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夜の点数:5.0
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¥8,000~¥9,999 / 1人
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料理・味 5.0
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|サービス 5.0
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[ 料理・味5.0
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「本当の江戸趣味」
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2025/10/08 更新
平日の16時半、北海道旅行の最後の食事。初めこそ貸切だったが、仕舞にはカウンターがほぼ埋まる。そうした客層に好まれる札幌の名店なので、地の利の悪さはハンディではなく、観光客に荒らされぬバリア。
16貫のおまかせは、以下のとおり(一々撮影なんて野暮はしないので順ではない)
鯛、鱸塩締め、縞鰺、鰤炙り、秋刀魚、鰹燻製、鮪赤身ヅケ、鮪中トロ炙り、帆立、北寄貝ヒモ、烏賊三升、穴子蒸し、甘海老スペシャリテ、イクラ、卵焼き、干瓢巻
道産だけでなく各地から仕入れた旬のネタは、丁寧な江戸趣味(当店では江藤寿司の仕事をこう称す)で一段も二段も上の味に昇華される。
例えば、炙りと云っても、極一部だけサッとだけなので、旨味がむしろ凝縮され、中トロなぞレアステーキのような美味が口中に広がる。
圧巻は終盤。ネタ台で目を引く北寄貝はヒモだけで食わせ、続いてフワリと自然に蕩ける絶妙の蒸し具合の穴子の後に、スペシャリテの甘海老。これは、甘海老の握りの後に甘海老の頭の塩辛ソースをネタなし海苔巻きに吸わせていただくもの。ここで玉でインターバルの後に、干瓢巻で仕舞。この干瓢巻が上質の干瓢を丁寧に似て得も言われぬ歯ごたえと旨さ。この流れでの干瓢巻を出す店とそれを莞爾とする客だけの美食の秘め事。
とはいえ、収まらぬ食欲に、北寄貝、ツブ貝をいただく。北寄貝の旨さは言わずもがなだが、ツブ貝はほぼ何も仕事なしに実に妙なる柔らかさから旨味が溢れる。たまらんですの表情に本日の担当の親方(客の少ない時間の特権で親方貸切)が鮑の話題を振るからもう止まらない。締めに蝦夷鮑で北海道の旅も大団円。
カネの話は野暮だが、観光客好みの高級ネタに流されない、都内でもそうそうない昔気質+今様進化系を兼ね備えた江戸趣味を、親方貸切でゆるりといただいて、一人一万円しないのは、札幌でも稀。
是非、カウンターの予約をして、足を伸ばしていただきたい。