Racco903さんが投稿した肉割烹 ゆうざん(東京/銀座)の口コミ詳細

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Racco903の全国徒然食べ歩き

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閉店肉割烹 ゆうざん銀座、東銀座、有楽町/日本料理、牛料理

1

  • 夜の点数:4.3

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.4
      • |雰囲気 4.4
      • |CP 4.1
      • |酒・ドリンク 4.2
1回目

2019/01 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.4
    • | CP4.1
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

上質な素材を確かな技とこだわりの器で芸術品の域まで高めた料理の数々‼︎所々に織り込まれた西洋の香りが割烹に新しい風を呼び込む⁈

銀座6丁目の交詢ビルに昨年開業した肉割烹です。場所柄ハイセンスなお店が多い中、特にこのビルには良質なお店が集まっているのでとても楽しみにしていました。エレベーターを降りてすぐにエントランスがあり、笑顔の女将さんのお出迎えがありました。
店内は明るい白木調の内装で清潔感のある温かみを感じるもの、日本の自然と美を体現したような空間に癒されます。案内された席はカウンターの板長さんが良く見える特等席、しかもこのカウンターに使われている桜の一枚板はゆうに8席を超える長さがある厚みも素晴らしい銘板、壁には様々な酒器が飾ってあり、インテリアや調度品、カトラリーに対してかなりこだわりをお持ちであることがうかがえました。
席には黒塗りの角盆がセットされ、お品書きが置かれています。お料理はお品書きにあるコースのみですが品数を減らしてお肉多目にもできるとのこと、初めての私たちは色々と楽しみたいということで品数はそのままにしました。コースはお肉の種類で値段が変わるので、最初に炭火焼きとなるメインのお肉と土鍋ごはんに使う米を選びます。サーロインかヒレで迷ったのですが2人の好みの間をとって多少脂の多い銘柄牛(この日は山形牛)のヒレを、土鍋ご飯には相方の意見で長野県川久保米穀のコシヒカリを選びました。

まず、ウェルカムドリンクとしておちょこに1杯分の薬草のお粥が出されました。薬草の味は抑えられているのですが、これでお腹の調子と気持ちが切り替わるのですね。続いて乾杯用の食前酒として自家製の山葡萄酒が注がれます。やや土の香りが残る葡萄酒はワインとも違う自然の味でした。
料理が始まるときにオーダーしたのはポール・ロジェ、Zaltoのシャンパングラスで軽く乾杯!! 使われているグラスもハイクラスでした(^ ^)

・河豚の茶碗蒸し
最初は蒸し物、ポン酢餡をかけていただく茶わん蒸しは蒸した卵液の上に具材が盛られていて見た目には茶わん蒸しとはわからない美しい一品、軽く焼いたことによりフグの味が濃縮され、ポン酢餡がフグの香りをさらに引き立てさせます。
・和牛タン 生ハム仕立て
サシが適度に入ったタンは歯応えを残しつつサクッと切れる仕上がりで、卵黄と大根おろしのポン酢タレでさらに肉そのもののコクがアップします。この組み合わせには意表をつかれました。添えられていた秋田の絞り大根の酢漬けはマイルドな味わいでとても良い箸休めとなります。
・キアニーナ牛の炙り
初めていただくキアニーナ牛、イタリア産の白い巨牛(成牛で1.5トン!!)で育成数が少なく希少な牛肉で長い間門外不出でイタリアでしか食べることができませんでしたが、最近輸出が解禁されたとのことです。カブリの部位を軽く炙り、芽キャベツと菜の花を添えてブラックペッパーソースに自家製カラスミとパルミジャーノを削って散らした大変色彩の豊かな一皿です。サシが入っているにも関わらず歯応えを感じる程度に締まった肉質は和牛にはない食べ心地です。次の料理に備えて白ワインに移行、スペイン産の辛口でパリカをチョイスしました。
・鳥の白味噌仕立て
京の白みそとクリームを使ったスープ仕立ての一品、鶏の胸肉とモモ肉を合わせた挽肉に軟骨も加えたコリコリ感のあるジューシーなつくねがクリーミーなスープに喝を入れてくれます。京菜とシークリスタルのシャキシャキ感でクリーム多めにもかかわらずサッパリといただけました。
・和牛サーロインのしゃぶしゃぶ すっぽんのスープにて
すっぽんのスープ、秋田県産のセリ、和牛サーロインとくれば最強の組み合わせであることは間違いなく、澄みきったすっぽんのスープに牛肉の旨味とセリの香りが移り滋味あふれる一品でした。どれも独特のテイストを持つ素材をこれほどまでに調和させることができる板長の感性と技には脱帽です。
・丸吸い すっぽん安平
しゃぶしゃぶに使ったすっぽんのお吸い物です。お椀もすばらしい塗り物で蓋をあければまるで鶴が舞う日本画のよう、シンプルな吸い物ですがこのしつらえは手がかかっています。まさに和食の真骨頂かもしれません。
・八寸 黒豆/松前漬け/田作り、牛寿司、子牛の炭火焼、ハチノスのトマト煮、自家製ローストビーフ
肴の盛合わせでもある八寸、正月らしくおせちを取り入れた内容の中で驚いたのは黒豆、アルデンテと言ってもよい歯応えを残して蜜がしっかりと中まで浸透しているのです。自分でも黒豆はふっくらと艶良く仕上げられますが、このような歯応えを残す方法を思いつきません。八寸の中で唯一洋風テイストのトマト煮ですが、トマトとマイルドなセロリの風味が和食に溶け込んでいました。もう一つ深く印象に残ったのは肉寿司です。ムース状になった生のカラスミをソースがわりにしていただくのですが、カラスミの塩気と旨味が牛肉に合うこと!!牛肉と魚卵の新しい組み合わせですね!!
・和牛と河豚の白子揚げ 柚子塩
ここから肉料理が佳境に入ってくるのでワインは赤にチェンジ、女将さんのお勧めによりピノノワールのボーヌにしました。料理は茹でた白子を和牛の薄切りで巻いて薄く衣をつけて揚げたもので、白子の風味を感じられるよう牛肉との配分が工夫されているそうです。しかも揚げ具合が外側はパリッと中はフワッととした王道の仕上がりで、これに柚子塩をつけていただくと爽やかな香りと塩味と香ばしさが一体となって、ねっとりとした白子がソースのように牛肉に絡みつくのです。添えられていたフグのアラの素揚げもポクポクした身が美味しい!!フグは最初の茶わん蒸しから始まってここで全部使ったことになるとのこと、無駄のない素材の活かし方も素晴らしい!!
・厳選黒毛和牛炭火焼き
すいぶん前から炭火で火入れしていたヒレ肉、座った席からは炙って寝かせてを繰り返していたのが見えていました。いよいよメインの登場です。
まずタレや薬味が並びました。付け合わせは春菊とからし菜の酢味噌がけです。鮮やかな緑と鈍い黄色がきれいです。薬味類は石川県すずの塩、生胡椒の塩漬け、九州の丸大豆醤油、フキノトウと味噌のソースです。
一口大にカットされたヒレ肉が静岡の本山葵と北海道の山山葵とともに供されます。まずは山山葵と塩で一ついただくと、口の中で山葵の香りとともに温かいヒレ肉が溶けていくのです!!これがヒレ肉か?と思う艶やかさとジューシーさと甘味すら感じる肉の味は初めての体験でした。薬味はどれも肉の味と食感を損なわない配慮がなされたもので、九州の醤油は甘味控えめ、ホースラディッシュではなく山山葵を使ったのは食べたときの持続する香りが楽しめるからだそうです。確かにホースラディッシュはツンときますがそれで終わってしまいますね。また塩漬けの生胡椒も風味がよくて大変おいしく、これはご飯のときのお供に少し残しました(^ ^)最上の肉を活かしきる焼きと薬味、これは至福のひとときであるとともに肉を主体とした和食の極意を見たような気がしました。
・食事 土鍋ご飯、赤出汁、香の物
先の肉のおいしさで我を忘れてしまっていたところに、日常に戻る準備をするがごとく土鍋で炊いたご飯に赤出汁と香の物と自家製牛そぼろが出ます。大粒のコシヒカリは表面はピカピカ、底にはうっすらとおこげがあり、この組み合わせは日本人でよかったと思える瞬間ですね。生胡椒の塩漬けもご飯によく合いました。食べきれずに残ったご飯はお持ち帰りでおにぎり(嬉しいことに牛そぼろもついていました!!)にしていただきました。
・白玉ぜんざい
・抹茶
白玉ぜんざいとなっていますが、最中の皮を器にして生クリームと白玉、苺にぜんざいをかけたもので、デザインと発想が斬新な和スイーツです。お抹茶とともに最後のひと時をゆったりと過ごせました。

お料理のすばらしさは言わずもがななのですが、料理以外にも随所にこだわりがあり、炭火焼きの焼き場やしゃぶしゃぶのコンロは京都の陶芸家による陶器製の特注品、桜の一枚板は落ち着いた雰囲気を出すためにニスを落として木肌を楽しめるようにしたり、スタッフには通訳(イタリア、英語、中国語)の方もいらっしゃるそうです。小さいですが個室も完備され、プライバシーが欲しいときにも対応できるようになっていました。ハイクラスの「おもてなし」とは何なのかをとことん突き詰めて様々な演出がなされているのが感じられ、それを体感できることは身も心も引き締まるようでした。
板長さんはもともとはイタリア料理の出身だそうで、八寸の中に組み入れられたトリッパや白味噌クリーム仕立ては色彩だけでなく和の中に違和感なく溶け込む洋風テイストも素晴らしいものでした。さりげなく洋を取り入れながら和を追求していき、それがまた新しい味の流れを作っていくのだと思います。開店してまだ1年だそうですがほぼ1か月単位でメニュー構成を変えていくとこのとで、今後も注目していきたいお店の一つとなりました。

2019/01/25 更新

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