2回
2022/08 訪問
オープンしてまだ2週間、横浜近辺の中で鮨割烹のテッペンを取れる店になる予感‼︎ 大将の熱い想いが宿った料理と鮨を堪能すべし‼︎
鮨ラバーな友人から、8月に横浜駅近くで鮨屋がオープンしたので行かないか?とお誘いがあり、それならば夏休みのプチお出かけモードで、横浜散策がてら遠征することにしました。昼間は食材など買い求めに中華街まで出たりして、早めの夕方の予約です。あちこち人出が結構あり、よく歩いたのでちょっと疲れたかしら?お鮨で元気になりましょう‼︎
予約したのは 上おまかせコース 12000円(税込)、サイトに載っている内容は以下のものとなります。
・前菜盛り合わせ
・御造り
・焼物
・蒸物
・小鉢
・握り8貫
・小丼
・巻物
・香の物
・留椀
・甘味
お疲れ様な乾杯は和食店にしては珍しいイタリアのビール、ペローニ・ナストロアズーロ 880円(税別)にしました。軽い口当たりで季節的にもピッタリ‼︎ 大将のセンスの良さが光っています。これは料理も期待大ですね。
前菜は生湯葉のイクラのせ、鯵の南蛮漬け、黄金うざく、ふぐ皮水晶、ハモの土佐煮の五種盛りでした。生湯葉は出汁が素晴らしく、イクラの上に添えられているキャビアやとんぶりが塩味と食感にアクセントを与えています。南蛮漬けは合わせ酢のさっぱりとした酸味がいいですね。金箔が眩しい鰻ざくは豪華なビジュアル、ふぐ皮の梅水晶は日本酒キラーで、ここから日本酒に移ってしまいましたσ(^_^;) ハモの土佐煮は煮込むことにより上品かつ地味溢れるハモに大変身‼︎ これも日本酒に激合いです。
ここから前半の握りです。ネタには丁寧な隠し包丁、つける醤油は関ヶ原のメーカーの濃口醤油をベースに自家製ブレンドしたもので、あまりにも旨味が凝縮していて非常にまろやか、飲んでも美味しい醤油なんて初めて出会いました‼︎ 握りはアイルランドの大トロ、千葉のアオリイカ、沖縄の車海老です。どのネタも赤酢のシャリの優しい酢飯とマッチしていて、本当に美味しい‼︎ 国産にこだわらずに美味しい素材を利用し尽くす姿勢には感銘を受けました。
お造りは静岡の鰹と韓国の赤貝、貝類は日本近海ではかなり漁獲量が減っていて手に入らないことが多いそう、異常気象による海流の変化がこんなところまで影響があるのですね。韓国産の赤貝、香りも高く美味しゅうございました。
箸休めの酢の物は真蛸、北海道産帆立、沖縄のもずくを鮮やかな色彩の菊花酢でいただくもの、これも合わせ酢の妙を体感しました。
焼き物はカンパチの塩麹焼き、添え物は沖縄の島ラッキョウとブレンドした赤味噌です。驚いたのはディルがあしらわれていて、これはもう和洋のフュージョンですね‼︎ カンパチの風味に加えてディルのさわやかな香草の風味とブレンド赤味噌のコラボは新しい味覚との出逢いを実感しました。
蒸し物はズンダの冷製茶碗蒸し、海老が仕込まれた茶碗蒸しに好き摺流し風のズンダがかかった、色彩も味覚も夏真っ盛りにふさわしい一品でした。
そして後半の握りは真鯛、キングサーモン、金目鯛、鮪赤身、コハダ、穴子と続きます。真鯛にはローズソルトとライム(⁈)でキレのある風味に、ノルウェー産キングサーモンにはマスカルポーネが添えられて絶妙な酸味とクリーミーさが一体となったリッチなテイストでこれは驚きでした‼︎ 脂ののった金目鯛と赤身は王道のブレンド醤油で、大型のコハダは丁寧に編み込まれた仕事が光っています。穴子は煮切り醤油とタレの二重奏でコクとキレを見事に体現していました。
そしてロシアのバフンウニです。濃厚な雲丹の風味は最高ですね‼︎ 箸休めにザーサイとカボチャの漬物が出ましたが、これが本当に美味しい‼︎ 思わずお持ち帰りで購入したいと伺ったところ、なかなか生の搾菜が手に入らないので量が確保できないため販売はできないとのこと、ああ残念‼︎
最後の巻物はまさかの牛蒡巻き、普通ならトロタクとかカンピョウとか中落ちなどですが、敢えて柔らかく煮た牛蒡を巻いだとのこと、牛蒡は万能野菜であることは知っていましたが、酢飯と合わせて煮含めた牛蒡がこんなにも上品かつ濃厚な巻物で、脱帽ものです。玉と山芋の赤出汁で〆ました。
甘味は柚子とりんごのシャーベット ライム添えでした。柚子とライムのダブル柑橘、どちらも個性が強いので合うかしら?と半信半疑で口に入れたら、なんとりんごベースのシャーベットでほのかな柚子と後がけのライムが清涼感を演出、これは脱帽もののデザートでした。大将曰く、最後が良くなければそれまでのものが生きなくなるのでデザートに力を入れているそう、今までの料理の流れや握りの斬新さを思い起こすに、これはもう鮨の域を超え懐石料理に限りなく近いと思いました。
丁寧な仕事、発想豊かな料理、大将の料理にかける熱い想いを聞いて、歩いた疲れもすっかり取れて私も頑張ろう、と復活しました。秋に向けてすでにメニューを練っているそう、また行かねばなりませんね‼︎
2022/08/18 更新
友人の誕生祝いで食事会を企画することになったものの、土地勘のあまりない横浜でお店を探すのは大変だな…と弱気になっていたら、先方から和食が良いとのリクエストをいただきました。それならば前回伺ってとてもよかったこちらに即決、今は予約が取りづらくなっているみたいで夜の後半しか取れませんでした。でも行ってよかったお店が人気店になるのは、嬉しいことですね(^ ^)
予約したのはコースの中で最強のコスパと密かに認定している 上おまかせコース 12000円 です。内容は前回と変わりませんが、季節や仕入れで日々変わるので楽しみです。
・前菜盛り合わせ
・御造り
・焼物
・蒸物
・小鉢
・握り8貫
・小丼
・巻物
・香の物
・留椀
・甘味
店の扉を開けて名前を告げると、大将は覚えていてくださり、カウンター席の真ん中の特等席に案内されました。ドリンクは日本酒を料理に合うものを大将に選んでいただくことにし、いよいよスタートです。
前菜は5種盛合せ、宮城産の牡蠣、いくらのポテトサラダ、鮭の石狩漬け、あん肝の赤味噌和え、西洋ワサビで漬けたたらこです。前回も演出された前菜で驚かされましたが、今回はその内容の高さで驚きました。牡蠣はローズソルトとマイルドなポン酢で、ポテトサラダはまさかの食べる辣油がいくらとの間に挟んでいてパンチのあるものに、石狩漬けは銀鮭のねっとりしたテイストが豪華、あん肝はまさにレバーペーストで目から鱗のおいしさ、西洋ワサビで漬けたたらこはシャープなテイストで、たらこ一粒一粒の旨みが際立ったシンプルなのに忘れることのできない味でした。どの料理も以前より素材を活かしたものになっていて一品ごとの存在感がただものではない盛合せでした。ただこの前菜だけでお酒がグッと進んでしまうのが問題ですねσ(^_^;)
前半の握りはキタニ水産のアイルランド産の中トロから始まります。口の中で自然にとろける中トロは大トロといっても良いくらい脂が乗っていて至福の一瞬でした。千葉県産の鯵の薬味はおろした生姜のみ、熟成させた身厚な鯵の独特な風味をストレートに表現していました。続く熟成真鯛はローズソルトで、アイルランド産赤海老の炙りは香ばしさと甘味の波状攻撃で瞬殺でした。
次は焼き物です。脂の乗ったヒラマサとネギとししとうを塩焼きにしたものを柚子胡椒でいただくのです。この柚子胡椒が素晴らしく美味しく、これだけでお酒が飲めそうσ(^_^;)
お造りは氷を敷き詰めた黒い皿にブリのたたきと水だこが盛られていて、まるで雪の中の風景を切り取ったような美しい一品、水だこは生姜でも楽しめるようにしつらえてあり、大将のこだわりを感じます。
小鉢は水だこの菊花酢、タコの食感と風味も良いのですが、なんといっても沖縄産のもずくが最高、二杯酢も本当に美味しい‼︎
次は茶碗蒸し、この日は白子となめこの茶碗蒸しでした。なめこの香りが出汁に負けずに香りのコラボをしているのがすごいです。
後半の握りはひらめの昆布締めから始まりました。ヒラメはローズソルトのパウダーで締め、荒挽きのロースソルトをつけていただくのですが、香りが高いひらめを締めたことで旨みが凝縮し、魚の持つ魅力を余すことなく引き出した大将の力量に脱帽です。アイルランド産鮪の赤身は漬けではなく煮切りでいただくもので、漬けでない分旨味と肉々しさが際立ちごまかしの効かない旨さが素晴らしい‼︎そしてズワイガニの軍艦です。こんもりと小山のように盛られたずわい蟹の下にはいくらがぎっしり詰めてあり、なんという豪華な軍艦なのでしょう‼︎いくらと蟹はお互いの味と風味を邪魔しない量と配分も流石です。最後は北海道産のバフンウニ、甘くて濃くてほっぺたが落ちるほど美味しいとはまさにこのことでしょう(^ ^)
巻物は大将のオハコの鉄火牛蒡、トロタクではないところにこだわりを感じます。赤出汁はふわりとしたすりおろしの山芋が優しい口当たり、今やこちらの名物となったザーサイの漬物と共に食事が終わりました。
水菓子は苺のアイスクリーム、濃厚そうに見えますがふわふわ感のある軽めのもので、温かい日本茶と共に和食の最後を締めるのにぴったりな水菓子でした。
今回のコースで感じたのは、魚そのものの良さをグッと前面に引き出したものが多かったことです。大将曰く、冬は魚が美味しくなる季節だから敢えて細工を抑えたとのこと、熟成、仕込みの手間はさらにかかると思われますが、その成果は確実に料理に現れていました。
今年は31日までずっと営業、お正月も1日から営業だそうで、人気店になって私もとても嬉しい‼︎ 大将、板さん、ホールスタッフの皆さんの連携もスムーズで、安定したオペレーションにも磨きがかかっていました。頭の中はすでに春に向けての企画が始まっていることでしょう。また季節を変えて伺いたいものです。