a-ichiさんが投稿したオビナタ(長崎/思案橋)の口コミ詳細

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閉店オビナタ思案橋、観光通、崇福寺/イタリアン

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2008/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

【2011年3月に閉店】私の生涯ベストレストラン、オビナタ

長崎市の思案橋電停から徒歩で3分ほど、
福砂屋 長崎本店の裏にありました「オビナタ」です。

長崎市のイタリアンレストラン「オビナタ」は、2011年3月に閉店。
現在はイタリアン・ワインバーのコルドーネに店舗が変わっています。

「オビナタ」さんは、
ソムリエ・接客をオーナーの中島さん、そしてシェフは奥様で 基本お二人。
(不定期に?調理助手さんが入れ替わりいらっしゃいました)

閉店当時でも創業40年以上。
長崎県で初めて開業された、最古老舗のイタリアンレストランでした。

オビナタさんは過去と現在そして、これから先の将来を考えてみても、
私の『生涯ベストレストラン』と云っても過言ではないでしょう。

<以下、想い出話と今店の紹介を含めて文章長くなります。ご了承下さい。>

私が今店を通い始めたのは1998年8月。
カミさんと交際始めた頃に、Close間際に飛び込みで入店したのが今店との出会い…。
もうClose21時前で後片付け中だったにもかかわらず、
オーナーの中島さんは優しい笑顔で快く迎え入れて下さいました。

それ以来、福岡在住中は年に5回は訪問。
(夫婦お互いの誕生日、5月連休、8月盆休み、12月年末)
のちに、大阪そして東京へ転勤後は、年3回の帰省時には必ず電話予約をして訪問しておりました。

最後にオビナタさんを訪問したのは、2010年8月13日…。
我々夫婦は予約した18時半にお伺いしますと、お客さんは自分達だけ…。
19時を過ぎますといつもは予約常連客で埋まる4人掛けの6つのテーブル席は、
この日は何故か閑古鳥…。

これはもしかして…! と思って中島さんに尋ねてみると、
「今日から盆休みに入ろうと思っていたのですが、a-ichiさんから連絡頂いたので、今日は1組限定でお店を開けていたのですよ。」と笑顔の一言。

そして「今晩は桃のコンポートも用意していますからね。」とウィンクされてニッコリ。
毎年8月のこの時期は、カミさんが大好きな「桃のコンポート」をいつも用意して下さるのです。

いつも中島さんは接客でお忙しく、なかなかゆっくりと世間話をする事が出来ませんでしたので、
この日はチャンス!とばかり、お店の成り立ちなどタップリとお伺いしたのです(#^^#)

オビナタさん元々、中島さんのお姉さん夫婦が開店した、長崎県で最初のイタリアンレストラン。
義兄の大日方さんは、「荒田勇作」氏のもとで西洋料理を修行されたそうです。

荒田勇作氏は、日本の西洋料理界を代表する重鎮料理人のひとりで、
横浜の「ホテルニューグランド」で西洋料理を日本国内に初めて拡めた初代料理長「サリー・ワイル」氏の、お弟子さんのひとりでもあります。
※私の過去レビュー「ザ・カフェ」をご参照
 https://tabelog.com/rvwr/007295362/rvwdtl/B290329624/

オビナタ開店後に暫くして、中島さんのお姉さん夫婦は離婚。
元々中島さんの実家だった「オビナタ」から、義兄の大日方さんが出て行く形に。
中島さんは当時勤めていた会社を辞めて、オビナタを手伝うようになったとのことでした。

最終的には中島さんの奥様が、レシピを引き継いでメインシェフに。
そして中島さん本人はソムリエ・接客として、お店を取り仕切るようになりました。

中島さんに「イタリア料理店で、美味しいお店を探すコツは何かありますか?」と質問したところ、
「自家製のパンが美味しいお店は、間違いないですね。」と意外な返答。

中島さんが云うには「リストランテ」の定義は、先ずソムリエが居ること。
そして、お店で自家製パンを焼いているのが条件 との言葉でした。
日本のイタリア料理店では、安易に「リストランテ」を名乗っているお店もいらっしゃいますがね…とのことでした。

確かにオビナタさんの自家製パンは、表面はカリっと、そして生地はフワッとモチモチで、とても美味しかったのです。

またメインシェフである奥様の数々の料理は、女性が作ったとは思えない、手間ひまを掛けたとても深みのある力強い味!

中島さんは「昔からのレシピを忠実に作っているだけですよ。」と謙遜されていましたが、
料理に使われるフォンドボーからデミグラスソースそして炒め玉ねぎなど、
更には自家製パンと、自家製デザートまで、
お二人で想像を絶する手間ひまを掛けていることが、食べていて料理からヒシヒシと伝わっていました。

その次訪問するはずの、2010年12月末は大雪。
雪が舞う中、帰省先のカミさん実家の車を借りて長崎自動車道を向かいましたが、積雪のため嬉野ICで無念のUターン…。
車中で中島さんへ電話を入れて、予約キャンセルを伝えたのが中島さんとの最後の会話になろうとは、この時はこれっぽっちも思わず…。

リベンジその次と、2011年5月連休の予約電話をしましたところ「この電話番号は使われておりません…」とのNTTメッセージ。

嫌な予感がして、5月の連休帰省時にお店まで車を飛ばして行ったところ、既に閉店されていて、閉店案内の貼り紙もなかったのです…。

色々とインターネットを検索すると、突然の閉店だった様子。

まさかこんな急に閉店することになるんだったら、年賀状でも中島さんと連絡先交換しておけば良かった…とつくづく後悔。

閉店後しばらく半年くらい経った頃でしょうか、中島さんの息子さんのブログをネットで発見!
そして、閉店した理由が判ることに…。

オーナーの中島さんは2010年4月に肺がんと診断され、閉店は健康上の理由だったとのこと。
そして、2011年7月7日にご逝去されたのことでした…。
だから…、お客さん達には何も告げず突然閉店したんだ…。

昨日の7月7日七夕は、中島さんの命日だったのです。

そして食べログから「オビナタ」の掲載が無くならないように、
生意気ながらもa-ichiが今回レビューさせて頂きました。

中島さんからは今店の料理の素晴らしさを、
渾身の味と真心のサービスをもって教えて頂いたと感謝しておりいます!

夜空の星に向かって「中島さんありがとう!」と叫びたい…。
「オビナタ」は、我々の記憶の中に永遠と刻まれているのです。
そして、これからもずっと永遠に…。

〜追伸〜

ダウンライトされた店内でしたので、それまで料理の写真も満足に写真で収めていなく、
パソコンに保存していた数少ない写真も全てピンボケ状態…。
今回の掲載写真は、ピンボケ写真を色々と修正・加工してみたのですが、
美味しい料理の魅力が伝わらなくて残念…。
料理ならびにお店の雰囲気だけでも、皆さまに伝わりますと幸いです。

  • 外観

  • 内観

  • マルチョウ風クリームスープ

  • 烏賊墨パスタ

  • ギリシャ風クリームパスタ

  • オッソブーコ

  • 牛肉ピカタ ライス添え

  • 桃のコンポート

  • 閉店後…

  • 閉店後…

2021/08/17 更新

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