
炭火でじっくり焼いた黒むつ. 中がちょっとレアに仕上がってしっとりしています.
◇柿白和え
国産胡麻を炒ってから擦って香りを存分に立たせてから白和えの上に大量投入. 豆腐もほんのりと食感を残しているので風味豊かでした.
◇金目鯛
比較的低温の油につけてゆっくりと火を通した金目鯛です. 皮から身まで軽くレアさを残してあります. いつも炭火で焼いてパリッと香ばしさがある金目鯛に慣れているのでこのしっとりした金目鯛は新しい美味しさ. 添えた玉取茸もまた美味しい.
◇天然スッポンと海老芋
大井川水系の天然スッポンを焼いて磐田の揚げた海老芋と合わせます. とてもジューシーなスッポンでした. 海老芋も柔らかく甘く美味しかった.
◇炊きたてご飯
藤枝のきぬむすめという品種. 香りと甘さが引き立つご飯です.
◇鰹節と胡麻・玉子ご飯
削りたての鰹節に先程の胡麻をたっぷりと、そして玉子をご飯にのせて. 熱々ご飯にこれらがのれば美味しくないはずがない.
◇牛時雨煮ご飯
第二弾は牛時雨煮です. 濃い目の味付けでご飯が進みます.
◇天城軍鶏の雑炊
軍鶏の旨味が滲み出てご飯に再吸収されてこれまた美味しいご飯でした.
◇わらび餅
目の前で鍋を火にかけて練ってくれます.
前夜の温石さんと同じく静岡の食材を用いているので食材がかぶるのは承知の上. そして2つのお店のアプローチの違いを楽しむのもやっぱり面白いなと実感しました.
さて次は冬か春の静岡を楽しみに来たいと思います.
ごちそうさまでした.
2021/10/21 更新
2021/06 訪問
また静岡の美味しいお店に出会えた
2021年6月の夜です.
最近静岡のお店を発掘しまくっているマイレビュアーさんにお誘いいただき静岡駅前に来ました. 駅から徒歩5分と素晴らしい立地のお店です.
ご主人は東京・京都と修行されて7年前にこちらで開業、当初は静岡県産ではなく全国から食材を取り寄せていたようですが、その後あるご縁でサスエ前田鮮魚店と出会い静岡の素材に目覚めたそうです.
サスエ鮮魚店の魚を使うというと焼津の温石さんがありますが、どう違うのかとても楽しみにしていました.
この日の一通りは以下の通りです.
◇とうもろこしの摺流しに浅利の茶碗蒸し
上に摺流し、下に茶碗蒸しの2層になってます. とうもろこしは吉田産の味来ですがこの摺流しの甘いこと. 下の段には大振りの浅利と茶碗蒸し. 摺流しと茶碗蒸しの組み合わせは面白く美味しい.
◇蛤飯蒸し
噛むも旨味たっぷりエキスが滲み出ます. 上の山椒の葉の香りもいいアクセント.
◇1番出汁
目の前で鰹節を削って昆布出汁の中へ. 鰹節は今では珍しい直火で乾焙する手火山式で製造しているのは日本で数軒とか. そのせいか香ばしい風味が口から鼻へ広がります.
◇お椀
なんかポテトの匂いがすると思ったら椀種でした. さっきの出汁を使ってメバルと新じゃが饅頭のお椀. プリッとしたメバルの身はめちゃうまい.
◇お造り
刺身はくろむつ. 脂がノリにのったくろむつをさっぱり食べさせるために普通は大根おろしのところをおぼろ昆布をのせてます. これがびっくりするほどくろむつと相性良し.
◇甘鯛の松笠焼き
炭火で焼かれた甘鯛は身はふっくら甘く、鱗はパリッとしています. アラから取った出汁を引いていますが身からの脂が落ちてこっちも美味しい.
◇桃の白和え
目の前で切った瞬間から俎板に汁がブシャーっと飛び出ました. 口に入れると期待通り桃汁が広がります. 目の前ですり潰した胡麻の香りもぴったり.
◇焼き物
イシナギと玉取茸です. 炭火にかけられた時から香ばしい薫りが漂いコースも終盤というのに胃袋を刺激します. イシナギは身のプリッとした弾力と共にやっぱり味わいが素晴らしい. 合わせたのは藤枝の玉取茸. 脂を塗って焼いて醤油をちょっとつけていますがこれも肉厚で椎茸の旨味がジュワッと出てきます. 添えた実山椒はこの日お客さんでいらっしゃった静岡市内の農家さんが作ったもの. ピリッと締まる山椒でした. チーム静岡の勝利.
◇揚げ物
天竜川の天然鮎と蓼の葉の天ぷらです. 解禁に合わせて当日釣った鮎でした. 下のソースは蓼と胡瓜でほんのり胡瓜の香りがします.
◇鳥貝の炙り
ちょっと小さめのサイズの鳥貝を丸ごと炙った一品. 一同美味しいねぇと思わず声が出ました. 弾力と共に甘味、そして貝の旨味の余韻が長く続きます. これは美味しい.
◇ご飯4連発
まずは先ほどの鰹節に自家製唐墨のご飯. 鰹節にちょっと醤油を垂らしただけでも美味しそうなのに唐墨投入ですからね. これはたまりません. ついで大穴子のご飯. ふっくらして美味しい穴子でした. 3つは天城軍鶏の雑炊. 軍鶏で出汁をとり、肉は解して雑炊の具として余すことなく使われていて鳥の旨味に溢れています. 最後は牛肉味噌ご飯.
◇甘梅の甘露煮
魚はもちろんサスエ鮮魚店から良いものが良い状態で入って来ているのでしょうがそれを調理する若いご主人の腕も間違いなさそうです. 少なくとも素材の良さだけで成り立っているお店ではないですね.
料理のベクトルは温石さんとはまた少し違いそうですが負けず劣らずのお店だと思います. 何より静岡駅近の立地に感謝. 帰り走ったら3分で改札内に飛び込めました.
美味しいお店をまた紹介してくださったマイレビュアーさんに感謝です. また来よう.
ごちそうさまでした.
2021/06/11 更新
2025年9月の夜です.
この日は静岡に出てきました. 現地で仕事を終えてそのままFUJIさんへ向かいます. 前回が2月ですから半年ぶりとなります.
東京から新幹線で1時間かからないとは言え、なかなか来ることはできません. そんな中で静岡の山の幸、海の幸で毎回びっくりするほど美味しい料理を出してくれるので、今回も新幹線の中きら楽しみです.
定刻通り始まった今回のコースもやっぱり想像を超える料理でした. 珍しく飲み物からスタートかと思ったら、ニホンミツバチの蜂蜜のソーダ割りです. とても甘いのに後味スッキリの蜂蜜でした.
そして先付の素麺. これは天然鮎と何と鰯のすり流しと合わせてます. 臭み一切なし.
小鯵の唐揚げは、揚げる直前まで鯵の水分が保たれているので、揚げると外はカラッと、中はふっくらになるそうな. これは何匹でも食べられる!
鮮度良い鯖はほぼ生で、そして味噌をかけると口の中で鯖味噌煮が完成します. 遊び心もあるけど鯖がホントに美味しかった.
そして最後にご主人が最高の食材を見せてくれました. 3kg近くになるという天然の特大舞茸です. 山梨との県境で仙人のような名人が採ったとか. 目の前にしただけで香りが素晴らしい. 舞茸ご飯とその後の雑炊でたっぷり香りと味を堪能しました.
この日のコースは以下の通り
◇食前酒
・蜂蜜のソーダ割り
◇先付
・素麺
・天然鮎と鰯のすり流し 鮎は稲生沢川
◇前菜
・太刀魚
・水菜
・醤油麹
◇揚物
・小鯵 焼津
・天然銀杏
◇お椀
・メバル
◇向付
・鯛 焼津漁港 泳がせ
・鰹
◇蒸物
・茄子
・どうまんがに
・ドライトマトと塩麹ソース
◇箸休め
・シャインマスカットの白和え
◇焼物
・鰆の山椒焼き
◇酢物
・鯵
・空芯菜
・玉葱オイル
◇煮物
・鯖
・味噌
◇土鍋ご飯
・栗ご飯
・生しらすご飯
・天然舞茸ご飯
・雑炊
◇わらび餅
お酒
・杉錦 生酛純米 ひやおろし
・初亀 純米吟醸 秋あがり
・萩錦 秋の純米 土地の詩
・凱陣 純米吟醸
・森本 純米 杉樽は猶及ばざるが如し
またきます. 次はどんな静岡の食材を楽しめるかな.
ごちそうさまでした.